原発再稼働「耐えがたいほど正義に反する」原発止めた元裁判長が講演

大滝哲彰
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 1986年のチェルノブイリ原発事故から40年に合わせ、複数の市民団体でつくる実行委員会が19日、札幌市内で市民集会を開いた。2014年に福井地裁の判事として関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた樋口英明さんが講演し、約300人が耳を傾けた。

 「自分が関係した事件について裁判官が話すことはない。それでも私が話すのは、福島の事故があったのに、その後においても原発を動かすことは『耐えがたいほど正義に反する』からです」。樋口さんは講演の冒頭、こう話した。

 「耐えがたいほど正義に反する」とは、一家4人を殺したとして死刑が確定した後、再審無罪となった袴田巌さんの再審開始・釈放を認めた決定文に、「拘置をこれ以上継続することは、耐えがたいほど正義に反する」と記された言葉だ。

 樋口さんはこの一文に触れ、原発再稼働の危険性を「厳重に管理し続けないと暴走する。停電しても断水してもメルトダウン。地震に襲われた時、運転を止めるだけでは解決しない」と指摘。さらに東京電力福島第一原発事故を踏まえ、「暴走した時の被害は国を滅ぼすほど大きい。まさに自国に向けられた核兵器だ」と語った。

 原発の安全性は「耐震性で決まる」とも言及。「世界一の地震大国なのに日本の原発の耐震性は低い。危険だから私は止めた。多くの裁判所はこの点について判断していない」と批判し、「原発を動かすことが正義に反することは明らかです」と締めくくった。

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