貴方は愛されてる
書き捨ててたものをそのまま取り出してみる。激しく中途半端。
団長総愛されです。
キャラクターイメージの捏造もそれなりなのでお気をつけください。
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幸せの名前
夕ぐらい。
「あっ、大将みっけ!」
「最近、大将忙しそうだったから声かけにくかったんだけど。
ね、空いてるなら手合わせしよう!」
「構わないが、手は抜かんぞ」
「願ってもないよ!手なんか抜いたら、意味ないじゃん」
「……準備はできてるのか?」
「ばっちり。ほら、行こうよ」
「わかったから、引っ張るな」
手合わせよーいどん。
手合わせ後。既にキルロイさんに手当してもらいました。
「やっぱ、大将って強いよねえ」
「お前も腕が上がったな」
「そりゃ、鍛錬怠ったことないもんね!いつか大将にも勝ってみせるんだから」
「そうか。俺も、手は抜けないな」
「そうだよ。あたしの大将なんだから、もっともーっと強くなってもらわなきゃ」
「……そう、だな?」
あたしの、にちょっと引っかかって疑問系に。でも、まあ、そうだな、と。
「うんっ」
ワユはにっこり。
「また忙しくなるみたいだね。ねえ、今度はいつ手合わせできるかなあ」
「わからん。また、戦いになるからな」
「そっかあ……ま、戦場ならあたしの腕の見せ所だし、頑張っちゃうよ」
「ああ。お前は腕が立つから、心強い」
「でしょー?あたし、これでも結構名の通ってる傭兵なんだからね」
「……戦場で生き生きとしている女というのも、不思議なものだがな」
ふって笑うアイク。変な奴だとしみじみ思ってる。
「あ、笑った!ひっどーい!!」
「変な奴だと思っただけだ」
「うわ。…わかってたけど、普通に酷いよね大将って」
「そうか?」
「うん、酷い。変な奴ってぇ……そんなの、そのまま返すよ!」
「……そうだな。俺は、変かもしれん」
「わかってるじゃん。でも、大将が言うにはあたしも変だから、引き分けってことで」
「…意味がわからん」
「いいのっ。…ね、大将」
「なんだ」
「あたしね、ここにいること、すっごく幸せだから」
「……ああ」
「大将が、あたしの大将でよかったって、思うんだあ」
「そうか」
「うんっ!」
にこおーって笑うワユ。
くしゃってワユの髪とか撫ぜたらいいよ団長。微笑みながら。
ワユはやっぱり幸せだなあって、実感中。大きなてのひらが気持ちいいんだ。
ごはんですよ。
「じゃあ、また手合わせしようね、大将」
「ああ、いつでも来い」
「今度こそ、一本取ってやるからね!」
「やってみろ。やれるなら、な」
「あ、大将の癖にむかつく」
「…なんだそれは」
けらけら笑いながら、いっしょに食事へ向かうのです。
みんなのいる場所へ。
夜。
言葉にはしない。あの鈍感な大将は、こんなこと気づかない。そう、知らないままでいい。
でも、きっといつまでだって想ってやるんだ。
「大将、だいすき」
誰もいない夜空の下、小さく呟いた音は自分の耳だけに吸い込まれていく。
少し火照った頬を撫ぜる風は、冷たくて心地いい。
戦場で刹那を生きる自分には見合わない感情かもしれない。
けれど、ただここに在る幸せ。
あの人の力になれる、あの人の隣に立てる幸せ。
それを、なにより愛しく思うのだ。