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テボルム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テボルム(小正月)
タルチッテウギ
各種表記
ハングル 대보름
英語表記: Daeboreum
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テボルム(대보름)は、大韓民国の小正月で、陰暦1月15日の名節である[1]。「正月テボルム(월대보름、ジョンウォルテボルム)」あるいは「上元(상원、サンウォン)」と称することもある。

由来

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旧正月(ソルナル、ソラレル)が家族を中心とした祝祭日であるのに対し[2]、小正月テボルムは、かつては村ごとに行うその年最初の行事として旧正月同等に重視された[3]。旧暦1月1日の旧正月から数えて最初の満月の日であるテボルムまでの15日間を休日として扱い、テボルムが過ぎた後にその年の農作業に従事した。テボルムは農繁期に向けての準備期間であるとともに、1年間の無病息災や豊作を祈願し食事や遊びに親しむ機会だった[3]。21世紀現代でも代表的な名節として、様々なイベントが行われる。

風習

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食べ物

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テボルムの食べ物
五穀飯
五穀飯(チャルバップ[1])は、豊作を祈願し、もち米小豆きび黒豆など5種類以上の穀物を混ぜて炊いたもの[3][4]
五穀飯とともに薬食(ヤクシク)を作って食べることもある[1]
ムグンナムル
ムグンナムルとは、ワラビや豆もやし、ゼンマイキキョウ、きのこ類、大根かんぴょうなどの、あらかじめ干しておいた野菜を9種類ナムルにし、五穀飯とともに食べる[1][4][5]。このナムルを食べると夏バテしないと考えられた[1]
テボルムは草木が芽吹き始める早春の時期にあたり、冬の間には保存食として必要であった干し野菜などがこの後は不要になるため、テボルムで全て食べ切るために調理した[5]
プロム噛み
プロムとは、胡桃松の実のように殻が固いナッツ類の総称で[6]、テボルムの朝にこれを噛んで音を出すと、その音で悪鬼が祓われ、その年1年は身体におできができないという[3][5]。また、プロムを1個、歯で砕いた後に「プロム出ていけ」と叫んで屋根の上に投げ、自分の年の数だけナッツを食べると1年間はおできができず、歯が丈夫になり、健啖家になるともいう[6]
プロムの語源は「プスロム(できもの、腫れ物)」とされる[5]。噛むだけでなく、割って食べ、肌が潰瘍になるのを予防した[7]
クィバルギ酒
クィバルギ酒は冷や酒のことで、これを1杯飲むと耳の病気にかからず、聴覚がよくなって良い知らせがたくさん聞けるといわれた[1][3]

遊び

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ノルティギ

ソルナルからテボルムにかけての15日間には、ぶらんこチェギチャギノルティギユンノリ、村をあげての綱引きあげなどの遊びをする[8]

ユンノリと綱引きは、その年の村の吉兆を占う行事でもあった[8]

凧あげ(ヨンナルリギ)や凧喧嘩(ヨンサウム)など様々な競技が行われ、糸にガラスの粉を付けてあげる喧嘩凧では対戦相手の糸を切ると勝者と判定される[8]。風習としては、悪い気運を払うという意味でメッセージを書いた凧を高く上げ、高くあがったところで糸を切って凧を「逃がす」[8]。不幸せなことは凧とともに遠くに去り、その1年間は良い事だけが訪れるようにという願掛けの遊びである[5]
タリバルキ
 タリバルキは、テボルムの満月の下で年の数と同じ数だけ橋を渡ると、健脚になり足を傷めないという言い伝えに由来する遊びで、楽しく橋を行き来した[7][9]

まじない

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トゥイパルギ(暑さ売り)
テボルムの早朝(日の出前)に隣家の友人を訪ね、名前を呼ぶ。友人が返事をすれば「私の暑さを買ってくれ」と叫び、その年に感じる暑気をすべて隣人に押し付けることができる。一方、友人が返答せず先に「私の暑さを買ってくれ」と叫ぶと、先に呼び掛けた人がその年に友人が感じる暑さをすべて引き受けることになる[9]
同年代の人に「私の暑さを買って」言うと、夏バテしないという説もある[3]
この風習は、農作業が始まる季節に早起きを促し勤勉に努めるよう生まれたと考えられている[9]
このほかのまじない
  • テボルムの夜に地面に垂直に棒を立て、満月の光が照らした影の長さで、その年の風雨の総量を占い、豊作か否かを予測した[7]
  • テボルムの前夜に藁人形(チェウング)を作り、それを川に流すことで不運を払い、テボルムの朝には良い知らせが多々届くよう「耳を澄ます」ため飲酒した[7]
  • テボルムの日、9回同じ動作を繰り返す。9は幸運を招く数であると考えられている。子どもたちは「幸運の9回」を何セットできるかを競う[7]

火を使う行事

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チュイブルロリ

火を使ったテボルムの行事に、次のものがある。安全上の理由で行わない例も多いが、テボルムが近づくと韓国各地の自治体や博物館などが主催するイベントで鑑賞することができる[3]

タルチッテウギ(タルジプ焼き)
稲藁や針葉樹の枝を高く積み上げた「月の家(タルチッ)」を燃やしてその年の豊作を祈願し、厄を払うの行事[4]。日本における「どんど焼き」にあたる[5]
チュイブルロリ(チブル遊び、チュイブルノジ[10]
主に男児がした遊びであるが、畑のあぜ道や周囲の土手への火付けである[9]。火勢が強いほどその年は豊作になると考えられたので、子どもたちは競って火を強め、消火せずに帰宅し、徹夜で遊ぶ[10]
農耕を始めるに先立ち、田畑の雑草を燃やし肥料を作り害虫を防除する野焼き行事でもあり[9]たいまつや紐を付けた空き缶に炭を入れて火を灯したものを、ぐるぐると振りまわして点火した[5]

脚注

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  1. 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 5 6 国立国語院(韓国)『韓国伝統文化事典』教育出版、2006年、267頁。
  2. 『世界のお正月百科事典』柊風舎、2018年、111頁。
  3. 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 5 6 7 正月テボルム”. 駐大阪韓国文化院. 2026年4月16日閲覧。
  4. 以下の位置に戻る: 1 2 3 韓国で陰暦1月15日のテボルムに食べるものとは?”. 地球の歩き方. 2026年4月16日閲覧。
  5. 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 5 6 7 韓国の古き良き伝統行事テボルム”. ハナビツアー. 2026年4月16日閲覧。
  6. 以下の位置に戻る: 1 2 国立国語院(韓国)『韓国伝統文化事典』教育出版、2006年、269頁。
  7. 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 5 『世界のお正月百科事典』柊風舎、2018年、113頁。
  8. 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 『世界のお正月百科事典』柊風舎、2018年、112頁。
  9. 以下の位置に戻る: 1 2 3 4 5 国立国語院(韓国)『韓国伝統文化事典』教育出版、2006年、268頁。
  10. 以下の位置に戻る: 1 2 国立国語院(韓国)『韓国伝統文化事典』教育出版、2006年、270頁。

参考文献

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  • 国立国語院(韓国)『韓国伝統文化事典』教育出版、2006年
  • 『世界のお正月百科事典』柊風舎、2018年

外部リンク

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