高市早苗内閣は21日、防衛装備移転三原則の改定を閣議決定しました。さらに、三原則の運用指針を見直し、武器輸出の目的を限定してきた「5類型」を撤廃しました。戦後、日本が「平和国家」の理念のもと制限してきた殺傷能力のある武器輸出が、全面的に解禁されます。なぜいま政策転換に踏み切り、どのように変わるのか、五つのポイントを解説します。
この記事が解説するポイント
①「5類型」とは 撤廃で何が変わるのか
②戦闘中の国にも輸出できるのか
③なぜいま改定するのか
④これまでの日本の武器輸出政策は
⑤武器輸出の「歯止め策」はあるのか
①「5類型」とは 撤廃で何が変わるのか
第2次安倍晋三内閣は2014年、防衛装備移転三原則をつくり、それまで事実上禁じられてきた武器輸出を条件付きで可能にしました。その際、条件として運用指針に明記されたのが「5類型」です。
武器を輸出できる目的を「救難・輸送・警戒・監視・掃海」に限り、殺傷能力のある武器の輸出を制限しました。当時、自民党と政権与党を担っていた公明党が武器輸出に慎重なこともあり、一つの「歯止め」として5類型に絞り込まれた経緯があります。
ただ、「抜け道」もありました。同盟国の米国や、安全保障面で協力関係にある「同志国」との国際共同開発・生産で完成させた殺傷能力のある武器は、共同開発の相手国に輸出できました。
しかし、今回の改定によって、5類型は撤廃されたため、殺傷能力のある国産の完成品が輸出できるようになります。
②戦闘中の国にも輸出できるのか
他国との国際共同開発の完成品について、共同開発をした相手国以外(第三国)への輸出も解禁されます。これまでは、日英伊で共同開発する次期戦闘機の計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」のみが、例外的に第三国への輸出も認められていました。
「武力紛争の一環として現に戦闘が行われていると判断される国」に対する武器輸出については、原則禁じますが、同志国を念頭に「特段の事情」があると政府が判断した場合には、例外的に輸出できる余地がつくられました。
③なぜいま改定するのか
高市政権が強調するのは、武器輸出を通じた同志国との安全保障関係の強化です。背景には、東シナ海や南シナ海を含むインド太平洋地域での、中国による軍事活動の活発化があります。米国や同志国への武器の輸出元になれば、武器のメンテナンスやソフトウェア改修などで、輸出先の国と長期間にわたって緊密な関係を築くことができるとされています。
今回の三原則改定では、こういう文言が追加されました。
「同盟国・同志国等のニーズ…