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レッドカードで3人退場している状態

「イスラエルの抹殺」を国是に掲げるイランが核兵器を手にすること。これがイスラエルにとって絶対に譲れないレッドラインだ。中東情勢に詳しい国際政治学者の高橋和夫氏がこう話す。

「今回のイスラエルとイランの応酬は、'02年にイランの大規模核開発施設の建設が表面化したことから始まっています。イランは間違いなく核を軍事利用しようとするはずなので、国際社会を巻き込んでこれを潰さなければならないというのがイスラエルの一貫した姿勢です。イランの核開発が止まらない中で、'23年に大きな状況の変化がありました。パレスチナのガザ地区で起きた大規模な衝突です」

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'23年10月にガザ地区を統治するイスラム組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃を実行。その報復で、イスラエルはイランが軍事支援するハマスに壊滅的な打撃を与えた。昨秋にはレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラもイスラエルの猛攻を受け、弱体化。イランと親密だったシリアのアサド政権も昨年末に崩壊した。'24年10月には、イスラエルとイランが相互に爆撃する応酬があり、その際にイスラエルはイランの防空体制を破壊してもいる。

高橋氏が続ける。

「イスラエルの軍事専門家は現状をサッカーにたとえて、こう言っています。イランはいま、レッドカードで3人が退場している状態で、しかもゴールキーパーは負傷している。いまシュートすればゴールが決まる。だからイランの核問題を解決するのはいまがチャンスとばかりに攻撃に踏み切り、米国を巻き込んだ」

今回の攻撃の背景には、イスラエルの政治事情も密接に絡んでいる。

「イスラエルのネタニヤフ首相は自身の汚職疑惑をめぐって起訴されており、政治的求心力を維持するために、戦争を続けないといけないという国内事情があります」(前出・宮田氏)

後編記事『【緊迫の中東情勢】核開発再開でトランプはもう一度イランを爆撃する』へ続く。

「週刊現代」2025年07月21日号より

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