事故当日、後発組の引率教師が乗船していた生徒たちに「辺野古で撮った動画を消してください」と求めていた、という証言が複数の保護者から出ています。
女子生徒1人が亡くなり、16人が負傷した重大事故が起きたまさにその日に、です。
教師の動機については今も不明のままです。学校の指示だったのか、個人の判断だったのか。「ネットへの拡散を防ぎたかった」ということなら、それはいったい誰のために防ぎたかったのかという問いが残ります。被害を受けた生徒や遺族のためなら、消去の前に本人・保護者の同意が必要なはずです。
ただ、この隠蔽行為は完全に失敗に終わりました。
スマホで撮影した動画はほぼリアルタイムでクラウドや友人のLINEに飛んでいます。ほとんどの生徒は既に家族や友人にデータを送信した後でした。端末から消えても、動画は生きています。一部の生徒は、亡くなった武石知華さんが写った映像を遺族に共有できたと伝えられています。
この事故をめぐっては、救命胴衣の着用指導がなかったこと、波浪注意報が出ていた海域への出航判断、学校側の事前安全確認の欠如など、次々と問題点が明らかになっています。保護者説明会では、事故翌日の記者会見での学校側の説明と食い違う事実も複数確認されています。
動画削除の指示は、その一連の流れの中にある行為として見なければなりません。
子どもを学校に預けるとは、命と信頼を預けることです。何かが起きたとき、真実を守る側に立ってくれるかどうか。それが今、問われています。
文部科学省は同校への現地調査を予定しています。第三者委員会も設置が決まりました。事実の全容が、一刻も早く明らかになることを求めます。