2025/07/30 18:00
ZETA DIVISION所属ストリーマー・ファン太が語る、音楽への愛──「ゲーム実況」から「メジャーデビュー」までの軌跡
ストリーマーとしてゲーム配信などを中心に活動するアーティスト、ファン太。ZETA DIVISION所属に所属し、声真似やストグラでの活躍、ラジオ番組でのトーク力から、今後もゲーム配信やエンタメ業界での活躍が期待される人物である。そんな彼が、今度はavex内のレーベル「J STAR RECORD」の主宰として、本格的に音楽活動を始動する。今回OTOTOYでは、ファン太にインタビューを実施。そのユニークすぎる活動の軌跡や、そして歌への情熱を語ってもらった。
ファン太も参加したコンピレーション・アルバム『vol.ZERO』

鈴木雅之の楽曲「憧れのスレンダーガール」をカバー

https://JSR.lnk.to/slendergirl
INTERVIEW : ファン太
ニコニコ生放送時代から配信活動を続け、現在はTwitchを中心に多数のファンから支持を集めるストリーマー、ファン太が、音楽レーベルを立ち上げ、avexからメジャーデビューを果たす。SNSを駆使し、ニッチな笑いと歌心でファンを獲得してきた彼は、いかにして夢を叶えていったのか?枠に収まらないその活動の裏側にあったのは、地道な挑戦と、何より“人を笑顔にしたい”という思いだった。
インタビュー・文:ニシダケン
撮影 : 宇佐美亮
実はもともとは歌をやりたくて配信を始めたんです
──まずは簡単に、ファン太さんのこれまでの活動歴について伺えればと思います。
ファン太: 最初に配信を始めたのは2011年くらいで、ニコニコ動画で生放送をしていました。Twitchに来たのは……7~8年前くらいですかね。配信の最初の頃は全然違う内容で、「人にSkypeで電話をかける」っていうスタイルの配信をしていました。声真似したり、ネタを披露したり。そういうのをやってましたね。
──そこからゲーム実況の配信にシフトしていったのはどういう流れなんですか。
ファン太: そうですね。就職を機にそういう電話系の配信はしなくなっていったんです。それでゲームばっかりやるようになって。でも配信自体はニコニコ動画で続けていて、友達と一緒にやってました。そこから「PUBG」っていうゲームのビッグタイトルが出てきた頃、今の配信界の重鎮のひとり、SHAKAさんという方と野良でマッチングするのを狙ってゲームをしてたんです。その中で声真似を披露していたら、少しウケて。そのときにYouTubeのアカウントを作ってたんですけど、1ヶ月くらいで登録者が7000~8000人くらい増えましたね。
──そこから本格的に配信活動を?
ファン太: はい。YouTubeと並行してTwitchでもたまに配信するようになって。ただ、最初はなかなか人も増えなくて。そんな時に、「vaultroom」っていうゲーミングコミュニティが主催する『Rust(ラスト)』(サバイバルクラフトゲーム)のイベントがあったんです。
──そのイベントが転機に?
ファン太: そうです。そこは大手配信者が集まるサーバーだったんですけど、「自分、おもしろいことやるんで入れてください」って直談判して参加させてもらって。ネタをやったり、鈴木雅之さんの声真似しながら歌ったりしていました。そのとき、いまのavexの担当の方に見つけていただいたりもしましたね。まだ全然有名ではなかったですけど、拾ってもらえてありがたかったです。
──それが音楽活動への接点に?
ファン太: そうですね。avexの方から「一緒にやりませんか?」と声をかけてもらって。当時所属していた事務所を辞めるタイミングだったので、そのままの流れでZETA DIVISIONに所属しました。
──ちなみに配信活動が一気に伸びたタイミングっていつ頃ですか?
ファン太: 『RUST』のイベントのあと、『GTA(グランド・セフト・オート)』で同じようなイベントがあって。1〜2週間の短期イベントだったんですけど、そこがすごい転機でしたね。下ネタを含んだ面白いやり取りがSNSでもウケて、イベントが終わった後に別のサーバーにも入ったんですが、ちょうどGTAロスで「もっと見たい」って人が多くて。それがきっかけで、一気に視聴者が増えました。
──具体的にどれくらい増えたんですか?
ファン太: 当時、リアルタイム視聴が2000~3000人だったのが、1万~2万人に増えて。コメントの量も全然違いました。桁がひとつ違うってこういうことなんだなって。
──ちなみに声真似はいつから取り入れたんですか?
ファン太: 実はもともとは歌をやりたくて配信を始めたんです。でも、「これ、売れるの難しいな」と思って、特技で勝負しようと考えました。当時やっていたのがタラちゃんの声真似で、これは初期の頃やっていたSkype配信の中で使ってたんですよ。タラちゃんから始まって、マスオさん、ベジータ、セルとかドラゴンボール系もやって。だんだん増えていきました。
──練習もされるんですか?
ファン太:練習はあんまりしないですね。「出せそうだな」と思ったら自然と出せるタイプなので。
──すごい! 昔から声真似は得意だったんですか?
ファン太: 学生の頃からタラちゃんだけはずっとやってましたね。部活が柔道部だったんですが、やると先輩が笑ってくれて。他の部活まで連れて行かれて披露してました(笑)。
──最初は歌をやりたかったという話が冒頭にありましたが、どういう経緯でやっていたんですか?
ファン太: 単純に「歌ってみた」をやりたかったんです。SNSで歌ってる人にDMを送って、実際に会いに行って、歌のコツを聞いたりしてました。「自分もやってみよう」と思って始めたんですけど、思ったより難しくて。
──それで声真似にシフトしたと。
ファン太: はい。まずは人に見てもらわないと聴いてもらえないなと思って。注目されてから歌を聴いてもらう方が、可能性があるなって考え方に変わりました。
──「歌ってみた」をやりはじめたときはどんな曲を歌ってたんですか?
ファン太: 2011年頃で、ボーカロイド曲が多かったですね。流行りの歌より、自分が好きな曲を選んで練習していました。
──いまはこうやってアーティスト活動もされていますが、振り返ると、夢が叶ったと感じることはありますか?
ファン太: そうですね。当時は「人間性で売れて、歌が伸びる」っていう流れがあって、僕の周りには歌がうまい人がたくさんいたけど、なかなか報われない現実もありました。だから「そういう人を売れるようにする仕事がしたい」と思ってたんです。それで音楽業界を目指して就活もしていたんです。
──音楽業界に就職しようとしていたんですか?
ファン太: そうですね。就活でビデオ面接もやりました。でも、機材や編集ソフトが必要で、それを揃えるのが難しかったんですよね。結局諦めちゃいました。
2025年07月30日18時00分
いろんな人の存在を世の中に広めたいと
──ちなみにファン太さんにとっての音楽の原体験ってどういうものなんでしょう?
ファン太: 5歳くらいの頃に、鈴木雅之さんがいたグループ、RATS & STARの曲を聴いて、雷に打たれたような衝撃を受けたんです。それからずっと80~90年代の曲を聴くようになって。親がカセットテープをたくさん持っていたので、それをずっと聴いていました。
──他にはどんなアーティストを?
ファン太: 米米CLUBさん、沢田研二さん、山下達郎さん、中西圭三さん、槇原敬之さんとか。平成になってからは平井堅さん、秦基博さんとかですかね。優しい歌を歌う方が多いかもしれませんね。
──結構ソロのアーティストが多いですね。
ファン太: そうですね。鈴木雅之さんのグループは例外的でしたけど、日本でドゥーワップをやってる人は少なかったので、そればかり聴いてました。自然とソロが多くなっていたのかもしれません。
──音楽的な趣向が変わってきたのはそこから高校くらいからですか?
ファン太:そうですね。高校に入ると、僕、柔道で強いところに行ったんですよ。柔道部の寮で生活をしていたんですけど、そこで流れてる音楽を、やっぱり嫌でも聴いちゃうんですよね。それで「最近の歌もいいのあるな」と思い始めたりして。当時流行ってたのはEXILEで、それもよく聴いてました。そこから、個人で歌ってる人たち、SNSとかで探すようになって。「歌い手」という存在がいることを知ったんです。そこから連絡を取り合ったりして、いろんな人の歌を聴くようになっていったんですよね。
──高校くらいから「歌ってみた」カルチャーに触れ始めたんですね。
ファン太:そうですね。「歌ってみた」カルチャーを掘っていって、いろんな人を知って、DMを送りまくってました。世代でいうと、そういう「歌ってみた」の最初の世代だと思います。
──当時はニコ動だけじゃなくて、mixiや2ちゃんねるの掲示板とか、いろんなコミュニティもあった時代ですよね。
ファン太:はい、まさに。そういうのもかじりつくように見てました。で、そこから本格的にニコニコに入っていく、という流れですね。
──自分でも「歌ってみたい」と思い始めたんですね。
ファン太:そうなんですけど、高校では機材も買えないし、寮だし。録音する環境もなかったんです。だから柔道部の友達と文化祭で歌ったりしてました。
──初ライブはその文化祭だったんですか?
ファン太:そうですね。高校3年間、毎年誰か運動部の子が歌う感じだったんです。そこで空いてる枠があったら「一緒にやる?」みたいなノリでした。重量級の柔道部ふたりでEXILEとかを歌ってましたね。
──本気で「歌でやっていこう」と思ったのは、いつ頃ですか?
ファン太:実は、今も「歌でやっていく」という実感が湧かないんですよ。ただ、本当はもっと上手くなりたいと思っていて、ボイトレも行きたいと思っています。歌うこと自体はすごく好きなので、ライブをやらせてもらって、そういう中でいろいろと模索している状況ですかね。
──ファン太さんの音楽活動から配信を見るファンの方もいらっしゃるんですか?
ファン太:ありますね。実際、avexの方がそうですし。でもめちゃくちゃ嬉しいです。ただそこから僕を知ってくれたのは嬉しいんですけど、僕が配信で下ネタとか言う関係上、歌で「いいな」と思って来てくれても、いなくなる人も結構多いんですよね(笑)。
──現在は、avexの所属アーティストとして活動しているわけですけど、現在の心境はいかがですか?
ファン太:アーティストとして「歌を出していくのはどうですか?」という話を早い段階でいただいたんですけど、正直、自分が上手いとは思ってないので、「僕で大丈夫なのかな?」って。でも、その話を断るのはもったいないなと思って。「挑戦できるならしたい!」という気持ちがあって、今回受けさせてもらいました。
──avexという大きな会社に所属することについて、どう感じましたか?
ファン太:光栄だなと思います。ただ、マスクかぶってるし、名前も顔も隠してるんで、友達に自慢もできない(笑)。でも、だからこそできることも多いので、それを活かして「オフイベ(オフラインイベント)」とかやらせてもらってます。
──ファン太さんは、ご自身もアーティストとして活動されながら、avex内に「J STAR RECORD」という音楽レーベルを立ち上げ、主宰をされています。その点について、どう感じていますか?
ファン太:自分が歌うだけじゃなくて、アーティストを選んで歌を出してもらうような立場なので、責任感もありますし、変なことはできないという気持ちもあります。そのうえで、いろんな人の存在を世の中に広めたいという思いがあって、主宰をやらせてもらってるという感じですね。
──その「この人の歌を届けたい」という思いから、最初のコンピレーション『vol.ZERO』のアーティストも選ばれたんですね。
ファン太:そうですね。一発目は、オフラインイベントの特典CDという形で始まったんです。出演してもらった人が中心ではあったんですけど、今後はそういったイベントに出ていなくても、アーティストとしてCDやサブスクでの配信もどんどんやっていきたいと思ってます。
2025年07月30日18時00分
お客さんと近い距離でやれるライブを目指したい
──今回のコンピレーション作品『vol.ZERO』についてですが、ジャンルがかなり多様ですよね。
ファン太:そうですね。活動者自体の年齢層もバラバラですし、自分も含めていろんな刺激を受けました。音楽の趣向が全然違うので、カバー曲なんかも自分の世代の人がよく聴いていたようなものを選んでいたりして、ジャンルは本当に幅広いです。ただ、レーベルとしてはどんな曲でもいいというスタンスが根本にあるので、あえて統一はしてないです。
──では、1曲ずつ伺わせてください。まずはご自身も歌われているm-floさんのカバー「miss you」。
ファン太:この曲は自分にとっても思い出のある曲だったんですよ。というのも、ニコニコ動画で初めて見た“歌ってみた”が「miss you」だったんです。それを機にm-floさんの存在を知りました。そのとき歌われていた方が、一人三役でカバーされていたのが本当に衝撃で。その思い出もあって、自分の原点でもあるこの曲を、コラボしながら歌いたいと思って収録しました。
──この曲では、瀬戸あさひさん、SUGAROCKさんとのコラボ楽曲ですね。
ファン太:舞台での持ち時間って限られているので、コラボだと1曲の中でみんなでシェアできるんですよ。オフイベでも歌ったんですけど、あの時間がすごく楽しくて印象に残っています。
──2曲目、PENKOさんが歌う「ハートループ」はボカロっぽさがありますね。
ファン太:これはイベント用に作ってもらった曲で、実際にイベント中に流れていたんです。PENKOさんに歌ってもらって、空中でラジコンがバトルするという演出とも合っていて、イベント後も収録したいと思った曲です。
──ファンタさん自身は、イベントやコンピ全体の制作において、どういった関わり方をされているんですか?
ファン太:楽曲制作自体はアーティストに基本的に任せています。細かいニュアンスのアドバイスはしますが、方向性や細部は本人に委ねてますね。
──次の楽曲、月夜見レオさんの「家系ラーメンの歌 」はだいぶフォークソングっぽいですね。
ファン太:これは、ストグラのイベントライブの協賛がラーメン屋さんだったので、「家系ラーメンの歌を作ってほしい」という依頼で誕生したんです。ノリもよくて聴き心地が良い曲になって、実際に歌ってもらいました。ちなみにその店主も人気配信者で、オフイベにも音声のみで乱入してくれたりもしました。
──瀬戸あさひさんによる「シェアハウス」も印象的でした。ポエトリーラップで、MOROHAさんのような雰囲気もありつつ。
ファン太:これは、「月夜見レオ」というキャラと同期のような関係性で、一緒に家を借りていたという設定があって。今は別の道を歩いてるという背景を踏まえて、瀬戸あさひさんが自分で作ってくれた楽曲です。
──5曲目の「やっぱりハラミ」もタイトルからしてユニークですね。
ファン太:これはVTuberの煌イヴちゃんが“牛のキャラクター”をやっていて(笑)。お肉に関する曲をいくつか作ってくれていて、そのうちのひとつですね。ほかにもレバーの曲もあって、これも配信予定です。
──そして最後に収録されているのが鴉紋ゆうくさんの「バラのカケラ」。
ファン太:VTuberなのでオフイベには出演できなかったんですけど、歌唱力が本当に圧倒的で。どうしても多くの人に知ってもらいたいと思って収録しました。出演はしてないけれど、一緒に活動しているメンバーなんだよ、という意味を込めて最後に入れました。
──このコンピを聴くだけでも幅広い個性が揃っていますが、今後の展開についても、構想はあるんでしょうか?
ファン太:リリースの構想自体は、自分がいるゲーミングコミュニティではある程度固まっていて、1ヶ月に2回とか、それ以外のタイミングでもリリースを続けたいと思っています。ただ、それ以外、例えばゲーミングコミュニティ外の人たちや、自分の周囲以外の人に向けたデビューに関しては、まだこれからって感じですね。そこはどんどん広げていきたいです。
──近年、ストリーマーや配信者、VTuberといった人たちの活動の幅も広がっていますよね。現状をどう捉えていますか?
ファン太:垣根がなくなってきたな、という実感がありますね。歌い手もゲームをやるし、逆にゲーム配信者が歌を歌うこともある。出自に関係なく、いろんな活動がミックスされてきていて、インターネットや動画サイトのおかげだなと思ってます。昔はライバル意識が強かったと思うんですよ。でも今は仲が良い人が多い。共通の視聴者がいたり、同じ舞台で共演する機会があったりするので、それが良い意味で母数を広げていると感じます。
──今後、アーティストとして挑戦してみたいことはありますか?
ファン太:まずはワンマンライブをやりたいです。小さな規模でもいいので、お客さんと近い距離でやれるライブを目指したいですね。それと、音楽の質を上げるためにボイトレや楽器にも挑戦したいと思ってます。ギターとか、昔やってたピアノも含めて。
──ライブについて、もっと大きな構想もありますか?
ファン太:ストグラ外の人たちと混ぜたライブ、つまり異なる視聴者層が重なるようなライブをやりたいです。それを生配信でも見られるようにして、プロモーションツールとしても機能させたい。実際に足を運ぶきっかけになればいいなと。
──レーベルとして考えていることはありますか?
ファン太:歌手として活躍したい人を対象に、オーディションを生配信で行ってみたいです。avexさんの力も借りつつ、僕のレーベルから出せる人を増やしていけたらと思ってます。
──もし実施するとしたら、どういう人に来てほしいですか?
ファン太:人間性が大事ですね。もちろん才能があればそこを考慮することもあるけれど、やっぱり信頼できる人と一緒にやっていきたいです。
ファン太も参加したコンピレーション・アルバム『vol.ZERO』

鈴木雅之の楽曲「憧れのスレンダーガール」をカバー

https://JSR.lnk.to/slendergirl
LIVE INFORMATION
2025年4月12日・13日、両国国技館で行われた「超激動 -SUPER GEKIDO-」にて発表された新レーベル「J STAR RECORD」が主催となり音楽ライブを中心とした全国ツアーの開催が決定!
初のライブツアー「SPARK TO DO」
■開催スケジュール
2025年9月15日(月・祝) Lives NAGOYA(愛知)
2025年9月20日(土) DRUM LOGOS(福岡)
2025年9月28日(日) LINE CUBE SHIBUYA(東京)
イベント詳細・チケットはこちらから
SPARK TO GO特設サイト:https://sparktodo.shankzpromotion.com/
PROFILE:ファン太
ファン太 INFORMATION
・X:@Fanta_JPN
・YouTube:ファン太ch
・Twich:ファン太
J STAR RECORD
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