アイコム、多品種少量生産にロボット導入

(2026/4/20 12:00)

  • 多関節ロボットと搬送ロボットを組み合わせたロボットラインで量産機種の組み立て工程を自動化

アイコムは深刻化する人手不足に先行して対応するため、ロボットや自動化装置を活用した生産効率化に取り組む。2019―20年に和歌山の生産子会社で無線機の量産機種の組み立て工程を自動化し、8人分の省人化を実現した。自動設備の内製化や梱包工程の自動化にも取り組み、生産の効率化と作業負荷の低減に取り組む。

子会社の和歌山アイコム(和歌山県有田川町)で業務用やレジャー用、アマチュア用、海上・航空用といった無線機やネットワーク機器のすべてを生産する。同社の有田工場(同)と紀の川工場(同紀の川市)は月に約120機種を生産し、基板実装から組み立て、検査、梱包も手がける。

 有田工場では量産機種のハンディー型トランシーバーの生産で、19―20年に多関節ロボットと搬送ロボットを組み合わせた無人の自動化ライン2本を構築した。各ラインにロボットを4、5台導入し、基板を組み込む工程や検査工程などを含む本体組み立てを自動化。これにより20年に紀の川工場内の同トランシーバー量産ライン1本を削減し、8人分の省人化を実現。本社のCS部門に振り向けた。

苦労したのはロボットのネジ締め動作の調整。「小さいネジをロボットで締結するのが難しかった。そこでビデオカメラを取り付けて観察し、締結を失敗する原因を探った」と田中誠一郎和歌山アイコム社長は振り返る。「まず逆回転させてから正回転させるとうまくネジ穴に入る」と気づき、1年かけて自社で調整したという。

同社は多品種少量の生産ラインでも、ネジ締めなど単純作業の自動化に取り組む。3月には内製した自動ネジ締め機を車載用無線機の生産ラインに導入し、コスト削減につなげた。4月にはパレタイジングロボットと部品の袋詰め自動機を梱包工程に初導入する。

田中社長は今後も自動機やロボットハンドなどの内製を続ける方針。「さまざまな製品をつかめる人間の手のようなハンドが作れるようになれば」と未来を見据える。

(2026/4/20 12:00)

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