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漫画家の喜び、作品を読者と共有できるー広く繋がるか、深く繋がるか

なぜマンガを描いているのか
売れたいから?描きたいから?有名になりたいから?
チヤホヤされたいから?

こんにちは。
純粋に「描きたいから」漫画を描いている、個人漫画家のポルリンです。

先日「読むと頭がよくなる漫画を教えて」
というポストがあったので自画自賛的に自分の漫画
『不愛想なカフェ店員に恋する話』
と言ってみたところ、読者の方からこのような引用をいただきました。

少し言葉選びは強いかもしれませんが、この文章を見た時
「あぁ、自分がやってきたことはちゃんと伝わっていたんだ」
と胸の奥で静かに嬉しくなりました。

noteでも「商業ではできない漫画」として紹介している作品です。

■ 商業で感じた違和感──「描きたいもの」との距離

商業漫画を描いていた頃、
「商業とは“最大公約数を狙う場所”なんだ」
ということを身をもって理解しました。

もちろん商業には商業の良さがあります。
けれど私は、

  • 自分の信念

  • 表現したいテーマ

  • 伝えたいメッセージ

を大切にしたかったため、そこに少し距離を感じるようになりました。

そこで選んだのが個人で漫画を描く道です。
そして生まれたのが、『不愛想なカフェ店員に恋する話』でした。

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漫画の冒頭ですが、この「ラッキースケベ」というものに男性向け商業恋愛漫画はよくよくお世話になっていたと思います。しかしこの漫画はそれが最大のネックである展開になっていきます。

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商業作品では、この流れはなかなか採用されにくい部分だと思います。
読者が気持ちよく読める展開が重視されるため、「思い通りにならない展開」や「気が強い女性キャラ」は受け入れられにくいケースが多いと言われてきました。

当時は特に、
「創作の世界くらい楽しく読ませてほしい」
という空気が強く、私が新人賞を受賞した頃も、担当編集さんから
「もっと誰でも理解できる、簡単な漫画を描いてほしい」
と言われたことがあります。
それだけ“わかりやすさ”が重視されていた時代でした。

一方で、『不愛想なカフェ店員に恋する話』はその真逆を目指しています。

エンタメ性はしっかり残しながらも、
これまで漫画の中で都合よく描かれてきた恋愛観に、そっとメスを入れること
をテーマにしました。

そのため、

  • ヒロインと距離が縮まるまでが長い

  • 魅力的なキャラが登場しても「都合よく仲良くなる」展開がない

  • いわゆる“ハーレム的な状態”をつくらない

といった構造になっています。

「恋愛は便利に進まない」
「自分が変わらなければ物語も動かない」

というテーマを、漫画というエンタメ媒体の中で丁寧に描く。
それがこの作品の柱になっています。

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■ エンタメを残しつつ、そっと“本当のテーマ”を提示する

いきなり「昔の恋愛観は間違っている!」と突きつければ、誰も読んでくれません。

大切なのは、

  • エンタメ性を残す

  • 少しずつ気付けるようにする

  • 読者が読んでいく中で“自然と理解していく”流れをつくる

というバランスでした。

だからこの漫画では、
ヒロインと距離が縮まるまでが長く、
別のキャラと都合よく仲良くなる“ハーレム的展開”もありません。


■ テーマは「変わるのは自分」

多くの漫画は、
「環境が変われば物語も動く」
という構造が一般的ですが、

この作品は逆で、
「自分が変わらなければ、周りも変わらない」
というテーマになっています。

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この子は主人公の妹なのですが、妹と仲が悪い、ツンツンしている、という設定はよくあると思いますが、理由なく仲良くなることが多いです。
それは「仲が悪くなった原因に気付いていない」だけです。
ここは結構物語のふるい落としになってしまった点だったと思うのですが、妹の兄をとにかく毛嫌いしている点がきついと感じてしまう読者がいらっしゃいました。ちょっと早めに踏み込みすぎたかなとも思いましたが、ここがおそらく従来の作品と違うところだったと思います。
妹はあくまで妹、登場キャラではありますが家族なんです。家族なんですから話し合ってない点はわだかまりがあるのが当然です、意味なく、理由なく、というのはなくはないと思いますが、それは深掘りしてないことが多い気がしています。

というように問題と、恋愛とエンタメをバランスよく融合させて、深い読解力を必要とするのがこのマンガとなっています。

■ 作品は“作者と読者で完成する”

今回いただいた感想をきっかけに、
私はひとつの喜びに辿り着きました。

作品とは、著者と読者が一緒につくるもの。

どれほど作品を描いても、読んでくれる人がいなければ成立しません。
そして、読み続けてくれる限り、作品は生き続けます。

商業で多くの人に読まれることも大切ですが、
個人制作で深く理解してくれる読者と歩む道も、
とても豊かで幸せなものだと、今ならはっきり言えます。

これからも丁寧に、
作品と読者に向き合いながら描いていきたいと思います。
素敵な感想を本当にありがとうございました。

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