「Gucciは八方塞がり」「Nikeは迷走中」ほとんど知られていない“世界最高峰ブランド”の窮地
配信
ブランドとデザイナーの文脈はズレているようにしか見えない
現デザイナーであるデムナはベルギーが誇る哲学的デザイナーの象徴、マルタン・マルジェラを師匠に持つ。反モード・反ラグジュアリーを標榜しストリートファッションをラグジュアリーに押し上げた立役者です。彼の今までの思想はGUCCIが持つ美しい官能性とは真逆である「醜いものに価値を持たせる」手法。 ポテトチップスの袋にしか見えないバッグや、IKEAバッグをレザーで作ったり、ガムテープにしか見えないバングルを作り、ボロボロのクラッシュ加工をした薄汚い服をランウェイで披露したのがデムナです。 これらは「アグリー(醜い)ファッション」と称され、今まで敬遠されていたストリートファッションをラグジュアリーの世界で再評価・再構成に成功しました。実験的かつ哲学的なプロダクトがデムナの持ち味です。時代を変えた素晴らしいデザイナーではありますが、クラシックかつ官能美を持つGUCCIにどうしてアグリーなデムナが合うのか。今の所ブランドとデザイナーの文脈はズレているようにしか見えません。
稀代の天才デザイナーの起用性は話題性十分だが…
また、デムナはロゴビジネスでバレンシアガをトレンドセッターに押し上げましたが、GUCCIは今新興市場の減退を受け「ロゴビジネスから脱却」しなければいけない立場のはず。 稀代の天才デザイナーがGUCCIにということで話題性は十分ありましたが、実際プロダクトもGG柄を打ち出したものが多く今の所マーケットを読みきれていないとしか……。古い顧客を意識したクラシックなアイテムと新しい顧客を意識したストリートラグジュアリーとが混在し、結果両方を逃しているようにも思えます。
NIKEも迷走が続いている
実はNIKEも株価3分の1、トレンドブランドの地位から完全に失墜しています。さらに卸業を縮小させ直営強化させた結果……市場からの声を十分に取り込むことができず、復刻モデルに終始したり「自身を否定するようなアンチスニーカーであるローファーモデル」を発売したりと迷走が続いています。 GUCCI、NIKEとレジェンドブランドが没落しゲームチェンジが起こっているファッション市場とトレンド。次の覇権を取るところはいったいどこになるのか……。 ―[メンズファッションバイヤーMB]― 【MB】 ファッションバイヤー。最新刊『ロードマップ』のほか、『MBの偏愛ブランド図鑑』『最速でおしゃれに見せる方法 』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Xアカウント:@MBKnowerMag)
日刊SPA!
- 56
- 104
- 57