国旗損壊罪、岩屋前外相は反対の立場 「思想信条まで罰する恐れ」「政権アピールの立法」
日本国旗を傷つける行為を罰する「日本国国章損壊罪」の導入に反対の考えを示す自民党の岩屋毅前外相が西日本新聞のインタビューに応じ、その理由や懸念点などを語った。主なやりとりは次の通り。 ■非核三原則見直し、自民は提言しない方針 安保3文書改定巡り維新と溝 -なぜ反対か。 まず法律をつくる根拠がない。みなさんの周囲で国旗が焼かれたり破られたりする事案は発生していないでしょう。国旗を傷つける行為はほとんどの場合が政治的な表現だ。憲法は表現の自由や内心(良心)の自由を保障しており、行為の背景にある思想信条を処罰するような法律は、憲法違反になる。また、人々の意識を萎縮させる懸念もあり、それがエスカレートすると言論統制や弾圧などにつながりかねない。極めて慎重に考えるべきだ。
-国旗の処罰規定がある他国の例や、将来的に日本でも国旗が傷つけられる事案が増える可能性から必要との意見がある。 指摘したいのは先進7カ国(G7)でも対応が割れているのが実態であり、他国にならうのではなく、わが国がどう考えるかが大切だ。将来、そのような事案が増える可能性も極めて低いと考えられる。1999年の国旗国歌法の施行以降、国旗を尊重する国民の意識は幅広く共有されているからだ。政治的アピールのための立法とみなされても仕方がないと思える。 -昨年10月の日本維新の会との連立政権合意書で、(刑法に)外国国章損壊罪だけが存在する矛盾を解消するために盛り込まれた。 外国国章損壊罪は外交関係に配慮するためのものであり、法で守る利益が全く違う。同列に論じるべきではない。合意書に盛り込まれたが、ほとんど党内での議論を経ていなかった。重要な問題なので、党内で慎重に議論をするのは当然だ。 -先の衆院選の大勝や政権の高支持率で、自民内で表立って異を唱える議員が少ない。 誰が首相であっても自由闊かっ達たつな議論を通じて正しい判断をすることが重要であり、それが政権与党の責任だ。野党の議席数が減り、チェック機能が働きづらくなっているからこそ余計に党内議論が重要だと思う。 -政権や党の方向性と違う主張すれば、交流サイト(SNS)などで批判されがちだ。 私は衆院選で全国一、誹ひ謗ぼう中傷を受けた。だが、政治家はひるんではいけない。日本は一致団結できる国民性の一方、同調圧力が非常に強い。メディアも含め社会が間違った方向に進んでしまった戦前の教訓を忘れてはいけない。 インタビューは21日に実施した。
西日本新聞