金正恩政権13年間で358人処刑、7割が「公開」 韓国ドラマ・音楽の視聴で執行も

【ソウル=石川有紀】2011年に発足した北朝鮮の金正恩政権が、24年までの13年間に少なくとも136回、計358人の処刑を行っていたとの報告書が28日、公表された。うち7割超を市民らに公開していた。新型コロナウイルス禍で国境封鎖が行われた時期には、北朝鮮当局が禁止する韓国ドラマや音楽などの視聴に関する罪による死刑執行が急増したという。

脱北265人の証言とメディア情報分析

韓国の国際人権団体「転換期正義ワーキンググループ(TJWG)」が、金正恩政権期に脱北した265人の証言と北朝鮮内部に情報源を持つ5つのメディアの情報を分析した。

報告書によると、11年12月~24年12月に136件の死刑執行が確認され、96・4%が銃殺刑だった。処刑人数が突出しているのは政権発足初期の12~14年とコロナ禍にあたる20、21年で、この5年間で計268人が犠牲になった。

北朝鮮は20年以降、相次いで新法を制定し、韓国を含む外国のコンテンツの視聴を禁止するなど内部統制を強化した。20年1月の国境封鎖前後5年間を比較すると、外国文化や情報に関する罪で死刑を宣告された人が7人から38人に急増していた。

恐怖植え付け…執行に市民動員

処刑場は全国46カ所にあり、首都平壌とその近郊に12カ所が集中している。北朝鮮は原則的に死刑は非公開で執行すると主張しているが、調査では公開処刑が72・8%に上った。人々に恐怖を植え付ける狙いがあり、執行の際に一般市民を動員したり、所属組織など特定集団を集めたりするケースがあるとした。

TJWGは「北朝鮮の人道に対する罪を抑止し処罰するため、国際社会は法に基づく責任追及を進めるべきだ」と訴えている。

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