現在、日本国内で一般向けに普及している自動運転技術のほとんどは、あくまで『ドライバーの監視』が必要な『レベル1』や『レベル2』にとどまっており、これらはあくまでも「ドライバーの監視」が必要とされています。
つまり、「レーントレーシングアシスト(LTA)」といった運転支援システムがついていても、ドライバーがハンドルから手を離したり、ましてや本件の被告のように、走行中に手を離してズボンや靴の履き替えを行ったりすることは前提としていないのです。
社会経験を積んだ大人の中に、こうした運転を平気でする者がいるという現実を今回の法廷で目の当たりにし、本当に背筋が寒くなりました。と同時に、日本ではこうした行為で他者を死亡させる結果を生んでも、「うっかり過失」として裁かれることに、大きな疑問を感じざるを得ませんでした。
こんな危険な「ながら運転」がなぜ危険運転にならないのか
第3回公判後におこなわれた記者会見で、父親の諭哉さんも悔しさをにじませながらこう訴えました。
「今日の裁判中は、本当に怒りで体が震えました。運転中にズボン? どうやって履き替えるのかって話です。目の前でやってみろやって思いました。
こんな危険な『ながら運転』が、今回の法改正で『危険運転致死傷罪』の項目に入らないというのも、本当に理不尽極まりないと、改めて感じました。
ついこの前も、新名神で6人亡くなった追突事故がありましたが、あれもトラック運転手の『ながら運転』でした。これは本当に、もっとみんなが考えていかないと変わらないと思っています。
命は戻らないんです。そのためにもできるかぎり動いていけたらと考えています」
次回の公判は6月3日、結審の予定です。







