私は80Wというところ自体にはそこまで悪い印象は持ってません。
明確な数字は普及という意味で良い効果があって、確実に当初は他をリードしてきたはず。
ただ、案の定アップデートがうまくできずに変化に対応できなかった結果が今の業界なんだろうなとも思います。
--
80Wという数字はどこから来たのかというと、
日本国内に適用される安衛則から来てます。
そもそも国内では、定格出力が80W以上のものを実質的に産業ロボットとしてます。
この閾値で、産業ロボットとして柵で囲って隔離しないといけないという決まりができました。
つまり80W以下は除外されるわけです。
ちなみにこの決まりはISOで制定されるより前に明確化されてます。
後追いでISOで似たような規格が制定されました。
ISOが上手いのが、力、速度、圧力などで閾値表現したことです。
日本のこの80Wというのも、正直かなり上手い設定だとおもってます。勝手な推測ですが、正直制定の時代と日本での規格普及といったところを加味すると、出力での表記が良いと判断したのではないかと。
--
その後、今度はISOが先行して人とロボットの協調といったところに切り込み明文化するわけです。
一方、国内では協働の定義も明確化できずにあやふやな状態が続きます。
そんでもって、この頃から
ISOに則って産業ロボットだけど協働可のロボットと、そもそも80W以下だから関係ないけど協働ロボットと言う名前だけつけるという2種類のタイプが混合した協働ロボットたちが乱立します。
ここからは諸説あるのですが、前者を守ってると後者にそもそもコスト的に勝てないというのと、そもそも80W以下でも危なくない?や、ロボットの安全技術の進歩云々など、諸々の理由からISOでは80W条件が抹消されました。
そんな中、国内でも2号通知という呼称で協働作業を織り込んだ安全基準がやっと後追いで明確になったわけです。
ただ80W条件は国内では残存しているので、依然として上記の乱立状況が続きます。
この状態の何が問題かというと、
グローバルなロボットメーカーは国外にもロボットを売っていかないと成り立たないので、ISOを当然遵守する必要があるのですが、ISOと国内の規格に乖離があって、国内の方が緩いとなると国内での競争力が低下するどころか、国としてISOを国内に有利なように決めていく推進力も弱いというところになります。
じゃあ80W条件が悪なのかというとそういうわけではないと思ってて、繰り返しですが、その閾値で柵で囲うか否かの設定精度は絶妙にうまかったという認識です。
仕組み作りが苦手な日本において、数字として明確化されるというのもうまく普及する考え方です。
しかし、普及ははやかったけれど、その曖昧さがその後の発展を妨げたのも同時に生じたと思います。
ロボットの安全技術が向上してきた背景から、RAをベースにするという日本の不得意な領域に持ち込まれていて、国内ではそこにうまく切り込んでいけず、規格戦争に負けている状態。
私はそう捉えています。
だから各社メーカーから規格や法律を課題として、国が切り込んでいくこと求めてる声があがるのも理解できるし、それができていない現状を上位が危機感持って捉えず、ガラパコスとして表現するならうなづけます。
ただ、歴史を辿っていくと思うことは、
日本の現場レベルでの意識が、グローバル規格に戦えるような方向に向いていないというのも大きな課題であると感じています。
Quote
yamato_imahori
@ImahoriYamato
ちょっと怒ってます。
FA分野でオピニオンリーダー的な方がいまだにロボットの80W規制の話をする。それ以前に協働ロボットというISOでは消え去った言葉をいまだに語る。
このガラパゴスが分からん状況をなんとかしませんか。これで世界に対抗するの。文句がある方はどうぞです。