チョイさんの沖縄日記

辺野古新基地建設問題等、沖縄の現状を考える!(文責:北上田 毅)

2月17日、大浦湾土質調査の公文書開示決定期限を1年8ケ月も延長したことの違法確認を求めた訴訟で敗訴。ただ、一部について、「決して好ましいものとはいえない」とも判示しており、防衛局の対応が全て認められたのではない!

 デニー知事が、辺野古の設計変更申請を不承認したのは、大浦湾の軟弱地盤部(B27)地点でのボーリング試験を行っていないことが最大の理由でした。国は代執行で、そうした問題に答えることなく、工事を強行していますが、一昨年8月から半年間ほど、大浦湾の軟弱地盤部でボーリング試験を実施しました。地盤の強度にやはり確信を持てなかったのでしょう。
 ところがこの土質調査文書の公文書公開請求をしたところ、防衛局は開示決定期限をなんと1年8ケ月も延期してしまいました。地盤の強度をめぐる問題が再燃することを避けるために、土質調査結果の開示を大幅に遅らせ、それまでに工事を進め、既成事実を積み重ねようとしているのでしょう。許されません。
 そのため私は、開示決定期限の大幅延長は違法として、速やかに開示を求める訴訟を那覇地裁に提訴しました。

 

 5回の口頭弁論を経て、昨日(2月17日・火)、判決が言い渡されました。

 残念ながら敗訴判決でした。裁判長の口頭弁論での訴訟指揮は、被告・国の審理引き延ばし策を許さない毅然としたものでしたから、「あるいは?」という淡い期待も持っていたのですが、やはり残念です。判決公判には多くの方々が傍聴に来られ、原告一部勝訴という事態に備えたのか、テレビ会社のスタッフ等も多く待機していました。多くのご支援をいただきながら、皆さんのご期待に応えることが出来ず、申し訳ありません。

 完全敗訴判決ですが、原告が主張していたいくつかの問題点について、「決して好ましいものとはいえない」と判示しました。防衛局の公文書公開請求への対応の問題点については、裁判長も一部、認めざるを得なかったのです。防衛局のやり方が全て認められたわけではありません。

 今後も、国民の知る権利の一環としての公文書公開制度の趣旨をないがしろにする国・防衛局の対応を許さず、その改善を求めていきたいと思います。

 

 

 

 

 

総選挙は自民党が圧勝したが、辺野古新基地建設の工事の遅れ(破綻)はますます深刻になっている! 「強行しても完成は不可能」(その1)

 先の衆院選挙では自民党が圧勝し、沖縄の4つの選挙区も全て自民党議員が勝利してしまった。辺野古新基地建設反対運動も正念場を迎えようとしている。

 しかし、今日の「しんぶん赤旗」も報じているように、「総選挙で自民党が圧勝しても、破綻した新基地建設の実態が消えたわけではなく、矛盾はいっそう拡大している」、「強行しても完成は不可能」なのだ。工事の遅れは深刻である。

 以下、同紙記事を補足しながら、辺野古新基地建設工事の破綻について説明する。

 (埋立土砂の投入遅れについては、後日、説明する。)

 

 

*地盤改良工事の砂杭打設

 地盤改良のための砂杭打設は、昨年6月10日から12月18日まで、6隻の作業船が「気象条件」等を理由に大浦湾を離れ、6ケ月以上も工事は中断した。

 地盤改良工事の砂杭は約47,000本打設が必要だが、昨年6月10日までの砂杭打設本数は約2900本、再開後、昨年末までの打設本数は約90本で、総本数はまだ約3000本にすぎない(「赤旗」は、砂杭の打設本数は、再開後、半減したと報じている)。このペースでは、47,000本の打設には、14年4ケ月を要することになる。

 サンドコンパクションパイル(SCP)工法はケーソン護岸の基礎地盤改良のために実施されるが、地盤改良工事終了後、基礎捨石投下、ケーソン設置、中詰材投入、上部コンクリート工、裏込材投下、埋立工と続いていく。辺野古新基地建設のための工事期間は9年3ケ月とされているが、地盤改良工事がこのように遅れている現状では、今のペースではいったい何時までかかるのか、見当もつかない。

 

 

*A護岸工

 大浦湾最奥部のA護岸工は、二重に鋼管を打ち込み、その間に中詰材を入れて護岸とするものだが、鋼管の打設も大幅に遅れている。

 沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会の報告書には、各工事の施工状況を示す写真が掲載されている。公文書公開請求で入手した「シュワブ(R5)A護岸新設等工事」の平面図と照合すると、各時点の鋼管打設本数が読み取れる。本年1月20日時点では、390本の鋼管が打設されているが、鋼管の総本数は約1000本なので、全て打設するまでには、3年8ケ月を要することになる。

 すでに発注された「シュワブ(R7)A護岸新設等工事」(1工区)は、鋼管打設後の中詰材投下、上部コンクリート工等の工事だが、工期は2年9ケ月で契約されている。すなわち、A護岸工の完成には、現状では6年半を要することとなる(設計変更申請書では、「中詰材の沈下対策として、必要な個所に地盤改良(サンドドレーン工法)を行う」とされており、さらに工期は延びる)。

 

 

 地盤改良のための砂杭打設、そしてA護岸工だけを見ても、辺野古新基地建設工事の遅れは著しい。設計変更申請書では、工事期間は「9年3ケ月」(米軍への引き渡し終了まで12年)とされているが、現状では、何時、完成するのか、全く見通せない状況となっている。事業はすでに破綻しているといわざるを得ない。 

 まさに、「強行しても完成は不可能」(2026.2.14 赤旗)なのだ。

 

 

              2026.2.14  しんぶん赤旗

8日の衆議院選挙、辺野古新基地建設を阻止するために、オール沖縄が推す候補者(赤嶺政賢さん、新垣邦男さん、屋良朝博さん)、そして近藤昭一さん(愛知3区)を落としてはならない!

 衆議院選挙の情勢、「自民・維新が300議席を超える」という報道に呆然としている。

 沖縄でも、辺野古新基地建設反対を掲げる候補者が、自民党の候補者と激戦だという。もう、投開票日まで2日しかないが、なんとしても、辺野古新基地建設に反対する候補者の勝利を勝ち取りたい。

 そんな中で、辺野古新基地建設問題についての防衛省交渉・院内集会等で何度もお世話になっている近藤昭一さん(愛知3区)が危ないという連絡が入ったので驚いた。小選挙区での勝利を続け、圧倒的に強い方だと安心していたのだが、今回の「高市旋風」は、想像以上に凄まじいようだ。オール沖縄会議の推す候補者と同様に、辺野古新基地建設を阻止するためにも、近藤昭一さんを落とすわけにはいかない。

 

<参考>菱山南帆子さんが、Xに下記のような投稿をされている。共感する人も多いようだ。

 

中道なんて大嫌いだ。なんだよ、中道って。と、今でも思う。安保法制とか原地発とか改憲とか繋がっていた唯一の項目を信頼ごと裏切った。 そんな裏切り者の新党なんて失敗すればいいとも思っていた… しかし、愛知3区の近藤昭一さんが落選危機という連絡が入り青ざめた。 近藤昭一さんは立憲民主党内にあるサンクチュアリの会長だ。サンクチュアリは簡単に言えば立憲内の左派のアンカーのような存在だ。 その近藤さんが落選するということは選挙後の国会の中の左右のパワーバランスが大きく崩れると言うことだ。 なんで中道なんか行くんだよ!バカ!と思いながらも仲間だから、候補者が中道しかいないから…渋々応援せざるを得ない状況である。 近藤昭一さんの選挙区には共産党さんも立候補されているので尚更私は沈黙していた。 だって共産党さんにも頑張ってもらわなきゃ困るから。 それに近藤さんは小選挙区強いから大丈夫でしょ!って安心した気持ちもあった。 がしかし、状況は変わったようだ。長年左派のアンカーとして立憲内に存在していた人を失うのはかなりやばい。 本当になんてことになったんだ。 言いたいことは沢山あるよ、近藤さん。でもそれは国会に戻ってから。

2月4日、宮城秋乃さん、清水暁さんらの沖縄県警による違法家宅捜索・差押の責任を問う国賠訴訟の第1回口頭弁論を傍聴

  昨日(2月4日・水)、那覇地裁で、東村高江在住のチョウ類研究者・宮城秋乃さんと、「ヘリパッドいらない住民の会」の清水暁さんが、沖縄県警の不当捜索を違法として県を相手に損害賠償を求めた国賠訴訟の第1回口頭弁論を傍聴しました。

 宮城秋乃さんは2022年12月、北部訓練場のN1ゲート付近の県道70号で、武装して行軍していた米軍に抗議しました。また、清水さんは離れた場所から宮城さんの抗議行動を撮影していたにすぎません。

 ところが2023年3月15日、宮城さん、清水さんの自宅を、「窃盗未遂及び刑特法違反」容疑で、捜索差押を行い、パソコンや携帯電話等を差し押さえたのです。米兵らの行軍があった日から3か月以上経過しており、また事前に、任意の事情聴取や資料提出の打診などもないままの突然の強制手続きであり、許せません(その後、2人とも不起訴になったのは当然です)。

 昨年8月、キャンプシュワブの老朽化したフェンスを破損したとの口実で行った目取真俊さん宅の家宅捜索・差押もそうですが、反対運動の弾圧を目的とした違法な公権力の行使が続いています。今回の宮城さん、清水さんの国賠訴訟は、市民の抗議行動に対して、警察が弾圧目的で行った強制捜査の違法性・不当性を問う重要な裁判です。全力で支援しましょう。

 

 訴訟費用の寄付を下記口座にお願いします。

 沖縄銀行名護支店 普通1857815 「やんばる応援団」

 

       (2月4日 口頭弁論後の報告集会)

 

大浦湾最奥部の護岸工(A護岸工)も大きく遅れている --- 公文書公開請求と防衛局資料より、現在の鋼管矢板打設本数はまだ390本にすぎないことが判明

 国は、「辺野古新基地建設事業の工事は順調に進んでいる」と強調するが、実際には工事は難航し、大きく遅れている。昨年1月からは6隻のサンドコンパクション船による地盤改良工事に着手したが、作業船が半年以上にわたって、「気象条件」等を理由に大浦湾を離れるなど、設計変更申請書で示していた工程は、すでに完全に破綻してしまっている。

 大浦湾の深場の外周護岸(軟弱地盤部)は大型ケーソンを並べる護岸だが、その北側(大浦湾の最北部)には、二重に鋼管矢板(杭)を打設し、その間に中詰材を投入するA護岸が造成される。このA護岸の鋼管矢板打設は、一昨年7月3日に試験杭を打設し、8月20日から本格工事が始まった。

  本年1月29日、沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会の資料がWEBで公開されたが、そこにA護岸工をはじめ、各工事の1月20日時点の進捗状況の写真が掲載されている

 私は2024年8月、辺野古の13件の工事の特記仕様書等を公文書公開請求していたが、開示決定を1年4ケ月も延期され、今年1月初めにやっと公開された。写真と、「シュワブ(R5)A護岸新設等工事」の平面図を照合すると、1月20日時点の鋼管矢板の本数は、390本であることが判明した。

 昨年10月28日の環境監視等委員会の資料でも、10月23日時点のA護岸工の鋼管矢板打設状況の写真から、打設本数は330本であると試算できた(末尾新聞記事参照)。2024年8月から昨年10月までは、月当り23.5本を打設していたが、その後の3ケ月は月当り20本しか打設できていない。鋼管矢板の総本数は約1000本であるから、このペースでは、鋼管矢板打設だけで約44か月を要することになる。

 

 設計変更申請書では、A護岸工の施工期間は46か月(3年10か月)とされている。鋼管矢板打設後、二重の鋼管矢板の間に中詰材(海砂)を投入して締固め、上部コンクリート工で仕上げなければならない(さらに、設計変更申請書には、「A護岸については、中詰材の沈下対策として、必要な個所に地盤改良(サンドドレーン工法)を行う」ともされている。この地盤改良工事にもかなりの期間を要するだろう)。

 昨年契約を終えた「シュワブ(R7)A護岸等新設工事」は、中詰材、上部コンクリート工等の上部工に関するものだが、工期は3年近い。現状のように、鋼管矢板打設だけで44か月も要すれば、A護岸工の施工期間は、設計変更申請書の46か月を大きく超えることは明らかである。

 

 地盤改良工事の深刻な遅れだけではなく、A護岸工の遅れも深刻である。

 

 

平面図は、本年1月に開示された「シュワブ(R5)A護岸新設工事」の特記仕様書より。

 

25.11.1 琉球新報



 

浜岡原発「基準地震動」の不正データ算出の疑いが指摘されているコンサルは、辺野古新基地建設事業の設計にも関与している! --- 従来から、地震動の過小評価が指摘されてきたが、改めて耐震設計の見直しを!

 浜岡原発の再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で、中部電力が、耐震設計の基準となる「基準地震動」の評価が過小となるよう、データーを意図的に操作する、「捏造」「改ざん」があったことが明らかになった。原発の安全審査の根幹が問われる深刻な問題である(不正の内容は、下の毎日新聞(2026.1.6)を参照されたい)。

 

 日本共産党の発表によると、3社のコンサル業者がデータ算出の委託を受けている(赤旗 2026.1.21)。しかも、伊方原発を除く11原発の再稼働申請の全てで、この3社のいずれかが地質調査に関わっているという。浜岡原発の再稼働を中止させることは当然だが、他の原発についても、同様の不正がないか、厳しく見直すことが必要である。

 

 また、この問題は辺野古新基地建設事業とも関連している。

 上記赤旗報道によれば、3社のコンサル業者の一つは、「ダイヤコンサルタント」である。2023年7月、「大日本コンサルタント」と「ダイヤコンサルタント」が合併し、「大日本ダイヤコンサルタント」と社名変更した。

 辺野古新基地建設事業の設計・検討・監理業務は、日本工営を中心としたコンサル会社の共同企業体で受注しているが、2017年度、2019年度の「シュワブ統括業務監理業務」、2020年度、2022年度の「シュワブ土木その他設計」は、「大日本コンサルタント」、そして、2023年度の「シュワブ統括業務監理業務」は「大日本ダイヤコンサルタント」が共同企業体に入っている。

 今回の不正は、原子力規制委員会も気がつかず、外部からの情報提供で初めて判明したきわめて悪質なデータ改ざんである。直接の担当技術者の個人的な不正ではなく、会社として関与していたはずである。また、コンサル業界の体質そのものも問われている。

 辺野古新基地建設事業については、当初から、耐震設計の問題点が指摘されてきた。特に、立石新潟大学名誉教授らの地質・地震学者、土木技術者等からなる「沖縄辺野古調査団」は、設計変更申請書の内容を詳細に検討し、地震動データの扱いについていくつもの問題点を指摘してきた。

 今回、浜岡原発の「基準地震動」の捏造が明らかになった以上、辺野古新基地建設事業の耐震設計でも同様の不正が行われていないかどうか、再検証しなければならない。

 

                          2026.1.6 毎日新聞

 

沖本裕司さんが亡くなってしまった! 1月24日、涙の告別式

 沖本裕司さんがとうとう亡くなってしまった。

 1月24日の告別式には、辺野古新基地反対運動、沖縄韓国民衆連帯、南京・沖縄を結ぶ会の関係者等、大勢の人たちが参列した。

 彼は、南部地区の各島ぐるみ会議のまとめ役でもあり、辺野古の工事の問題点や、南部地区の遺骨混りの土砂問題等について何回も講演に呼んでいただいた。ここ数年、体調を崩されたというので聞くと、「アスベスト被ばくによる中皮腫」と聞かされて信じられなかった。

 昨年10月には、3回目の南京平和友好訪問団の団長として訪中したばかりだった。告別式での富貴子さんの話では、2021年に病名が分かり、当時、既に「余命1年」と言われていたという。その後の頑張りには驚くほかない。

 

 それにしても、この間、辛い話ばかり続く。

 私自身も昨秋、入院・手術をしたが、その病院で、辺野古反対運動の関係者2人とばったり会って驚いた。2人とも癌が判明し、抗癌剤治療に通っているという。また、遺骨混りの土砂問題の中心だったTさんも、癌治療のために沖縄を離れてしまった。

 厳しい状況が続くが、やるべきことを続けるほかない。

 

     1月24日(土) 洪済寺(与那原町)での沖本さんの告別式