台湾・国民党は中国共産党と「反日」で協調するのか?訪中時に相次ぐ「反日発言」で鄭麗文・党主席が狙うもの
台湾の中国国民党(国民党)主席の鄭麗文氏(56歳)が、2026年4月7日から12日までの6日間、中国を訪問した。 今回の訪問では、従来の国民党路線からの変化とも受け取れる発言が相次いだ。いわゆる反日的な論調へ傾斜したと解釈されかねない内容が目立つ。 ■中国側の主張に沿う発言を連発 訪中期間中、鄭氏は中国共産党幹部や習近平国家主席と会談した。その場で「抗日戦争の歴史を通じた民族意識の共有」や「日本の軍事力拡大への反対」といった文脈で、中国側の主張に沿う発言が繰り返されたのだった。
とくに北京の中国人民抗日戦争記念館を訪れた際には、中国共産党が示す歴史認識や対外姿勢に呼応する発言が相次いだ。 視察後、鄭氏は記者団に対し、抗日戦争を「全中華民族が外敵の侵略に抗い、尊厳を守り抜いた偉大な聖戦」と位置付け、「共同の歴史記憶」の重要性と民族意識の喚起を強調した。 さらに「大陸と台湾は、抗日という共通の苦難と勝利の歴史で結ばれている。この結び付きは外部のいかなる力によっても断ち切れない」と述べ、域外勢力の影響を否定する姿勢を示したのである。
加えて、記念館前に設置された「盧溝醒獅(目覚める獅子)」像に言及し、「中華民族の覚醒と復興」という習近平指導部のスローガンに理解を示した。 また、現代の安全保障環境にも触れ、日本の防衛政策に対して批判的な見解を展開する。 直接的な表現は避けつつも、「歴史の教訓を顧みない外部勢力が地域の緊張を高めている」と述べ、日本の防衛費増額や日米台連携の強化について、中国側が警戒する論調に歩調を合わせた。 そのうえで「中台が結束することで、外部勢力による侵略や内政干渉を許さない体制を築くべきだ」と語り、軍事的対抗よりも中台間の和平的枠組みを優先すべきだとの考えを示したのだった。
■中国側「台湾における理性的な声」と主席発言を評価 さらに、こうした一連の発言を踏み込み、4月11日には北京市共産党委員会書記の尹力氏との会談で、具体的な協力案にも言及する。 鄭氏は「抗日戦争」および日本統治からの解放を意味する「台湾光復」に関する公文書や史料について、中国共産党と国民党が共同で管理・展示する枠組みを提案したとされる。 加えて、台湾における親日的と指摘される教育、すなわち民主進歩党(民進党)政権下の歴史教育を念頭に、「若い世代に正しい中華民族の歴史認識を伝えるため、両党が協力し対日抵抗の歴史を広めるべきだ」との考えを示した。