奈良監獄ミュージアム、独居房など報道公開 星野リゾートが27日開業
星野リゾート(長野県軽井沢町)は20日、旧奈良監獄の歴史などを紹介する博物館「奈良監獄ミュージアム by 星野リゾート」(奈良市)を報道陣に公開した。開業は27日で、赤レンガが特徴の建物を活用した3つの展示エリアなどを公開した。
同社が運営する博物館は1908年(明治41年)に建設された旧奈良監獄(敷地面積10万平方メートル)の一部を活用している。独居房として使われた建物のほか、医務所を改装した展示エリアなどで構成される。
放射状にのびる5つの「舎房」(雑居房などの総称)のうち、保存エリアとした「第三寮」には96室の独居房が連なる。3つの展示エリアのうち、A棟では奈良監獄の歴史や日本の行政制度を解説する。B棟では刑務所における生活を「食事」や「衛生」といったテーマごとに紹介する。
博物館のコンセプトは「美しき監獄からの問いかけ」で、受刑者の暮らしなどを紹介して来館者が思考を深める契機となる場所を目指している。初年度の目標来館者は30万人。八十田香枝館長は「将来は100万人を集客し、奈良の新たなアイコン(象徴)を目指したい」と話した。
博物館は近鉄奈良駅から直通バスで約20分。営業時間は午前9時〜午後5時。大人の入館料は奈良県在住者が2000円、県外の国内在住者は2500円など。チケットは日時指定の事前予約制で、空きがある場合には当日も購入できる。
開業を前に、関係者約90人が招待された記念式典が19日に現地で開催された。星野リゾートの星野佳路代表は「博物館に盛り込みたかったアイデアのうち実現できたのは半分くらい。毎年進化させて顧客のリピートにつなげたい」と話した。
星野リゾートは旧奈良監獄を博物館だけでなくホテルとしても活用する方針で整備してきた。ホテル「星のや奈良監獄」は6月25日にオープンする。
明治政府が近代化を目指す一環として千葉と金沢、奈良、長崎、鹿児島に造った「5大監獄」のうち、旧奈良監獄だけがほぼ原形を保つ姿で残った。このため2017年に国の重要文化財(重文)に指定されている。
政府は重文に指定された国有文化財としては初のPFI(民間資金を活用した社会資本整備)事業として旧奈良監獄の建物を活用する方針を打ち出し、運営事業者として星野リゾートが選ばれた。
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