市民らの寄付3千万円超で新救急車、地域の救世主に 埼玉の医療機関
配信
埼玉県北本市の救急医療機関「北里大学メディカルセンター」で25日、新たな救急車のお披露目式があった。全国的に救急車の需要が逼迫(ひっぱく)し、多くの病院が厳しい財政事情にあるなか、同センターが老朽化した救急車を買い替えるためのクラウドファンディング(CF)を呼びかけた結果、地元市民らが寄付した約3300万円で購入したものだ。 センターの阿古潤哉病院長は式のあいさつで「『親族が救急車にお世話になったから』という声もいただいた。新たな救急車は地域の共有財産です」と謝意を述べた。 高齢化などで、消防署からの救急車の出動件数は増加しており、全国的に救急車が足りないという。総務省消防庁によると、昨年1年間の全国の救急出動件数は768万6235件(速報値)。過去最多だった前年より微減だったものの、出動件数は依然として高止まりしている。 こうした事態にメディカルセンターは昨年、消防からの救急車出動を後方支援するため、センター所有の救急車で出向く「お迎え搬送」を始めた。ただ、当時の救急車は21年間走り続けて老朽化し、更新する必要があった。 そこでホームページなどを通じ、昨年7~9月にCFを呼びかけた。一般市民や企業・団体の代表ら437人から、当初目標額の2300万円を大きく上回る3342万767円が集まった。目標額を超えたことで、負担なく人を運べる電動ストレッチャーなども車内に装備することができたという。 センターの田村智・救急科副部長は「今回のクラファンで、地域の方々と顔の見える関係も作ることができた。今後も消防の救急車の逼迫を何とか抑えながら、この救急車が地域との架け橋となるようにしたい」と話した。21年間走った救急車は24日で引退し、新救急車は来週から稼働するという。(稲垣直人)
朝日新聞社
- 30
- 47
- 22