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【太陽で巨大X級フレアが2度発生】地球で起きた通信障害 太陽が7時間で2度の巨大爆発を起こした影響

太陽フレアのイメージ©スペースチャンネル(AI)

4月23日から24日にかけて、太陽はわずか7時間の間に、強力な「X2.5クラス」の太陽フレアを2回連続で発生させました。どちらも、太陽の西の端に見えている黒点群「AR4419」から放出されたものです。1回目のフレアは24日午前10時ごろにピークを迎え、2回目は同日午後5時ごろに発生しました。

これは過去78日間で最も強い太陽フレアだったとされており、2つの爆発は地球に強い放射を浴びせ、一時的に短波無線通信に影響を与えました。最初のフレアでは太平洋やオーストラリア周辺、2回目では東アジア方面で通信障害が起きたとみられています。

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太陽フレアはなぜ地球の通信を乱すのか

さまざまな波長で観測されたX3.2クラスの太陽フレア©NASA/SDO
さまざまな波長で観測されたX3.2クラスの太陽フレア©NASA/SDO

太陽で起きた爆発が、なぜ遠く離れた地球の通信に影響するのでしょうか。

太陽フレアとは、太陽表面付近で起きる巨大な爆発現象です。爆発によって、X線や紫外線を含む強烈な電磁波が放出されます。この放射は光の速さで宇宙空間を進むため、太陽から地球まで約8分ほどで到達します。

太陽フレアの強さは、A、B、C、M、Xの5段階に分類されます。アルファベットが1つ進むごとに強さは10倍になり、Xクラスは最も強力な分類です。今回の「X2.5」は、Xクラスの中でもかなり強い部類に入ります。

太陽フレアが地球に到達すると、まず影響を受けやすいのが地球の上空にある「電離圏」です。電離圏は、太陽からの紫外線などによって空気中の分子や原子が電気を帯びた状態になっている大気の層です。

しかし、強い太陽フレアが発生すると、電離圏の下の層が急激に強く電離します。すると、船舶、航空機、アマチュア無線、防災通信などで使われる短波の電波がうまく反射されず、途中で吸収されたり、弱くなったり、乱れたりします。その結果、地球の昼側で短波無線が一時的につながりにくくなる「ラジオブラックアウト」が起きるのです。今回の2つのXフレアでも、地球の太陽に照らされていた側で無線通信の障害が発生しました。

通信障害だけでなくオーロラやGPSにも影響

太陽活動とオーロラの活動には深い関係がある。太陽風の磁力線と地球の磁力線の再結合、そして夜側の磁力線の再結合により、オーロラが起きる。©NASA
太陽活動とオーロラの活動には深い関係がある。太陽風の磁力線と地球の磁力線の再結合、そして夜側の磁力線の再結合により、オーロラが起きる。©NASA

また、今回のXフレアには「コロナ質量放出(CME)」と呼ばれる現象が伴っていた可能性があります。CMEとは、太陽から大量のプラズマと磁場が宇宙空間へ放出される現象です。

太陽フレアが「光の速さで届く放射の爆発」だとすれば、CMEは「太陽から飛び出す巨大なプラズマの雲」のようなものです。CMEは地球に届くまで数日かかることがありますが、もし地球を直撃すると、地球の磁場が大きく乱される「磁気嵐」を引き起こす可能性があります。

磁気嵐が起きると、人工衛星の運用、GPSの精度、電力網、航空通信などに影響が出ることがあります。一方で、オーロラが通常より低い緯度でも見られることがあります。強い磁気嵐の際には、普段オーロラが見えない地域でも空が赤や緑に染まることがあるのです。

ただし、今回の黒点群AR4419は太陽の西端に位置していたため、CMEが地球を正面から直撃する可能性は高くないとみられています。それでも、進路によっては地球をかすめるように影響を与える可能性があり、宇宙天気の予報機関が詳しく分析を続けています。

太陽活動は約11年周期で強まったり弱まったりすることが知られており、活動が活発な時期には今回のような強力な太陽フレアやCMEが増える可能性があります。便利な技術に囲まれた現代社会だからこそ、宇宙天気への備えはますます重要になっているのかもしれません。皆さんは、もし強い太陽フレアによってスマートフォンの通信やGPSが一時的に使えなくなったら、どのように行動しますか?ぜひコメントお待ちしています。

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