自治体の2割が出国後の外国人に児童手当誤支給の経験 マイナンバーと出国情報連携で対処

参院こども・子育て・若者活躍特別委員会で議論する参政党の中田優子氏(左)と黄川田仁志こども政策担当相=4月20日、国会内(参院インターネット審議中継より)

こども家庭庁は20日の参院こども・子育て・若者活躍特別委員会で、全1741市区町村の2割で平成27年以降、住民票上の住所を日本国内にしたまま出国した外国人に対し児童手当を誤って支給した事例があったと明らかにした。参政党の中田優子氏の質問に答えた。令和9年3月以降、マイナンバーカードと出入国情報を連携することで防止を図るという。

受給に「国内居住要件」

児童手当の受給には、子供が日本国内に住んでいる必要があるとする「国内居住要件」がある。こども家庭庁の中村英正成育局長は「昨年、すべての自治体に対し、平成27年以降、児童手当制度における外国人の不適事案について調査をした。住民票を消去しないまま出国したことによって過誤払いがあった事例は、2割ぐらいの自治体であった」と語った。こども家庭庁は、産経新聞の取材に実数は明らかにしなかった。350前後の自治体が同様のケースを経験したとみられる。

中村局長は、不正受給の件数や総額に関し「把握していない」と述べた。再発防止に向けては、「今後、マイナンバーの情報連携と出入国関連情報をマッチングして、住民票が残っていても、出国情報がある場合には払わないようにしたい」と語った。9年3月以降、関係機関の情報共有ネットワークシステムを整備し、支給事務を担う自治体などが子供の出入国や居住の実態を把握できるようにする方針だ。

黄川田担当相「毅然と対応」

こども家庭庁によると、システム導入までは、政府が把握できる児童の就学情報や健康診断の受診状況などをもとに、居住実態を確認していく考えだ。

中田氏は「児童手当予算は約2・1兆円だ。財源には税金が投じられており、透明性、納得感を得ることが重要だ」と述べ、政府に対し、引き続き適正化に向けて取り組むよう求めた。

黄川田仁志こども政策担当相は「一部の外国人による違法行為や不正受給、ルールからの逸脱に対し、国民が不安や不公平感を感じる状況が生じていることは事実だ。こうした行為には政府としては毅然として対応していく」と強調した。(沢田大典)

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