仙台・マンション居座りの熊を捕獲 発見から約10 時間半 現場は市中心部のイオンモール上杉近く
19日午前4時20分ごろ、仙台市青葉区木町通2丁目付近で「クマが歩いている」と通行人から110番があり、市がドローンを飛ばしてマンション南側の茂みにクマ1頭がいるのを確認した。長時間とどまっていたが、市の委託業者が午後6時20分過ぎに麻酔銃を2発撃ち、いずれも命中、午後7時半ごろに捕獲した。けが人はいなかった。 現場はJR仙台駅の北西約2キロにある住宅地。市地下鉄南北線北四番丁駅やイオンモール仙台上杉、小中学校も近くにあり、宮城県警が住民に外出の自粛を呼びかけ警戒態勢を敷いた。 市によると、捕獲されたクマは雄で、体長約1・5メートル、体重約125キロ。自治体の判断で発砲できる緊急銃猟を適用した。安全確保が難しいとして猟銃の使用は見送った。当初は箱わなを設置し明け方までの捕獲を試みたが、クマが中心部に移動する恐れがあると判断。現場周辺を交通規制し、捕獲した。 市の緊急銃猟は太白区鈎取、青葉区作並に次いで3例目。青葉区区民生活課の担当者は「安全が確保できると確認し、実施した。今後市街地に近寄らせない対策として、クマを誘引する柿、栗の木の伐採ややぶ払い、電気柵設置の検討を進めたい」と話した。 (藤原佳那、土屋聡史) ■市街地は一時騒然 夜に捕獲 住民ら安堵 仙台市青葉区木町通で19日未明に目撃されたクマが半日近く民家の敷地にとどまり、一帯は騒然となった。盾を持った警察官が警戒に当たり、一部エリアが一時立ち入り禁止に。同日夜にクマは捕獲され、長時間緊張を強いられた住民らから安堵(あんど)の声が聞かれた。 関係者によると、クマは60代男性方の庭に居座った。住人の男性は「夜中の1時ごろ庭でガサガサと音が聞こえた。庭と家を隔てるのはガラス1枚で、クマがガラスに気付かずに突進されると怖い」と話した。 市が委託した業者が麻酔銃を撃ち、午後7時半ごろクマは捕獲された。市職員から捕獲の連絡を受け、男性は「一安心した。何よりもけが人など被害がなく済んでよかった」と胸をなで下ろした。 県警は午後6時ごろ、現場から半径約100メートルの立ち入りを規制した。近くの映画館フォーラム仙台前には、住民ら約20人が集まっていた。 愛知県から出張中の会社員牧野喜充さん(63)は「東北はクマの出没が多いと聞いていたが、まさか人が多い場所で出るなんて」と驚いた様子だった。 規制は午後7時半ごろに解かれた。近くに住む無職平松啓子さん(80)は「この辺りに50年間住んでいるが、クマが出たのは初めて。家族を心配させないよう早く帰りたい」と語った。 青葉区の会社員男性(30)は「こんなところで熊が出るなんて怖い。街なかだけど夜は暗い通りなので、これからは気を付けて歩かないといけない」と不安そうに話した。 青葉区では18日早朝から千代田町、三条町、青葉町、通町でクマ目撃が相次いだ(地図)。市によると、捕獲されたクマと同一とみられる。市内では昨年12月に宮城野区岩切や幸町、青葉区上杉や台原など他の市街地でもクマが目撃された。(今立樹、千葉耀介、高橋一樹、佐々木智也、古賀佑美)
河北新報