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高市首相、武器輸出「時代変わった」 専門家「平和国家捨て去った」

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佐藤瑞季
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 高市早苗内閣が、武器輸出の目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限定する「5類型」を撤廃した。戦後、国民の反戦意識を背景に、「平和国家」として採ってきた、独自の厳しい武器輸出政策の大転換といえる。高市早苗首相は「戦後80年以上にわたって日本は平和国家として歩んできた。基本理念を堅持することに全く変わりはない」と主張するが、専門家は「平和国家を捨て去った」と指摘する。

 5類型の撤廃は昨年10月、高市政権の発足に伴い、自民党日本維新の会の連立政権合意書に明記された。連立相手が、安保政策の「ブレーキ役」だった公明党から、「アクセル役」を自任する維新に変わり、撤廃に向けて一気に加速した。

 5類型については自民が「撤廃」を主張するのに対し、公明は類型の「追加」による緩和を主張してきた経緯がある。防衛省関係者は「撤廃は防衛省、防衛装備庁の悲願。公明さえいなくなれば障壁が無くなり、いつでも撤廃できる状況が整った」と語る。

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 三原則も運用指針も法律では…

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    加谷珪一
    (経済評論家)
    2026年4月21日18時4分 投稿
    【解説】

    記事では、宮沢喜一元首相が「我が国は兵器の輸出で金を稼ぐほど落ちぶれていない」と語ったことが引き合いに出されています。日本の安全保障上、武器の輸出が必要かどうか、といった議論はひとまず横に置いておき、純粋に経済や産業という観点で見た場合、高付加価な民生品を輸出することと比較して軍需産業の生産性は低く、経済への寄与度も高くないというのが現実です。  米国が日本を含む同盟国に対して積極的に武器を輸出しているのは、安全保障上の理由もありますが、米国経済が以前のように成長できず、武器の輸出で補っている面があることは否定できないでしょう。 したがって、仮に武器の輸出を是とした場合でも、あくまで安全保障上のコストであるという現実については理解しておく必要があります。武器の輸出によって経済成長が実現する、国民が豊かになる、というところまで話を進めてしまうと、論理のすり替えとなりかねません。

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