英ポンドが買い戻されるのはBOEに対する信任
現在の世界の通貨制度は管理通貨制度、別名、信用貨幣制度に基づいている。信用とは、過去からの実績に基づく客観的な評価を意味する。過去からの実績を着実に積み重ねることで信用を獲得した通貨を、ユーザーは信頼して利用する。特に金融市場での取引が多い国際通貨(ハードカレンシー)の場合、投資家の信頼を得ることが重要だ。
中銀が投資家の信頼を得るためには、明瞭な原則の下で金融政策運営を営む必要がある。その実績を積み重ねて信用を獲得しないと、投資家は中銀を信頼しないし、当然、そうした中銀が発行する通貨も信頼しない。そうした通貨の価格、つまり為替レートは下落し、それが常態化したり、価格を超えた通貨の“価値”の棄損を招いたりすることになる。
物価目標を設定する意味合いは、金融政策運営が明瞭になるということに尽きる。投資家は金融政策の明瞭性を評価するためだが、物価目標を掲げた以上、中銀はその物価目標を遵守した金融政策運営を徹底する必要がある。それを反故にするような中銀は、物価目標を遵守するという実績がないということになり、投資家は信頼を寄せない。
こうした観点に基づけば、BOEは景気に配慮しつつも、物価目標を遵守した金融政策運営を一貫している。それゆえ、ボラティリティを伴いながらも、ポンドという通貨はドルに対してきちんと買い戻される。これは大陸の通貨ユーロにも言えることだ。欧州中央銀行(ECB)が物価目標を遵守するからこそ、ユーロの対ドル相場は上昇している。