今井投手は総額99億円!メジャーで日本選手が桁違いの年俸を手にできる理由とは
西武からメジャーリーグへ移籍を目指していた今井達也投手の移籍先が、ヒューストン・アストロズに決まった。報道によれば、契約は3年5400万ドル(約85億円)で、出来高を加えた場合の総額は最大6300万ドル(約99億円)になるという。
3年連続2けた勝利をマークし、昨シーズンは10勝5敗、防御率1・92、178奪三振。27歳という年齢、三振を取れる投球スタイルと先発ローテーションを守るスタミナで評価は高い。
メディアの予想では6~8年で最大300億円近い金額になっていたが、まだメジャーで1球も投げていない投手が単年でも30億円を手にできるというのは、それだけ日本投手への期待値が上昇していることを証明している。
日本球界からポスティングシステムで海を渡る選手は、現状のメジャーではリーグ内のFA選手とは一線を画した「プラス@」の戦力で、いわば「助っ人」のような役回りとなっている。当然、高額年俸に見合う1年目からの即戦力として期待されている。これは、投手、野手に関係なく、ホワイトソックスに移籍した村上宗隆選手も同じである。
今井投手、村上選手にいえることは、メディアの想像よりも契約期間が短いという点だろう。ただ、これは妥当な評価だと思う。近年、12年契約の山本由伸投手は別格として、メッツと契約した千賀滉大投手、レッドソックスと契約した吉田正尚選手、カブスと契約した鈴木誠也選手はいずれも5年と契約期間が長い。
日本での実績と、争奪戦の行方によって条件は良くなるが、安定して成績を残しているのは鈴木選手くらいだという厳しい現実もある。メジャーの野球に順応していくのは決して簡単ではない。長い期間の契約は、メジャー球団にとってもリスクがあるのだ。
今井投手の3年は、本人にとっても決して悪くない。メジャーで活躍して、その先に一段上の契約を勝ち取れる可能性も残したからだ。本人も自信を持っているからこそ、26、27年シーズン終了後に自ら望めば契約を途中破棄できる「オプトアウト権」を盛り込んだのだろう。
契約内容からして、「シーズン10勝」が一つの評価軸になるとみているが、これよりも勝利数や内容が上回れば、今井投手サイドとしては、早い時期に契約を破棄して、より好条件のチームとの交渉を見据えるのではないだろうか。
チームは昨季、9年ぶりにプレーオフ進出を逃したものの、直近9シーズンでは7度地区制覇を果たし、17年と22年はワールドシリーズを制している。本拠地は開閉式ドームで、投手にとっては投げやすいはずだ。
気になるのは、日本球界の行く末である。メジャーが日本の選手を「助っ人」として、高年俸で獲得するのに対し、アメリカ球界(ほとんどがマイナー選手だが)から日本のプロに来る選手のレベルはやや低下していると思う。円安の影響もあるだろうが、構図に変化が出ているのは間違いないだろう。