産経新聞は25日までに民間エコノミスト10人にアンケートを実施し、中東危機による原油の供給不安と価格高騰の影響や対応を聞いた。石油備蓄放出で混乱を避けるなど政府の対応は一定の評価を集めた。100点満点で聞いたところ平均点は68点だった。9人が60点以上をつけた。事態の長期化を見据え、原油の消費を刺激する政府のガソリン補助金の縮小や石油消費の抑制策が必要になるという声も目立った。
ガソリン補助金には異論も
高市早苗政権は原油価格の高騰を受け、石油備蓄の放出とガソリン補助金の再開に乗り出した。米国など中東以外の地域からの石油の代替調達も進めている。ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは「各種施策を迅速に打ち出し、社会・経済活動の混乱を抑制した」と指摘した。
ただガソリン補助金には異論も根強い。ピクテ・ジャパンの市川真一シニア・フェローは「本来は価格上昇で需要を抑制すべきだ」と主張。補助金が長期化すれば財政悪化懸念から円安が加速し輸入物価が上昇するなど逆効果だとした。政府対応は20点と辛口だった。
事態の収束はいまだ見通しにくく、長引けば家計や企業への打撃は甚大になる。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大島一宏チーフエコノミストは原油価格が1バレル=100ドル程度で1年間高止まりすれば、「物価は0・6~0・8%の上昇、企業収益は3~5%の減益、家計の実質賃金は1%程度の低下」という影響が出るとみる。