奇抜ないでたちで、難関校の入試問題を鮮やかに解説するカリスマ講師――。受験生の現役志向が強まる中、一世を風靡(ふうび)した「予備校文化」が衰退しつつある。一方、公教育の場には逆に「予備校的なもの」が浸透しているそうだ。どういうことか。
ホワイトボードに次々と要点を書いては消し、時事や歴史をよどみなく解説する。SNSでは毎日、こうした「教養系ユーチューバー」の動画が量産されている。奈良女子大特任助教の藤村達也さん(33)=教育社会学=はこの光景に、予備校講師の影響を見て取る。
「ネット空間では高校教育の範囲を押さえることが『教養』とみなされる」。高校範囲の知識を分かりやすく解説してバズるには、予備校的な話法やタレント性、ライブ感がうってつけというわけだ。藤村さんは「中央公論」に寄せた論考で、こうした「予備校的なもの」が現代社会に浸透していく過程を論じた。
1970年代、大学進学希望者や浪人生の増加を背景に、予備校業界は急速に拡大した。この時期に現れたのが「全共闘世代」の講師たちだ。大学紛争で就職の機会を失った活動家を、予備校は多く採用した。彼らは授業に加え、生徒との野球観戦や登山、映画上映、授業中の飲酒などといった一風変わった行動で、注目や人気を集めた。
こうした名物講師の入試対策…
- 【視点】
近年では大学受験だけでは無く、宅地建物取引士(宅建)、行政書士など、以前なら「生涯学習」「社会人向け予備校」が実施していた講座を「予備校的なもの」を謳うユーチューバーが代替する様相を呈している。通信講座で10万円~30万円程度支払うのなら、
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