自由求めるイラン人団体、イスラエル大使館前で集会 終戦より…米国と共に攻撃「続けて」

母国の自由を求める在日イラン人団体の集会=4月26日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

イランの現体制に反対する「母国の自由を求める在日イラン人団体」は26日、在日本イスラエル大使館(東京都千代田区)前で集会を開き、イスラエルと米国によるイラン攻撃を支持し、謝意を表明した。米イランの間には交戦終結に向けた協議の再開を模索する動きがあるが、1979年に王制が崩壊しイスラム教シーア派の革命体制となってから抑圧と弾圧が続いているとして、体制転換による自由を求めて、米イスラエルによる攻撃の継続を求める声が上がった。

イスラエルが助けに来なければ…

イランでは昨年末から今年1月にかけて各地で反政府デモが発生し、参加者のうち3万人超が殺害されたと報じられている。これを受けて欧州連合(EU)は、イラン革命防衛隊をテロ組織に指定した。また、米イスラエルによるイラン攻撃の開始後、反政府デモに参加した人たちの死刑執行が相次いでいるとの情報もある。

イラン国内はインターネットがほぼ遮断されており、現地から発信される情報は断片的だ。在日本イスラエル大使館の前に26日集ったイラン人らは、限られた情報を頼りに苦境を訴えた。

母国の自由を求める在日イラン人団体の集会=4月26日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

中心メンバーのガディリ・サラルさんは「停戦後もイスラム共和国による弾圧、強姦、拷問が止まらない。スポーツ選手、医者、看護師、10代の子供にまで死刑判決や抑圧は止まらない」と主張し、「イスラエルが助けに来なければ、イラン国民が自由のために払っている犠牲はさらに大きなものになっていた」と訴えた。

イランでの1月の反政府デモ鎮圧については「7万人以上、われわれの若者が殺された。それを助けに来てくれたのがイスラエルと米国だ」と語り、「日本のメディアはそれをすべて隠蔽し、逆のことを延々と報道している。なぜ民主的な国の日本が、われわれの声を隠蔽し、テロ組織であるイスラム共和国と外交を続けているのか。世界平和を叫ぶならば、イスラム共和国を非難すべきだ」と強調した。

攻撃を続けてほしい

別の男性は、「イラン人=イスラム教徒」とみられがちな風潮に反発した。「イラン人はイスラム教ではない。誇り高いペルシャ人だ」と訴えた。

デモに参加したオザヒ・ダラさんは産経新聞の取材に、交戦終結に向けた協議の再開に備え、停戦が続く状況に関して「なぜ攻撃が止まっているのか。攻撃を続けてほしい」と訴えた。それが「イラン国民の思いだ」と強調し、「私たちは『この政府は要らない』と腹をくくっている。(イスラム共和体制の抑圧から)助けてくれる存在は何でも受け入れる。それをやってくれたのが(米大統領の)トランプと(イスラエル首相の)ネタニヤフだ」と語った。

母国の自由を求める在日イラン人団体の集会=4月26日午後、東京都千代田区(奥原慎平撮影)

自由を求めるイラン国民は犠牲か

一方で、早期の交戦終結を願うデモ活動も日本各地で行われ、総じてメディアの注目度も高い。

こうした状況について、日本で暮らして数十年というイラン人女性は、イラン治安当局の取り締まりや拷問の残虐性は「人間の一線を超えている」と憤り、「日本で『No war No War』と騒いでいる数万人」の姿勢を疑問視。「たまには平和のため、Warは必要だ」と主張した。

米イスラエルへの抗議デモに参加する人たちに対し、「あなたたちはイランのことを知っているのかと言いたい。いま停戦となってイラン人はハラハラしている。私たちはレジーム・チェンジ(体制転換)まで行きたい」と強調。「日本人は石油の値段が上がったなど自分たちのことしか考えていない。私たちの国民は犠牲にするのか」と訴えた。

女性との電話で、イラン在住の知人は「イスラエルと米国の爆弾で死んだ方がましだ」と語ったという。

こうしたイラン人たちの声を一定程度示す世論調査もある。昨年9月の時点でオランダの研究機関がイラン全土の3万人を対象に実施した世論調査で、イスラム共和体制の転換、構造転換を求める声は計62・5%に上っていた。この調査は昨年6月のイスラエルによる対イラン攻撃を受けて実施されたもので、体制・構造転換を求める声は前年比6ポイント増えていた。(奥原慎平)

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