藤丸立香は抱き上げる
一ヶ月半振りの投稿です。
これから投稿の間隔はもっと長くなると思いますがご了承ください。
久しぶりなので、誤字脱字や解釈違いがより激しくなると思いますが、どうか楽しんでもらえると幸いです。
あと、やっぱりワチャワチャ系から変な路線に変更してしまいます。
ワチャワチャ系の難しさを再認識しました。
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ここは、非日常が日常のノウム・カルデア。
ここでは、今日も歴戦の英雄たちも気を引かれるような不可思議な出来事が起こっていた…………
宇津見エリセ
「………あのさぁ君、最近どうしたの?」
藤丸
「え?」
アーカイブを眺めながら食事をしている藤丸に、共に卓についていたエリセが唐突に問いかけてきた。
藤丸
「どうって、俺最近変なことした?」
宇津見エリセ
「うん、現在進行系でね」
藤丸
「え?進行形?」
そう言うと、藤丸は本当に分からなそうに首を傾げた。
宇津見エリセ
「……はぁ〜、なんで最近アーカイブ見ながらニコニコしてるのさ」
藤丸
「え、俺、笑ってた?」
宇津見エリセ
「うん、とっても幸せそうにね」
藤丸
「まじか………」
エリセはため息をついた。
藤丸がアーカイブを見ることは珍しくない。むしろそればかりしていると言っても過言ではないほどだ。
藤丸は定期的に過去の映像やレポートを見返す。
その理由をエリセは知らないが、深堀するべきではないと考えていた。
もし理由が一種の感傷や戒めであったなら、エリセ自身が口を挟んでいい内容ではないと思ったからだ。
しかし、ここまで幸せそうにニコニコとしていると気になって仕方がない。
藤丸
「いや〜、個人的には抑えているつもりだったんだけどなぁ〜………」
宇津見エリセ
「いや、そんな目逸らして照れくさそうにしても抑えられてなかったから」
藤丸
「うっ、無慈悲な宣告………」
藤丸はガックリとうなだれた。
どうやら本人的には、本気で隠せていた気でいたようだ。
宇津見エリセ
「………それで、なんのログ見てたの?」
藤丸
「えっと、ここ最近は鎌倉と水怪の特異点をちょっと…………」
宇津見エリセ
「鎌倉に水怪?」
てっきりハロウィンなんかの頭がおかしくなりそうなほど狂った特異点でも見て思い出し笑いしてるのかと思ったがどうやら違ったようだ。
宇津見エリセ
「なんでその二つ?」
藤丸
「あはは…………」
宇津見エリセ
「うわ、見たことないくらい乾いた笑い」
まさか彼からハロウィン以外でこれほどの笑みを見ることになるとは思わなかった。
宇津見エリセ
「(それだけ知られたくないってことか………)」
己の在り方にストイックな彼が、ここまで誤魔化すなら詰まるところそういうことなのだろう。
宇津見エリセ
「………はぁ、君がそういうなら、これ以上は言及しない」
藤丸
「あはは、そうしてもらえると助かるよ」
宇津見エリセ
「まったくもう………」
ここまで来たら言及するのは野暮だろう。
他者の事情というのは、時に英雄の運命ほどに複雑なのだから。
宇津見エリセ
「(それに、知らなくて困ることもないだろうし………)」
宇津見エリセ
「(……と思ってた時期が私にもありました…………)」
先程とはところ変わって、ここはマスターすら知らないサーヴァントのみが知る秘密の部屋。
今エリセは、中央部分が大きく空いている円卓の、そのど真ん中で正座させられていた。
そしてその円卓に鎮座するは古今東西の女傑たち。
カルデアの9割の女性サーヴァントに囲まれ、エリセは畏怖と不安で今にも座に帰りたくなっていた。
ここにエリセが呼ばれ正座させられている理由はただ一つ…………
清姫
「エリセさん、ここ最近のますたぁのあの笑顔の理由、教えてくださいませんか?」
こういうワケだ。
もはや定番と言っても差し支えないだろう。
ちなみにこのときのエリセの内心はというと…………………
宇津見エリセ
「(答えられるものならさっさと答えたい………!)」
マスターを売る気しかなかった。
しかしまぁ、この反応は当然といえば当然だろう。
誰が好き好んでこんな場所に長居したいものか。
今のエリセは、この危機を打破するためならばマスターを売るという業すらも背負う覚悟であった。
しかし………
宇津見エリセ
「(どうしよう………話せることが無さすぎる………!)」
売ろうにも、売るものがエリセにはなかった。
ネタがなければ覚悟も業も塵芥に等しい。
結果、この極限の状況下でエリセが選択した行為は………
宇津見エリセ
「………あ、あの」
清姫
「はい?何でしょう?」
宇津見エリセ
「な、なんで私に聞くんですか?」
時間稼ぎであった。
特に誰かが助けてくれると期待したわけではない。
だが、このまま「何も知りません」と言っても逃してもらえるはずがない。
であらば、助かる可能性を見つけ出すまで時間を稼ぐしかない。
つまりこれはただの悪足掻き、苦肉の策なのだ。
清姫
「簡単なことです。あなたはここ最近、ますたぁといっっっつも共に行動しているでしょう?」
宇津見エリセ
「え?いや、そんなことは………」
清姫
「静謐さん」
静謐のハサン
「はい」
清姫に呼ばれた静謐のハサンは、なにかの書類を持ちながら起立した。
清姫
「エリセさんのここ一ヶ月のマスターとの接触時間平均、及びますたぁとの活動内容を教えてください」
静謐のハサン
「承知しました。エリセさんのここ一週間のマスターとの一日の接触時間平均は8時間47分。更に周回だけではなく、ほぼ毎日、ほ・ぼ・ま・い・に・ち、マスターと夜を共にしているようです」
宇津見エリセ
「ちょっと!?今すごい語弊を招く言い方しませんでした!?」
とりあえず何故『ほぼ毎日』を2回言ったかは置いておくとして、今の言い方ではまるで自分と藤丸が『そういう仲』に聞こえてしまう。
現に周囲のサーヴァントたちの空気は冷めきっている。
ガラスの馬やら謎の触手が見え隠れし、アナスタシアなど笑顔でヴィイを完全顕現させている。
いや、見え隠れは誤解のようだ。
厳密に言うと、あらゆる式神やら宝具やらがうす肌に到達している。
もはや他のサーヴァントは自分を殺す気しかないようだ。
このままでいれば殺される。
何か話さなければならない。
宇津見エリセ
「ほんと一回待ってください!せめて事情聴取してください!できることなら弁護士呼んでください!」
清姫
「弁護士を呼ぶ場合、弁護人は頼光様、モルガン様、カレン様の3名の中から選んでいただく事になりますが?」
宇津見エリセ
「人選に弁護する気を感じない!」
こんな悪意しかないない人選があろうか。
というか、何故カレン先生がよりによってその面子に含まれているのか。
あの人の顔の広さに毎度のことながら驚かされる。
清姫
「ちなみに、客観視した場合の御三方の判定は?」
源頼光
「(母として)有罪」
モルガン
「(妻として)有罪」
カレン・C・オルテンシア
「(面白そうだから)有罪♪」
宇津見エリセ
「でしょうね!」
こんなところで尊敬する偉人たちの高度な連携など見たくなかった。
というかカレン先生は絶対に面白がってるというのが分かる。
もはや有罪と発する前に副音声で(面白そうだから)と聞こえてきたほどだ。
これでは弁護は期待出来ない。
エリセに残された道は唯一つ……………
宇津見エリセ
「せめて、せめて事情だけでも聞いてください……!」
清姫
「………いいでしょう、それぐらいしなければ公平性は保たれませんから」
なんとか事情聴取を取り付けることは出来た。
そこでなんとか助かる道を見つけ出さなければならない。
そうしなければ、今首から下を這っている様々なタイプの触手に握りつぶされてしまう。
とにかく、これに賭けるしかない。
清姫
「ではまず1つ、何故ここ最近周回であなたが重宝されているのですか?」
宇津見エリセ
「そ、それは、マスターが最近即死周回を試していて、その候補として使われてるだけです」
ここでの嘘は逆効果。
清姫が嘘を見抜く以上、嘘は信用を失うだけ。
更に、ここにいる彼らの精神を逆撫でしないように言葉を選ばなければならない。
宇津見エリセ
「(てか紅葉さんそこにいるなら助けてよ………!)」
疲れ過ぎてすぐそこにいる鬼女紅葉に心の内で八つ当たりしてしまっているが、清姫の質問に集中せねば死んでしまうため、全意識を清姫に集中させる。
清姫
「即死周回ならニトクリスさんや蘆屋道満様の領分では?」
宇津見エリセ
「マスターは一人にかける負担を減らすために様々な形を試すと言っていました。だからNPチャージ持ちのの全体宝具の私が選ばれたんだと思います」
清姫
「ほう………」
宇津見エリセ
「げ、現に、セイバーの両儀式さんなんかも呼ばれてましたよね?」
両儀式(剣)
「えぇまぁ………」
とりあえずは最初の関門は突破した。
他のサーヴァントからの真偽の確認を取ったことでおそらく、自分の発言の信用性を周囲のサーヴァント達から多少は得たはずだ。
しかし問題は……………
清姫
「周回の理由は分かりました。前情報と誤差もありません」
宇津見エリセ
「(前情報あるならわざわざ聞かないでよ…………)」
※言うまでもないがエリセは疲れているので失礼な言動はご容赦ください。
清姫
「では第二に、何故ここ最近ますたぁと朝同時に部屋から出ているのですか?」
宇津見エリセ
「(来た!)」
ここでの返答をミスると文字通り一瞬で首が飛ぶ。
こんなところでスプラッターなどまっぴらごめんだ。
慎重に言葉を選ばなければ…………
宇津見エリセ
「あ、あの、言う前に一つ聞きたいんですけど………」
清姫
「はい、何でしょう?」
宇津見エリセ
「清姫さんたちって、いつも彼の部屋にいるんですよね?じゃあなんでここしばらくは部屋にいなかったんですか?」
これは最初から気になっていたことだ。
エリセがマスターの部屋に入っても何の気配も感じたことはない。
アサシンの静謐のハサンや、空間や精神へ影響を与えるゴッホならまだしも、頼光や清姫なら近くにいれば少なからず違和感は覚える。
それがないということはいなかったということだ。
エリセにはその理由が皆目検討もつかなかった。
清姫
「あぁそのことですか。簡単なことです。ますたぁは我々との時間を重視している。ならばその時間を邪魔するなど以てのほか。それだけの話です」
宇津見エリセ
「(そのモラルを少しでいいから私にも向けてほしかった…………)」
※言うまでもないがエリセは疲れているので失礼な言動はご容赦ください。
清姫
「さて、聞きたいことは以上ですね?では質問に答えてください」
宇津見エリセ
「は、はい、えっと、私とマスターって歴史とか神話とか好きで、よく一緒に語り合うんです。ここしばらくはトロイア戦争とかのあたりを語り合ってて夜遅くになっちゃったんです」
清姫
「へぇ………」
宇津見エリセ
「(なんで反応薄いのか分からなくて怖いんだけど…………)」
先程もそうだが妙に希薄な反応で違和感を覚える。
しかしこちらから問いただせるわけもなく、気にせず進めるしかない。
宇津見エリセ
「そ、それに、二人だけじゃなくてマンドリカルドさんも一緒に見てて……」
清姫
「知ってます」
宇津見エリセ
「え?」
清姫
「つい先日、マンドリカルドさんからもお話を聞いたので大まかな流れは知っていますよ」
宇津見エリセ
「(そういうことかぁ……!)」
このとき、エリセは昨日見たマンドリカルドを思い出した。
彼は昨日、食堂で死んだ目をしながら、料理の煮凝りを半笑いで食べており、その日のマスターの部屋での語り合いも欠席した。
またマスターに対して何かしてしまったと一人反省会をしているとばかり考えていたが、その原因はどうやらここのようだ。
宇津見エリセ
「(てかこのままだと私もああなるの!?嘘でしょ!?)」
もう手をこまねいている場合ではない。
このままでは半笑いで煮凝りを食べ始めることになってしまう。
そんな自分なんか見たくはないし、やりたくない。
早く解決策を見つけなければ。
清姫
「どうしましたエリセさん?早く答えてください」
宇津見エリセ
「あ、あの」
清姫
「どうしました?」
宇津見エリセ
「マンドリカルドさんから聞いてるなら、私は何も言うことはないのでは?」
清姫
「何を言っているのです?今回はそもそもますたぁの笑顔の意味を探る会。今はエリセさんが静謐さんの報告に対し異議申し立てを立てたからその詳細を探っているに過ぎません」
宇津見エリセ
「つ、つまり………」
清姫
「つまりエリセさんは、なぜここ最近マスターと一緒に朝に部屋から出てきているのか説明したあと、笑顔の意味について知っている限り話して頂きたいのです」
何だか改めて言われると心が折れそうだ。
なぜこんな崖っぷちに自分が置かれているのか。
宇津見エリセ
「(もうなんだったら座に帰してほしい…………)」
しかしそうも言っていられないため、なんとか納得してもらえるように説明するしかない。
宇津見エリセ
「(流石に半笑いで煮凝りなんて食べる状態になりたくない………!)」
清姫
「どうしましたエリセさん?早く説明をしてくださいまし」
宇津見エリセ
「は、はい、その、マスターとは、一緒にベッドに寝っ転がりながらログなんかを見てるんですけど」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「なんですって?」
宇津見エリセ
「(あっ、やばい)」
エリセは自分がいらないことを口走ったことに今更ながら気付いた。
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「それ、本当かしら?」
宇津見エリセ
「あ、はい、嘘じゃ、ない、です………」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「ふ〜ん」
宇津見エリセ
「で、でも!やましいことなんか、一つもしてませんよ?」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「当然よ、そうじゃなかったら今頃燃やしてるわ」
宇津見エリセ
「(もう今日の私、メンタル筋肉痛なんだけど…………)」
何が悲しくて救国の聖女のオルタナティブからの本気の殺気を、煮凝りの恐怖に怯えながら受けなければならないのか。
もう本当に勘弁してほしい。
清姫
「ジャンヌオルタさん、一緒に寝転がっているのは前情報でわかっていたはずです。話の腰を折っては進みません」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「ちっ、わかったわよ…………」
清姫
「というわけでエリセさん、続きをお願いします」
宇津見エリセ
「は、はい、それでマスターは人間だから先に寝落ちしちゃうんですけど、そしたら周りのものを掴み始めちゃって、それで私の手を握ってきて、部屋に戻れずそのまま部屋で眠ることになってるんです…………」
清姫
「…………」
宇津見エリセ
「(何かいってよ………!)」
清姫はもちろん、周りのサーヴァントたちも黙ってしまって、どうしていいかわからなくなる。
しかし、先程以上に殺気立っているのはわかるだけにもう口から心臓が出てきそうだ。
清姫
「………それで?」
宇津見エリセ
「え?」
清姫
「寝ているますたぁの手など簡単に外せるはずです。何故外しもせず一緒に床を共にしているのdeathか?」
宇津見エリセ
「………なんか今『死ね』って言いませんでした?」
清姫
「気の所為death。それより理由は仰って頂けないんdeathか?」
宇津見エリセ
「(絶対言ってるじゃん………!)」
もはや隠す気もないのが丸分かりだ。
かと言ってはぐらかされてしまった以上、これ以上聞くことは出来ない。
話を戻すとしよう。
宇津見エリセ
「その、理由ってのは大したことじゃないんですけど、安心しきった顔で寝てる彼を起こしてしまうかもしれないのが申し訳なくて、それぐらいなら恥を忍んで一緒に寝たほうがいいかなって…………」
確かに憎からず思ってる彼と一緒に寝るのを期待していなかったかと言われれば嘘になるが、それでも彼を起こしてしまうのが申し訳なくてというのは嘘ではない。
自分とは違い、ただただ分不相応の責務を押し付けられただけの彼が、安心しきって眠るのをエリセは喜ばしく感じていた。
………尤も、あの寝顔の誘惑に負けたというのが大まかな事実ではあるが。
清姫
「………弁護士の皆さん、彼女の判定は」
源頼光
「(純然たる母として)極刑しかありません」
モルガン
「(絶対的な妻として)極刑以外考えられん」
カレン・C・オルテンシア
「(心の底から面白そうだから)極刑で決まりです♪」
宇津見エリセ
「唐突な極刑判決!?てかもうやってることが裁判官では!?」
今内心ちょっといいこと言ったからなんとかなる流れかなと思ったが、全然そんなことなかった。
というかカレン先生は絶対また面白がってる。
副音声に『心の底から』が追加されて聞こえてきた。
清姫
「半分事実で半分嘘、といったところでしょうか。大方ますたぁの寝顔にでも心打たれたのでしょう。気持ちはわかりますが」
宇津見エリセ
「(ナチュラルに心が読まれてる………!)」
清姫にそんな能力があったのかと驚くが、そこを聞いても『愛ゆえに』以外返って来ないだろう。
清姫
「まぁ事情を知れたので良しとしましょう。極刑はもう一つの事情を聞いたあとで」
宇津見エリセ
「え?極刑は確定なの?」
清姫
「さてエリセさん、もう一つの事情、知ってる限り話してください」
宇津見エリセ
「(普通に無視された………)」
どうやら自分には自由な発言権がないようだ。
宇津見エリセ
「えっと、そっちに関しては聞いても教えてもらえなくて、なんにも知らない、です…………」
清姫
「本当になんでもいいんですよ?例えば何を見ていたか、とか」
宇津見エリセ
「(この人本当は千里眼もってる?)」
察しの良さに目眩がしてくる。
この人にはまるで全てが見透かされているような、そんな感じがするのだ。
宇津見エリセ
「そ、それなら聞きました。確か、鎌倉と水怪の特異点のログを見てると………」
清姫
「ほう、それ以外には何か?」
宇津見エリセ
「い、いえ、何も………」
清姫
「そうですか………アビゲイルさん」
アビゲイル・ウィリアムズ
「えぇ分かったわ」
宇津見エリセ
「え?」
そしてエリセは唐突に意識を落とした。
アビゲイルが眠らせたのだ。
すると、セミラミスはそれを座ったまま鎖を伸ばし捕縛した。
清姫
「ありがとうございます、セミラミスさん」
セミラミス
「なに、例には及ばん」
そういうと、セミラミスはエリセを鎖で引き寄せると、抱きかかえ部屋の外へと向かった。
それに追従するように武則天とサロメも部屋を出ていった。
彼女等が向かうのは『お仕置き部屋』。
つい先日、マンドリカルドが連れて行かれ、半笑いで煮凝りを食べるようになってしまった部屋だ。
エリセがどうなり、マンドリカルドがどうなったか知るのは、担当者の三人のサーヴァントのみである。
清姫
「さて、情報は出揃いましたね。では早速本題に入るとしましょう」
清姫はまるで何事もなかったかのように話を進めた。
メルトリリス
「とはいっても、大した進展は無いんじゃない?」
清姫
「そうでもありません。何を見ているか判明したのなら、そこから共通点を導き出し、それを私共で作り上げ、ますたぁを笑顔にすることができます」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「それ、希望的観測が多すぎない?」
清姫
「しかしこれ以上の情報源もありません。尊い犠牲もこれ以上出すわけにも行きませんし………」
ジャンヌ・ダルク(オルタ)
「(どの口が言ってるんだか………)」
こうして話し合いは始まった。
見られていたログが鎌倉、水怪ということもあり、鬼一法眼やメルトリリスが『自分のことを思って笑っているに違いない』と調子に乗り始め、それらの特異点の関係者と乱闘騒ぎに発展し、この日の会議はお開きとなった。
結局この日にこれらの特異点との共通点を見つける者はいなかった。
ハベトロット
「(…………共通点ってもしかして…………)」
………一人のサーヴァントを抜かして。