国民民主党の榛葉賀津也幹事長は24日の記者会見で、テレビ朝日系番組のコメンテーターが米国の対イラン協議を巡り、トランプ大統領の娘婿のクシュナー氏について「ユダヤ人ですよね。いないほうがいい」と発言した問題に言及し、「ずいぶん乱暴なことを言った」と疑問を呈した。「(発言したコメンテーターが)どうなるのかと思ったが、またテレビに出ていた。社の考えだから良いのだろうが…」と違和感をにじませた。
「誤解してはいけない」
問題となったのは、10日に放送されたテレ朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」での発言。コメンテーターの玉川徹氏が、米側の交渉メンバーを紹介する中で、クシュナー氏を「ユダヤ人ですよね。イランとの協議に関しては、いないほうがいいような気もする」と述べた。
これに対し、コーヘン駐日イスラエル大使はX(旧ツイッター)で「ユダヤ人であるという理由で外交交渉から排除されるべきだと示唆した懸念すべき発言」と批判。テレビ朝日に書簡で懸念を伝える事態となった。
榛葉氏はこの日の会見で、「誤解してはいけないのは、イランの立場からすれば、シオニズム(ユダヤ民族主義)運動をしたユダヤ人、イスラエル人関係者が許せない、のだと。短絡的にユダヤ人だからイスラムの敵だ、アラブの敵だ(という話ではない)」と述べ、民族で一括りにする議論に慎重な姿勢を示した。
留学経験から語るイスラエル観
榛葉氏は、イランには中東最大級のユダヤ人コミュニティーが存在し、「イラン人と信頼関係の中で平和に暮らしている」と指摘した。そのうえで、単純な「ユダヤ人対イスラム」の構図ではないと強調した。
榛葉氏は20代の頃、イスラエルの大学院に留学した経験を持つ。
会見で榛葉氏は「フルにイスラエル側に立つわけではない」としつつも、「国家の存亡をかけて必死になっていることは間違いない。何人も友人を亡くしたが、彼らは何があっても最後は国が祖国へ帰してくれるという安心感があるから命を賭すことができる」と語った。
イスラエルとイラン政府の対立関係にも触れた。
イラン政府は「イスラエルの抹殺」を掲げており、榛葉氏はイスラエル側の見方として「自国をつぶす、全滅させると言われ、黙っている国はない。イスラエルは『イランを滅ぼす』などと言っていない。ここは抑えておくべき所だ」と両者の立場の違いを指摘した。
「政府の対応、邪魔しない」
「平和が一番だ。しかしそれが世界の現状だ」と述べたうえで、日本のエネルギー安全保障にも言及。ホルムズ海峡から資源供給が途絶えれば、国内が混乱する可能性があるとして、「外務省も官邸も相当難しいかじ取りを行っている」と語った。
「われわれは政府の対応を邪魔せず、言うべきことはいい、提案すべきことはしっかりしたい」と述べ、中東情勢への向き合い方を示した。(奥原慎平)