動き出す「心のエンジン」 マツダの精神も学ぶ整備士養成学校が開校

田口慎太郎
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 自動車ディーラー「神戸マツダ」(神戸市兵庫区)が、国家資格の自動車整備士を自前で養成する専門学校を設立した。メーカーではなく、ディーラーによる新設は珍しいとされ、マツダグループでは初の試みとなる。背景には慢性的な「整備士不足」があるという。

校長はロードスターの元開発責任者

 学校名は「マツダ自動車整備専門学校 神戸(MASTeC(マステック) KOBE)」で、神戸マツダが出資する学校法人が運営する。校舎は同区北逆瀬川町に建てられた。

 一期生は21人。9日、学校に隣接する本社で入学式があり、山本修弘校長が「今日はみなさんの人生の新たなエンジンがスタートする日。心のエンジンが動き出します」と祝辞を述べた。山本校長はマツダを代表する車「ロードスター」の元開発責任者だ。

採用から育成にシフト

 神戸マツダによると、学校設立の目的は、技術と人間性を備えた「自立型」の整備士を育て、業界で不足する人材を確保することにあるという。

 国内では8千万台の自動車が使われているとされ、新車販売台数は伸び悩んでいるが、整備のニーズは増えている。橋本覚(さとる)理事長(神戸マツダ社長)は「少子化に加え、労働環境などのイメージも影響し、業界は有効求人倍率が5倍を超えて慢性的な人手不足に陥っている」と話す。

 競合のトヨタや日産ホンダには自前の養成学校がある。神戸マツダは「時間はかかっても、安定的に整備士を確保することが不可欠」だとして採用から育成に舵を切り、約5年前から設立に向けた準備を進めてきたという。

国立大やめた新入生「愛車はアテンザ」

 学生たちは基本的な知識や技術を身につけつつ、「ロータリーエンジン」などマツダならではの高度な技術やチャレンジ精神を独自のカリキュラムで学び、2年間で二級自動車整備士の資格取得を目指す。

 国立大学を辞めて入学したという岡みどりさん(21)は「愛車は(マツダの)アテンザ。好きになった車を自分で整備できるようになりたい。ユーザーとの距離が近い整備士を目指します」と抱負を語った。

 神戸マツダは学校について「現役のエンジニアが指導にあたり、エンドユーザーの近くで学べるのが強み」としている。来年度の入学希望者向けのオープンキャンパスやオンラインイベントを早くも今月から始める計画だ。

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