試薬費や旅費が高騰、研究者の9割「影響」 文部科学省調査
文部科学省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は24日、大学や研究機関、企業などの研究者らを対象とした2025年度の意識調査の結果を発表した。
試薬費や旅費などの価格が上昇しており、研究者の9割が研究活動やマネジメント業務に影響が出ていると回答した。物価連動性の研究費の導入など、新たな政策が求められる。
毎年NISTEPが実施している定点調査で25年9月から26 年1月にかけて2154人の研究者や有識者に調査を実施し、1826人から回答を得た。回答率は84.8%だった。
物価高騰の影響を実感する項目の上位2つを聞いたところ、大学の自然科学分野の研究者では「消耗品への影響」が55%とトップで「旅費への影響」(51%)が続いた。人文社会科学分野の研究者では「旅費への影響」が最も高く78%にも上った。一方マネジメント層では研究者を雇うための人件費や光熱費の高騰の割合が高かった。
具体的な影響についての自由記述では「消耗品の中で特に研究試薬等の値段が高騰」「海外旅費の高騰により国際学会への発表・参加を断念・ちゅうちょ」「旅費規程を超えた分は自己負担」といった意見が寄せられた。
25年度は第6期「科学技術・イノベーション基本計画(科技計画)」の最終年度だ。第6期の他の年度の調査でも「研究資源」や「学術研究・基礎研究」などについて厳しい認識が示されており、社会情勢の変化が研究活動に大きな影響を与えていたことが示唆された。
一方、直近1年間の状況からは、論文数シェアの多い大学のグループ(大阪大学、京都大学、東京大学、東北大学)では、外国人研究者や大学経営に対する評価が大きく上昇するなどの変化の兆しも見られた。NISTEPの村上昭義主任研究官は「国際卓越研究大学など資金が増えたところでは、変化の兆しが見えてきたのではないか」と分析する。