「葬儀のイメージを変えたい」HKT48と描く、現場の実話から生まれたショートドラマの裏側
若い世代にとって、「葬儀」という言葉はどこか遠い存在かもしれません。自分ごととして考える機会が少なく、だからこそ距離を感じやすいテーマと感じている方も少なくありません。
しかし、葬儀は「亡くなった方」と「今を生きる方」をつなぎ、ご遺族が前に進むきっかけとなる大切な時間でもあります。
そこで葬儀の価値を幅広い世代に届けるため、九州で冠婚葬祭事業を展開するラック(LAC)は「HKT48」とのコラボによるショートドラマ制作に挑みました。
実話をもとに描かれるのは、葬儀ディレクターの仕事と、その裏側にある想い。葬儀の“本当の価値”とは何かを、あらためて問いかける内容になっています。
企画の総監督として本プロジェクトを率いた専務の牧野が「葬儀×アイドル」という一見意外な組み合わせに込めた想いとは。今回、ラック初となるショートドラマができるまでを聞きました!
「葬儀×HKT48」の誕生秘話。コラボやショートドラマにしたの理由
── 実話をもとにした、ラック初のショートドラマが公開されました!取り組みの背景を教えてください。
今回のショートドラマは、福岡県を中心に展開する地域密着型の葬儀社「西日本典礼」で実際に行われた葬儀のエピソードをもとに制作しています。
葬儀ディレクター(※)がご遺族と向き合うなかでどのよう想いをくみ取り、葬儀という大切な場をつくりあげるのか。普段なかなか見えない部分をストーリーとして伝えたいという意図で企画しました。
動画制作会社と連携しながらも、企画や台本作成、撮影の随所に社内メンバーも関わり、実際の現場に近いリアルさを大切にしながら制作を進めました。
※葬儀ディレクター:ご遺族へのヒアリングから葬儀の企画・運営までを担い、故人らしい送り方をかたちにする仕事。
ショートドラマはこちら(百木一花のおせっかい 〜父との約束〜 第1話 亡き父との約束。葬儀屋が起こした奇跡【実話】)
── 福岡を代表するアイドルグループの出演が話題を呼びましたが、HKT48とのコラボはどのように実現したのでしょうか?
テレビ局の方とのつながりをきっかけに、HKT48の運営会社の方とお会いする機会があり、そこから今回の取り組みにつながりました。
若い人たちは葬儀に触れる機会がほとんどありません。だからこそ、ラックで長年働くなかで、「葬儀のイメージを若い世代に向けて変えていきたい」という想いがずっとありました。
そこで、HKT48とコラボし、SNSを通じてその想いを届けられたら…と考えたんです。「葬儀×アイドル」という一見すると結びつきにくい組み合わせではありますが、だからこそ新しい接点になり得ると。
そして、若い世代に自然な形で知ってもらえる手段として、TikTokやInstagramでのショートドラマという形式にたどり着きました。
ドラマ仕立てにすることで、ラックの社員の人柄や、実際に現場で起きた出来事をよりリアルに伝えられると考えたんです。
HKT48は福岡に根付いたアイドルであり、ラックも地域に根ざした会社です。そうした共通点から、一緒に取り組む意義や、HKT48の持つ発信力によって、これまで葬儀に触れてこなかった層にもコンテンツを見ていただけるのではないか、という期待もありました。
葬儀が持つ「本当の価値」を伝えたい
──「葬儀のイメージを変えていきたい」とありましたが、ショートドラマでどんなことを伝えていきたいですか?
葬儀というと悲しいイメージがあるかもしれませんが、ご遺族とコミュニケーションを取っていくと、楽しかった思い出もたくさん出てくるんです。そのなかで「この人は何を伝えたかったんだろう」とか、「どんな思いを残したかったんだろう」と考えていく。
葬儀はいわば、「亡くなった方」と「今を生きる方」をつなぐ時間でもあり、そういう時間をつくるのが私たちの役割だと思っています。だから、“葬儀とは、ご遺族の人生を前に進めるきっかけになる儀式”であることをショートドラマでは伝えていきたいですね。
── 総監督として、もっとも伝えたかったところを教えてください。
実際にラックで働く葬儀ディレクターが、ご遺族と向き合うなかで生まれている価値や、その過程は、数字では評価されづらく、社外からも見えにくい部分だと感じています。
でも現場には、ご遺族のために本気で向き合い、心を尽くしている社員がたくさんいます。そうした姿や、そこで生まれる感動をきちんと社会に届けたいと思いました。
── 今回のドラマのモデルになった社員は、入社2年目で「フューネラルアワード(※)」の最優秀賞を受賞した、百済|《ひゃくさい》さんですよね。なぜ彼女を選んだのですか?
私たちは「一流のおせっかいで、あなたの時を感動で満たす」というミッションを掲げていますが、百済はまさにそれを体現するロールモデルとなる存在です。
彼女はまだ20代前半という若さですが、ご遺族に寄り添う姿勢は本当に素晴らしく、社内外で高い評価を受けています。「彼女の仕事ぶりこそ、世の中に伝えるべき価値だ」と確信し、今回のプロジェクトの中心に据えました。
※フューネラルアワード:葬儀の企画・運営において、いかにご遺族の想いを汲み取り、故人らしい送り方を提案できたかを競う社内のコンペティション。
▼百済さんのインタビュー記事
細部の所作や時間帯までこだわった撮影。共感と涙の反響が広がる
── 制作にあたって、特にこだわったポイントを教えてください。
現場で実際に起きていることを、いかにリアルに再現できるかにこだわりました。
特に、普段は外からあまり見えない裏方の仕事についても、現場に近い空気感で表現することを大切にしましたね。ご出演いただいたHKT48の豊永阿紀さん、森﨑冴彩さんにも実際の業務を体験してもらいながら撮影を行い、よりリアルな動きや所作が出るように工夫しました。
また、葬儀後の夕方という時間帯を想定し、光の当たり方まで含めて、現場の空気感を再現しました。
── 公開後、社内の反応はいかがでしたか?
内定者にも見てもらっていますし、インターンの学生に見てもらった際には涙を流す子もいました。
「一流のおせっかいってこういうことなんだ」と、言葉だけではなく具体的に伝えられる点は大きいですね。社内にとっても、自分たちの仕事の価値を再認識するきっかけになっていると感じています。
── 第二話、第三話では視聴者からも多くの反響があったそうですね。
そうですね。視聴者の方からも多くのコメントをいただいています。
第3話では、旦那さまを亡くされた奥さまが「最後にドライブデートに行きたい」と話されたことをきっかけに、弊社のスタッフが提案して一緒に巡る、実話をもとにしたストーリーを描いています。
コメント欄には、
「2年前に父を亡くしたので、見入ってしまいました。泣けて胸が痛いです」
「こんなことをしてくれるなら、私も父にしてあげたかった」
「ショートフィルムなのに、1話ごとに泣けるドラマは初めて見ました」
といった声が寄せられていて、少しずつですが、私たちが伝えたいことが届き始めている手応えを感じています。
ショートドラマはこちら(百木一花のおせっかい 〜父との約束〜 第2話 葬儀屋の決意と妻の涙【実話】)
また、実話のもとになったご遺族(モデルになったお客さま)にもショートドラマをご覧いただきました。
「応援しますよ」「あなたのためなら協力します」と言ってくださり、今回の取り組みをとても喜んでいただいています。
── 今後、このショートドラマをどのように展開していきたいと考えていますか?
今後は、ウエディングや介護といった他の事業部についても、ショートドラマで取り上げていきたいと考えています。
ラックの先代から受け継がれてきた「バカなナルホド」という考え方があります。一見すると「そんな馬鹿な」と思われるようなことでも、やってみると「なるほど」と納得できることがある。そうした挑戦の姿勢を大切にする、という意味ですが、まさにそれに当てはまる試みです。
一見すると「なぜ、葬儀会社がアイドルとコラボを?」と思われるような、常識にとらわれない発想を大切にしながら、これからもラックの「一流のおせっかい」や、冠婚葬祭が持つ本来の意味や価値を伝えていきたいですね。
▼今回制作した、ショートドラマはこちら(百木一花のおせっかい 〜父との約束〜)


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