西武からポスティングシステムでメジャーに挑戦した今井達也が選んだ球団は、アストロズだった。
【写真】投球の際に長髪をなびかせ、株主から批判されていた当時の今井達也
「移籍先で有力視されていたのが今永昇太、鈴木誠也が所属するカブスでした。アストロズはポスティングシステムでの選手獲得に熱心でなかったので、意外に感じましたね。エース左腕のバルデスがFAで移籍する可能性があるため、即戦力の先発投手が欲しかったチーム事情が背景にあります。今年はプレーオフを逃しましたが、ア・リーグ西地区で直近9年間に7度の地区優勝を誇る強豪球団です。投手の育成能力に定評があり、先発ローテーションの登板間隔もゆとりを持たせて、無理をさせない。伸び盛りの今井にフィットする球団だと思います」(米国駐在の通信員)
今回の入団で話題になったのが契約内容だった。アストロズと3年総額5400万ドル(約85億円)で契約合意し、出来高を含めて最大6300万ドル(約99億円)が支払われる。また、契約途中でも選手側から契約を破棄できるオプトアウト条項が付いた。山本由伸がドジャースに入団する際の契約額が12年総額3億2500万ドル(当時約465億円)だったことを考えると、「今井は評価が高いとは言えない」という識者の論調が多いが、メジャーリーガーの代理人は違った見方を示す。
「山本はオリックス時代に投手3冠を3年連続達成したスーパーエースです。今井が高性能の投手であることは間違いないですが、実績を考えると妥当な評価と言えます。それに異例のオプトアウト条項が付いていますので、結果で証明すれば最短で今年のシーズンオフに、FAで大型契約を勝ち取ることもできます」
本拠地ヒューストンのダイキン・パークで入団会見に臨んだ際、今井は背番号45のユニホームを身につけ、「ワールドチャンピオンを目指す準備はできています。レッツゴー、ヒューストン!」と英語で力強く宣言した。会見では来年3月に開催されるWBCについて米国メディアから質問が及んだが、「今のところ、出る予定はないです」とキッパリ。理由として、家族で異国の新たな環境に慣れることの優先順位が高いと説明した。
西武を取材するスポーツ紙記者は、「会見を映像で見ましたが、今井らしさが出ていたなと。WBCに出場を希望する日本人選手が多いですが、今井みたいな選手がいてもいい。色々な価値観がありますし、器用に色々なことをできるタイプではない。武骨で自分の軸がブレないスタンスが彼の魅力です。テレビ番組に出演した際、大谷翔平や山本由伸が在籍し、2年連続ワールドチャンピオンになったドジャースに行くよりも、『倒したい』と発言したことがメディアで取り上げられていましたが、本心でしょう。アストロズの主戦投手になり、ドジャース相手にどんな投球を見せてくれるか楽しみです」と声を弾ませる。