先の衆院選挙では自民党が圧勝し、沖縄の4つの選挙区も全て自民党議員が勝利してしまった。辺野古新基地建設反対運動も正念場を迎えようとしている。
しかし、今日の「しんぶん赤旗」も報じているように、「総選挙で自民党が圧勝しても、破綻した新基地建設の実態が消えたわけではなく、矛盾はいっそう拡大している」、「強行しても完成は不可能」なのだ。工事の遅れは深刻である。
以下、同紙記事を補足しながら、辺野古新基地建設工事の破綻について説明する。
(埋立土砂の投入遅れについては、後日、説明する。)
*地盤改良工事の砂杭打設
地盤改良のための砂杭打設は、昨年6月10日から12月18日まで、6隻の作業船が「気象条件」等を理由に大浦湾を離れ、6ケ月以上も工事は中断した。
地盤改良工事の砂杭は約47,000本打設が必要だが、昨年6月10日までの砂杭打設本数は約2900本、再開後、昨年末までの打設本数は約90本で、総本数はまだ約3000本にすぎない(「赤旗」は、砂杭の打設本数は、再開後、半減したと報じている)。このペースでは、47,000本の打設には、14年4ケ月を要することになる。
サンドコンパクションパイル(SCP)工法はケーソン護岸の基礎地盤改良のために実施されるが、地盤改良工事終了後、基礎捨石投下、ケーソン設置、中詰材投入、上部コンクリート工、裏込材投下、埋立工と続いていく。辺野古新基地建設のための工事期間は9年3ケ月とされているが、地盤改良工事がこのように遅れている現状では、今のペースではいったい何時までかかるのか、見当もつかない。

*A護岸工
大浦湾最奥部のA護岸工は、二重に鋼管を打ち込み、その間に中詰材を入れて護岸とするものだが、鋼管の打設も大幅に遅れている。
沖縄防衛局が設置した環境監視等委員会の報告書には、各工事の施工状況を示す写真が掲載されている。公文書公開請求で入手した「シュワブ(R5)A護岸新設等工事」の平面図と照合すると、各時点の鋼管打設本数が読み取れる。本年1月20日時点では、390本の鋼管が打設されているが、鋼管の総本数は約1000本なので、全て打設するまでには、3年8ケ月を要することになる。
すでに発注された「シュワブ(R7)A護岸新設等工事」(1工区)は、鋼管打設後の中詰材投下、上部コンクリート工等の工事だが、工期は2年9ケ月で契約されている。すなわち、A護岸工の完成には、現状では6年半を要することとなる(設計変更申請書では、「中詰材の沈下対策として、必要な個所に地盤改良(サンドドレーン工法)を行う」とされており、さらに工期は延びる)。

地盤改良のための砂杭打設、そしてA護岸工だけを見ても、辺野古新基地建設工事の遅れは著しい。設計変更申請書では、工事期間は「9年3ケ月」(米軍への引き渡し終了まで12年)とされているが、現状では、何時、完成するのか、全く見通せない状況となっている。事業はすでに破綻しているといわざるを得ない。
まさに、「強行しても完成は不可能」(2026.2.14 赤旗)なのだ。

2026.2.14 しんぶん赤旗