1回目の講義の復習の範囲は183p~206pです
さあここから行政不服審査法に入りますね
行政不服申立てとは、国民の申立てに基づいて、行政機関自身が違法・ 不当な行政活動の是正を行う制度です
当初は訴願法が制定されていましたが、訴願法は国民の権利救済制度としては不明確・不十分 であると指摘され、昭和37(1962) 年に行政事件訴訟法と合わせて行政不服審査法が制定されました
その後、平成26(2014)年6月に 改正行政不服審査法が成立し、同法は平成28(2016)年4月1日に施行された。 改正行政不服審査法は、不服申立ての簡易迅速性を活かし、公正性・ 利便性の向上を図る観点から、旧行政不服審査法を全面改正するものとなる
行政不服審査法の目的
行政不服審査法は、処分(行政庁の処分その他公権力の行使に当た る行為)に関する不服申立ての一般法である
そして目的は① 簡易迅速かつ公正な手続により国民の権利利益の救済を図る ② 行政の適正な運営を確保することの2つである
では具体的に内容をみていきましょう
まず不服申立ての種類です これには3つありますね
・審査請求 → 原則 最上級行政庁に対して不服申し立てをする
【審査請求先の整理】
1号 ① 処分庁等に上級行政庁がない場合 ② 処分庁等が(ⅰ) 主任の大臣(ⅱ) 宮内庁長官、(ⅲ) 府省の外局である庁の長である場合 → 当該処分庁等
2号 処分庁の上級行政庁が(ⅰ) 宮内庁長官(ⅱ) 府省の外局である庁の長である場合 → 当該宮内庁長官または当該庁の長
3号 処分庁の上級行政庁が、主任の大臣である場合 → 当該主任の大臣
4号 上記以外の場合 → 最上級行政庁
・再調査の請求 → 処分庁に対して処分の見直しを求める
・再審査請求 → 審査庁の裁決に不服がある場合に再審査庁に対して不服を申し立てる
(※審査請求を原則とする 再調査の請求と再審査請求は特にそれを認める法律がある場合に行うことができる)
次に不服申し立ての要件です
審査請求の対象は処分と不作為です
処分 → 行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為
不作為 → 法令に基づく申請に対して何らの処分もしないこと
(※よって、不作為にあたるためには、国民の申請が必要とくことになる)
続いて適用除外です
行政庁の処分およびその不作為については、とくに除外されない限り、 審査請求することができる(一般概括主義)
しかし、広範囲にわたり適用除外となるものがある
適用除外となるのは以下のとおり
① 慎重な手続によって行われた処分であり、不服申立てを認めても結局同じ結果になると予想されるもの
・ 裁判所もしくは裁判官の裁判により、または裁判の執行としてされる処分など
② 行政不服審査法よりも慎重な手続によってその不服を処理することとされているもの
・ 刑事事件に関する法令に基づいて検察官、検察事務官または司法警察職員がす る処分
③ 処分の性格から行政不服審査法の手続による不服申立てを認めるのが 適当でないもの
・ 刑務所、少年刑務所、拘置所、留置施設、、少年院、少年鑑別所等において、収容の目的を達成するためにされる処分
④ すでに不服申立処理機関の判断が示されているため、再び争わせる必要がないと考えられるもの
・ 行政不服審査法に基づく処分
次に不服申立てを行うことができる者
・不服申立て資格は、不服申立てを行うことができる者 → 自然人と法人 また法人でない団体でも代表者や管理者の定めがあればその団体の名で審査請求することができる
・不服申立て適格は、具体的事件ごとの不服申し立てをすることができる資格のこと
処分 → 行政庁の処分に不服がある者
【主婦連ジュース訴訟】
処分に不服があるものとは、当該処分について不服申立をする法律上の利益がある者、すなわち、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害 され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいう
単に一般消費者であるというだけでは、公正取引委員 会による公正競争規約の認定につき景表法による不服申立をする法律上の利益をもつ者であるということはできない
不作為 → 申請した者
次に、不服申し立て期間です
①不服申立人の知不知を基準とした主観的不服申立期間
②処分 の経過時間を基準とした客観的不服申立期間
・処分についての審査請求
主観的 → 処分があったことを知った日の翌日から起算して3カ月以内
客観的 → 処分があった日の翌日から起算して1 年を経過するとできない
・再調査の請求をしたときの審査請求
主観的 → 決定があったことを知った日の翌日から起算して1カ月 以内
客観的 → 決定があった日の翌日から起算して1年を経過するとできない
・不作為の審査請求
不服申立て期間の制限はない
・再調査の請求
主観的 → 処分があったことを知った日の翌日から起算して3カ 月以内
客観的 → 処分があった日の翌日から起算して1年を経過するとできない
・再審査請求
主観的 → 原裁決があったことを知った日の翌日から起算して1カ 月以内
客観的 → 裁決があった日の翌日から起算して1年を経過するとできない
続いて教示制度です
教示制度は、処分の段階で不服申立てに関する情報を提供する制度です
①職権による教示 ②利害関係人からの求めによる教示がありますね
・職権による教示 → 処分を書面でする場合、処分の相手方に対し①不服申立てをすることができる旨 ②不服申立てをすべき行政庁 ③不服申立てをす ることができる期間を、書面で教示しなければならない
・利害関係人からの求めによる教示 → 利害関係人から①不服申立てをすることができる処分であるかどうか ②不服申立てをすべき行政庁 ③不服申立てをすることができる期間につき教示を求められたときは、教示しなければならない(書面を求められたときは書面で教示)
教示を間違えたときの救済措置
・行政庁が必要な教示をしなかった場合 → 処分庁に不服申立書を提出できる
※教示がなかったため、審査庁がわからなかったから「処分庁に」です
そして、処分庁に不服申立書の提出があった場合、処分庁は、速やかに、不服申立書を審査庁に送付しなければならない
この不服申立書が送付されたときは、初めから当該行政庁に審査請求がされたものとみなされる
・行政庁が誤った教示をした場合
①誤った行政庁を審査庁として教示した場合 → 誤って教示された行政庁に審査請求がされたときは、当該行政庁は、速やかに、審査請求書を処分庁または審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知しなければならない
そして、処分庁に審査請求書が送付されたときは、処分庁は、速やかに、審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を審査請求人に通知
また、審査庁となるべき行政庁に送付されたときは、初めから審査庁となるべき行政庁に審査請求がされたものとみなされる
※「または」なので、処分庁か審査庁のどちらかに送付すればよいということになっているから、処分庁に送付された場合と審査庁に送付された場合の場合分けがされている
②再調査の請求ができないのに再調査の請求をすることができる旨を誤って教示した場合 → 処分庁に再調査の請求がされたときは、 処分庁は、速やかに、再調査の請求書または再調査の請求録取書を審査庁となるべき行政庁に送付し、かつ、その旨を再調査の請求人に通知しなければならない
再調査の請求書等が審査庁となるべき行政庁に送付されると、初めから審査庁となるべき行政庁に審査請求がされたものとみなされる
※この場合、再調査の請求をすることができるようにはならないということですね
③誤って長い審査請求期間を教示した場合 → 「正当な理由」に、審査請求期間が教示されなかった場合や誤って長い審査請求期間が教示された場合などが含まれる よって審査請求可能となる
今回は以上です
今回は分量は少ないですが、内容が濃いですね~
復習しっかりしましょう!
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