和歌山県は、2024年度に養介護施設従事者から虐待を受けた高齢者は73人で過去最多となったと発表した。約半数が、不適切に身体を拘束した事例だといい、県は適正化に向け、引き続き、市町村や事業所を対象に研修などで周知していきたいとしている。
施設で虐待を受けた高齢者数は2年連続で増加。22年度は7人だったが、23年度は26人、24年度は3倍近くとなり、過去最多だった15年度の51人を上回った。
相談・通報件数は過去最多の23年度と同じ47件。このうち虐待認定件数は、最多だった23年度の17件を超える21件だった。
虐待の種別(重複あり)は「身体的」が最も多い43人で、このほとんどが身体拘束だった。身体拘束は、本人や他の利用者が危険にさらされるときで、他に手段がないなど限られた場合を除き、認められていない。次に多かったのは「介護放棄」の29人、暴言や無視などの「心理的」が7人。必要な金銭を与えなかったり、高齢者の金銭を使い込んだりする「経済的」と「性的」はなかった。
深刻度は4段階のうち、「1」(軽度)が54件、「2」(中度)が18件、「3」(重度)と「4」(最重度)はなく、「その他」が1件だった。
虐待があった施設は「特別養護老人ホーム」が11件、「有料老人ホーム」が5件など。虐待をしたのは介護職21人で、他はなかった。
被虐待者は「要介護5」が最も多い30人で4割を占めた。次いで「要介護4」の22人、「要介護3」の14人など。「要介護3」以上は66人で9割に上った。
■通報件数が最多
養護者からの虐待
家族ら養護者による虐待件数は180件、被虐待者数は183人で、いずれも過去最多だった前年度より減少。一方、相談・通報件数は420件で、過去最多だった前年度の409件を上回った。
虐待の種別(重複あり)は「身体的」が105人、「心理的」が65人、「介護放棄」が32人、「経済的」が29人で、性的はなかった。虐待の深刻度は軽度の「1」が最も多い96人だったが、高齢者の生命や心身への重篤な影響、生活の危機的状況が生じているとする「4」も3人が該当した。
虐待者との同居の有無については「虐待者とのみ同居」が117人、「虐待者や他の家族と同居」が41人、「虐待者と別居」が23人だった。虐待者は息子が最も多い79人、次いで夫49人、娘34人、妻10人などだった。