旭川市「女子中学生凍死」から5年、黒塗りなし文書入手 拡散情報に“誤り”指摘も…混乱解決の糸口になるか
●報告書77〜80ページの黒塗り
問題となるのは、報告書の77ページから80ページにかけての部分だ。 公表版では、「第6」という見出しの一部のみ確認できるが、それ以降の記載はすべて黒塗りとなっている。 一方、入手した文書では、この部分の見出しは「第6 本件重大事態に係る報道の誤り」と記されていた。
●マスキングの理由、市教委「遺族の意向や個人情報保護法など」
公表版と入手文書を比較すると、該当部分の行数や構成が一致しており、同一箇所であるように見える。 この文書が、市教委に最終的に提出された報告書と同一のものかどうかについて、旭川市教委は「お答えできません」としている。 マスキングの理由についても取材で尋ねたところ、旭川市教委は「ご遺族の意向や個人情報保護法などに基づいて判断した」と説明した。 ただし、入手した文書の当該部分は確認した限り、個人情報保護法や旭川市の情報公開条例に直ちに抵触すると認められるような記載は見当たらなかった。再調査委員会がまとめた公表版の報告書で認定された事実も一部含まれている。 また、「遺族の意向」の具体的な内容は明らかではないが、当該部分には、故人の尊厳を傷つけたり、関係者のプライバシーを著しく侵害する内容が含まれているとも読み取れなかった。 こうした点を踏まえて、弁護士ドットコムニュースは、事実関係の整理に資すると判断し、「報道の誤り」に関する部分に限って、その一部を紹介する。
●指摘されていた「報道の誤り」の数々
(1)(女子生徒の不適切な自画撮りの画像や動画の)データをSNSなどで拡散していた。 →EからC、D、E三人のLINEグループに送信されているが、この三人から更に拡散した事実は確認されていない。 (2)女子生徒は、市内の橋から飛び降りた。 →そのような事実はなかった。 (3)6月15日、本件生徒は、「A子」(D)、「B男」(C)、「C男」(E)にたまり場の公園に呼び出された。 →同日、本件生徒が一人でW公園にいたところ、CとDが遊びに来て、そのすぐ後にE、F、Gの三人も偶然遊びに来て合流する形になった。 (4)川に飛び込む直前、本件生徒は「助けてください」と中学校に助けを求める電話をした。 →本件生徒はパニック状態でX中へ電話を掛け、電話に出た男性教員に死にたいと繰り返した。 (5)この事件の一部始終を川の対岸から目撃していた人物が110番通報した。その人物は、「私見てたの、1人の女の子をみんなが囲んでいて、あれはイジメだよ。女の子が川に飛び込んだ時にはみんなが携帯のカメラを向けていた」と母親に話した。取材班はこの目撃者に話を聞こうとしたが、既に亡くなっていることが現場周辺の聞き込みでわかった。 →公園と川を挟んだ向かい側にいた近所の女性が、本件生徒が土手下の草むらに立っているのに気づき、そのまま何もしないでいることを不審に思って110番通報した。(当委員会は、警察署に110番通報者の照会を行い、事前に警察署を通じて承諾を得た上で事情聴取させていただいた。通報者の女性は、自分が行った110番がテレビで報道されていた有名ないじめ事件であることを警察署に知らされて驚いたと話された。本件に関する通報がこの1件のみであったことも警察から確認している。) (6)加害少年らは自身のスマホを初期化するなどいじめの証拠隠滅を図ったが、警察がそのデータを復元し、彼らが撮ったわいせつ動画や画像の存在が明らかになった。 →警察による事情聴取は迅速に行われているので、証拠隠滅を図る余裕はなかったと考えられる。加害少年らが本件生徒を撮影した事実はない。