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楠木ともりの「ドラケン」「スクラッチメン・アプー」などと称された奇抜な髪型が再び話題になっています。当時の彼女は、ラブライブで可愛らしい衣装を着てアイドル的な振る舞いをする一方で、個人のソロ活動では一転して「意識の高いアーティスト」の顔を気取っていました。 後のインタビューでは「アイドル表現には興味がなかった」「本当にやりたいのは今のアーティスト活動だ」と公言するほどです。しかし、その関連商品販促はサイン会を条件にCDを複数購入させるという、アイドルオタク的なファン層に依存する形をとっていました。どれだけ偉大なる航路を見据えても、話題になるのはラブライブで可愛く振る舞ったときだけであり、結局のところ彼女はオタクの財布に依存する「アイドル声優」という最弱の海を出ていなかったのです。 しかし、よほど「アイドル扱い」される現実が不服だったのでしょう。可愛い衣装への葛藤を隠しきれなくなった彼女は、2021年頃からオタクの求めるアイドル像に反発するかのように、個人活動で奇抜な衣装やメイク、髪型を乱発するようになります。その迷走の究極系こそが、2022年の「スクラッチメン・アプー」ヘアでした。ちょうどこの時期はチェンソーマンのマキマ役に内定しており、彼女の中では「媚びを売るだけのアイドル声優」から「実力派の本格声優」へと見事に羽化を遂げた、新世界入りを告げる輝かしい絶頂期だったに違いありません。 その少し後にはラブライブ虹ヶ咲からの降板までもが発表されています。直近のソロライブで2時間もの間ステージで歌い、元気に跳ね回っていた彼女の姿を見れば、ただでさえ活動頻度の少ない虹ヶ咲において、どうしても降板しなければならないほどの切実な状態だったとは到底思えません。彼女としては、どれだけ実力派を気取っても結局は「アイドル声優」として消費される現実が我慢ならず、その象徴であるコンテンツから一刻も早く決別したかったのかもしれません。それに何より、ラブライブ声優のままでは、26歳という若さで愛する彼氏と結婚するという、甘い人生計画すら叶わなかったことでしょう。 しかし、脱アイドルを試みた彼女を待ち構えていたのは、残酷な現実でした。意気揚々と臨んだチェンソーマン1期はネット上で凄惨な批判を浴び、円盤セールスも低調で「爆死」と揶揄され、一時期は触れてはならない黒歴史と化してしまいました。目論見は無惨に打ち砕かれ、あの「スクラッチメン・アプー」が嘘だったかのように髪色を暗く染め直し、かつてあれほど嫌悪していたはずの「アイドル声優」の安全圏へと這い戻ってきたのです。その後のオンラインサイン会では「爆死請負人扱いされるのが辛い、なんでみんな擁護してくれないのか」のようなことを言いながら涙を流していました。 さらには、ネット中で揶揄されることが目に見えていたチェンソーマンのイベントは逃亡するかのように欠席し、SNSの更新すら止めて1ヶ月もの間、表舞台から姿を消してしまったのです。(建前上はコロナ休みでしたが、すぐ復帰してサイン会をやった後、また長期休業という不可解な休み方をしていました) 傷心のヒロインを気取ったその空白の1ヶ月間。しかし彼女には、後に伴侶となる学生時代からの彼氏という「最後の島」がありました。ネットの冷たい嘲笑から耳を塞ぎ、熱い吐息に溺れていれば、都合の悪い仕事のことなどすぐに忘れられるはずです。思えば、事前の告知もなく仕事を放り出し、プロセカ等の作品に迷惑をかけた「3ヶ月の充電期間」に象徴される彼女の逃げ癖は、この歴史から消された「空白の1ヶ月」から明確な片鱗を見せていたと言えるでしょう。 実力派気取りが頓挫すれば毛嫌いしていたはずのアイドル売りに回帰し、今となっては結婚すら黒歴史化して無垢なアイドル声優を演じ続ける。この見事なまでの芯の無さと、ファンを舐め腐った図太さ。この未来は、奇抜な髪形をしていた大海賊時代から既に約束されていたのかもしれません。
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花降る
@0mpdsr
楠木ともり(アーティストフォーム)で見た x.com/rutia_social/s…
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