法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

付帯決議をもって中道改革連合が国家情報会議法案に賛成したが、妥協は現実主義の一種でも、たぶん野党批判につかわれる現実主義は妥協ではないんだよね

 だから野党第一党がいくら妥協しても現実主義と賞賛されることはないし、野党との妥協で調整される以前の無茶すぎる与党案が非現実的と批判されることもない。
 与党自民党を高評価する時にもちいられる現実主義とは、覇権国家たる米国の意向にそうことで利益をえられる結果として、良くも悪くも現状追認ではあったように見えていた。しかし米国によるイラン攻撃にはじまる中東の混迷で、日本が米国の暴走にひきずられずにすむ制約を消すことは、いわゆる国益にすら合致しておらず現実主義とはいえないはずだ。それでも米国の意向にそいつづけるのであれば、与党自民党の現実主義は現状追認ですらなかったということ。
 それでも野党第一党は現実的ではないという批判をあびせられつづけるので、支持をもとめて果てしなく妥協して翼賛化していく……


 同じように、 国家情報会議法案の可決も、過去の歴史や現在の質疑を見るかぎり、とても現実をきちんと見すえたものだとは考えがたい。
情報会議、23日衆院通過 中道国民賛成、成立公算大 | NEWSjp

「国家情報会議」創設法案を自民党、日本維新の会などの賛成多数で可決した。プライバシーへの配慮を求めた付帯決議も採択。中道改革連合、国民民主党など一部野党が法案に賛成した。

 法案には参政党、チームみらいも賛成した。共産党は反対。国家情報会議は、安全保障上の重要情報活動や外国のスパイ活動に対応する目的で創設する。

 付帯決議には「特定党派の利益または不利益を図るため、国内の政治家や選挙運動に関する情報収集は行わない」という文言ももりこまれたそうだが、これは長妻昭氏の追及を受けてのものだろう。
 インターネットで読める記事としては、意外なことにABEMATIMESが詳細に追及を報じていた。
「ダメダメダメ。1回止めて」 ヤジ&長妻議員が「とんでもない」でシンクロ? 「公安調査庁が与党の有力議員に選挙情報提供?」で国会ストップ | 政治 | ABEMA TIMES | アベマタイムズ

内閣情報調査室(内調)が本来の業務を離れ、選挙情勢の分析や自民党総裁選の動向調査に駆り出されている実態を新聞記事を引用して指摘した。長妻議員は、スタッフが全国の選挙区に割り当てられ、地元関係者と接触している実情を挙げ、「あるスタッフは、我々は政府職員で(あって)自民党スタッフではないと疑問を持った」という声を代弁。「こういうことはもうやらない、とここで宣言していただければ内調の職員もほっとすると思うのですが」と政府側に決断を迫った。

「公安調査庁の内部資料と言われているものの中に、こういうことが書いてあるんですね。『議員の最大関心事は選挙及び地元情報であることは明らかである。そこで、共産党など当庁得意分野に焦点を当てた地元選挙情報を作成し、説明に赴くことが議員との関係を深めるのに効果的と考えられる』ということ。与党の有力国会議員に対して地元の選挙情報・分析を話すと喜ばれる。これで与党との関係を深める。公安調査庁は今もこんなことをやっているのですか?」と質問した。

 内調の質問については内閣官房長官の木原稔氏から「重要情報活動には該当しない」という答弁をひきだしたが、公安の質問では総務部長の渡部亜由子氏は「お答えは差し控えさせていただきたい」とくりかえし答弁から逃げて明言をさけた。
 つまり現在でも情報機関がまったく信用できない相手であることを、中道改革連合の数少ない衆院議員がひきだしたばかりではないか。付帯決議という妥協にどこまでの効果があるといえるのだろう。
 また、こうした質疑を詳細に報道せず、警察にリークされままに事件事故の情報ばかり優先するのであれば、市民が判断材料にアクセスする機会を失わせるメディアの責任も重かろう。


 そもそも、野党が与党案に妥協すれば与党の支持者が離反して野党を支持するようになる、といった発想が理屈からわからない。ここでは自党の支持が増えなくても与党案に賛成すべき、などと判断したならば理屈はわかるが。
 もちろん争点ごとに政党の支持不支持は複雑にからみあっているので、それほど単純な話ではないが、ならば逆に野党が支持されないのは現実主義ではないからだといった主張がまず単純さを問われるべきだろう。