再審見直し、検察抗告を原則禁止 5年ごと見直し 政府案の概要判明
刑事裁判をやり直す再審制度見直しのための刑事訴訟法改正案をめぐり、政府がまとめた再修正案の概要が判明した。再審開始決定に対する検察の不服申し立て(抗告)を原則禁止したうえで、5年ごとに見直すとの規定を付則に盛り込んだ。将来の全面的な禁止に余地を残す内容だ。 【写真】再修正で妥結か断念か 知っておきたい論点と見通し 政府・与党関係者が明らかにした。 同法案をめぐっては、自民党の事前審査で抗告禁止を求める声が相次ぎ、政府が修正を重ねている。当初は週内に自民党会合に示す方針だったが、拙速を避ける必要があるなどとして、5月の大型連休明けに先送りする方向となった。 政府・与党関係者によると、再修正案では、検察は再審開始決定に対する抗告を「してはならない」と明記。そのうえで、決定を取り消すべき「十分な理由」がある場合はこの限りではない、と記す方向だ。 前回の修正案では「十分な理由がある場合でなければ、してはならない」としていた。両案の法的な効果はほとんど変わらないが、原則できないと明記することで、実務上は抗告がよりしづらくなるとしている。 自民党内には、抗告の原則禁止を刑訴法の本体である本則に記すよう求める声もある。ただ、通常の刑事裁判の上訴ではこうした記載がないことから、同じ本則の中に記せば通常の上訴が軽くみなされる恐れがあるとして、付則にとどめるべきだと判断したという。 また、改正法の施行から「5年後」としていた見直し規定を「5年ごと」に改める。 法務省幹部は自民党会合で、当分は抗告の理由や結果を公表し、棄却が続けば見直しの際に禁止もあり得ると説明している。5年ごとの検討を約束することで、将来的な全面禁止の可能性が残る格好だ。 ■早期棄却の要件は削除決定 さらに、審理の迅速化などをめざし、再審請求のスクリーニング(選別)を行う調査手続きについて、裁判所が速やかに棄却しなければならない場合の要件の一つを削除することを決めた。 このほか、再審開始決定に対する検察の抗告を受理した裁判所の審理期間を「1年以内」とする努力義務規定について、現状の付則から本則に格上げする案もあるという。(二階堂友紀)
朝日新聞社