割り算は四則演算の中でも暗算しづらいものですが、÷9の割り算には特別な計算方法があります。
インド式計算法の一種として知られているこの方法であれば、桁数の多い割り算でも短時間で答えが出せます。
どんな方法か気になる人は、ぜひ本文を読んでみてください。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
441÷9
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「49」です。
この割り算には余りがありません。つまり、441は9で割り切れるのですね。
では、この問題を10秒で暗算するにはどんな方法を使えばよいのでしょうか?
次の「ポイント」で、インド式計算法のやり方を確認してみましょう。
ポイント
÷9の割り算を暗算するポイントは「割られる数の各桁を足していく」というものです。
具体的には、次のような計算手順で進めます。
<三桁の数(100a+10b+c)÷9の暗算方法>
※aは百の位、bは十の位、cは一の位の数を表す(aは1以上9以下の整数、b,cは0以上9以下の整数)
以下の手順で、答えの各桁と余りの数を計算します。
手順1:答えの一番大きい位(ここでは十の位)=a
手順2:答えの二番目に大きい位(ここでは一の位)=a+b
手順3:余り=a+b+c
※手順1〜2の計算の途中で答えが10以上になった場合は、繰り上げる。
※手順3で余りが9以上になった場合は、一の位に9の個数分の数を繰り上げる。
さっそく、この手順で今回の問題の答えを求めてみましょう。
<441÷9>
手順1:答えの一番大きい位(十の位)=4
手順2:答えの二番目に大きい位(一の位)=4+4=8
手順3:余り=4+4+1=9
9で割っているのに余りが9以上になるのは変。よって、答えの一の位に「余りの9の個数=1」を繰り上げる。
修正した計算
手順1:答えの一番大きい位(十の位)=4
手順2:答えの二番目に大きい位(一の位)=4+4+1=9←余りから1繰り上げ
手順3:余り=0
答え:49
【おまけ】この計算方法が成り立つ理由
少し余裕がある人は、この計算方法が成り立つ理由についても考えてみましょう。
最初の説明と同じように、割られる三桁の数を100a+10b+cとします。a、b、cは各桁の数です。
これを9×〇+△の形に変換していきます。このとき、〇が割り算の答え、△が余りになることを覚えておいてください。
100a+10b+c
=(90a+10a)+10b+c←100aを90aと10aに分解
=90a+10(a+b)+c
=90a+9(a+b)+(a+b)+c←10(a+b)を9(a+b)と(a+b)に分解
=90a+9(a+b)+(a+b+c)
=9{10a+(a+b)}+(a+b+c)←9×〇+△の形にする
※文字式なので×(掛ける)記号を省略しています。
9{10a+(a+b)}を9で割った答えは、10a+(a+b)になります。
aは答えの十の位、(a+b)は答えの一の位なので、それぞれの位が割られる数の各桁を順に足した数になっていることが分かりますね(各桁の足し算の結果が10以上になったら、上の位に繰り上げをします)。
さらに(a+b+c)の部分は余りになります。これも割られる数の各桁すべてを足した形になっています。ただし、余りは9より小さい数でなければなりません。もし(a+b+c)が9以上になった場合は、今回の問題のように繰り上げる必要がありますよ。
まとめ
今回は、9で割る割り算の暗算にチャレンジしました。
9で割る割り算は、「割られる数の各桁を順に足していく」というちょっと変わった計算方法で答えと余りを求められます。今回は三桁の数を割りましたが、四桁の場合でも同じように計算ができます。
余りは割られる数の各桁すべてを足した数になります。ただし、9以上になったら繰り上げをします。繰り上げの結果余りが0になったら、この数は9で割り切れる、つまり9の倍数になります。割られる数の各桁すべてを足して9で割れるか考えることは「9の倍数判定」によく使われるので、覚えておくと便利ですよ。
このようなインド式計算法に興味を持った人は、他の計算方法についてもぜひ調べてみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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