"バトロワ"をやりますスピンオフ TOUGH2外伝 DARK BOND 最終章 その2

  • 1ポチェモブ26/03/24(火) 23:06:33
  • 2ポチェモブ26/03/24(火) 23:13:47

    一方、アジトの奥では。


    「……当たれェッ!!」


    羽沼マコトが、愛用の巨大なスナイパーライフル『唯我独尊』のスコープを覗き込み、至近距離から銃弾を放つ。

    だが。


    「あははっ! 遅い遅い!」


    花火はツインテールを揺らしながら、常人離れした身軽でトリッキーなアクロバットで、マコトの射線を紙一重で躱し続ける。



    「なにッ……消えっ!?」


    スコープから花火の姿を見失った直後。


    背後にフワリと着地した花火が、マコトの耳元にフーッと息を吹きかけた。


    「ひゃうッ!?」


    「何そのエロい声。マコトちゃん、的がデカすぎだよぉ!」


    そのまま背中を容赦なく蹴り飛ばされ、マコトは機材の山へと情けなく突っ込んだ。

  • 3二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 23:16:23

    >>2

    (何イチャイチャしてるんだコイツラ…)

  • 4ポチェモブ26/03/24(火) 23:17:04

    「……痛ッ! ふざけるな、おちょくってないでちゃんと戦え、花火!!」


    顔を赤くして怒鳴るマコトに対し、花火はケラケラと腹を抱えて笑った。


    「あはははっ! 何怒ってんの? マーちゃんには、これくらいのお遊びで十分でしょ!」


    完全にマコトを格下と見て、嘲笑うような戦い方を続ける花火。


    だが、その慢心が、決定的な隙を生んだ。


    床に縛り付けられていた銀狼とネイが、密かにマコトへ向けて鋭いアイコンタクトを送ったのだ。


    (……今だよ、マコト!)


    ネイが拘束された足先で、転がっていたパイプ椅子を花火の足元へと蹴り飛ばし、銀狼が床の電源ケーブルを手で引っ掛けてピンと張る。

  • 5二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 23:19:19

    ほう美少女軍団か

  • 6ポチェモブ26/03/24(火) 23:20:42

    「……え?」


    トリッキーなステップを踏もうとした花火の足がケーブルに絡まり、パイプ椅子に躓いて大きくバランスを崩した。


    「……もらったァッ!!」


    マコトはその一瞬の隙を見逃さなかった。


    『唯我独尊』の銃口が、体勢を崩した花火を正確に捉える。


    ズドォォォンッ!!


    「……痛ァァァッ!?」


    マコトの放った凶弾が、花火の右手を正確に撃ち抜いた。

    愛用の拳銃が血に染まり、床にカランと音を立てて転がる。


    「……マーちゃんッ!!」


    右手を血に染め、花火は初めて余裕を完全に失った顔で吠えると、近くの非常階段の扉を蹴り破り、屋上へと逃亡を図った。


    「逃がすかッ!!」


    マコトは『唯我独尊』を抱え、その後を全速力で追う。

  • 7ポチェモブ26/03/24(火) 23:26:18

    雪が冷たく吹きすさぶ、雑居ビルの屋上。


    血の滴る右手を押さえながら、花火は左手で予備の拳銃を抜き、追ってきたマコトへと向けた。


    カチャッ。カチャッ。

    だが、無情にも弾切れの音が鳴る。さきほどアジトの中で撃ち尽くしていたのだ。


    「……あーあ。」


    花火は忌々しそうに、空になった拳銃を雪の中へと投げ捨てた。


    そして、ゆっくりと振り返った彼女の顔からは、今までのようなおどけた道化の仮面が完全に消え去っていた。


    そこに残っていたのは、友に撃たれた痛みと、計画を邪魔された怒りに震える……年相応の、ひどく感情的な少女の素顔。


    「……マーちゃんのくせに。いっつも私の後ろをくっついて偉そうな顔をしてた、ノロマで無能なマコトのくせにッ!!」


    花火は血塗られた両手を強く握り締め、狂気と怒りが入り混じった顔でマコトを睨みつけた。


    「丸腰なら、私に勝てると思ったぁ!?」


    花火の叫びが、雪空に鋭く響く。

    Yakuza: Like a Dragon OST - ism

    「そのお間抜けな顔…グチャグチャに潰して二度と笑えないようにしてあげる!!」

  • 8ポチェモブ26/03/24(火) 23:29:16

    雪が容赦なく吹きつける、凍てつくような雑居ビルの屋上。


    そこには、華麗なアクロバットも、圧倒的な暴力もなかった。

    あるのはただ、武器を持たず、雪と血と泥に塗れながら無様に取っ組み合う、二人の少女の姿だけだった。


    「痛いッ! 離せ、このバカ花火ッ!」


    「マコトこそ離して! このノロマでおバカなマコトのくせにッ!」


    髪を掴み合い、雪の上を転がり回りながら、互いの顔を不器用な拳で殴りつける。


    裏社会を震え上がらせた万魔殿(パンデモニウム)のツートップの死闘は、まるで子供の喧嘩のように泥臭く、そして悲痛なものだった。

  • 9ポチェモブ26/03/24(火) 23:31:59

    「私は……っ! 私はただ、お前と一緒にいれるだけでよかったんだ!」


    マコトが涙を流しながら、花火の胸倉を掴んで叫んだ。


    「トップに立つとか、そんなことどうでもよかった! お前が、すぐ側で一緒に笑ってくれていたから……だから、楽しかったんだぞッ!」


    マコトの悲痛な本音。

    しかし、それを聞いた花火の顔は、さらに狂気に満ちた凄惨なものへと歪んだ。


    花火は力任せにマコトを雪の上に押し倒して馬乗りになると、その細い両手で、マコトの首をギリギリと力いっぱい締め上げた。


    「……だったら! だったら何故、私を裏切ったの!?」


    「ガハッ……! はな、び……」


    「なんでッ! 私が万魔殿(ぜんぶ)を捧げたのに……なんで、私のものになってくれないのぉッ!?」


    花火の瞳から、ポロポロと涙がこぼれ落ち、マコトの頬を濡らす。


    首を締められ、酸素を奪われていくマコトの意識が、ゆっくりと白く薄れていく。

  • 10二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 23:32:21

    …哀

  • 11二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 23:32:53

    女同士の己を意思をぶつけ合う闘い…神

  • 12ポチェモブ26/03/24(火) 23:35:30

    (……ああ。私は、どこで間違えたんだ……)


    薄れゆく意識の中、マコトの脳裏に、走馬灯のように『あの夜』の記憶が蘇った。



    ――NTSの販売ルートを確立し、万魔殿がついに青葉連合の直系組織に昇格した夜。


    高級ホテルのスイートルームで、二人きりでグラスを重ねた。だが、マコトの胸の内にあったのは、達成感よりも『これで終わりか』という底知れぬ虚無感だった。


    しかし、隣で「やったね、マーちゃん!」と嬉しそうに微笑み、自分の腕に甘えるようにすり寄ってくる花火の姿を見た時。


    『……ああ。私には、こいつがこうして笑ってくれれば、それでいいんだな』


    マコトは、心からそう思ったのだ。


    そのたった一つの、ちっぽけで大切な願いを守りたかっただけなのに。

  • 13ポチェモブ26/03/24(火) 23:38:28

    「花火……目を、覚ませッ……!」


    マコトはカッと目を開き、薄れゆく意識の淵で、最後の力を振り絞った。


    首を絞める花火の襟首を両手で強く掴み寄せ、そのまま自らの頭を、思い切り前へと叩きつけた。


    ゴツンッ!!!


    「あぐッ!?」


    骨と骨がぶつかり合う鈍い音が響き、渾身の頭突き(ヘッドバット)が花火の額にモロに炸裂した。


    脳を揺らされた花火の力が抜け、二人はもつれるようにして、冷たい雪の上へと仰向けに倒れ込んだ。


    「……ハァ……ハァ……」


    ボロボロになった二人の少女は、降りしきる雪を顔に受けながら、ただ大の字になって荒い息を吐いていた。


    「……痛い、なぁ……」


    花火が、力なく虚空を見つめたまま、ぽつりと呟いた。

    そして、その目から、今までのおどけた仮面を完全に洗い流すような、本当の涙がボロボロと溢れ出した。

  • 14ポチェモブ26/03/24(火) 23:44:16

    「マーちゃんは、ずるいよ……。おバカですぐ調子に乗って…でも何度でも立ち上がる強い人…そんな自分をしっかり持ってる…」


    「私なんて、本当はバロックに雇われただけの『顔のない役者』なんだよ。……色んな仮面を被りすぎて、本当の自分なんてもう、ずっと昔に分からなくなっちゃった…」


    花火は、雪の上に転がる自分の血まみれの手を見つめ、子供のようにしゃくり上げた。


    「……自分が誰かも分からない、空っぽな人間なんて。……生きる価値も…誰かに愛される資格も…ないんだよぉ……っ」


    万魔殿の狂気の道化師の、あまりにも脆く、悲しい素顔。



    「……そんなくだらない理屈、俺の胸には全く響かないな」


    不意に、屋上の入り口から、野太く温かい声が響いた。


    マコトと花火が視線を向けると、そこには満身創痍の身体を引きずり、優しく微笑む谷垣源次郎の姿があった。アジトでの戦いを終え、二人を追ってきたのだ。

  • 15ポチェモブ26/03/24(火) 23:48:11

    「俺とボビーがそうだったように。……ユースケやアーソンと兄弟になれたように。元は赤の他人だろうが、空っぽだろうが……心が真っ直ぐに通じ合えば、絆は必ず結ばれるんだ。そしてその絆は…生きる価値にもなり得るッ!!」


    谷垣は雪を踏みしめて歩み寄り、花火を見下ろして力強く告げた。


    「お前が今『どういう人間か』なんて、関係ない! お前の魂が、本当は『どうなりたいか』……それを、自分の心に聞いてみろッ!お前の心はもう…勃起しているはずだ!!」


    過去でも、正体でもない。自分がどう生きたいか。

    谷垣のその不器用で真っ直ぐな言葉に、花火はハッと息を呑んだ。


    そして。


    「……花火」


    マコトが痛む身体を起こし、血だらけの右手を、花火の目の前へそっと差し伸べた。

  • 16ポチェモブ26/03/24(火) 23:52:43

    「……私は、花火がどんな人間で、今までどんな悪いことをしてきた極悪人でも。……これからもずっと、私の側にいてほしいと思っている。お前の笑顔がずっと側で見ていたい…生きる価値が、それだけじゃ不満か?」


    それは、万魔殿の議長としての命令でも、虚勢でもない。

    羽沼マコトという一人の不器用な少女の、何よりも純粋なプロポーズだった。(えっ。)


    「……マーちゃん……っ」


    花火は差し出されたその手を見つめ、大きく顔を歪めた。

    そして、子供のように声を上げて泣きじゃくりながら、マコトのその小さな手を……両手でしっかりと、強く握り返した。


    「……ごめんなさい……っ! マーちゃん……ごめんなさい……ッ!」


    雪の降る屋上。


    互いの血と涙で汚れた二人の少女は、ついにその偽りの仮面を脱ぎ捨て、本当の「絆」で結ばれ直したのだった。

  • 17二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 23:55:58

    谷垣の言葉見事やな…
    それはそれとして女子の前で勃起は使うなよえーっ

  • 18ポチェモブ26/03/24(火) 23:56:44

    ムフフ…今日はここまで。

    あわわ、ワシは花火と和解しろと書いたがプロポーズしろとまでは言ってないッ

  • 19二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 04:30:53

    オツカレーッ 順調に決着が付いていってるのォ ですねェ…

  • 20二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 08:48:28

    いやーユースケの決闘が楽しみやのォ
    ですねぇ

  • 21二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 14:02:53

    全休だったんでここまでまとめて読んだんだァ
    俺……好きだぜ
    胸熱で戦いや人情が繰り広げられつつミステリー要素やギャグも混ざる感じ……神
    スレ主の"熱"を感じましたね、本気でね
    ワシも龍が如くはそれなりに知ってるからそこも含めて楽しませてもらいましたぁっ
    ここからどんな終わりを迎えるか楽しみすぎて勃起完全

  • 22二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 21:08:10

    このレスは削除されています

  • 23ポチェモブ26/03/25(水) 22:27:15

    再開すルと申します。

    完結も近づいてくると感慨深いものがあるよねパパ


    >>21


    他のバトロワはやりますスレが凝った内容だったり本格的♂な内容だからワシのベタなストーリーが反響あるか心配だったけど嬉しいですね…本気でね。

    ぜひ最後まで見てくださいよォ

  • 24二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 22:30:45

    >>18

    AIくんはたまにお変薬カプ作る…ただそれだけだ

  • 25ポチェモブ26/03/25(水) 22:30:47

    カーーーンッ!!


    数万人の大歓声が渦巻く、ジャワティ・アリーナの中心。

    まばゆいカクテル光線に照らされたリング上で、ついに『闘神』ライト級タイトルマッチ開幕のゴングが打ち鳴らされた。


    「……ッ!」


    現チャンピオンの緒方と、不遇の挑戦者・内海コージが、中央で鋭く拳を交える。



    リング下で見守るプロモーターのマッチィ真吾は、額に脂汗を浮かべ、祈るように内海の動きを凝視していた。


    (……今のところ、内海くんに変化はない。だが、バロックのあの不気味な自信。いつ、どこから凶弾が飛んでくるか……!)


    マッチィは周囲の観客席や暗がりを血眼になって見渡すが、その脅威の正体を見つけることはできなかった。

  • 26ポチェモブ26/03/25(水) 22:34:38

    一方、その喧騒から遠く離れたアリーナの最上部。


    巨大なバックスクリーンの直下にある、冷え切った暗いキャットウォーク(点検用通路)。


    「……ハァ……ハァ……ッ!」


    重い鉄扉を蹴り開け、樋口ユースケがその空間へと飛び込んだ。

    暗闇の先、鉄骨の縁にうつ伏せになり、リングを見下ろすように巨大な狙撃銃を構えている男の背中があった。


    「そこまでだ、亜門ッ!!」


    ユースケは殺気を放ちながら、男の背中へ向かって怒鳴りつけた。


    「内海にNTSの弾を撃ち込むのはやめろ! てめぇのその歪んだ正義で、これ以上あいつの立つリングを汚させるかよ!」


    ユースケの怒声に対し、黒いレインコートを脱ぎ捨て、スーツ姿となった亜門鋼太朗は……ゆっくりと、狙撃銃から目を離して振り返った。


    「……あの格闘家(内海)には、手を出さん」

  • 27二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 22:36:29

    なにっもしかして緒方が真のターゲットだったタイプ?

  • 28ポチェモブ26/03/25(水) 22:38:29

    「……あ?」


    亜門は立ち上がり、狙撃銃のボルトを引いて、薬室に込められていた『弾丸』をユースケの足元へと弾き出した。


    カラン、と鉄骨に落ちたそれは、薬物注射(ダーツ)などではない。分厚い防弾ガラスすら貫通する、殺傷能力に特化した本物の『大口径徹甲弾』だった。


    「俺が始末するのは……バロックだ」


    亜門は、はるか向こうにあるVIPルームの窓を冷たい目で見据えた。


    「あそこにいる諸悪の根源の頭を、この実弾で吹き飛ばす。それが、俺の標的だ」


    「バロックを……殺すだと?」


    ユースケは眉をひそめた。


    「俺は、最も大切な人を守るために……バロックに魂を売り、自ら世界の『歪み』そのものに成り下がった」


    亜門の瞳の奥には、底なしの後悔と、すべてを諦めたような虚無の色が広がっていた。


    「お前の弟の命を奪い、街を焼く事に手を貸した俺のような人殺しに、もう戻れる場所などどこにもない。……だから、俺の最期の仕事は、元凶であるバロックをこの手で確実に殺し……そして、俺自身もこの場で命を絶って、すべての悲劇の連鎖を終わらせることだ」

  • 29ポチェモブ26/03/25(水) 22:41:50

    悪を討ち、自らも死を持って罪を贖う。

    それが、不器用すぎる男がたどり着いた、ただ一つの身勝手な『正義の結末』だった。


    だが。


    「……ふざけんな」


    ユースケは、ギリッと奥歯を噛み鳴らし、亜門の覚悟を真っ向から一蹴した。


    「バロックを殺してハイ終わり、だぁ? てめぇが死んでお涙頂戴で幕引きにするだと? ……ンな身勝手な逃げ口上、俺が許すわけねえだろうがッ!」


    その言葉に、亜門の顔がわずかに歪んだ。


    「……俺は、お前の弟を残忍に殺した男だぞ」


    亜門は、低く、地を這うような声で問い詰める。


    「お前は、俺の死を望んでいないというのか? 弟の仇である俺が、ここで死んで報いを受けることを……!」


    「……ああ、てめぇが憎くねえと言ったら、大嘘になる」


    ユースケは両拳を強く握り込み、その節を白くさせた。マストモの笑顔が、今でも脳裏に焼き付いている。

  • 30二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 22:44:15

    お…おい亜門
    お前自己犠牲精神が金木ボーみたいになってるぞ

  • 31ポチェモブ26/03/25(水) 22:46:35

    「今すぐにでも、そのデカいツラをぶん殴って、引き裂いてやりてえよ。……だがな!」


    ユースケは顔を上げ、亜門の虚無の瞳を真っ直ぐに射抜いた。


    「てめぇの帰りを、泣きながら待ってる奴らがいるんだ。……てめぇを信じて、助けようと必死に走ってる馬鹿なデカの姉ちゃん(可奈美)や、傷だらけの課長さん(コーンブルメ)がいるんだよ!」



    「……ッ」


    亜門の目が、わずかに見開かれる。


    「だから……そいつらの前で、てめぇの口から、その抱え込んだクソ重てえ気持ちを全部『腹を割って話させる』までは……!」


    ユースケは構えを取り、そして……かつての弟のように、真っ直ぐな笑みを浮かべた。


    「俺の個人的な『復讐』なんざ、二の次だ!!」

  • 32ポチェモブ26/03/25(水) 22:51:11

    憎しみを越え、まずは相手の心をこじ開ける。

    その圧倒的に眩しく、泥臭いユースケの覚悟を前にして……亜門は深く、深く息を吐き出した。


    「……お前という男は。本当に、どこまでも真っ直ぐで……眩しい。」


    亜門は、手にしていた狙撃銃を、未練なく放り投げる。

    そして、傍らに置いてあった銀色のアタッシュケースのトランクを手に取った。


    「だが、俺にはもう、後戻りする道はない。……ならば、お前を力で黙らせてから、すべてに決着をつけるまでだッ!!」


    カシャッ。

    ケースのロックが外れ、中から溢れ出した漆黒の液体金属(Rc細胞)が、亜門の巨大な肉体を瞬時に包み込んでいく。


    「……来いッ! 『アラタ・弐<proto>』!! そして、『ドウジマ・改』!!」


    展開されたのは、禍々しくも圧倒的な防御力を誇る漆黒の全身甲冑(クインケ)と、その右手に握られた、あらゆるものを粉砕する巨大な漆黒の槍。


    人間をやめたかのような、絶対的な絶望の装甲が、キャットウォークの暗闇に重厚な駆動音を響かせて立ち上がった。

  • 33二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 22:53:18

    ユースケかっこいーよ

  • 34ポチェモブ26/03/25(水) 22:54:47

    ガシャンッ……!


    暗闇に包まれたキャットウォークに、重厚な金属音が響く。

    全身を禍々しい漆黒の甲冑『アラタ・弐<proto>』で覆った亜門鋼太朗は、その右手に握られた巨大な槍『ドウジマ・改』の切っ先を、真っ直ぐにユースケへと突きつけた。


    「……これはかつて、俺が『喰種(グール)』という化け物たちとの死闘の際に使用していた兵装だ」


    兜の奥から響く亜門の声は、どこまでも冷徹で、感情の抜け落ちたマシンのようだった。


    「いくら強靭な肉体を持つ格闘家であろうと、生身のお前がこの力に敵うはずはない。……退け」


    完全な死の宣告。


    だが、その圧倒的な威圧感を前にしても、ユースケは怯むどころか……フッと、口の端を歪めて笑ったのだ。


    「……へっ。そうだな……そんな物騒なモン着込まなくたって、お前は俺よりデカくて強いんだから、勝てるわけがねえ……って、馬鹿か。」

  • 35ポチェモブ26/03/25(水) 22:58:47

    冗談交じりに笑い飛ばし、ユースケは視線をスッと下へと向けた。


    遥か眼下。まばゆいカクテル光線に照らされた華やかなリングの上では、現チャンピオンの緒方に対して、内海コージが血と汗を散らしながら必死に拳を振るい、食らいついている。



    数万の観客がその熱戦に酔いしれ、歓声を上げていた。


    「……俺も昔は、あんな華やかなリングに上がって戦うのが夢だった」


    ユースケは、金網越しの眩しい光を細めた目で見つめながら、静かに語り始めた。


    「でも、俺にはそんな華も実力もねえって悟って、諦めちまったんだ。……それでもよ、弟のマストモが『闘神に挑戦する』って言い出した時は……全力でそれを支えてやろうって思った。その時から、俺の夢は『マストモがあのリングで戦うこと』になったんだ」


    ユースケの脳裏に、弟の真っ直ぐな笑顔が浮かぶ。


    「弟が殺されたって聞いた時は……犯人を必ずブチ殺してやろうと思った。俺の今後の人生なんて、どうでもいいとすら思ってたよ。……でも」


    ユースケは再び視線を上げ、漆黒の装甲に身を包んだ亜門を真っ直ぐに射抜いた。

  • 36ポチェモブ26/03/25(水) 23:02:09

    「この邪羽帝町にやってきて、馬鹿で最高な仲間たちに出会って……かけがえのない絆と、新しい夢を見つけちまったんだ」


    ユースケは、ボロボロになった道着の上着を乱暴に掴み、そのまま勢いよく脱ぎ捨てた。


    鍛え上げられた分厚い筋肉と、無数の傷跡が刻まれた上半身が、キャットウォークの冷たい空気に晒される。


    「今、外で必死に戦ってる俺の仲間たちのように……『誰かの夢を守ること』。それが、今の俺の戦う理由なんだよッ!!」


    ユースケの瞳の奥で、猛烈な命の炎が爆発的に燃え上がった。


    「日の当たらない、誰の目にも止まらないこんな真っ暗な場所でも関係ねえ。……俺は、俺の夢のために…そしてお前自身の為にも、お前を止めてみせる!!」

  • 37二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 23:03:36

    >>34

    あうっ 予想はしてたけどやっぱりこの世界にも喰種はいるのかあっ

  • 38ポチェモブ26/03/25(水) 23:05:03

    ユースケの、格闘家としての、そして一人の男としての魂の咆哮。


    そのあまりにも眩しく、泥臭い覚悟の光を真正面から浴びた亜門は……兜の下で、深く、長く息を吐き出した。


    (……ああ。お前は本当に、真っ直ぐな男だ)


    絶望と後悔に塗れた亜門の心に、ユースケの熱が確かに届いていた。

    だからこそ、亜門は自らの背負ったすべての罪を懸けて、この男に全力で応えなければならないと悟った。


    「……なら、俺を止めてみろ」


    亜門はドウジマ・改を両手で力強く握り直し、重心を深く沈めた。


    「俺の背負った罪ごと……俺を打ち破ってみせろッ!!」


    数万人の大歓声に沸く、華やかな舞台の裏側。


    光の届かない一番高い暗闇の中で、誰の目にも止まらない、二人の男だけの『最後の喧嘩』がついに始まる。

  • 39ポチェモブ26/03/25(水) 23:09:04

    「行くぞ……樋口ユースケェェェェェ!!!!」


    「来い……亜門ッッッッ!!!!」


    二人の魂の叫びが交錯した瞬間。


    ドゴォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!


    キャットウォークの鉄骨が悲鳴を上げ、ユースケのすべてを込めた剛骨術の拳と、亜門の放った漆黒の絶望の槍が、真っ向から激突した!


    龍が如く5 OST 「The Battle For Dream」

    警視庁捜査一課 上等捜査官

    亜門 鋼太朗

  • 40二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 23:12:39

    さあここからがユースケの見せ所や
    クインケ相手に素手でどう戦うか

  • 41ポチェモブ26/03/25(水) 23:12:40

    ガガガガガッ!! ドゴォォォォンッ!!


    数万人の歓声が地鳴りのように響くアリーナ。そのはるか頭上、巨大なバックスクリーンの下に広がる暗いキャットウォークで、肉体と鋼がぶつかり合う凄まじい破裂音が連続して轟いていた。


    「オラァァァァッ!!」


    ユースケは持てるすべての力を解放し、亜門へ向けて剛骨術の猛攻を浴びせる。


    だが、漆黒の装甲『アラタ・弐<proto>』を纏った亜門は、その一撃一撃を一切の躊躇なく、冷徹な機械のように完璧に捌き切っていく。


    「……遅いッ!」


    亜門の鋭い声と共に、一瞬の隙を突いた重たい拳と槍の石突きが、ユースケの腹部や肩へ無慈悲に叩き込まれる。

  • 42ポチェモブ26/03/25(水) 23:16:09

    「ガハッ……! ぐぅッ……!」


    鉄骨の上を転がり、血を吐くユースケ。


    そのダメージは致命的だった。普通の格闘家であれば、すでに幾度となく絶命していてもおかしくない破壊力。ユースケが今も辛うじて立っていられるのは、極限まで鍛え上げられた剛骨術による『骨のガード』が、ギリギリのところで致命傷を防いでいるからに他ならなかった。


    それでも、ユースケは何度地に伏せようとも、その瞳の炎を絶やすことなく立ち上がる。



    「……お前のその熱い気持ちは、十分に伝わっている」


    亜門はドウジマ・改を構え直し、静かに告げた。


    「だが、お前の執念だけでこの絶対的な力の差は覆せない。……終わらせるぞ、樋口ユースケ」

  • 43二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 23:17:09

    互いにこの世界観に合わせてバフやナーフされているだろうけどね
    それでもクインケ相手に戦えてるユースケがヤバすぎるの

  • 44ポチェモブ26/03/25(水) 23:18:23

    亜門がトドメを刺すべく、漆黒の槍を大上段から振り下ろした、その瞬間。


    「……ハッ。一人相手に戦ってる気になってんじゃねえぞッ!!」


    ユースケは迎撃の拳を出すのではなく、深く重心を沈め、亜門の懐へと滑り込んだ。


    そして、藤田剛三との死闘でその身体に刻み込まれた『柔術』の理合を自己流にアレンジし、亜門の装甲の隙間を的確に掴み、その巨体を強引に持ち上げて鉄骨の床へと激しく叩きつけた。

  • 45ポチェモブ26/03/25(水) 23:21:05

    ドゴォォォォンッ!!


    「……なッ!?」


    亜門の姿勢が崩れた隙に、ユースケはキャットウォークの隅に転がっていた太い『鉄パイプ』を蹴り上げた。


    それを両手でガシリと握り締め、体勢を立て直して迫り来るドウジマ・改の猛攻を正面から迎え撃つ。


    ガキィィィィンッ!!



    鉄パイプから火花が散る。それはただの力任せの防御ではない。


    闘神の王者・ギレーヌが見せた、パワフルでありながら極限まで洗練された『剣戟』の軌道そのものだった。

  • 46二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 23:23:56

    おーっ リスペクトしとるやん

  • 47ポチェモブ26/03/25(水) 23:24:56

    「……小細工をッ!」


    亜門が槍の軌道を変え、怒涛の連続突きを放つ。


    だがユースケは、アーソンのごときニンジャめいた身軽なフットワークで鉄骨の上を跳ね回り、死の刃を紙一重で躱していく。


    「まだまだァッ!!」


    ユースケは亜門の最大の突きをスウェーで躱すと同時に、その腕を絡め取り、桐生一馬の古牧流を彷彿とさせる鮮烈な『カウンター』を亜門の顎下へと叩き込んだ。



    ガガァァァァンッ!!


    「ガハァッ……!」


    強固な兜越しにも関わらず、脳を揺らされた亜門の巨体が大きくよろめき、後退する。

  • 48ポチェモブ26/03/25(水) 23:28:54

    「今の俺の武器は、剛骨術だけじゃねえッ!!」


    ユースケはひしゃげた鉄パイプを投げ捨て、全身の筋肉をバネのように限界まで圧縮させた。


    「この街で拳を交わした奴らと……俺の大事な仲間たちの想いも、全部背負ってんだよォォォォォッ!!」


    ユースケの魂の咆哮と共に放たれたのは、渾身の飛びヒザ蹴り


    ドゴォォォォォォォォォォォンッ!!!


    「グアァァァァァァッ!!」


    漆黒の装甲ごと吹き飛ばされた亜門の巨体が、キャットウォークの奥にある非常口の重い扉をぶち破り、アリーナの外へと勢いよく弾き出された。


    「逃がすかよッ!!」


    ユースケもまた、迷うことなくその非常口の空間へと身を躍らせる。

  • 49ポチェモブ26/03/25(水) 23:31:59

    儚き夢

    吹きすさぶ冷たい風。


    二人の身体が落下したのは、ジャワティ・アリーナの巨大なドーム屋根の上だった。


    季節外れの雪が激しく降りしきる中、ネオンの光に照らされた銀白の舞台。


    「……ハァ……ハァ……」


    屋根の雪を削りながら体勢を立て直した亜門と、肩で息をしながら立ち上がるユースケ。


    歓声すら届かない静寂の雪空の下で、二人の死闘が再び幕を開けようとしていた。

  • 50ポチェモブ26/03/25(水) 23:34:51

    ガチャンッ……!


    ジャワティ・アリーナの巨大なドーム屋根。吹きすさぶ冷たい雪の中、度重なるダメージと落下の衝撃でひしゃげた兜を、亜門鋼太朗は忌々しそうに自ら剥ぎ取り、雪の上へと投げ捨てた。


    「……ハァ……ハァ……樋口…ユースケ…!」


    剥き出しになったその素顔は、かつての端正な面影を失うほどに傷つき、血と汗に塗れていた。だが、その瞳だけは凄絶な光を放っている。



    「……へっ…お互いボロボロだな。」


    それを見たユースケは、全身の骨が軋むような激痛に耐えながら、血だらけの口角を吊り上げた。

  • 51二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 23:37:07

    いつ見てもジャワティ・アリーナとかいう猿ネーミングで笑ってしまうのが俺なんだよね

  • 52ポチェモブ26/03/25(水) 23:38:48

    「さっきのおっかねぇ鉄仮面より……ずっといいツラしてんじゃねえか。……人間らしくてよ」


    挑発するユースケ自身も、完全に満身創痍だった。道着は破け、全身からは湯気のように熱い血の匂いが立ち昇っている。立っていることすら奇跡に近い状態だった。



    「……減らず口を」


    亜門は一切の躊躇なく、再びドウジマ・改を構え、雪を蹴立てて猛然と突進した。


    ガキィィィィンッ!!


    重い刺突と斬撃の嵐。ユースケはステップを踏んで躱そうとするが、積もったばかりの雪に足を取られ、その動きがほんの一瞬、致命的に遅れた。



    「……終わりだッ!!」


    亜門の容赦ない一撃。巨大な漆黒の槍の石突が、ユースケの側頭部を無慈悲に、そして完璧に捉えた。



    ゴガァァァァンッ!!!


    「あ……」


    脳髄を直接揺らされる強烈な衝撃。ユースケの視界が完全に弾け、プツン、と世界から音が消え去った。

  • 53ポチェモブ26/03/25(水) 23:43:22

    膝の力が抜け、ユースケの身体は糸の切れた操り人形のように、冷たい雪の上へと崩れ落ちていく。


    ――暗闇。


    深い、海の底のような冷たい闇の中に、ユースケの意識は沈んでいった。


    (……ここまで、なのか。……ごめんな、みんな。……マストモ……)


    諦めが心を支配しかけた、その時だった。


    『……立て、ユースケ! 俺たちの勃起した絆は、そんなもんじゃねえだろ!』


    『ここで倒れるお前じゃないはずだ。お前の拳は、誰かの夢を守るためのものだろう!』


    『……立ってください、ユースケさん。約束、したじゃないですか……!』


    谷垣、力丸、神楽耶……そして、共に拳を交え、笑い合った仲間たちの声が、暗闇に温かい光を灯していく。

  • 54ポチェモブ26/03/25(水) 23:47:49

    『……決して諦めずに学び、挑み続けろ。いいか、武道の本質は、何があっても「生き残る」事だ。』


    厳しかった父親の、懐かしい声。


    そして、最後に。


    一番聞きたかった、あの不器用で、真っ直ぐな弟の声が、背中を力強く押した。





















    『――負けるな、兄貴』

  • 55ポチェモブ26/03/25(水) 23:51:34

    「……マストモォォォォォォォッ!!!」


    死の淵から、ユースケの瞳がカッと見開かれた。


    雪に沈みかけていた身体が、バネのように弾け飛んで立ち上がる。


    「なッ……まだ動けるというのか!?」


    驚愕する亜門の懐へ、ユースケは死への恐怖を完全に捨て去った、決死の踏み込みを見せた。


    「俺の、この手で……全部、こじ開けてやるッ!!」


    ユースケの両手が、猛禽の爪のような恐るべき形(フォーム)を取る。


    「『剛骨指斬』ッ!!」


    バキィィィィンッ!! ガガガガガッ!!!


    狙うは亜門の肉体ではない。彼を覆う、漆黒の装甲『アラタ・弐<proto>』。


    極限まで鍛え上げられたユースケの指先が、装甲の継ぎ目に深く突き刺さり、悲鳴を上げる金属を素手で強引に引き剥がしていく。

  • 56二次元好きの匿名さん26/03/25(水) 23:56:14

    ユースケが覚醒した…
    勝利と栄光を用立てろ!

  • 57ポチェモブ26/03/25(水) 23:57:07

    「チィッ……!」


    亜門は装甲を破られまいと、ドウジマ・改を短く持ち直し、ユースケの胴体を貫こうと必死に迎撃を試みる。


    だが、死の刃を前にしても一歩も引かず、血の涙を流しながら笑うユースケのその決死の表情が。


    亜門の脳裏に、あの雨の夜に彼が自らの手で殺めた青年――樋口マストモの、命を懸けて夢を守ろうとした真っ直ぐな顔と、完全に重なったのだ。


    (……ッ!)


    亜門の手に、ほんの一瞬……絶対に生じてはならない『躊躇』が生まれた。


    その刹那の迷いを、ユースケの野生の勘は見逃さなかった。


    「もらったァッ!!」


    ユースケの渾身の『剛骨指斬』が、装甲の剥がれた亜門の右肩へと深く、えぐり込むように突き刺さる。


    ゴキィィィィィンッ!!!


    「ガアァァァァッ!!」


    亜門の右腕の関節が完全にへし折られ、ドウジマ・改がその手から力なく滑り落ちた。

  • 58ポチェモブ26/03/26(木) 00:00:29

    最大の武器を失い、完全に体勢が崩れた亜門。


    ユースケは、自身の折れた指から流れる血で真っ赤に染まった右拳を、腰だめに深く、限界まで引き絞った。


    「これで……最後だ、亜門ッッッッッ!!」


    弟の無念、仲間たちの絆、そして不器用な男の背負った哀しき正義。そのすべてを打ち砕き、抱き留めるための、ヒグチ流最大の必殺の一撃。



    「奥義……ッ! 『剛骨拳断』ッ!!!」


    ドゴォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!

    ユースケの血塗られた拳が、亜門の胸部装甲を完全に粉砕し、その下の肋骨を深く打ち抜いた。


    衝撃波が雪を円状に吹き飛ばし、アリーナの屋根を激しく震わせる。


    「ガ、ハァァァァァァァッ…………!!」


    亜門の巨体が宙に浮き、鮮血を散らしながら、十数メートル後方へと吹き飛ばされた。


    そして、雪の積もる屋根の上を何度も転がり……ついに、完全に動かなくなった。

  • 59ポチェモブ26/03/26(木) 00:02:45

    沈黙。


    風の音だけが響く屋根の上で、ユースケはその光景を最後まで見届けた。



    「……勝負、ありだぜ……」


    その言葉を最後に、ユースケの全身を支えていた緊張の糸が、プツンと切れた。


    ガクン、と膝をつき、そのまま仰向けになって大の字に倒れ込むユースケ。



    冷たい雪が、燃え尽きた二人の男の身体に、静かに降り積もっていく。



    誰の目にも止まらない舞台裏の死闘は、相打ちという形での、完全決着を迎えたのだった。

  • 60二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:03:13

    御決着だあっーーーー!!

  • 61ポチェモブ26/03/26(木) 00:10:58

    ムフフ…今日はここまで。
    残り多分60~70レスくらいで終わりそうだけどどういう進め方が良い?
    明日はバロックとの決着まで書いて金曜の夜に最終回か?
    それとも明日は休んで金曜日にまとめてエンディングまでやるタイプか?

    まぁワシはせっかくのフィナーレだから一番人がいる、反応が貰えそうな時間帯がいいんやけどなブヘヘ

  • 62二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:16:20

    オツカレーッ

    >>61 金曜は四国志の募集&開始とかもあるし前者の方がいいんじゃないスかね

  • 63二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:16:24

    金曜日だと新規スレがめちゃくちゃ増えるし明日ある程度進めたほうがいいんじゃねえかと思ってんだ

  • 64二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:25:11

    このレスは削除されています

  • 65二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:27:17

    金曜はめちゃくちゃ人気のあるイナイレ、しかも新しいやりますが来るからね

  • 66ポチェモブ26/03/26(木) 00:27:44

    >>62

    >>63

    どわーっ、四国史の新作もあるやん。

    は…はよう新しいキャラシ作らなっ…


    というわけで明日も同じくらいの時間に進めさせてもらうのん。

    意見あざーすガシッ



    ちなみにこれがラスボス戦開幕のボツ画像

    ユースケは画像提示したけど亜門は名前だけでもここまで再現してくれたんだよね。

    なのんbanana…すげえ

  • 67二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:29:00

    このレスは削除されています

  • 68二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:30:06

    なのんbananaで腹筋がバーストしたんだッ

    それはそうと亜門は探偵ロワでも重要ポジションにいたしポチェモブと縁深いっスね…

  • 69二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 00:59:52

    なんや伝道師ロワで亜門出したら洗脳されたまま続編に続いたもんだからアキラジョーを続編に安価しようかのォって思って続編を待ってた頃が懐かしですねえ

  • 70二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 02:32:26

    そういやこの前CURE見たんスけど思ったよりバッドエンドを超えたバッドエンドだったのに驚いた…それが僕です

  • 71二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 07:12:50

    更新ありがとうございました


    >>39

    BGMの選曲……神

  • 72二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 12:09:47

    >>70

    えっ そうなんですか

  • 73ポチェモブ26/03/26(木) 17:29:46

    今夜も22:30頃に再開予定なのん


    >>69

    本山先生FINALはともかく探偵キー坊の3作目はまだ何も決まってないんだァ

    でも亜門の再登場や過去の事件との因縁とかも織り込みたいとアイデアはあるよね、アイデアだけはね。


    >>70

    原作通りにするならロワの方も和香ちゃんがまだ…っていう不穏なラストにしようかと思ってたんだァ

    でも本山先生に繋がる話でもあるから変に捻らず希望のある形にしたのん


    >>71

    これでもボス戦のBGMやボス戦のシチュエーションはRGGスタジオのゲームオマージュを入れてるんやで、今日の更新後に軽く話させてくれや。

  • 74二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 19:57:19

    今までの強敵(とも)達との闘いが勝利に繋がるのがげきあつを超えたげきあつ
    こういう演出はgeminiに指示してるのん?
    もしよかったら物語が完結した後でどんなプロンプトを使ってきたのか教えてくれよ

  • 75二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 19:58:52

    熱い死闘…神

  • 76ポチェモブ26/03/26(木) 22:28:17

    それじゃあそろそろバロックとの決着を描くのんゴロンヤメロオオオ


    >>74

    ごめんなさい、プロンプトらしいプロンプトは一切ないんです。


    最初に簡単な設定とユースケ達、安価キャラのプロフだけ投げて後はワシがGeminiに大まかなストーリーの流れ、描写、台詞とかを指示して書いてもらってるんだァ

    むしろ初代サッカーとかAI使ってるやりますスレの主催に聞きたいくらいなんだよね

  • 77二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:32:54

    このレスは削除されています

  • 78ポチェモブ26/03/26(木) 22:34:08

    「ユースケ……おい。ユースケ、目を覚ませ!」


    頬を叩く温かい感触と、焦燥の入り混じった声。


    ユースケが重い瞼をゆっくりと開けると、雪の降るアリーナの屋根の上で、新藤力丸、桐生一馬、そしてコーンブルメが彼を見下ろしていた。



    「……新藤。桐生さんに、課長さん……」


    ユースケは痛む身体を起こし、周囲を見渡した。


    「安心しろ。邪羽帝町の青葉連合は、援軍の大吾さんたちや警察の手で完全に鎮圧された」

    力丸が、安堵の息を吐きながら報告する。


    「アーソンたちや谷垣、マコトたちからもさっき連絡があった。ルアンも花火も大人しく投降したそうだ。……残るは、アリーナにいるバロックただ一人だ」


    その言葉に、ユースケは深く頷いた。

  • 79ポチェモブ26/03/26(木) 22:37:22

    そして、少し離れた場所に視線を向ける。

    そこでは、駆けつけた衛藤可奈美が、ボロボロになった亜門鋼太朗を必死に介抱していた。



    ユースケはフラフラと立ち上がり、コーンブルメと共に亜門の元へと歩み寄った。

    亜門はユースケの姿を認めると、身を起こそうとしたが、ユースケはそれを手で制した。


    「……亜門。一つだけ、聞かせてくれ」


    ユースケは、真っ直ぐに亜門の目を見据えた。


    「お前は本当に……俺の弟の、マストモを殺したのか?」


    その問いに、可奈美が息を呑む。


    亜門は静かに目を伏せ、やがて、あの雨の夜の真実を語り始めた。

  • 80二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:38:25

    いやー遂に最終決戦やのぉ

  • 81ポチェモブ26/03/26(木) 22:40:52

    (回想)

    雨が打ちつける、暗い路地裏。


    亜門はバロックからマストモの暗殺を命じられていた。だが、亜門の心には、純粋に夢を追う若き格闘家を殺 す意志などなく、秘密裏に彼を街から逃がしてやるつもりだった。


    しかし、バロックは亜門のその『甘さ』を完全に見透かしていた。


    亜門が駆けつけた時には、すでにバロックの手の者によって、マストモの首筋に致死量を超える『NTS』が無理矢理注射された後だったのだ。


    「……ぐ、あぁぁぁぁッ!!」


    泥水の中で苦しみ、凶暴な獣のように自我が崩壊していくマストモ。


    だが、彼は超人的な精神力で、何とか最後の理性を保とうと必死に足掻いていた。


    「……逃げて、くれ。このままだと、俺は……誰かを襲って、傷つけてしまうッ!」


    マストモは、血の涙を流しながら亜門の足元にすがりついた。


    「頼む……俺が、俺でなくなる前に。俺を、殺してくれ……!」

  • 82二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:42:14

    ユースケが復讐心に飲まれたりとかしてたら救いのない結末になるところでしたね…ガチでね…

  • 83ポチェモブ26/03/26(木) 22:44:07

    「……馬鹿なことを言うな! 諦めるな、耐えるんだ!」


    亜門はマストモの肩を掴み、必死に呼びかけた。だが、NTSの浸食はすでに限界を超えていた。


    「嫌なんだ……。父さんと兄さんが応援してくれた夢を……こんな、バケモノみたいな形で、終わらせたくないんだッ!!」


    マストモの最期の、悲痛な叫び。


    その真っ直ぐな魂に触れた亜門は、激しい葛藤の末……自らの手を血に染め、完全に自我を失う寸前だったマストモの命を、その手で断ち切った。





    雨の中、動かなくなったマストモの亡骸を見下ろす亜門。

  • 84ポチェモブ26/03/26(木) 22:45:54

    だが、事態はそれだけでは終わらなかった。


    マストモの瞳が、NTS過剰投与の副作用である『異様な青色』に染まり始めていたのだ。


    このまま警察に発見されれば、マストモは「不正な薬物に手を出して狂い死んだ格闘家」という汚名を一生着せられ、彼が命懸けで守ろうとした『夢』と『誇り』が永遠に汚されてしまう。


    「……許してくれ」


    亜門は血の涙を流し、その重い拳を振り上げた。

    青い瞳という『薬の証拠』を完全に隠滅し、ただの凄惨な殺人事件として処理させるために。……マストモの顔を、自らの手で潰すという、身を切るような苦渋の決断を下したのだった。

  • 85二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:46:53

    はーっ バロックよ4ね!

  • 86二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:49:34

    バロックさん…
    やはりお前はマフィアの血を受け継いでおる
    下劣で不浄なDNAを受け継いでいる

  • 87ポチェモブ26/03/26(木) 22:49:52

    「……それが、あの夜のすべての真実だ」


    現在。アリーナの屋根の上。

    亜門は静かに語り終え、懺悔するように頭を垂れた。


    「信じてくれとは言わん…どんな理由があろうと、俺がお前の弟を殺したことに変わりはない。」


    コーンブルメも可奈美も、あまりの悲痛な真実に言葉を失い、ただ立ち尽くしていた。


    だが。



    「……っ」


    ユースケの瞳から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。

    怒りの涙ではない。弟の最期の想いと、不器用すぎる亜門の悲しい優しさを知った、深く温かい涙だった。


    ユースケは静かに亜門の前に膝をつき、血と泥に塗れたその大きな手を……両手でしっかりと、力強く握りしめた。

  • 88二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:52:09

    もしかして理由がとは言え亜門の為にも涙を流せるユースケも優しいんじゃないスか?

  • 89ポチェモブ26/03/26(木) 22:52:50

    「ユースケ……?」


    「お前は……」


    ユースケは涙声で、不器用に笑いながら告げた。


    「お前は、マストモの尊厳を……俺たちの『夢』を、守ってくれたんだな」


    「……ッ」


    亜門の瞳孔が、大きく揺れた。


    「……ありがとう。弟の誇りを、守ってくれて……本当に、ありがとう……ッ!!」


    ユースケは亜門の手を握りしめたまま、子供のように声を上げて泣き崩れた。


    憎むべき仇だと思っていた男が、誰よりも弟の夢を尊重し、自ら泥を被ってその名誉を守り抜いてくれた恩人だったのだ。


    ユースケのその温かい涙と感謝の言葉に触れ……。

    感情を殺し、ただの兵器として生きてきた亜門の瞳からも、張り詰めていた糸が切れたように、静かな、しかし止めどない涙が溢れ出した。


    冷たい雪が優しく降り積もる夜。


    ユースケと亜門は互いの手を固く握り合い、過去の悲劇を乗り越えた新たな『絆』を、確かに結び合わせたのだった。

  • 90二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:55:19

    ユースケと亜門が和解し絆ができた…
    バロックをぶちのめす準備を用立てろ…!

  • 91二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 22:58:33

    このレスは削除されています

  • 92ポチェモブ26/03/26(木) 22:59:38

    カンカンカンカンカンッ……!!


    数万人の観衆が総立ちとなり、ジャワティ・アリーナを揺るがすほどの割れんばかりの大歓声が巻き起こった。


    激闘の末、最終ラウンドの終了を告げるゴング。

    リングの中央で、血と汗に塗れた現チャンピオン・緒方と、不遇の挑戦者・内海コージが、互いの健闘を讃え合うように抱き合っていた。


    やがて、レフェリーによって高々と右手を上げられたのは――。


    『……勝者、内海コージ!! 判定3-0を持ちまして、新チャンピオンの誕生です!!』


    そのアナウンスが響き渡った瞬間、内海の厳つい顔がくしゃくしゃに歪んだ。


    これまで実力を認められず、日陰で燻り続けてきた男が、己の拳一つで掴み取った正真正銘の『夢の舞台』の頂点。内海はリングに顔を伏せ、男泣きに泣き崩れた。


    マッチィ真吾もリングサイドで涙を拭い、新王者の誕生を心から祝福していた。

  • 93二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:00:33

    えっ内海勝ったんスか?
    マジでかっこいいな内海

  • 94二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:02:36

    内海…見事やなニコッ

  • 95ポチェモブ26/03/26(木) 23:02:55

    だが、その感動的な光景をアリーナの最上階、VIPルームから見下ろす近藤バロック陽介の顔は、屈辱と苛立ちでどす黒く染まっていた。


    「……チッ。亜門の奴め、失敗したか。使えない番犬ですね」


    バロックは忌々しそうに舌打ちをすると、背後の巨大モニターに映る海外の大物スポンサーたち――ハワイのオーナーと、マッド・ランティスのクィーンへ向けて、取り繕ったような薄ら笑いを向けた。


    「お見苦しいところをお見せしました。所詮は極東の猿芝居、くだらない茶番に過ぎません。……私は今から日本を立ちます。新しい拠点から、改めて『HBR』のプロジェクトを――」











    『――残念だが、支援はお断りさせてもらう。』


    ハワイのオーナーが、氷のように冷酷な声でバロックの言葉を遮った。

  • 96二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:02:55

    最初のやられ役から出世するとは見事やな…内海

  • 97二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:06:28

    >>96

    この展開だから恐らく本編後に出されるであろう内海のサブストーリーが益々気になったのは俺なんだよね

  • 98二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:10:04

    このレスは削除されています

  • 99ポチェモブ26/03/26(木) 23:11:04

    「……今なんとおっしゃいました?」


    『我々は「HBR」へのすべての援助を打ち切る。これ以上の投資は無価値と判断させて貰いましたよ』


    クィーンもまた、退屈そうにワイングラスを揺らしながら冷たく頷いた。

    「ま、待ってください! 計画はまだ……!」


    動揺したバロックがすがりつこうとしたその時、彼の手元のスマートフォンがけたたましい通知音を鳴らした。

    画面に目を落としたバロックの顔から、一瞬にして血の気が引いていく。


    ニュースサイトのトップページ。そこには『闘神CEOの裏の顔』『巨大格闘技団体の闇』という見出しが躍り、バロックのこれまでの悪行、NTSの流通ルート、さらには青葉連合を利用したクーデター計画の全貌が、動かぬ証拠と共に全国へ向けて大々的に報道されていたのだ。


    銀狼の神速のハッキング、


    コーンブルメたち警察が命懸けで集めたデータ。


    そして、投降した花火とルアン、亜門の自白。


    極めつけは、桐生一馬が『大道寺一派』という国家規模のフィクサーを動かして情報統制を完全に封殺したことによる、完璧な包囲網だった。

  • 100二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:12:52

    ぶ…無様…

  • 101ポチェモブ26/03/26(木) 23:13:11

    『……こんな風に、いとも簡単に足元をすくわれるから……あなたは優秀な兄たちに見捨てられたのではないですか?』


    モニター越しのオーナーが、哀れむように目を細める。


    『所詮、あなたは井の中の蛙だったのね。さようなら、無能なピエロさん』


    クィーンの冷酷な嘲笑と共に、モニターの通信がプツンと切断された。


    「……あ、ああ……ッ!! 違う! 私は兄さんたちよりも優秀だ! 私は……ッ!!」


    激昂し、スマートフォンを壁に叩きつけて粉々に砕くバロック。


    その時、VIPルームの外から、けたたましいサイレンの音と、多数の警察官の荒々しい足音が迫ってくるのが聞こえた。


    「……ヒィッ!?」


    完全に追い詰められたバロックは、血走った目で周囲を見回し、隠し持っていた拳銃を懐にねじ込むと、VIPルームの裏口から非常階段へと慌てて逃げ出した。

  • 102二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:15:22

    黒幕ぶってる奴が醜態をさらすのは気持ちがいいっスね

  • 103ポチェモブ26/03/26(木) 23:16:16

    「ハァッ……ハァッ……!!」


    バロックがアリーナの外階段へと飛び出すと、そこは季節外れの冷たい雪が舞い散る、暗い夜の底だった。


    近くのヘリポートや地下鉄などの逃走ルートへ向かおうと、雪の積もる鉄階段を転がるように駆け下りようとした、その瞬間。



    「……どこへ行くつもりだよ、バロック」


    階段の下。冷たい雪の中に、満身創痍の男たちが立ち塞がっていた。


    樋口ユースケ、新藤力丸、桐生一馬。そして、彼らと共に戦い抜いた仲間たちだ。

  • 104ポチェモブ26/03/26(木) 23:19:15

    「……樋口、ユースケェッ!!」


    すべてを台無しにされた元凶を前に、バロックは完全に理性を失い、懐から拳銃を引き抜いてユースケへと向けた。


    「お前さえ……お前たちさえいなければぁぁっ!!」


    だが、ユースケは銃口を向けられても一歩も引かず、むしろ雪を蹴って弾かれたように階段を駆け上がった。


    「……てめぇの負けだッ!!」


    ユースケの怒りのこもった拳が、銃を構えたバロックの顔面を完璧に捉えた。



    「ガブッ……!?」


    強烈な一撃を食らい、バロックの身体は宙を舞い、そのまま雪の積もる鉄階段を無様に何段も転げ落ちていった。

  • 105二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:21:14

    ぶ、無様…w

  • 106ポチェモブ26/03/26(木) 23:22:29

    「……ぐ、あぁっ……!」


    階段の下の広場へ転がり落ちたバロックが、雪塗れになりながら呻き声を上げて顔を上げる。


    そこはすでに、コーンブルメの要請で駆けつけた無数のパトカーと、完全武装した警察官たちによって何重にも包囲されていた。


    赤色灯が雪を不気味に照らし出す。まさに四面楚歌。完全なチェックメイトだった。


    「……バロック」


    警官たちの列を割り、静かに進み出てきたのは、衛藤可奈美に肩を貸されて辛うじて歩く、亜門鋼太朗だった。



    「……亜門……! 貴様ぁっ、私を裏切って……!」


    バロックが憎悪の目で睨みつけるが、亜門の瞳はもう、彼を恐れてはいなかった。


    「……終わりだ、バロック。お前の作った狂った計画は、ここですべて終わったんだ」


    亜門は静かに、しかし確かな声で告げた。


    「俺も、マストモくんを殺めた罪は一生消えない。……俺も地獄までお供する。だから、もう終わりにしよう。……自首するんだ」


    かつて最も信頼し、そして最も利用してきた男からの、最後の引導。

    その静かな勧告を聞いたバロックは、雪の上に這いつくばったまま、ピタリと動きを止めた。

  • 107ポチェモブ26/03/26(木) 23:25:29

    そして、肩を小刻みに震わせ……やがて、狂ったような高笑いを夜空に響かせ始めた。


    「……フフッ。アハハハハハハハッ!!!」


    バロックはよろよろと立ち上がり、血と雪に塗れた顔を歪め、三日月のような笑みを浮かべた。


    「……これで終わり? 自首だと? ふざけるな……! 私は、この世界の裏社会すべてを支配できる才能を持つ人間なんだぞ!!」


    バロックの脳裏に、彼を常に見下してきた優秀な兄たちの冷たい視線がよぎる。


    「……無様に警察に捕まって、檻の中で腐っていく兄たちとは違う……! 私は、あんな敗北者たちとは違うんだぁぁっ!!」


    バロックは狂気の笑みを浮かべたまま。

    自身の手にある拳銃の銃口を、真っ直ぐに……自らのこめかみへと突きつけた。


    「……フッ…」


    すべてを拒絶し、己の歪んだプライドだけを守るための、最期の冷酷な笑み。


    「……なッ! やめろ、バロック!!」


    ユースケが叫び、亜門が手を伸ばす。


    雪降るアリーナの外。

    追い詰められた野心家の、最も狂気に満ちた最期の瞬間が訪れようとしていた。

  • 108二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:26:38

    そういやアキニ達はFBIによって逮捕ッされてたスね

  • 109ポチェモブ26/03/26(木) 23:29:04

    「……フフッ。アハハハハハハハッ!!!」


    パトカーの赤色灯が雪を不気味に照らし出す中、自身のこめかみに銃口を突きつけた近藤バロック陽介は、狂気の笑みを浮かべながら周囲の者たちを睨み回した。


    「……優秀すぎた私を憎み、恐れた兄たちは……家族の縁を切り、私をこの世に『存在しない者』として扱った!」


    バロックの血走った目から、長年抱え込み、腐臭を放つほどに熟成された凄まじいコンプレックスと憎悪が爆発する。



    「眩しい光を浴び、華やかな舞台で戦う格闘家たち……そして、そんな連中を集めて笑い合う兄たちが、私は憎くて、憎くて仕方なかった! だから私はこの『闘神』を作ったんだ! 奴らが信じる『くだらない夢』そのものを、私の手で完全に粉々にしてやるために!!」

  • 110二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:30:15

    一応悲しき過去ではあるんすかね?

  • 111二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:32:04

    >>110

    さあね…ただワシがこの世界のバロックと同じ立場だったら耐えられないどころか荼毘に伏してそうなのは確かだ

  • 112ポチェモブ26/03/26(木) 23:33:19

    バロックは銃を握る手を小刻みに震わせ、雪を踏みしめて立つユースケたちへと悲痛な叫びをぶつけた。



    「お前達だって、私と同じはずだろう!? 日陰に追いやられ、闇の世界で生きて、自分の夢も叶えられずにただの『影』として生きるしかない底辺のクズどもだ! ……なのになぜ、お前たちは私の邪魔をする!? なぜ、夢を守ろうとするんだ!!クズどもの夢なんて…叶うわけない絵空事だろう!?」


    悲痛な絶叫が、冷たい夜空に木霊する。


    その言葉を聞いたユースケは……怒ることも、嘲笑うこともなく。


    ただ静かに、雪を踏んでバロックの正面へと歩み寄った。



    「教えてやるよ馬鹿野郎……夢っていうのはな。ただの絵空事じゃねえ。今を必死に生きる奴らの『生き様』そのものだからだ」


    ユースケは、真っ直ぐにバロックの目を見据え、熱く、静かに言葉を紡ぎ出した。

  • 113二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:36:08

    なんやユースケとバロックは兄弟へのあれこれに対する感情が色々逆みたいやのォ
    ですねぇ

  • 114ポチェモブ26/03/26(木) 23:38:38

    「生きる事は自分の夢を叶えるってだけじゃない。……誰かの夢を支えたい、夢を与えたい、夢を守りたい、夢を共に見たい。……青臭い馬鹿みたいな事ばかりだけどよ、きっとそれが『生きる』ってことなんだろうよ」



    ユースケの脳裏に、マストモの笑顔が、内海の涙が、そしてこの街で出会ったすべての不器用な仲間たちの顔が浮かぶ。



    「この邪羽帝町で出会った馬鹿な奴らにも、それぞれ叶えたい夢があって……それが仮に現実にならなくても、絶対に諦めずに、泥水すすって必死に生きてるんだ」


    ユースケの瞳から、熱い涙がひとすじ、頬を伝って雪へと落ちた。










    「叶うか叶わないか、光があるかないか、表と裏のどっちの世界に生きるかなんて関係ねぇ……! 夢を見ること……『生きること』を奪うことなんて、誰にもできねぇんだよ馬鹿野郎!!!」

  • 115ポチェモブ26/03/26(木) 23:41:10

    魂を揺さぶる、ユースケの涙の絶叫。


    そのあまりにも真っ直ぐで、理屈を超えた熱い言葉と涙の数々が、バロックの頑なに凍りついていた心を、強引に、しかし確かに打ち砕いた。


    「……あ、ああ……」


    バロックの狂気で歪んでいた顔が、クシャクシャに崩れていく。


    気づけば、彼自身の目からも、ボロボロと自然に涙が溢れ出していた。


    「私に……私に夢なんてない……! 兄たちへの復讐だけが、私の人生なんだ……ッ!」


    子供のように泣きじゃくりながら、それでも必死に自らの殻にすがりつこうとするバロック。


    その時だった。


    「……本当にそうなのかにゃあ、バロックオーナー」


    「……!」


    声の方を振り向くと、そこには息を切らしてアリーナから駆けつけてきたプロモーター、マッチィ真吾の姿があった。

  • 116ポチェモブ26/03/26(木) 23:45:02

    「オーナーは、復讐のためだけに闘神を作ったと言うけれど……」


    マッチィは、泣き崩れるバロックを優しく見つめ、静かに首を振った。


    「あのリングで、選手たちの熱い試合を見ている時のあなたは……とても無邪気で、心の底から楽しそうに見えたにゃあ。……だから僕も、あなたの狂気に気づきながら、どうしてもあなたを見限るに見限れなかったんだにゃあ」


    マッチィは一歩前に出て、微笑んだ。


    「あなたも本当は……純粋に『最高の戦いが見たい』っていう、僕たちと同じ夢を見ていたと思ったからだにゃあ」


    「……私が……夢を……」


    憎しみの奥底に隠していた、格闘技への純粋な憧れ。それをマッチィに言い当てられ、バロックは持っていた銃の重さに耐えきれなくなったように、腕をだらりと下げた。

  • 117二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:46:14

    マッチィ …(愛)

  • 118ポチェモブ26/03/26(木) 23:49:03

    そこに、ユースケが最後の一押しとなる、温かい言葉を投げかける。


    「……死んだら、そこで全部おしまいだぜ」


    ユースケは、バロックに向かって不器用に笑いかけた。


    「生きてさえいれば……夢なんか、これから先、いくらでも見つかるだろ」


    その言葉が、完全にバロックの胸にストンと落ちた。


    「……あぁ」


    バロックの手から拳銃が滑り落ち、雪の上にポスッ、と音を立てて転がった。


    赤色灯の光の中、バロックは憑き物が落ちたような、どこか清々しい、一筋の涙に濡れた穏やかな顔でユースケを見つめ返した。












    「……もっと早く君に会いたかったよ。」

  • 119二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:49:47

    改心したんすか?

  • 120二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:50:41

    ユースケのやりとりでネタ抜きでちょっと感動している…それが僕です

  • 121ポチェモブ26/03/26(木) 23:51:11

    バロックが静かに微笑み、両手を前に差し出す。


    その手首に、コーンブルメの合図で駆け寄った警官たちの手錠が、冷たく、しかし確かな終わりを告げる音を立てて掛けられた。



    雪降るジャワティ・アリーナの外。

    長きに渡る復讐と狂気の連鎖は、男たちの真っ直ぐな想いと涙によって、ついに完全なる終幕(ロング・グッドバイ)を迎えたのだった。

  • 122二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:51:53

    ふーっ良かった…ありがとうございました

  • 123二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:53:03

    ユースケの言葉も大きいだろうけどマッチィという理解者がいただけでも救われたんじゃねぇかと思ってるのは俺なんだよね

  • 124ポチェモブ26/03/26(木) 23:55:13

    (折角だからこのままの流れであと1本だけエピローグを投下するのん。バロック関連だからこのままやったほうがいいだろうしなヌッ)


    冷たく無機質な空気が漂う、刑務所の面会室。


    分厚いアクリル板の向こう側で、囚人服に身を包んだ近藤バロック陽介は、穏やかだがどこか空っぽになったような、空虚な表情で二人を出迎えた。


    「……よく来てくれましたね。マッチィ君、それに……コーンブルメ捜査官」


    面会に訪れたのは、再建された『闘神』の新オーナーとなったマッチィ真吾と、警察として事件の全貌を追ったコーンブルメだった。


    「バロックオーナー……いや、バロックさん。今日は、あなたにどうしても見せたいものがあって来たんだにゃあ」


    マッチィは鞄から一枚の古い写真を取り出し、アクリル板越しに見せた。それは、バロックの正体と過去を暴く決定的な証拠にもなった一枚――若き日のバロックが、二人の兄、ガンビーノとジョセフィーノに挟まれ、少し照れくさそうに笑っている家族写真だった。

  • 125二次元好きの匿名さん26/03/26(木) 23:56:05

    本当は兄貴に認めらたかったんすか?

  • 126ポチェモブ26/03/26(木) 23:59:41

    バロックは伏せ目がちにその写真を見つめ、自嘲するように小さく息を吐いた。


    「……懐かしいですね。何も知らず、ただ兄たちの背中を追っていたこの頃は……私も確かに、幸せだった」


    失われた過去を愛おしむような、静かな呟き。


    だが、コーンブルメは松葉杖を傍らに立て掛けると、持っていた茶封筒からさらに「複数枚の古い写真」を取り出し、次々とアクリル板に並べていった。



    幼い三兄弟が遊ぶ姿、少し成長して食卓を囲む姿……バロック自身も見たことがないような、日常の何気ない家族の風景。

  • 127ポチェモブ26/03/27(金) 00:02:15

    「なっ……」

    バロックの目が驚愕に見開かれる。


    「その写真を、一体どこで……!?」


    「かつて、あなた方の屋敷で働いていた年老いたメイドの家に、ある日突然、匿名で大量に送られてきたそうよ」


    コーンブルメは、静かに、そして真摯な声で語り始めた。


    「そこには、不器用な字で書かれた手紙が添えられていたわ。『これは大切な家族の写真だから、どうか安全な場所で保管してほしい』って」


    「大切な……家族の、写真……?」


    バロックの声が震える。


    「……バロックさん」

    マッチィが、アクリル板越しにバロックの目を真っ直ぐに見据えた。


    「優秀な兄君たちは、あなたを憎んで見限ったわけじゃなかったんじゃないかにゃあ。……むしろ、血で血を洗う恐ろしい裏社会から、唯一の弟であるあなたを遠ざけるために、わざと冷たく突き放した。……それが彼らなりの、不器用な家族への愛だったんだと思うにゃあ」

  • 128ポチェモブ26/03/27(金) 00:04:34

    「あ……」


    バロックの口から、掠れた声が漏れた。


    優秀すぎたがゆえに憎まれたわけではなかった。自分を存在しない者として扱ったのは、日の当たる世界で、真っ当な夢を見て生きてほしかったから。


    自分が人生のすべてを懸けて憎み、復讐を誓った兄たちの行動の裏にあった、あまりにも深く、不器用な真実。


    「あぁ……ああぁぁっ…兄さん…!」


    バロックは両手で顔を覆い、肩を震わせた。


    絶望の慟哭ではない。後悔と、そして今まで決して満たされることのなかった「家族の絆」に包まれた、静かで、止めどない涙が、アクリル板の向こうでこぼれ落ちていった。

  • 129二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 00:05:59

    やはりタフといえば血の繋がりとすれ違いがテーマだよねパパ

  • 130ポチェモブ26/03/27(金) 00:07:03

    その姿を静かに見つめながら、コーンブルメは小さく息をつき、ポツリと語る。


    「……家族を突き放すなんて、決して褒められたやり方ではない。……でも、深く冷たい闇に生きる者たちの中にも……『家族愛』という絆は、確かに存在していたんだね」


    面会室の小さな窓から、冬の柔らかい光が差し込む。


    すべてを失い、空っぽになっていたバロックの心に、兄たちの残した確かな温もりが、静かに、そして永遠に灯った瞬間だった。

  • 131ポチェモブ26/03/27(金) 00:09:19

    ムフフ…今日はここまで。

    明日はいよいよ他の仲間達のエピローグとエンディングなんだァ、是非フィナーレを見届けて貰おうかァ

    ちなみにバロックとガンビーノ兄弟の関係は6の巌見親子をイメージしたものらしいよ

  • 132二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 00:10:03

    >>131

    オツカレーッ

    美しい兄弟愛に感動しております

  • 133二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 00:10:57

    オツカレーッ

  • 134二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 01:21:29

    おつかれさまなのん
    サブストーリー未回収の安価キャラは今後出すんスか?

  • 135二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 10:18:04

    >>134

    まだ書けてないサブストーリーは完結後に投下予定だったはずッス

  • 136二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 17:41:43

    いやあ決着が着いたねえ

  • 137二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 18:31:36

    このレスは削除されています

  • 138二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 21:05:36

    オツカレーッ
    まさかワシの安価したコーンブルメが終盤で活躍するなんてなぁ
    マイナーだと思うのに捌ききったポチェモブ…ありがとう

  • 139二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 21:09:22

    >>131

    オツカレーッ

  • 140二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 21:39:24

    保守

  • 141ポチェモブ26/03/27(金) 22:10:05

    保守あざーすガシッ

    それじゃあいよいよエンディングまで投下するのん


    事件から数日後。


    邪羽帝町の街角にある大型ビジョンには、再建された格闘技団体『闘神』の緊急記者会見の模様が映し出されていた。


    『――新体制となった闘神の代表として、皆様にお約束します。我々は、純粋な闘いの熱と夢だけを、このリングにお届けするにゃあ!』


    マイクを前に、真新しいスーツを着こなしたマッチィ真吾が、プロモーターから新オーナーへと就任した力強い挨拶を行っていた。


    そして、画面が切り替わり、マッチィの隣に並び立つ二人のファイターの姿が映る。


    『再出発の目玉として、近々……新ライト級チャンピオンとなった内海コージ選手と、現・無差別級王者であるギレーヌ選手の、階級を超えた『特別マッチ』を開催します! 両者の同意はすでに得ておりますにゃあ!』


    フラッシュを浴びながら、少し照れくさそうに頭を掻く内海。


    その横で、ギレーヌは野性的な隻眼を細め、カメラの向こうの挑戦者と観客たちへ向けて、底知れぬ闘志を秘めた不敵な笑みを浮かべた。


    「……フン。待ちわびていたぞ。貴様の拳、私の剣で存分に味わってやろう」


    華やかな表舞台に、真の闘いの熱狂が戻ってきた瞬間だった。

  • 142ポチェモブ26/03/27(金) 22:13:05

    邪羽帝町を見下ろす、小高い丘の上の墓地。


    冬の澄んだ青空の下、谷垣源次郎は、真新しい墓石に冷たい日本酒をたっぷりと注いでいた。


    「……ボビー。全部、終わったぞ。」


    谷垣は静かに手を合わせ、目を閉じた。


    「お前の敵は討った。ユースケはマストモ君の無念も晴らした。……お前が愛したこの街は、俺たちがしっかり守っていく。」


    その後ろで、黒いスーツに身を包んだ小柄な影が、同じように深く頭を下げていた。


    万魔殿の議長という立場を捨て、新藤組の『若衆』として一から出直すことを決めた羽沼マコトだ。


    「……行くぞ、マコトッ!」


    「…キキキ!、マコト様だろう!谷垣ッ!」


    マコトはいつもの調子で返事をし、街へと続く階段を駆け下りる。


    「いつか、花火の馬鹿が罪を償って帰ってきた時……あいつが『ただいま』って言える『居場所』を、絶対に守り抜いてみせるからな!」


    その顔にもう迷いはない。極道として、そして一人の人間として、マコトは新たな決意と共に邪羽帝町の雑踏へと繰り出していった。

  • 143二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:15:27

    待ってたよ…

  • 144ポチェモブ26/03/27(金) 22:16:55

    東京拘置所、重い鉄扉の奥にある面会室。


    冷たいアクリル板の向こう側で、囚人服を着た亜門鋼太朗は、息を呑んで固まっていた。


    「……どうしても、君に会わせたい人がいてね。亜門くん。」


    コーンブルメと衛藤可奈美が、面会室の扉を開けて中へ招き入れたのは……車椅子に乗った一人の美しい女性だった。


    「……暁」


    亜門の口から、震える声が漏れる。

  • 145ポチェモブ26/03/27(金) 22:20:18

    「事件の後…奇跡的に意識を取り戻したんです。桐生さんが紹介してくれたナダのカッポウ…?を使うセイコさんっていう人が、懸命に治療してくれたみたいで…」


    可奈美は亜門と暁の再会を潤んだ瞳で見つめながら、桐生の粋な計らいを口にする


    長い昏睡状態からつい最近目を覚ましたばかりの真戸暁は、少し痩せた顔に、それでもかつてと変わらぬ凛とした微笑みを浮かべていた。


    暁は車椅子の車輪をゆっくりと回し、アクリル板の目の前まで進む。


    言葉は、何もいらなかった。


    亜門の大きな瞳からボロボロと大粒の涙が零れ落ち、暁の瞳からも、せき止めていた想いが溢れ出す。


    冷たい硝子越しに、二人は静かに手を合わせた。


    決して触れ合うことはできなくとも……その確かな温もりと、生きて再会できたという事実だけが、亜門が抱え続けてきた深い罪の意識を、静かに、優しく溶かしていった。

  • 146ポチェモブ26/03/27(金) 22:24:09

    焼け野原となっていた亜仁満町では、驚くべき速さで復興作業が進められていた。


    「……ピガッ! 資材搬入、完了シタヤンケ!」


    「おっけー、じゃあ次はそっちの瓦礫の撤去お願いね!」


    アームを取り付けられ、黄色やオレンジの明るい作業用カラーに塗装された『量産型トダー』たちが、文句一つ言わずに重い鉄骨を運び、瓦礫を片付けている。銀狼がハッキングし、平和な復興用ロボットとして完全に造り変えたのだ。


    「よし、これならあっという間に街が元通りだね」


    銀狼がタブレットを操作しながら笑う。


    「ええ、本当に助かるわ。……いつかルアンが戻ってきた時、この街の景色と平和なトダーたちを見たら、きっと腰を抜かして驚くわね」


    ネイもまた、復興していく街並みを見渡しながら、愛おしそうに微笑み合った。


    その温かい光景を、新たに建てられたビルの屋上から、腕を組んで穏やかに見守る男がいた。


    「……ルアン=サン。あなたの帰る場所は、私たちが守っておこう。」


    アーソンのメンポの下の口元は、これまでにないほど穏やかで、優しさに満ちていた。

  • 147二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:25:09

    なにっオトン

  • 148二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:25:31

    やっぱり原作ネタがあるといいのうぉ

  • 149二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:25:44

    オトン…見事やなニコッ

  • 150ポチェモブ26/03/27(金) 22:27:11

    そして、邪羽帝町の駅前。


    ボストンバッグを一つだけ提げ、一人この街を去ろうとしている藤田剛三の前に、皇神楽耶が小走りで駆け寄ってきた。


    「……藤田さん! お見送りに来ましたわ!」


    「おお、神楽耶さん。わざわざ申し訳ありませんね」


    藤田は足を止め、深く頭を下げた。


    「……これから、どちらへ?」


    「ええ。……妻と息子の、尚矢のいる家族の元へ帰ろうと思います」


    藤田は、自身の大きな手を見つめ、照れくさそうに、しかしどこか晴れやかな顔で笑った。


    「私のような俗物が、今更父親ヅラをして帰るなど……遅すぎるかもしれませんがね。それでも、もう一度向き合ってみようと、そう思えたのです」

  • 151二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:28:26

    藤田も成長したのぉ

  • 152ポチェモブ26/03/27(金) 22:29:27

    ユースケたちの真っ直ぐな生き様に触れ、止まっていた時間を動かし始めた不器用な男。


    神楽耶は、その立派な背中へ向けて、満面の笑みで激励の言葉を贈った。


    「この街を守るために戦ってくれた今の貴方なら、きっとご家族も温かく受け入れてくれますわ!……どうか、自信を持ってくださいな!」


    「……ありがとうございます。散々な目に遭いましたが…ユースケくん…そして貴女に会えて良かったですよ。」


    藤田はもう一度深く一礼し、冬の陽射しの中、家族の待つ故郷へと続く改札を抜けていった。その後ろ姿は、かつて日本柔道界の至宝と呼ばれた全盛期よりも、ずっと大きく、誇り高く見えた。

  • 153二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:31:24

    やるな藤田剛三…タフカテバトロワ史の中で最もいい終わりを迎えている

  • 154ポチェモブ26/03/27(金) 22:32:28

    高い塀に囲まれた、女子刑務所の運動場。


    冬の柔らかな陽射しが降り注ぐ自由時間のグラウンドで、色落ちした囚人服を着た二人の女が、偶然すれ違いざまに足を止めた。


    「……奇遇だね、ルーちゃん」


    髪を黒く染め直した花火が、隣に立つルアン・メェイを見上げて、憑き物が落ちたような、年相応の無邪気な笑みを浮かべた。


    「ここを出るのに何年かかるか分かんないけどさ。……しっかり罪を償って、絶対に出なくちゃね。……マーちゃん(マコト)が、外で絶対待ってるって約束してくれたし」


    友の待つ居場所へ帰るため、自分の罪と向き合う。


    その迷いのない純粋な笑顔を見て、ルアンもまた、かつての冷徹なマッドサイエンティストの顔ではなく……ひとりの穏やかな女性として、柔らかく微笑み返した。


    「……ええ、そうですね。私も、また一から夢を追いかけようと思います」


    ルアンは、金網の向こうに広がる青空を見上げた。


    「いつかまた、あの日見たあの人の魂を……決して折れない美しい『生き様』を、もう一度見られるように」


    罪を背負った少女と科学者は、塀の中で静かに言葉を交わし、それぞれの未来へ向けて穏やかな足取りで歩き出した。

  • 155ポチェモブ26/03/27(金) 22:34:50

    一方、邪羽帝町の片隅。


    すべての事後処理を終え、再び『大道寺一派』の冷たい影の世界へと戻ろうとしている桐生一馬を、三人の極道が見送りに来ていた。


    「……大吾、真島の兄さん、冴島。今回は本当に助かった」


    桐生は静かに頭を下げ、かつての盟友たちへ深い感謝を伝えた。


    「ユースケや力丸……あいつら若い連中と一緒に肩を並べて戦って、俺も改めて思い知ったよ。……お前たちという『絆』が、どれほど俺にとって大切だったかってな」


    桐生は痛む肩を回しながら、フッと自嘲気味に、しかしどこか嬉しそうに笑った。


    「俺ももう、一人で何もかも背負い込んで、全部できるような歳じゃねえしな」


    その言葉に、真島吾朗がニカッと白い歯を見せて笑った。


    「ヒャハハ! なんや桐生ちゃん、素直やんけ! 自分は昔から一人でなんでも背負い込み過ぎなんや。……もっと俺らに頼ってええんやで?」


    「大解散の時も俺らだけじゃ到底出来んことを、大勢の仲間の手を借りて成し遂げたんや。俺等はいつでも手ェ貸すで桐生。」

  • 156ポチェモブ26/03/27(金) 22:37:07

    「……ああ。次こそはそうさせてもらう。」


    桐生は短く答え、背を向けて歩き出そうとした。


    「……桐生さん。」


    その広い背中へ向けて、堂島大吾が声をかける。


    「また……会えますよね?」


    桐生はピタリと足を止め、首だけを少し後ろへ振り向かせた。


    「……ああ。必ずな」


    短く、しかし絶対に違えることのない再会の約束。

    伝説の極道たちは、それぞれの守るべき場所へ帰るため、静かに別々の道へと歩み去っていった。

  • 157ポチェモブ26/03/27(金) 22:40:12

    そして――邪羽帝町の駅、新幹線の下りホーム。


    発車時刻が迫る静かなプラットホームには、樋口ユースケと新藤力丸、たった二人きりの姿があった。


    「……親父さんのところへ戻るのか」


    力丸が、缶コーヒーを握りしめながら静かに尋ねる。


    「ああ。ボビーの仇は討ったし、マストモの最期がどうだったか……親父に、事の顛末を全部報告しなきゃならねえからな」


    ユースケはボストンバッグを肩に担ぎ直し、冬の空を見上げた。


    「親父の道場に戻って、またあの古臭い『剛骨術』を、一から教えるつもりだ」


    「……お前が、道場を継ぐのか?」


    「この技を、俺の手で誰かに継承していくことで……親父や俺、そしてマストモの生きた証が、きっと誰かの拳の中で生き続けるだろうからよ」


    ユースケは、バロックに見せたあの涙とは違う、晴れやかで真っ直ぐな笑顔で、自身が新たに見つけた『夢』を語った。

  • 158ポチェモブ26/03/27(金) 22:42:13

    「そうか。……いい夢じゃねえか」


    力丸は目を細め、力強く頷いた。


    「俺も変わらねえよ。親父やボビー……そしてお前たちが命懸けで守り抜いたこの邪羽帝町を、新藤組の組長として、これからもずっと守っていく」


    「へっ。頼もしい極道になったじゃねえか」


    ユースケは意地悪く笑い、力丸の肩を小突いた。


    「神楽耶を泣かすんじゃねえぞ。あと、マコトの奴はすぐ調子に乗って突っ走るからな、組長としてお前がしっかり手綱を握って気をつけろよ」


    「……ああ、分かってるよ。お前も、相変わらず無茶ばっかりして、すぐ骨を折るんじゃねえぞ」


    軽口を叩き合う二人の間に、静かな沈黙が落ちる。

  • 159ポチェモブ26/03/27(金) 22:45:11

    そして、ホームにけたたましい『発車のベル』が鳴り響いた。


    「……時間だな」


    「ああ」


    二人は向き合い、言葉もなく、固く、分厚い手で『握手』を交わした。


    あの雪の夜、一万の敵を前に屋上で交わした拳の突き合わせと同じように、熱く、絶対に切れることのない絆の感触。


    「……また、いつでも遊びに来いよ。ユースケ」


    「……へっ。暇ができたらな」


    ユースケは背を向け、新幹線のドアの中へと乗り込んだ。

    プシューッ、と重い音を立てて、二人の間のドアがゆっくりと閉まっていく。


    ガラス越しに見える力丸の顔は、極道の組長としての威厳をかなぐり捨て、今にも泣き出しそうに顔を歪めていた。



    『――じゃあな、最高の馬鹿野郎……!!』


    ドアの向こうで、力丸が涙を必死に堪えながら、大きく、何度も手を振って叫んでいるのが見えた。

  • 160二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:46:40

    やっぱり如くキャラはカッコいいのん

  • 161ポチェモブ26/03/27(金) 22:47:52

    ゆっくりと動き出す新幹線。


    ユースケは、遠ざかっていく力丸の姿からスッと視線を外し、正面を向いた。


    「……」


    窓の外、流れていく邪羽帝町の景色を見つめたまま。

    ユースケの瞳から、こらえきれなかった一筋の熱い涙が、頬を伝ってポロリとこぼれ落ちた。


    「……バーカ」

    ユースケは、誰にも聞こえないような小さな声で、しかしどこか嬉しそうに呟いた。

  • 162ポチェモブ26/03/27(金) 22:49:08

    「バカに褒められて……本気で喜ぶ奴はいねえよ」

  • 163二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:50:42

    原作台詞の使い方が上手いのォ…ですねェ…

  • 164ポチェモブ26/03/27(金) 22:52:37

    弟の死から始まり、絶望と怒りに染まっていた男の長い長い闘いの旅は、かけがえのない最高の仲間(バカ)たちとの絆と、新たな夢を胸に抱き……静かに、幕を下ろしたのだった。


    最終章『ロング・グッドバイ』 完


  • 165二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:53:36

    みんな見事やな…

  • 166ポチェモブ26/03/27(金) 22:54:11

    ENDING THEME「スケアクロウ」♪the pillows


    Scarecrow - The Pillows


  • 167ポチェモブ26/03/27(金) 22:56:59

    夢の向こうまで


    僕は旅を続けるつもりだよ、キミを連れて


    誰かが語った


    現実という名の物語が答えじゃないぜ


    「俺って結構"もどし"は上手いんですよ。でも……ギレーヌさんがエキシビションマッチまでに間に合うかはちょっと心配ですね。」


    「ふっ、安心しろ。当日までに仕上げればよいのだろう?しかしここの街の飯は本当に美味いな。」モグモグ


    「ハァ~…頭が痛くなってきたにゃあ。」


    「闘神」はマッチィ真吾主導のもとクリーンな格闘団体へと変化を遂げ、どん底から這い上がった新チャンピオン内海と圧倒的王者ギレーヌの二大看板という新たなスターを得て再出発を果たそうとしていた。


    近々、マッチィがスカウトした謎の闘士「チャンピオンハンター」が「闘神」に参戦するらしいが…それはまた別の話。

  • 168二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 22:58:58

    いやー、一ヶ月ここまで追ってきた甲斐があったのォ ですねェ…

  • 169ポチェモブ26/03/27(金) 23:00:03

    見えるだろう指差してよ


    かすかな灯りが


    儚くても幻でも


    見えるだろう


    「おいマコト!掃除をサボるな!事務所の汚れは心の勃起不全だ!」


    「キキキ!このマコト様が掃除などやっていられるか!お前達がやれ!」


    「マコトさん、お掃除をしないのなら終わった後のアイスはあげませんわよ?」


    「な、なんだとぉぉぉぉぉ!!!」


    「ったく…騒がしい奴らだ。」


    新藤組はマコトという騒がしい新入りを迎え入れ、今日も騒がしく日々を過ごし街を守っている。


    マコトや神楽耶、谷垣が騒がしくするのを呆れたように見つめる力丸。


    そんなくだらなくも尊い平和な光景を見て、事務所に飾られた遺影の中のボビーが笑ったような気がした。

  • 170ポチェモブ26/03/27(金) 23:04:56

    暮れ行く空からかう風


    二人の手は冷たいけど


    放さないで歩いていたい


    神様よりキミを信じる


    I want call you,’SCARECROW’


    「RKに紅蓮会、最近だと横浜星龍会の動きも怪しいね…いくよ可奈美ちゃん。……ってイタタ…まだ無理はできないか…」


    「あっ…待ってください課長!怪我だってまだ完治してないんですから無茶しないでくださいっ!」


    「うわーこのヤマはチートでも何でも使わないと厳しそうだね、応援頼もうか?横浜にある横浜九十九課って探偵事務所が優秀らしいよ。」


    青葉連合やバロックの企みが無くとも邪羽帝町はフルコンタクト野蛮スポット。


    町の平和を守る為怪我を押してコーンブルメや可奈美は今日も戦う。


    そのサポートには邪羽帝町屈指のハッカー、銀狼も付いている。


    彼女達のお陰で、邪羽帝町は治安の悪い町ランキングトップを何とか免れていることだろう。(1位は"あの町")

  • 171二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 23:08:54

    このレスは削除されています

  • 172ポチェモブ26/03/27(金) 23:09:55

    偽りに煙る街の騒めきに


    追いやられて気が滅入るけど


    たかが千粒の涙が零れれば


    済むことさ ただそれだけさ


    「亜似満町の復興も進んできたわね、これもあの娘が改造してくれたトダーのおかげよ。」


    「ネカピンノタメナラガンバルヤンケ、ジャマスルヤツハシバクヤンケ」


    「………ネイ・カピンだってば。それよりアーソン、復興費用って誰が出してくれたの?ざっと見積もっても数十億は掛かりそうだけど…」


    「……とあるマッポの紹介で、信頼出来る金貸しから融資して頂きました。融資条件は一つ…1年以内にネイ=サンがアイドルデビューすることです。」


    「……………ええええええええ!!!!???」


    銀狼の改造したトダー達のお陰で進む亜似満町の復興、その費用は同じ「故郷」を愛する刑事の紹介で訪れた「スカイファイナンス」の金貸しの融資もあって着々と進んでいた。


    その融資条件を満たす為、ネイが神楽耶と共にアイドルデビューを目指すのはまた別の話…

  • 173ポチェモブ26/03/27(金) 23:13:04

    聴こえるだろう? 頷いてよ


    ふさわしい音楽が


    小さくても消えそうでも


    聴こえるだろう


    「ふふっ、マーちゃんったら毎週欠かさず手紙を書いてくれるんだよ?これって愛情関係だよねぇ♪」


    「また惚気話ですか…それよりこんな写真が届いたのですが…」


    「んー?何それ…誰かのお墓?」


    「………添付されていた手紙にはこう書いてありました。「息子の事が知りたければ、いつかこの場所に来い」と。………また、生きる目標が増えてしまいましたね。」


    「あはっ…人間ってホント単純だよねルーちゃん♪」


    花火の下に毎週送られてくるマコトからの手紙、新藤組での出来事や花火への想いを綴ったその手紙は花火の生きる意味となって積み重なっていく。


    そしてルアンの元に届いた差出人不明の手紙、それはきっとそう遠くない未来で、ルアンの求めた「魂」を知るジェットの父親と会えることを予感させた。

  • 174二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 23:14:46

    ジェット関連も回収してくれてリラックスできますね
    各キャラに魂を込めて描き切る姿勢……俺好きだぜ

  • 175ポチェモブ26/03/27(金) 23:16:22

    瞬く星 見知らぬ闇


    半分だけ月が笑う


    寂しくない 悲しくない


    僕のためにキミが笑う


    I want call you,’SCARECROW’


    「俺は消えない罪を背負った…それでも俺の側にいてくれるというのか?」


    「私の為に手を汚してくれた男を見捨てられないよ、それに…味方は私だけじゃない。」


    「……話はアキラさんから聞いたよ亜門君、君がやったことも知ってる。それでも俺は…君に味方したいと思ったからここに来たんだ。」


    「キミがずっとそうしてきたように……今度は私が、側で支えるから。」

    近い内に裁判が行われる亜門のもとに、真戸暁が連れてきたのは探偵兼弁護士という異色の経歴を持つ男。


    その弁護士…八神隆之は曇り一つない真っ直ぐな目で亜門を弁護すると誓ってみせた。


    そして真戸暁の笑顔を見つめて、亜門もようやく忘れていた笑みをこぼすのだった。

  • 176ポチェモブ26/03/27(金) 23:19:37

    暮れ行く空からかう風


    二人の手は冷たいけど


    放さないで歩いていたい


    神様よりキミを信じる


    「元極道だからなかなか仕事が見つからんやとぉ?はぁ~…おっちゃん強いのに人生の悲哀を感じるのォ…」


    「はぁ…こんなにも働き口がないなんて、やはり元極道というものは辛いものですね…」


    「それでも自分を変えたいと思って来たんなら、俺らも手を貸さんわけにはいかんな。」


    「藤田さん、良ければある人物を紹介しますよ。横浜のハローワーク…そこに行けばきっと『彼』があなたの助けになってくれるはずです。」


    藤田は妻子の下に戻りよりを戻す…までは流石にできなかったが、真っ当になれたのならまた会いに来てほしいと約束することは出来た。


    その為に大吾達を訪ねるもこの歳で元暴の再就職は至難の業…


    しかし、大吾の紹介した横浜伊勢佐木異人町のハローワークで藤田が天職を見つけるのはそう遠くないだろう。

  • 177ポチェモブ26/03/27(金) 23:21:55

    もうすぐだろう 目の前だろう


    一人じゃない 一人じゃない


    瞬く星 見知らぬ闇


    半分だけ月が笑う


    You can call me,’SCARECROW’


    「バロックのスポンサーであるハワイのオーナーやマッドランティス…影響力のある彼らを見過ごすわけにはいきません。直ぐに奴等の調査をするべきでは?」


    「ええ、しかし急ぐ必要はないでしょう。………この国を陰ながら救った英雄には、少し休んで英気を養ってもらわないと。私なりのプレゼントも贈らせて頂きました。」


    「これは…花輪さん、アンタもあの人に影響された口ですか?」



    「ええ、あなたもその一人でしょう?……さあ、私たちも仕事を始めますよ。」


    『桐生一馬』の復活は根拠のないデマ、その噂広がっていくのを確認し大道寺一派の花輪とエージェントの一人『麒麟』は今回の事件の背後に潜む2つの海外組織を新たなターゲットに任命した。


    邪羽帝町を人知れず救った伝説の男は再び姿を晦ましたが…とある沖縄の児童養護施設に匿名のプレゼントが贈られたとの知らせがあった。


    プレゼントは新品の画用紙とクレヨンで『ハルト君へ、沢山絵を描いてね。』とメッセージが添えられていたと言う。

  • 178ポチェモブ26/03/27(金) 23:25:15

    夢の向こうまで


    僕は旅を続けるつもりだよ


    キミを連れて


    「ユースケ…前より良い顔になって帰ってきたな。大切なものを知り…一回り大きくなったようだ。」


    「へっ、俺は何も変わってねぇよ。ただ…大事なもんが何か思い出しただけさ。」


    「……武道の道に終わりはない、さあ今日も基礎から始めるぞ。忘れていたら腕立てからやり直しだ。」


    「へっ…、パパは相変わらず価値観が昭和の馬鹿だな。」


    ユースケの故郷A市、樋口流剛骨術の道場では今日も朝早くから2人の組手が行われる。


    家族の死を乗り越え、深い絆で結ばれた親子は今日も『最強』という夢を求めて己を磨き続けるだろう。

  • 179ポチェモブ26/03/27(金) 23:26:57

    樋口ユースケ、欲望と闇が渦巻く町で彼が見つけた『絆』は彼の胸に深く深く刻まれた。


    そして彼は人知れず、多くの人の『夢』を守ってみせた。


    闇の中で繋がれた絆と、命の道標となる夢がある限り…ユースケ達は戦い続けるだろう。


    どんな暗闇の中でも、生きることから逃げなければ…


    必ず陽はまた昇るのだから。




















  • 180ポチェモブ26/03/27(金) 23:35:12

    以上をもちまして『TOUGH2外伝DARK BOND』を終了させて頂きます。

    約1カ月も長い間の応援誠にありがとうございます。


    最後まで見てくれたマネモブさん…あなたに言いたいことがある。


  • 181二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 23:36:50
  • 182二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 23:37:10

    こちらこそヤンケ 素敵な超大作を読ませてくれて……"ありがとう"やん

  • 183二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 23:37:51

    オツカレー
    サブクエが終わった後の次を期待して待ってるのん…

  • 184二次元好きの匿名さん26/03/27(金) 23:40:27

    オツカレーッ
    サブストーリーも待ってるよ…

  • 185ポチェモブ26/03/27(金) 23:45:32

    Special Thanks

    バトロワを継ぎすぎた者:ネイ・カピン命名元。ステルス・コンビネーションの画像提供。沢山の応援コメント


    心配性の周師匠:亜似満町命名元。沢山の応援コメント


    亜門安価モブ:亜門の動機・背景相談





    そして安価してくれた人と読んでくれた人全てに

  • 186ポチェモブ26/03/27(金) 23:48:44

    とりあえずサブストーリーはある程度纏ったら新スレで投下させてもらうのん

    Gemini君がバーストせずに残り4つ書いてくれるといいですね…本気でね。


    >>183

    >>184

    マネモブ…待っててね…

  • 187バトロワを継ぎすぎた者◆nYZ0za1ZFM26/03/27(金) 23:50:43

    オツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッオツカレーッ

    ワシの名付けた寧華平がアイドルデビューした!俺も嬉しいぜ!
    長丁場を乗り越えてタフ愛と如く愛に溢れた長編を完結させたポチェモブに勲章を贈りたいよ
    残りのサブストーリーも次のバトロワも楽しみに待ってるのが…俺なんだ!

  • 188心配症の周師匠◆tsGpSwX8mo26/03/28(土) 00:04:21

    オツカレーッ どのキャラも魅力を120%引き出してたと思う…それがボクです

    ありがとうはむしろこちらのセリフなんだよね
    憧れの主催者の一角に名前を使ってもらえたんだよね 感無量じゃない?しかも開催中感想スレで激励コメントをくれた…!
    上手くコメントを残せなかったけどシナリオ構成とキャラエミュの両面においてこれからも憧れにして目標であルと申します

  • 189ポチェモブ26/03/28(土) 01:24:22
    DARK BOND 裏話 | Writening・原案はエージェントスタンプ・ドラゴンラッシュアワーみたいなタフキャラ主役のロワの一環でTOUGH2で一番好きなユースケを主役に何かやろうと考えていた。 それとエンドゥ失踪後の空前のやりますスレブーム…writening.net

    ワシの中で一番の長期になったから色々書きたいこともあるんやで、よければ読んでくれや。


    >>187

    ムフッ、是非次のロワでネカピンが出たら名前を使わせてもらおうね。

    スタンドロワは最近の中でもお気に入りなんだァ、次回は波紋や鉄球とかも織り交ぜて見てみたいですね…本気でね。


    >>188

    ワシな…周師匠が一番主催者の中で安価したモブに寄り添ってると思っとんねん。

    はっきり言って亜似満町はノーマルバトロワの一つの完成形だと思ってるから、お前凄いよ。

  • 190心配症の周師匠◆tsGpSwX8mo26/03/28(土) 11:18:27

    >>189

    感謝します 本当に感謝します(ガシッ)

    続きも楽しみに待ってるよ…

  • 191二次元好きの匿名さん26/03/28(土) 21:07:02

    サブストーリー楽しみなのん

  • 192二次元好きの匿名さん26/03/28(土) 23:37:08

    ムフフ今読み終わったのん…

    >>1

    君に勲章を与えたいよ…マジでね


    そして頼まれてもいないのにマコトと花火を結婚させるとはお見事ですgeminiボー やはりあなたは私のにらんだ通り強いAIだ

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています