【転生】召喚術だけは天才みたいです!【時計塔】
ぐだ男くんが転生して時計塔で魔術師する 話です。皆さんたくさん書かれてると思いますがそれでも書きたくなるのが転生パロですね。
FGOとFate/Zeroとググッた知識のみで書かれていますので知識不足が多くあります、お気をつけください。
ギルガメッシュと諸葛孔明です。ときどき凛ちゃんとエルメロイ先生。
ぐだ男くんの性格がおふざけイベントのときくらい軽いです。
途中で力尽きました、すみません。続き書けたら書きたいです…。
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日本から飛行機で12時間、ついにこの日がやってきた。俺、藤丸立香はロンドンにいる。
そう!あの!名高い学舎!時計塔に入学するために!俺は藤丸家の3代目であるが、遠坂家の分家の分家の分家の分家、なんならギリギリ一般人くらいの家系で俺もどうせ趣味程度に魔術を勉強して普通に就職するんだと思っていた。
だから、両親が時計塔の受験票を持ってきてくれた時は夢かと思った。
だって魔法学校ってかっこいいじゃん!!
それからはもう死ぬほど勉強したし練習した。どうせ魔術師になんてならないだろうと思ってサボりまくってから正直やばかった。だから合格通知を貰ったときは死ぬほど嬉しかった、だって時計塔だよ!魔法学校だよ!俺、魔法使いみたいじゃん。
なんてはしゃいでたのは最初だけ。授業は難しい、魔力量は足りない、必死に予習と復習をしてなんとか落ちこぼれていないというのが現実だ。そんなこんなで世の中の学生と同様、テストにレポート、家事、洗濯と大忙しの生活を送っている。
神話学の授業は退屈だ。担当教授はDr.ロマンことロマニ・アーキマン、桃色でふわふわの髪にタレ眉の見た目通り物腰柔らかな先生だがいかんせん威厳がない、声が小さい、ジョークがつまらない。ということで正直あまり人気はないし僕も苦手な先生だ、正確には声を聞いていると眠くなる。
魔術と神話は切っても切れない関係で重要だとも分かってる、でも耳慣れない名前をひたすら暗記するのは昔から苦手だった。それにやっぱり英語がわからん、しんどい。ウトウトしながらも何とか教科書を目で追う。
電話帳みたいなサイズで重厚な表紙がめっちゃカッコいいんだけど、そう思ってたのも最初だけで今では重たくて仕方ない、文庫本サイズにすればいいのに……。
その訳の分からない文字の羅列が光った気がした。やばいな、これは半分寝てるやつだ。
何とか身体を起こして首を回す、隣に座っていた凛ちゃんに呆れ顔をされてしまった。
凛ちゃんは時計塔の地下で迷子になっていた俺を助けてくれた日本人の女の子だ。めちゃくちゃ可愛い、しかも優秀で名高い遠坂家のお嬢さんだ。そう、遠坂家、本来なら末端の俺なんかとは目も合わせてくれないくらい高貴なお方なんだけれど、本人はとてもやさしくて、凛でいいわよと言ってくれた。英語が不慣れな僕を何度も助けてくれてこうして授業も一緒に受けてくれるし、質問したら100点満点以上の説明をしてくれる。完璧すぎる天使のような友人なのだ。
真面目に授業を受けようと教科書を見るよやっぱり光っている。その文字だけ金色のインクで箔押しされてるみたいだ、金かかってるなー、流石は時計塔。
「英雄王、ギル、ガメッシュ?」
ぽそりと呟いた瞬間、突風が吹き荒れた。
「立香、こっち」
逃げ遅れそうだった俺の手を凛ちゃんが引っ張ってくれる、運動神経も僕以上か、流石にちょっと悔しい。
「ありがとう、なんだろう襲撃とか?」
映画みたいでちょっと興奮しながら言ったら怒られた。それもそうか、いつまでも観客じゃいられないもんな。警戒しながらじっと爆風の中心を見つめる。
ちょうど俺が座っていた辺りの椅子と机は粉々で、背中に冷や汗が伝うのが分かった。時計塔で学ぶということは危険と隣り合わせということか、改めて魔術の難しさを実感した。今日からもっと真剣に授業を聞こう。
決意を新たにしているうちに、砂埃が晴れて人影が見えてきた。敵だろうか、時計塔の結界を破り突然襲ってくるぐらいだからかなりの遣い手なのだろう。
現れたのは、金色の美丈夫だった。
きらびやかな黄金の鎧に燃えるような赤いマント、金糸のような金髪をオールバックにしルビーのような瞳。
絵画でもここまでの美形はいないだろう。
「めっっちゃイケメン出てきたね」
小声で凛ちゃんに話しかけるが、彼女はじっとそのイケメンを見つめている。まぁ、あんだけかっこよければ驚くよな、魔術師って美男美女が多いのか?そう言われてみると同級生も容姿の整った人が多いかも、なんで俺は平凡なんだ……。
「随分と手荒い召喚であったな、藤丸立香。」
透き通った美しい声から溢れ出る威厳を感じた、絶世のイケメンはやっぱり声までイケメンなんだな。
えっ?立香?んん?呼ばれた気がする。
「おい雑種、我を呼び出しておいて無視とは死にたいのか?」
そう言ってまっすぐ俺の方に向かって歩いてくる。やっぱり俺だ。え?俺?なんかした?
「ごめんなさい、王様。殺さないでください」
とりあえず謝っとこう、誰なんだこの人、全然記憶にないぞ。こんなイケメン1度見たら忘れるわけないしな。
「ねぇ、立香!あなたこのサーヴァントと知り合いなの?どうやって召喚したの?」
凛ちゃんが矢継ぎ早に質問してくる、かなり焦っているらしく正直言ってかなり怖い。ほら、美人って迫力あるから…。
「いや、全然わかんない。どうしたらいいの」
「私にもわかんないわよ、聖杯戦争もなしにサーヴァント召喚なんて聞いたことない」
「えぇ、てか聖杯戦争っておとぎ話でしょ?」
瞬間、凛ちゃんがやってしまった!という顔をした。本当にあるんだろうな、聖杯戦争。凛ちゃん焦ると顔に出やすいタイプなのか。てか俺のっけからピンチでは?
「すっ、すスストッープ!!!」
わけも分からず現れた青年と対峙していたところにDr.ロマンが止めに入ってきてくれた。僕と青年の間にたち両腕を広げている、ありがとう先生、かっこいい……、次からちゃんと授業聞こう。声震えてるし足ガタガタだけど生徒を守るという強い意志を感じる、やっぱりいい先生なんだよなー、授業下手だけど。
金色の青年はぐるりと辺りを見渡してから心底愉快そうにこう言った。
「今回は時臣の娘にキャスターまでおるのか、なかなか面白いものが見れそうだ、褒めて遣わすぞ雑種」
青年はじっと僕らを見つめると、ふははははと高らかに笑い出した。とにかく機嫌は直ったみたいだ、よかった。雑種って俺のことだろうか、大した血筋でもないけれどここまで面と向かって言われたのははじめてだ、まあこのくらい勢いがあれば逆に許せた。
とにかくその講義は休講になって、部屋の片づけに追われている。流石時計塔だけあってあちらこちらで魔術が使われている。風がガラスの破片をかき集めたり、机が逆再生みたいに直っていく。やばいな、超かっこいい。
俺はというと、普通に箒を片手に埃を払っている。頭上にはこの騒動の元凶である金色の王様が本棚に腰掛けている。なんでこの人ずっとオレについてくるんだろう……。周囲の視線がめちゃくちゃ痛い。
「あの、どちら様でしょうか…?」
「我が本当に分からぬと申すか、これだから雑種は。お前が呼んだのであろう?」
「俺が、呼んだ……、ギルガメッシュ?」
「雑種ごときが我が名を呼ぶとは無礼であるぞ!!」
「えっ、すみません!」
めっちゃキレられた、イケメンこええよ。てかギルガメッシュ?ってさっきの教科書の人だよな。ああ、ちゃんと授業聞いてればよかった、大急ぎで教科書を引っ張り出して読み漁る。
ええっと、『古代メソポタミア神話における、シュメール初期王朝時代のウルク第1王朝の王。最古にして世界の全てを手中に収めた英雄王である。』ウルク?って何年前だよ、神話だって、まぁ神話学の教科書だから当然なんだけど。一旦、目の前の金色イケメンがギルガメッシュ王であると仮定すると、これはやっぱり召喚になるのか。俺召喚術とかやったことないよ?それもギルガメッシュ王って絶対召喚するの大変でしょ。しかもこの人僕の名前知ってたし、ますます分からない。
「とりあえず、はじめましてでいいのかな?俺は藤丸立香、この春から時計塔にやってきた魔術師です。どうぞよろしくお願いします!」
ええい、こうなれば自己紹介だ。ギルガメッシュ王と会う機会なんてそうそうないしね。現実逃避?いやいやただのポジティブシンキングです。にっこり笑顔で右手を伸ばしてみた。新学期の自己紹介続きで、初対面の挨拶もかなり慣れてきた。
「ほーう、雑種が魔術師とな。まあ大したことはないがちょっとは進歩したようじゃな」
王様は俺の差し出した手を無視してそう続けた。雑種ごときではその玉体に触れることはできないらしい、流石王様。宙に浮いた腕が切ない。
「俺のことご存知なんですか?」
「覚えていようがいまいがお前がお前であることに変わりない」
王様は誰と勘違いしてるんだろう。こんなキャラの濃い人1度見たら忘れるわけないでしょ、てか金髪赤目に知り合いなんていないし。
「ところで雑種、時計塔と申したな。ということはここはロンドンか。少し散歩をしてくる、多少の暇つぶしにはなるだろうよ」
そう言うと王様は外へ出ていった。とにかく自由な人だった、あの人扉開けてなかったぞ、すり抜け?魔術?
まあ、とにかくイケメン見れてラッキー。とか思っているとドンッという音が聞こえた、またイケメン出現か?とわくわくしながらみるとロマン先生がひっくり返ってた。
「はあああ、怖かった。なんでギルガメッシュが召喚されてるんだよ……。無理すぎる……」
「ロマン先生かっこよかったですよ!次からは真面目に授業聞きます!」
「ありがとう。ってことは今まで授業聞いてなかったの??今日のとかすっごい自信あったのに!」
「あはは、すみません」
ロマン先生と能天気な会話を繰り広げていると走ってきた凄まじい形相の凛ちゃんに両肩をがっと掴まれ揺さぶられた。えっ?なになに?怒ってるの?
「なんであいつがいるのよ!!!てかどうやって呼んだのよ!!」
「呼んだって言っても、名前呼んだくらいだよ?絶対俺関係ないって」
「関係ないわけないでしょ!!!」
俺今日やたらと怒られてるな、つらい。でも何を言われても分からないものは分からないし知らないものは知らない。でも、なんとなく懐かしい感じはした、かなぁ?うーん、気のせいっぽい。
教室の片付けが終わった時点で神話学の講義は終了となった。ロマン先生がこれから襲ってくる始末書地獄に青ざめていたので心の中で応援する、まあ手伝えることもないしね。
「お手伝い出来ることがあれば言ってくださいね」
そう伝えても、ありがとうと力なく笑うばかりである。ロマン先生、新任だし下っ端そうだもんな、講義室も片付けたとはいえ直しきれてないところもちらほらある。本当にご愁傷様です。
授業が少し早く終わったので、凛ちゃんと少し早めの昼食にする。食堂が空いていて助かった、味はまぁ、イギリスって感じでなんとも言えないのだけど。ここのポテトは結構好きだ、このtheジャンクフードって味がたまらない。その後は、神話学の講義の復習をした。特にギルガメッシュのことが気になってたまらなかったので予習の形になるがペラペラとページを捲っていく。
凛ちゃんは眉間に皺を寄せて考え込んでいる、よっぽど王様のことが気になるのだろう。まぁ俺も気になってるからこうして教科書を熟読しているわけだけど。
「ギルガメッシュ王って結構暴君なんだね」
「暴君なんて可愛いもんじゃないわよあいつは、身勝手で尊大で周りのことなんて眼中に無いわ」
凛ちゃんはよっぽど王様のことが嫌いらしい、確かに気難しそうではあるけど豪快でかっこいいと思うんだけどなぁ。
「あっ!令呪!!」
そう叫ぶと凛ちゃんは俺の手を引っ掴んだ。左右の手をくまなく確認してからがっと袖をまくられた。えっ、なになに、どうしたの急に。金色の王様と会って凛として落ち着いた雰囲気だった凛ちゃんが破天荒、というか男前な感じに変わっている。それはそれでかっこいいから問題は無い。
「令呪って?」
「普通サーヴァントと契約したマスターには令呪っていう紋様が宿るのよ」
だからギルガメッシュを召喚したなら貴方にもあるはず、とあちこち探し回るがどこにもなかった。聖杯戦争──どんな願いも叶えられる聖杯を求めて7人のマスターがサーヴァントを召喚し殺し合う儀式だったはずだ。ただのおとぎ話だと思っていたが、先程の召喚を見た以上冗談だと笑い飛ばすことはできない。そんな危険な儀式がここ時計塔で行われるかもしれないなんて……。
流石は魔法学校!かっこいい!!!
頑張ったかいがあるってもんだ。凛ちゃんの話によると俺はマスターではないらしいし一安心だ。いつか俺も召喚術が使えるようになりたいな、召喚学は3年目からだったはず、先は長い。
凛ちゃんと雑談をまじえながら勉強をしていると放送がなった。ここ放送とかあるんだな、音がサイレンっぽくてちょっと怖い。
『1年生藤丸立香、大至急エルメロイ教室まで来なさい。1年生藤丸立香、大至急エルメロイ教室まで来なさい』
え?んん?藤丸立香?同姓同名は流石にロンドンにはいないか。それにまぁ心当たりならある、金ピカ王様のことだろう。クラスの真ん中で話しかけられたのだ、目立つし関係があると思われてもしかたない。それにエルメロイ先生って言ったら現代魔術の権威でしょ、いつか講義を受けてみたかったんだ。これはこれでラッキーかも。
「エルメロイ教室ならここからそんなに離れてはいわよ、行ってらっしゃい」
流石に女の子相手に不安だから付いてきてくれとか言えない、大急ぎで昼食を詰め込んで立ち上がる。
「食堂を出て左2つ目の棟よ、気をつけて」
さっと行き方を説明してくれる凛ちゃんはやっぱりかっこいいな、お礼言って小走りで向かう、もう次の講義まで30分もない。