殺傷兵器輸出解禁「おかしいと言える正気を保っていけるか」 青井未帆教授が憂慮する「国民の議論飛ばし」

2026年4月22日 06時00分 有料会員限定記事
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 政府は21日、防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷・破壊能力のある武器の輸出を事実上、全面的に解禁した。今回の改定について武器輸出三原則や平和主義の研究に取り組む学習院大の青井未帆教授(憲法学)に聞いた。青井氏は被害を受ける側の視点と、国民的な議論を欠いたままの改定に疑問を投げかけた。(坂田奈央)
 

◆「どんな歴史の上に築かれた平和か考えて」

 ──殺傷武器を含む防衛装備品の輸出が事実上、全面解禁されます。
 日本は長らく、防衛装備品の輸出をほぼ全面的に禁じてきました。背景には、かつて朝鮮戦争やベトナム戦争に日本製の武器が使われ、多くの人が亡くなった歴史があります。国民に共有された「それでいいのか」といった倫理的な問題意識が背景となって「武器輸出三原則」が打ち出され、定着しました。

憲法9条、安保関連法などについて話す学習院大の青井未帆教授

 「日本は平和ボケだ」と言う人もいますが、私たちがどんな歴史の上に平和を享受してきたのかを思い出さなければなりません。被害を受ける側の視点を持ち、武力で紛争を解決するのはやめよう──それが原点だったはずです。
 それが今、殺傷兵器の輸出まで解禁することになりました。国民が本当にそれでいいと考えるのかが問われています。

◆国民も慣れてしまったのか

 ──高市早苗首相は、武器輸出を認める「5類型(救難・輸送・警戒・監視・掃海)」の制約が国内防衛産業の空洞化を招いているとして、解禁によって「デュアルユース(軍民両用)技術を含めて日本経済の成長にもつながる」と主張しています。

21日、防衛装備移転三原則と運用指針の改定について、記者団の取材に応じる高市早苗首相(佐藤哲紀撮影)

 デュアルユースの議論を持ち出したのは、ごまかしに見えます。確かに軍民の線引きは難しいところがありますが、「難しいから全面解禁もやむを得ない」というのはいかがなものでしょうか。 
 ──今回の政策変更は、政府内の国家安全保障会議(NSC)で決まりました。
 
 自公連立政権の時代から、閉ざ...

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    みんなのコメント3件

  • ユーザー
    cool 5 4月23日5時16分

    こんなに簡単に国策が変えられていいのだろうか?新たな戦前に引きずり込まれていく気がしてならない。このことはまた、岸田首相の原発回帰の時と同じ違和感を感じた。軍需産業(死の商人)の片棒を担いだり、悲惨な過酷事故を反省せず自然エネルギーの転換に真剣に取り組まなかった姿勢は政府が如何に国民の生命を蔑ろにしているのかを感じさせる。一国民として切に平和憲法を尊重した国家運営を希求する。

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    • ユーザー
      ムジナ 4月22日19時42分

      武器輸出禁止も専守防衛も、日本の歴史や国民の想いに深く根差した大切な原則だったはず。それを、世界を同志国と敵対国に二分する単純思考によってなぎ倒してしまう事は、延いては最も重要な根本原則である民主主義をもなぎ倒す事になりかねない。軍拡競争に自ら飛び込む以外の方法で国の安全を確保する方法について、国民的議論があってこそ民主主義ではないか。敵味方の単純思考の先に何があるのか、強い不安を感じずにはいられない。

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    • ユーザー
      マカオ 4月22日7時47分

      大変なことになりました。早速、フィリピンと協議開始らしいです。変なところだけ、スピード感があります。歴史的な大転換の始まり。これから、スパイ防止、国旗毀損罪、皇室典範改定等々の法案成立。並行して、改憲、非常事態宣言についての議論も始まるのでしょうか。
      私企業の活動は致し方がないとしても、何か対抗策は考えられないでしょうか? 例えば、政府の関与する、自衛隊装備の移転を制限する法案とか?

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