中国支配に楔を打つトランプ政権

 コンゴ民主共和国での鉱物資源における中国覇権に「待った」をかけようとしているのが米国のトランプ大統領である。

 鉱物資源を大量に生産する東部地域の安定に向けて、同地域を支配する反政府軍を支援するとされる隣国ルワンダとコンゴ民主共和国の大統領を2025年12月にワシントンDCに呼んで和平合意を演出した(が和平への道はまだまだ遠い)。

 米中の争奪戦になっているコンゴ民主共和国の鉱物資源であるが、一般の国民にその富が還元される見通しは立たない。実際に街を歩いても、道路の舗装状況は悪く、バイクなどが雑踏を埃を立てながら走っている。人々の家を覗くと貧しいままの状況が見て取れる。

 政治指導者、外国が暗躍して国民が置いていかれる。戦争、紛争、資源争奪……。そのツケは弱い一般国民が払うことになる。複雑な気持ちでコンゴ民主共和国をあとにした。

山中 俊之(やまなか・としゆき)
著述家・起業家
 世界107か国(2026年3月現在)の社会課題の現場をまわった経験を基に、歴史、宗教、芸術、哲学、ビジネス、人材開発について幅広く執筆とコンサルティングを展開。
 1968年兵庫県西宮市生まれ。東京大学法学部卒業後、1990年外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへ赴任。対中東外交、地球環境問題などを担当する。カイロではナイル川に近い庶民街でエジプト人家庭に下宿。首相通訳(アラビア語)や国連総会を経験。外務省を退職し、2000年、日本総合研究所に入社しコンサルタントとして企業や自治体の人材開発に関わる。2009年、稲盛和夫氏よりイナモリフェローに選抜され、アメリカ・CSIS(戦略国際問題研究所)にて、グローバルリーダーシップの研鑽を積む。2010年、グローバルダイナミクスを設立し代表取締役就任(現職)。コンサルティング、研修を通じて、世界のリーダーと世界情勢とビジネスについて議論を重ねる。2015年以来神戸情報大学院大学教授に就任し(現職)、アフリカ、アジアの起業家志望の留学生に社会イノベーションについて教鞭をとる。ケンブリッジ大学修士(開発学)、高野山大学修士(仏教思想・比較宗教学)、ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA、大阪大学大学院博士(国際公共政策)、京都芸術大学学士(芸術教養)。ホームレス支援、難民支援にも従事。趣味は落語で素人高座にも登壇。
 著書に、新著『世界のエリートが学んでいる教養としての超現代史』(SBクリエイティブ)の他、『教養としての世界の政党』(かんき出版)、『「アート」が分かると 「世界」が読める』(幻冬舎新書)、『ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』(ダイヤモンド社)、『外国人にささる日本史12のツボ』(朝日新聞出版)、『ビジネスエリートの必須教養「世界の民族」超入門』(ダイヤモンド社)などがある。