委員3人が据え置きに反対、植田体制で初 日銀の利上げ見送り

金融政策決定会合後に記者会見する日銀の植田和男総裁=東京都中央区で2026年4月28日午後3時31分、小林努撮影
金融政策決定会合後に記者会見する日銀の植田和男総裁=東京都中央区で2026年4月28日午後3時31分、小林努撮影

 日銀は28日の金融政策決定会合で、3会合連続で利上げを見送り、政策金利を現行の0・75%程度に据え置くと決めた。米国とイランの停戦交渉の先行きが不透明な中、原油高が物価を押し上げる一方で、景気に下押し圧力を加える懸念があり、影響を更に見極める必要があると判断した。

 正副総裁を含む政策委員9人のうち中川順子、高田創、田村直樹の3氏が据え置きに反対し、物価上昇(インフレ)リスクが高いとして1・0%程度への引き上げを提案したが、反対多数で否決された。3人が反対票を投じるのは2023年4月に植田和男総裁の体制になって以来初めて。植田氏は記者会見で「深刻に受け止めないといけない」と述べた。

 据え置きを判断した理由については「中東情勢の帰趨(きすう)や経済、物価に及ぼす影響、またそのリスクが変化していくかどうかをもう少し確認したい」と述べた。ただ、原油輸送の要衝・ホルムズ海峡が封鎖されたままでも利上げの判断があり得るかについては「情勢のその先の姿がどうなっているか次第。場合によってはあり得る」と言及。必ずしも封鎖解除が利上げの条件ではないとした。

 3カ月ごとに公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、企業の価格転嫁などが進んでいるため「賃金や物価に上昇圧力がかかりやすくなっている」としてインフレリスクを強調した。26年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)上昇率の見通しは前年度比2・8%とし、1月公表の1・9%から大幅に引き上げた一方、実質国内総生産(GDP)成長率は1・0%から0・5%に下方修正した。ただ、日銀が目指す2%の物価安定目標の実現時期については「26年度後半から27年度」との見通しを維持した。【高田奈実】

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