その時、なにかがへし折れる音がした
マテリアルで新宿ストーリーを読み返したら思い浮かんだネタです。
特に真名バレはないですが、それを示唆するような描写はあります。
時間軸としてはアガルタ終了後の話。
なんか書いている内になにを書きたかったのかよく分からなくなったので、まとめ方も終わり方も雑。
”なにか”、とはよく乱立する例のあれ。
ぐだ男たちなら簡単にへし折りそうだよねって話。
逆に魔術大戦争とかになっても面白いかもしれない。
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魔術協会に呼びだされた。
あ、いや、正確には呼びだされていた、だ。
ゲーティアの戦いのあと、人類は救われ、世界は止まっていた時間を再び動かし始めた。
ここカルデアは魔術協会と国連の承認によって成り立っているところである。
当然その上層部に報告義務もある。
七つの特異点の膨大なデータは渡して、協会から魔術師たちがやってくる予定だった。
俺も一度は協会に顔をだすようには言われてたんだけど、その前に二つの新たな特異点が重なったせいで行くタイミングをすっかり逃してしまっていて……。
新宿、アガルタの異常を修復した今、ようやく協会へ向かえるというわけだ。
「――っていう設定だから、きちんと覚えておくんだよ」
「うん、分かった」
「ボロは出さないようにね」
「それは……多分、大丈夫。不安要素もあるけど」
ダ・ヴィンチちゃんに協会の訪問に伴って、既に報告してある俺の“設定”について教えてくれた。
そういえば、新宿にいく前にマシュがカルデアのスタッフさんたちが話しているのを聞いたって話があったな。
スタッフさんたちが話していたような設定が、まさしく今の“俺”だ。
テロのあともバックアップは万全だった、俺はあくまでサーヴァントを繋ぎ止める楔でしかなかった、英雄の交渉なんかは全部ドクターがやってくれていた、って。
俺がやった、って明確にならないようならあとはアドリブでなんとかしてくれってさ。
それでいいのか、本当に。
「にしてもいくとこ多くない?えーと、創造科、鉱石科、全体基礎科、動物科、法政科、と……」
「あとは協会に所属する貴族たちが個人的に会いたい、と言ってきている。断ってもいいんだよ?」
「んー、まぁ、会って挨拶するくらいならいいんじゃないかな」
「あの、本当にいくんですか?先輩。その……」
「ん?」
「やはり、危険ではないかと……」
マシュが不安そうな表情で見てくる。
俺はそれに対してニコリ、と笑った。
「大丈夫、なんとかなるって」
「ですが!スタッフの方々も言っていましたが最悪暗殺や、誘拐される可能性もあるんですよ!」
「まぁ、命の危険なら今までもあったし、誘拐っぽいのも経験してるしなぁ……」
「危機感がなさすぎます!いえ、危険に慣れ過ぎです!」
「良くも悪くも、この戦いは君を随分と図太く成長させてしまったね」
「お陰で何事にもあまり動じない精神を培いました」
ダ・ヴィンチちゃんに親指を立てて言えば、先輩!とマシュに怒られる。
はは、と俺は笑う。
「大丈夫大丈夫、心強いボディガードがついてきてくれるんだから」
「ですがまた新宿のときのようにサーヴァントのみなさんだけ弾かれる可能性も……」
「そこはほら、専門家連れてくし対抗手段も連れていくから」
「まぁ、なんとかなるんじゃないかい?」
「ダ・ヴィンチちゃんまで……」
「マシュ、今回の訪問は確かに身の危険もある可能性がある。けどリツカ君が赴くところは特異点ではないし、相手は人間だ」
そのダ・ヴィンチちゃんの言葉に、なにを言いたいのかマシュは理解したようだ。
そう、相手は聖杯に召喚されたサーヴァントでも、魔物や戦士でもなく、ただの魔術師である。
なんて言ったら油断になるかもしれないけれど、数々の特異点に比べればなんの脅威でもない。
そして俺には頼もしい味方もいるのだから。
マシュは少しだけ不安が和らいだ表情で、俺を見てきた。
だから俺はいつものように彼女にこう言うんだ。
「いってきます」
「はい、いってらっしゃい、先輩」
excellent!! あの旅を乗り越えた立香たちに対して、ただの魔術師(それも権力にすがってそうなやつ)が叶うわけないんだよなぁ。