"バトロワ"をやりますスピンオフ TOUGH2外伝 DARK BOND 最終章 その1

  • 1ポチェモブ26/03/20(金) 23:56:08
  • 2ポチェモブ26/03/21(土) 00:02:54

    決戦の舞台となる、邪羽帝町最大の興行施設『ジャワティ・アリーナ』。


    タイトルマッチ開始の一時間前。空からは季節外れの淡い雪が舞い落ちていたが、アリーナの周辺は、世紀の番狂わせを期待する何万人もの観客たちの熱気でむせ返るようだった。


    アリーナの最上階、リングを眼下に見下ろすVIPルーム。

    『闘神』CEOの近藤バロック陽介は、ワイングラスを片手に、呼び出したプロモーターのマッチィ真吾を慇懃無礼な笑みで見下ろしていた。

  • 3ポチェモブ26/03/21(土) 00:05:34

    「……マッチィ。君が樋口ユースケ君たちネズミと裏で繋がっていることなど、とっくに把握しているのですよ」


    バロックの冷酷な言葉に、マッチィはピクリと眉を動かした。


    「せいぜい祈ることですね。君の可愛い手駒たちが、あのリングの上で『悲惨な公開処刑』が終わるまでに、ここに辿り着けることを」


    「……バロック、あなたは……格闘技というビジネスの根幹を、自らの手でへし折る気かにゃあ」


    マッチィはスーツのシワを正し、鋭い視線をバロックに向けたまま、静かにVIPルームを後にした。

  • 4ポチェモブ26/03/21(土) 00:09:26

    「……内海くんッ!」


    マッチィは息を切らして、挑戦者用の控室に飛び込んだ。

    そこでは、スキンヘッドの不遇な若手ファイター、内海コージが、バンテージを巻きながら寡黙にシャドーボクシングでアップを行っていた。



    「……どうしたんですか、マッチィさん。顔色が悪いですよ」


    内海が冷ややかな、だが少し訝しむような視線をプロモーターに向ける。


    「いいかい、内海くん! この部屋にある飲み物や食べ物には一切口をつけちゃダメだにゃあ! それに、これから僕以外の誰かが接触してきても、絶対に相手にするんじゃないにゃあ!」


    マッチィは慌ててテーブルの上のスポーツドリンクやサプリメントをゴミ箱に放り捨てながら、必死に忠告した。

  • 5ポチェモブ26/03/21(土) 00:12:23

    「バロックの狙いは君だ! 君の身体に致死量の薬(NTS)を打ち込んで、リングの上で見せしめに殺す気なんだにゃあ!」


    悲痛なマッチィの叫び。だが、内海はその言葉を聞いても、一切動揺を見せなかった。


    ただ静かに拳を握り込み、真っ直ぐにマッチィを見つめ返した。


    「……知ってます。ついこの前、ユースケさんから直接聞きましたよ。」


    「え……?」


    「薬のことも、バロックの企みも、俺がただの生贄だってことも全部聞かされました。……だけど」


    内海はバンテージを巻いた拳を己の胸に当て、静かに、しかし煮えたぎるような決意を秘めた顔つきで訴えた。

  • 6二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:13:53

    なんや減量のもどしで食ったものに既に仕込まれてたりしそうやのォ

  • 7二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:13:56

    なにっ

  • 8ポチェモブ26/03/21(土) 00:15:29

    「俺はずっと、この日を待っていた。実力はあっても試合を組まれず、日陰でずっと燻り続けて……。どんな理由で用意された罠だろうと、俺はようやく、チャンピオンの首を狙えるこの『夢の舞台』への切符を掴んだんだ」


    内海の瞳に、格闘家としての純粋で熱い炎が宿る。


    「このチャンスだけは、絶対に逃したくない。俺は、薬(NTS)なんかに頼らない……! 自分の力だけで、あのチャンピオンに挑んでみせる!」


    死の罠だと分かっていても、己の拳の証明のためにリングに上がる。


    そのあまりにも真っ直ぐで、純粋な闘志に触れ……マッチィは目を見開き、やがてフッと憑き物が落ちたように柔らかく微笑んだ。

  • 9二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:18:04

    しかしカッコよくなったな内海

  • 10ポチェモブ26/03/21(土) 00:18:24

    「……まったく。君たち格闘家って生き物は、どいつもこいつも不器用な馬鹿ばかりだにゃあ」


    マッチィは内海の前に歩み寄り、その肩にポンと手を置いた。


    「分かった。……なら、試合開始のゴングが鳴るまで、僕が君のそばにピッタリ張り付いていてあげる。誰の毒牙にもかからせないにゃあ」


    「アンタ……」


    「プロモーターとしてのビジネスじゃない。……ただの格闘技ファンとして、君の純粋な『挑戦』が、どうしても見たくなったんだにゃあ」


    マッチィのプロモーターとしての意地と矜持。二人の間に、静かで熱い信頼が結ばれた。

  • 11二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:20:14

    >>9

    はい 藤田やボビーみたいに俺でも格好良くなれたのがなかなか嬉しかった

  • 12二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:21:54

    このレスは削除されています

  • 13ポチェモブ26/03/21(土) 00:24:59

    一方、バロックのVIPルーム。


    巨大なモニターには、海外の闇社会を牛耳る大物スポンサーたちの姿が映し出されていた。


    ハワイの裏社会を支配する巨大教団のオーナー


    そしてマッド・ランティスを束ねる冷酷なクィーン。


    『――お忙しい中、わざわざご足労いただき感謝しますよ、皆様』


    バロックはモニターに向かって優雅に一礼した。


    『まもなく、皆様が投資してくださる『HBR(ハイパー・バトル・リボーン)』の余興として……最高に刺激的なティーザー(予告編)をお見せしましょう』


    バロックは下劣な笑みを浮かべ、言葉を続ける。


    『日本の格闘界の希望である若者が、私がばら撒いた薬の過剰摂取で醜く狂い、血を吹いて死ぬ……。最高に悪趣味な『公開処刑マッチ』の生中継です。どうぞ、極上のワインと共にお楽しみください』

  • 14二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:26:02

    藤田やマッチィや内海のようなサブキャラのかっこいいシーンは麻薬ですね…
    もうすっかりはまっちゃって…

    そしてなんやこのVIPの面子は(ギュインギュイン)

  • 15二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:27:57

    ここの内海は負けたとしてもワンパンじゃなくて自分の持つ力全てをぶつけて健闘して欲しいのォ
    ですねぇ

  • 16ポチェモブ26/03/21(土) 00:29:26

    ――そして。


    季節外れの雪が、アスファルトを白く染め始めた邪羽帝町の路上。

    バロックはスマホに耳に当て、工場の生き残りである二人の女に通信を繋いだ。


    「……ルアン君、花火君。そちらの準備は?」


    『アハハッ! バロックさん、こっちの舞台準備もバッチリだよ!』


    通信の向こうから、花火の狂気に満ちた無邪気な笑い声が響く。


    『雪の降るホワイトアウトの街で、最高にハチャメチャなお祭り騒ぎ! もう待ちきれないね!』


    『……ええ。NTSを投与された被検体たちのバイタルも、極めて凶暴かつ安定しています』


    ルアン・メェイの冷酷な報告。


    ジャワティ・アリーナへと続く大通り。

    そこには、異常な熱気を放つ『青葉連合』の極道たちが、狂気の瞳孔を開き、物々しい武器を手にひしめき合っていた。





    その数、実に一万人。

  • 17ポチェモブ26/03/21(土) 00:31:57

    邪羽帝町を完全に飲み込むほどの、圧倒的な暴力の津波。


    アリーナへ向かうユースケたちを完全に足止めし、街ごと火の海に沈めるための最終防衛線。


    「……さあ、始めましょうか」


    バロックが、冷たい雪の降る夜景を見下ろして宣言する。


    「樋口ユースケ……そして、忌まわしきネズミども。あなたたちのすべてを、ここで完全に終わらせてあげますよ」


    雪の降る邪羽帝町。

    それぞれの想いと陰謀が交錯する中、ついに一万人の軍勢との『最終決戦』の火蓋が切られようとしていた。

  • 18ポチェモブ26/03/21(土) 00:36:12

    ムフフ…今日はここまで。

    あっ、一万人ってちょっと多すぎなのでは…?って思ったでしょ。

    ちょっと待っててね桐生さん+仲間数名なら余裕やろ…と思ってたけど桐生さんのタイマン相手を用意したら流石にキツイかなと思い始めてたから。


    >>14

    VIPの面々を見てわかった人がいるかもしれないけど、今回の桐生さんの時系列は7外伝〜8の間をイメージしてるんだよね

    身体が弱り始める前のまだまだキレがあるイメージなんだァ

  • 19二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:38:31

    オツカレーッ
    あうっいよいよ終わりが近いのかあっ

  • 20ポチェモブ26/03/21(土) 00:43:14

    あ…ちなみに内海とユースケが会った場面はサブストーリーで補足するつもりだから…内海ファンは気長に完結を待ってほしいでやんス

  • 21二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 00:51:26

    オツカレーッ
    サブキャラがどれもこれも魅力的でリラックス出来ますね

  • 22バトロワを継ぎすぎた者◆nYZ0za1ZFM26/03/21(土) 02:03:20

    オツカレーッ 本当にタフと龍が如くのノリの融合が上手くて尊敬するでっ

  • 23二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 10:34:28

    いやあ終わりが近いのお…

  • 24二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 18:55:02

    このレスは削除されています

  • 25二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 19:58:43

    誰がラスボスなんやろなぁ…

  • 26二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 20:49:42

    >>25

    どう考えても亜門だと思う反面…闇の龍展開こと「あの男」の存在が藤田辺りをラスボスに持ってきそうな衝動に駆られるッ

  • 27ポチェモブ26/03/21(土) 22:43:51

    そろそろ再開するのん


    >>26

    (亜門と谷垣がいなかったらマジで藤田剛三ラスボスになってたかもな…)

  • 28ポチェモブ26/03/21(土) 22:46:52

    季節外れの雪が、ネオンの光を乱反射させながら音もなく舞い落ちる。


    邪羽帝町の中央、巨大な劇場前広場。普段は若者たちで賑わうその場所は、異様な光景に包まれていた。


    鉄パイプや日本刀、チャカを握りしめ、NTSで瞳孔を見開いた青葉連合の極道たちが、一万という圧倒的な数で街を闊歩している。


    そしてその後ろには、赤い単眼を不気味に明滅させる無数の『量産型トダー』の姿。



    危険を察知した一般市民たちは、すでにビルや地下へと息を殺して避難し、窓の隙間からその狂気の軍勢に震え上がっていた。



    「……見渡す限り、敵だらけだな」


    その絶望的な光景を、新藤組事務所の屋上から見下ろすユースケたち。

  • 29ポチェモブ26/03/21(土) 22:50:51

    冷たい風に道着を揺らしながら、ユースケは深く息を吐き、そして静かに振り返って仲間たちの顔を見回した。


    「……みんな」

    ユースケは、いつもは不遜な態度を隠そうともしない彼が、珍しく神妙な面持ちで口を開いた。



    「改めて、俺の弟の仇討ちから始まったこのイカれた戦いに、ここまで付き合ってくれて……本当に感謝する」


    ユースケは、ゆっくりと、深く頭を下げた。


    「この最後の戦い、一万の極道とバケモノの群れだ。……どんな犠牲が出るか、正直俺にも分からねえ。だが……」


    ユースケは顔を上げ、仲間たち一人ひとりの目を見据えた。


    「俺一人じゃ、あのバロックの野郎を……そして、マストモやボビーからすべてを奪った連中を、絶対に止められねえんだ。……だから、どうか最後まで、お前らの力を貸してほしい」

  • 30ポチェモブ26/03/21(土) 22:55:18

    その真っ直ぐで不器用な頼みに、屋上に集まった面々は、誰もがフッと柔らかく、そして頼もしい笑みを浮かべた。


    「……水臭いこと言うなよ、ユースケ。ボビーの仇討ちは、俺たち新藤組のケンカでもあるんだからな」


    力丸が拳銃の弾倉を確認しながら、ニヤリと笑う。


    「当たり前だ! 俺とお前たちの猛烈に勃起した命の輝きが合わされば、一万の極道だろうがなんだろうが、すべて薙ぎ払えるに決まっている!」


    谷垣もマチェーテを肩に担ぎ、白い歯を見せて力強く頷いた。


    「フン。これほどの死線、闘神の王者として参加しない方がおかしいというものだ」


    ギレーヌが新しく調達した木刀を構え、野性的な笑みを浮かべる。


    「ええ。私たちの愛する街を、奴らの好き勝手にはさせないわ」


    「この火は、街を守るために燃やし尽くそう」


    ネイとアーソンも、決意に満ちた瞳で並び立った。

  • 31二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 22:58:47

    いよいよ最終決戦かぁ 皆の無事と大団円を願わないのは至難の業だ

  • 32ポチェモブ26/03/21(土) 23:00:21

    「キ……キキキッ! い、一万の極道だぁ? このマコト様が直々に蹴散らしてやるわ! ……それに、花火の馬鹿と、絶対に話をつけなきゃならんからな!」


    足の震えを必死に隠しながら虚勢を張るマコト。


    「おやおや、頼もしいボスですね。……ならば私も、最後までお供しますよ。この柔道、錆びつかせるにはまだ早いですからね」


    藤田がその背後で、穏やかながらも鋭い眼光を放つ。


    「ふふっ…任せてよ。工場から頂いてきた『銀狼カスタム』のトダーで、お邪魔虫どもを片っ端からハッキングしてあげるから」


    銀狼がタブレットを叩き、胸を張る。その後ろには、青い単眼に改造されたトダーが静かに待機している。


    「私たち警察も、バロックたちの罪を必ず白日に晒します。……そして、亜門くんと真っ正面から向き合うよ」


    コーンブルメが松葉杖を突きながら決意を語り、可奈美も「はいっ…私も亜門さんに会うまで刀を振るいます!」と日本刀を胸に抱いて頷いた。

  • 33ポチェモブ26/03/21(土) 23:04:34

    「……ユースケ」

    桐生一馬が歩み寄り、ユースケの肩をポンと叩いた。


    「お前のその真っ直ぐで不器用な拳が、立場も生き方も違うこれだけの仲間たちを結びつけたんだ。……自信を持て、お前は一人じゃねえ」


    その言葉に、ユースケの目頭が僅かに熱くなる。


    「……ユースケさん」

    最後に、神楽耶が進み出た。


    「わたくしには、ケンカの力も、ハッキングの才能もありません。お役に立てるか分かりませんが……でも、どうか」


    神楽耶はユースケの両手をぎゅっと握りしめ、祈るように告げた。


    「この街を守って……そして、誰一人欠けることなく、必ず生きて帰ってきてください。約束ですわ」


    「……ああ。約束だぜ、神楽耶」


    ユースケは、その温かい手を強く握り返した。

  • 34二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 23:04:48

    御最終決戦だぁ

  • 35ポチェモブ26/03/21(土) 23:10:07

    「さあ、出陣ですわね!」


    神楽耶が涙を堪え、気丈に微笑むと――スッ、とユースケの前に小さな右拳を突き出した。


    「え……?」


    「ほら、こういう時は、拳を合わせるものでしょう?」


    神楽耶の言葉を合図にするように、力丸が、谷垣が、ギレーヌが……仲間たちが次々と、ユースケの前に自らの拳を突き出していく。

  • 36ポチェモブ26/03/21(土) 23:13:17

    「お、おいおい……。そういう少年漫画みたいな古臭い真似、俺は柄じゃねえんだよ」


    ユースケが照れ隠しに頭を掻く。


    「……フッ。お前が中心なんだ、ユースケ。お前がやらないと、締まらないだろうが」


    力丸が呆れたように笑う。


    「……ちぇっ。仕方ねえな」


    ユースケは悪態をつきながらも、どこか嬉しそうに笑い――仲間たちの拳の輪の中へ、自らの拳を力強く突き合わせた。


    ゴツンッ!!


    全員の想いが、一つに重なる音。

  • 37ポチェモブ26/03/21(土) 23:17:09

    「……行くぞ、お前ら!!」


    ユースケが、雪の舞う邪羽帝町の夜空に向かって咆哮した。


    「一万の極道だろうが、バケモノだろうが、全部ぶっ飛ばす!! ……このケンカ、絶対に勝つぞォォォォォッ!!!」


    「「「おおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」」」

    仲間たちの雄叫びが、屋上から街の空気を震わせた。

    GIF(Animated) / 1.66MB / 180ms

  • 38二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 23:18:35

    ユースケみ 打ち切り漫画みたいなことを言うのはやめろ

  • 39ポチェモブ26/03/21(土) 23:21:12

    季節外れの雪が白く染める邪羽帝町の劇場前広場。

    そこはすでに、絶望的な暴力の海と化していた。


    「邪羽帝町をぶっ壊せぇ!邪魔する奴らは皆殺しだぁっ!」


    「ピガッ……ハイジョ、スル……ヤンケェッ!」


    広場を埋め尽くすのは、NTSで理性を飛ばし、鈍く光る凶器を掲げた青葉連合の極道たち。そしてその後方には、赤い単眼を不気味に光らせる量産型トダーの群れが陣取っている。


    その圧倒的な軍勢を前に、ユースケたち十数人の決死隊が堂々と足を踏み入れた。


    彼らの横には、アジトに残った銀狼が神楽耶やネイのサポートを受けながら遠隔操作している、青い単眼の『銀狼カスタム・トダー』が頼もしくそびえ立っている。

  • 40ポチェモブ26/03/21(土) 23:27:06

    「……出迎えにしちゃあ、随分と豪勢じゃねえか」


    ユースケが首の骨をコキリと鳴らす。


    一万の軍勢の最前列。そこには、ツインテールを揺らす花火、白衣を纏い冷ややかな視線を送るルアン・メェイ。


    そして――二人の間に、和装に身を包んだ、恰幅の良い初老の男がふんぞり返っていた。


    「……なるほどな。そういうことか」

    新藤力丸が、その男の顔を見て低く唸った。

  • 41ポチェモブ26/03/21(土) 23:30:12

    「かつての『ハイパー・バトル』で、俺たち新藤組と一悶着あった因縁のタヌキ親父……。日本で最も金を持っている金貸し、『柳葉道元』。……あんたが青葉連合を裏で操っていたスポンサーなら、これだけの兵隊を用意できたのも納得だ」


    「ひっひっひ。お久しぶりだねぇ、新藤組の若き組長さん」


    道元は、扇子で口元を隠しながらいやらしく笑った。


    「私はね、ただ『金』が欲しいだけだからね。バロックくんにうちの兵隊を貸し出して、あの時手に入れられなかった『HBR』の莫大な利権を貰うだけなの。……ビジネスだよ、恨みっこなしだ」


    「……相変わらず、ヘドが出るほど強欲なジジイだ」

    力丸が拳銃の撃鉄を起こす。

  • 42二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 23:30:34

    なにっ道元

  • 43ポチェモブ26/03/21(土) 23:37:02

    敵のトップ層が姿を現し、それぞれの因縁の視線が交差する。


    「……花火ッ!!」


    マコトが怒りと悲しみの入り混じった声で叫ぶと、花火は「久しぶり、マコトちゃん! でも今日でお別れだね!」とケラケラと嘲笑った。


    アーソンもまた、自らの右手に炎を熾しながら、冷徹なルアンを真っ直ぐに見据える。


    「……ルアン=サン。貴様の狂った実験は、私の炎でここで終わらせる。」


    一触即発の空気が広場を支配した、その時。

    青葉連合の組員たちが、巨大なキャスター付きのモニターを最前列へと押し出してきた。


    画面にノイズが走り、ワイングラスを持った近藤バロック陽介の姿が映し出される。


    『……やあ、樋口ユースケ君。そして愚かなネズミたち』


    アリーナの安全なVIPルームから見下ろすバロックは、底意地の悪い笑みを浮かべていた。

  • 44ポチェモブ26/03/21(土) 23:39:39

    『一万の軍勢を前に、どうやら絶望を通り越して狂ってしまったようですね。……どうです? ここで大人しく負けを認めるのなら、君たち「だけ」には手を出さず、この邪羽帝町だけを燃やして壊すことで勘弁してあげましょう。くだらない夢や存在しない絆のために、ここで命を無駄にするべきではないでしょう?』


    圧倒的な力を見せつけた上での、あまりにも下劣な命の取引。


    だが。



    「……ハッ」


    ユースケは、画面越しのバロックの言葉を鼻で笑い飛ばした。


    「てめぇは……本当に、何一つ分かっちゃいねえんだな」


    ユースケは一歩前に踏み出し、傍らに立つ仲間たちを背中で庇うように、画面のバロックへ向けて鋭い指を突きつけた。

  • 45ポチェモブ26/03/21(土) 23:43:54

    「いいか、バロック。ここにいるのはな……誰かの『夢』を支えようと、泥にまみれても必死に戦ってきた馬鹿ばっかりなんだよ!」


    ユースケの咆哮が、雪の舞う広場に轟く。



    「マストモの夢も、


    ボビーの願いも、


    内海の意地も……


    全部俺たちが背負ってんだ。そんな奴らの歩みを、何千人何万人いようと、てめぇのくだらねえ罠なんかで止められるわけがねえだろうが!!」


    ユースケは両拳を強く打ち合わせ、猛烈な闘志をみなぎらせた。

  • 46ポチェモブ26/03/21(土) 23:46:57

    「俺たちの間にあるのは、てめぇらみたいに金や権力で繋がった薄っぺらい関係じゃねえ。……誰にも見向きされねえ真っ暗な闇の中でも確かに存在している…絶対に消えねえ絆だ!!」


    その真っ直ぐで力強い啖呵に、谷垣が、力丸が、ギレーヌが……全員が呼応するように武器を構え、闘志の炎を爆発させた。



    『闇の絆…『DARK BOND』ですか。………反吐が出るッ』


    バロックの顔から、ついに余裕の笑みが消え失せた。その瞳は、完全な冷酷さと殺意に染まる。

  • 47ポチェモブ26/03/21(土) 23:50:14

    『……ならば、そのくだらない絆のために、ここで挽肉となって死になさい。……やれ! ネズミどもを一匹残らず始末しろ!!』


    バロックの無慈悲な処刑命令が下る。


    「アハハハハッ!! 最高のショーの始まりだよ!!」


    「……全兵装、戦闘プロトコル起動」


    「やれェッ!! 奴らを金に変えろォッ!!」


    花火の狂笑、ルアンの冷徹な指令、そして道元の号令と共に。


    「「「ウオォォォォォォォォォッ!!!」」」


    一万の青葉連合と無数のトダーが、地鳴りのような雄叫びを上げてユースケたちへと殺到した。



    「行くぞお前らァッ!!」


    雪降る邪羽帝町・劇場前広場。

    闇の中で結ばれた絆『DARK BOND』を胸に、ユースケたちの最終決戦の狼煙が、ついに高らかに上がった!

  • 48ポチェモブ26/03/21(土) 23:53:58

    ムフフ…今日はここまで。
    金貸し道元は青葉連合の大元をすっかり出すのを忘れてた&リキちゃんと因縁のある奴を出したいってことで急遽出させてもらったのが俺なんだよね
    明日からは各々のラストバトルが始まるからマネモブ…待っててね…

  • 49二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 23:54:20

    オツカレーッ
    ムフフ…とっても楽しみなのん…

  • 50二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 23:57:25

    オツカレーッ
    タイトル回収ってのはそそられるよね

  • 51二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 00:09:57

    ダークファイトリスペクト?

  • 52二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 03:01:41

    保守

  • 53二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 09:32:17

    このレスは削除されています

  • 54二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 13:01:55

    しゃあっ・保守

  • 55ポチェモブ26/03/22(日) 17:16:04

    ちょっとだけ進めてやるよゴアッ


    「ウオォォォォォォォォォッ!!」

    雪の舞う劇場前広場に、NTSで理性を失った青葉連合の極道たちが怒涛の勢いで押し寄せる。

    狂気の津波に対し、決死隊はそれぞれの得物を振るって正面から激突した。


    「……クッ!」


    松葉杖をつき、腹の傷を押さえながらも、コーンブルメが正確な射撃で敵の足を撃ち抜いていく。


    「数は多いけど、動きは単調だね。……でも、少し押し込まれてるかな……ッ!」

    負傷した身体での戦闘。その僅かな隙を突かれ、死角から鉄パイプを持った数人の組員がコーンブルメに襲い掛かった。


    「課長!危ないッ!」可奈美が叫ぶが、距離が遠い。

    「……オラァッ!!」


    その時、重厚な怒声と共に、軽トラックほどの質量が組員たちを横からまとめて吹き飛ばした。


    桐生一馬だ。彼はその辺りに停まっていた大型の看板を素手で引き抜き、大根のように振り回して敵を薙ぎ払ったのだ。

    「……無理はするな、コーンブルメ。背中は俺が守る」


    「ふふっ……ありがとう、桐生さん」

  • 56ポチェモブ26/03/22(日) 17:18:39

    さらに、怯んだ組員たちの懐へ、滑るような足捌きで藤田剛三が潜り込む。


    「ハッ! 柔の道は一日にして成らず……! 私とて、ただの俗物ではありませんよ!」


    藤田の全盛期を彷彿とさせる完璧な一本背負いが炸裂し、大柄な極道がアスファルトに頭から突き刺さる。


    「ユースケ!。ここは俺たちが引き受ける!」

    新藤力丸が愛用の拳銃をリロードし、ユースケに向かって鋭く叫んだ。


    「お前達は先に行け! この広場のタヌキ親父とチンピラどもは、俺と桐生さんたちで完全に食い止める!」


    「新藤……!」


    「ボビーの仇は、バロックはお前に任せたぞ。……安心しろ、ここは一人も通さねえ!」


    力丸と桐生、そして藤田とコーンブルメが、一万の極道を前に強固な防衛線を築き上げる。


    「……恩に着るぜ!」


    ユースケは仲間たちに背中を預け、広場を駆け抜けた。

  • 57ポチェモブ26/03/22(日) 17:22:53

    だが、大通りへ差し掛かると、今度は無数の赤い単眼が雪の中に不気味に浮かび上がった。

    ルアン・メェイが操る、量産型トダーの群れだ。


    「……ピガッ! トオサナイ……ヤンケ!」


    「邪魔だ、ガラクタどもッ!」


    ギレーヌが獣の跳躍で先陣を切り、残像を引く剣戟でトダーの装甲を叩き割る。


    そこへ、銀狼が遠隔操作する『青いトダー』が凄まじい推進力で突撃し、敵の群れを次々とスクラップに変えていく。


    『フフン、この銀狼カスタムの前じゃ、量産型のモブなんてただの経験値だよ。 トダー相手なら私がいた方がチートでしょ?』


    銀狼の得意げな声が通信機から響く。


    「……ルアンとの決着は、私とギレーヌ=サン、そして銀狼=サンに任せろ」


    アーソンが右手に爆発的なカトン・ジツの炎を熾し、ユースケに告げた。


    「亜似満町を燃やし、根花を裏切った者には……私がケジメをつける。」


    「フン。工場の借りを返すためにも、あの女は私が叩き斬ってやる」

    ギレーヌも闘志を燃やす。

  • 58ポチェモブ26/03/22(日) 17:26:09

    「頼んだぞ、アーソン、ギレーヌ!」


    ユースケがさらに先へ進もうとした時、広場の混乱に乗じて、極彩色の影がヒラリと路地裏へ消えようとするのが見えた。


    花火だ。


    「……待てッ! 逃がさないぞ花火!!」


    マコトが血相を変えてその後を追う。


    「ボビーの仇……絶対に俺のこの手でケジメをつけさせる!! 行くぞッ!」


    谷垣がマチェーテを握り締め、猛烈な怒りと共に地を蹴る。


    「コーンブルメ課長を撃った真犯人……! 私が必ず捕まえます!」


    可奈美も日本刀を片手に、マコトと谷垣に続いた。

    花火という最も厄介で掴みどころのない道化師を追うため、三人の追跡部隊が路地裏へと飛び込んでいく。


    こうして、仲間たちがそれぞれの因縁の相手と対峙し、完全に道を切り開いてくれた。

  • 59ポチェモブ26/03/22(日) 17:30:57

    ユースケはただ一人、決戦の地『ジャワティ・アリーナ』を目指して、雪の降るネオン街を全速力で駆け抜けた。


    ――アリーナの巨大なドームが、雪の向こうに姿を現したその時。

    ユースケのスマートフォンが着信を告げた。マッチィ真吾からだ。


    「……俺だ! マッチィ、内海は無事か!」


    『ユースケくん、大変だにゃあ! さっき、VIPルームのバロックが何やら不審な電話をしているのを見たのにゃあ!』


    マッチィの焦った声が鼓膜を打つ。


    『僕は今、内海くんにピッタリ張り付いて、控室の飲食物もすべて破棄させた。奴らも下手に近づけないはずだにゃあ……だが、もし奴が違う方法でNTSを打ち込もうとしているのだとしたら……!』


    「違う方法……?」


    ユースケは走りながら思考をフル回転させる。

    バロックは確実に内海を公開処刑したいはずだ。近づけないのなら、遠距離から……。


    「……まさか!」


    ユースケはアリーナの通用口を蹴り破り、熱気に包まれた会場内へと飛び込んだ。

  • 60ポチェモブ26/03/22(日) 17:34:44

    数万の観客が熱狂の声を上げ、リング上ではまもなく始まるタイトルマッチに向けて、ライトが激しく交錯している。


    ユースケは周囲を鋭く見渡し……そして、観客席の遥か上部、巨大なバックスクリーンの下にある暗いキャットウォークの空間に、一筋の『冷たい光』の反射を捉えた。


    それは、ライフルスコープの反射光。


    そして、そこに立ち尽くし、特殊な狙撃銃のようなものをターゲットに狙い定めている、大きな男のシルエット。


    「……亜門ッ!!」


    警察の番犬であり、マストモを奪った黒いレインコートの男。彼が今、狙撃手として内海に凶悪な薬弾を撃ち込もうとしているのだ。


    「……やらせるかよ、大馬鹿野郎が!!」


    ユースケは観客の波を掻き分け、バックスクリーン下の暗闇へと続くメンテナンス用の階段を、一段飛ばしで駆け上がっていった。

  • 61二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 17:37:12

    あれーっ変なクスリこそが亜門くんが一番憎んでるものじゃなかったの?

  • 62二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 17:40:49

    や、やはりスナイパー展開か…

  • 63ポチェモブ26/03/22(日) 17:41:36

    ドゴォォォォォォンッ!!


    雪が舞い散る劇場前広場の中央で、ひときわ巨大な破壊音が轟いた。


    屈強な青葉連合の極道数人が、まるでおもちゃのボウリングピンのようにまとめて宙を舞い、広場の噴水に叩きつけられる。


    「……次だ。束になってかかってこい」


    返り血と雪を浴びながら、桐生一馬は静かに息を吐き、双竜の如き拳を構え直した。


    NTSを過剰摂取し、痛覚を失ったはずの極道たちでさえ、その圧倒的な覇気と暴力の前に本能的な恐怖を覚え、ジリジリと後ずさりしていく。


    獅子奮迅。まさに『堂島の龍』の二つ名に相応しい、規格外の大立ち回りだった。



    >>61

    (亜門の話はだいぶ先になるから是非待ってて欲しいのが俺なんだよね)

  • 64ポチェモブ26/03/22(日) 17:44:02

    「……ひっひっひ。流石は伝説の極道、次元が違うねぇ」


    安全な後方から戦況を眺めていた柳葉道元が、扇子を打ち鳴らして嫌らしく目を細めた。


    「薬漬けのチンピラを一万匹集めたところで、あの男には時間稼ぎにしかならないね。……だが、それも計算通り。大枚をはたいて『切り札』を雇っておいた甲斐があったというものだよ」


    道元が扇子を空に向かって振り上げた、その瞬間。


    ――ヒュッ!!


    広場に面した巨大な劇場の屋根から、雪を切り裂くようにして「一つの黒い影」が音もなく飛び降りてきた。


    「……ッ! 上だ、桐生さん!」


    いち早くその異様な気配に気づいた新藤力丸が叫ぶ。

    だが、影の落下速度は異常だった。

  • 65ポチェモブ26/03/22(日) 17:47:52

    桐生が頭上を見上げた瞬間には、その影はすでに桐生の眼前に迫り、冷酷な刃を首筋へと振り下ろしていた。


    「チィッ……!」


    桐生は間一髪で上体を逸らし、その凶刃を躱す。

    黒い影は雪の中に音もなく着地し、ゆっくりと立ち上がって桐生と対峙した。


    「……お前は」


    桐生の瞳孔が、驚愕と、そしてかつてないほどの鋭い警戒に収縮した。


    痩身に黒い中国服。両手には、特殊な形状の青龍刀と暗器を携えている。









    「……老鬼(ラオグイ)」

  • 66二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 17:49:16

    なにっ

  • 67ポチェモブ26/03/22(日) 17:49:55

    その名前を口にした桐生の脳裏に、若かりし日の血みどろの記憶が蘇る。


    かつて、神室町の『カラの一坪』を巡る抗争で、桐生を一度は死の淵まで追い詰めた伝説の殺し屋。


    堂島宗兵の失脚と共に、日侠連の暗い『穴蔵』へと幽閉され、一生飼い殺しにされたはずの男だった。


    「……あの冷たい穴蔵から、よく抜け出せたもんだ」


    桐生が低く唸る。


    老鬼は何も答えない。だが、その両目に宿る暗い執念の炎は、かつて桐生を襲った時よりもさらに深く、研ぎ澄まされていた。


    幽閉という地獄の中で己の技術と殺意だけをひたすらに磨き上げ、再び『大陸最強の殺し屋』として裏社会に舞い戻ってきたのだ。

  • 68ポチェモブ26/03/22(日) 17:52:30

    (ここで一旦中断するのん、桐生さんと因縁がある+タイマン張ってもおかしくない強さ+原作でありそうでなかったマッチアップ…その他諸々を含めて老鬼を桐生さんのラスボスにさせてもらったのが俺なんだよね)

  • 69二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 18:22:05

    原作にはなかった老鬼vs桐生ちゃんとかあつっ アツいーよ

  • 70二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 19:31:36

    オツカレーッ

  • 71ポチェモブ26/03/22(日) 22:41:32

    再開すルと申します。
    どうせ使うから先に画像を出していく…老鬼師匠だ

  • 72ポチェモブ26/03/22(日) 22:45:53

    「……いいだろう。あの若かった頃の『借り』、まだ返しきれていなかったからな」


    桐生はネクタイを乱暴に引き剥がし、ジャケットを脱ぎ捨てて、伝説の殺し屋へと真っ向から歩み出た。



    「力丸! コーンブルメ、藤田!」

    桐生は背後を振り返ることなく、周囲を取り囲む青葉連合の軍勢を指差した。


    「こいつは俺がやる。……周りの有象無象は、お前たちに任せたぞ」


    その言葉に、力丸は血塗られた拳銃を下ろし、桐生の広く、あまりにも大きな背中を見つめた。


    「……へっ」

    力丸は口角を上げ、雪空に向かって小さく呟いた。

    目の前の大量の極道達、それは自身が憧れた『伝説』への登竜門。


    「俺も、アンタみたいに……この街の『伝説』になれるかな」

  • 73ポチェモブ26/03/22(日) 22:52:25

    極道の若き組長は、憧れと決意を胸に、真っ直ぐに前を向いた。


    「行くぞ、コーンブルメ課長、藤田のおっさん! 桐生さんの邪魔をするタヌキと雑魚どもは、俺たちが全部引き受ける!!」


    「……ええ。私達に任せて!」


    「フッ… 私の柔の道、とくとご覧に入れましょう!」


    力丸、コーンブルメ、藤田の三人が、道元と一万の極道たちへ向けて怒涛の突撃を開始する。


    そして、周囲の喧騒が遠のいていく中。

    桐生一馬は、深く腰を落とし、老鬼へ向けて弾かれたように踏み込んだ。


    「オラァッ!!」


    雪を吹き飛ばす、渾身の右ストレート。


    だが、老鬼は重力を無視したような人間離れした跳躍で、その必殺の拳を軽々と空中へと躱した。

  • 74ポチェモブ26/03/22(日) 22:55:41

    真っ白な雪が舞う夜空。


    桐生の拳を躱し、空中で身を翻した老鬼と、


    拳を振り抜いた桐生の視線が、鋭く激突する。


    Archnemesis

    大陸最強の殺し屋

    老鬼

  • 75ポチェモブ26/03/22(日) 22:59:33

    ガシャァァァァァンッ!!


    重厚な劇場のガラス扉が、二つの肉体の激突によって粉々に砕け散る。


    雪舞う広場から、薄暗く豪奢な劇場のロビーへと雪崩れ込んだ桐生と老鬼(ラオグイ)。二人の死闘は、瞬く間に周囲の調度品を破壊しながら激化していった。


    「……ッ!」


    無言のまま、老鬼が空中で身を捻る。

    その袖口から放たれた無慈悲な鉄針の投擲が、桐生の頬と肩を浅く、しかし確実に切り裂いた。


    「チィッ……!」


    怯んだ桐生の死角へ、老鬼はすでに着地と同時に滑り込んでいる。


    右手の青龍刀による斬撃と、左手の拳銃による至近距離からの銃撃。一切の無駄を省いた、殺しに特化した完璧な連携。


    桐生は腕を交差させて致命傷を避けるが、着実にダメージが蓄積し、スーツは自らの血で赤く染まっていく。

  • 76ポチェモブ26/03/22(日) 23:04:34

    (……速い。いや、それだけじゃねえ)

    桐生は息を荒くしながら、老鬼の暗く濁った瞳を睨み返した。


    かつて『狂犬』真島吾朗に敗北し、堂島宗兵の失脚と共に日侠連の光の届かぬ『穴蔵』へと幽閉された男。その暗闇と絶望の中で膨らみきった憎悪と殺意が、彼の技術をかつてよりも遥かに鋭く、そして重く研ぎ澄ませていた。


    ドゴォッ!!


    「ガハッ……!」


    一瞬の虚を突かれ、老鬼の強烈な足払いに桐生の体勢が崩れる。


    すかさず桐生の胸ぐらを掴み、力任せに大理石の床へと叩きつける老鬼。完全にマウントを取られ、桐生は身動きを封じられた。


    老鬼が右手に握った鋭い鉄針を、何の感情も交えずに真っ直ぐ高く振り上げる。

    狙うは桐生の片目――脳を直接貫く、確実な死の一撃。

  • 77ポチェモブ26/03/22(日) 23:10:13

    (……ここまでか)


    絶体絶命の窮地。普通ならば、死を前にして走馬灯が脳裏を駆け巡るだろう。


    だが、桐生の脳裏に浮かんだのは、過去の思い出でも、死の恐怖でもなかった。


    ――血と泥に塗れ、何度倒されても、己の譲れぬ生き様のために不器用に立ち上がってきた、樋口ユースケとの死闘の記憶。


    そして、そのユースケの真っ直ぐな姿に重なる、かつて『堂島の龍』と呼ばれる前、ただのチンピラとして泥臭くもがき苦しんでいた若かりし頃の『自分自身』の姿だった。

  • 78二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 23:10:36

    (老鬼強す)ぎぃ〜〜〜〜

  • 79ポチェモブ26/03/22(日) 23:14:01

    その時、桐生の耳の奥で、かつて何度も自分の前に立ち塞がった、あの不屈の極道の声が幻聴のように響いた。













    『――俺を今動かしているのはな、“男の意地”ってやつだ。それさえありゃ、男は笑いながら死ぬことだってできる』

  • 80ポチェモブ26/03/22(日) 23:17:33

    久瀬大作。あの拳の記憶が、桐生の奥底で眠っていた熱い血を、ドクンと爆発させた。



    「……おおおおおおぉぉぉぉぉぉッ!!!」


    死の鉄針が振り下ろされる寸前。

    桐生は腹の底から獣のような咆哮を上げ、己に跨る老鬼の巨体を、常軌を逸した膂力で強引に跳ね飛ばした。


    「!?」


    空中で体勢を立て直し、着地する老鬼。だが、立ち上がった桐生から立ち上る凄まじい『闘気(ヒート)』に、大陸最強の殺し屋の表情に初めて焦りの色が浮かんだ。


    「……てめぇの執念は分かった。だがな、俺にも譲れねえ“男の意地”があるんだよ!」



    Yakuza Kiwami OST - 00 Receive You Reborn


  • 81二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 23:22:26

    桐生が構えを大きく変える。


    両腕をだらりと下げ、周囲のあらゆるものを武器として圧倒する『壊し屋』の構え。


    老鬼が牽制の銃弾と鉄針を放つが、桐生はロビーにあった巨大な大理石の立て看板を根元から引き抜き、それを盾にして銃弾を弾き返した。


    「オラァッ!!」


    そのまま何十キロもある看板を大上段から叩きつけ、老鬼の青龍刀と拳銃をまとめて粉砕する。圧倒的なパワーによる暗器の完全破壊。


    武器を失った老鬼は、即座に身を低くし、鋭い中国拳法による素手の猛攻へと切り替えた。

  • 82二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 23:25:33

    目にも止まらぬ連撃が桐生に迫る。


    だが、桐生は看板を投げ捨て、今度はフットワークを軽くした『ラッシュ』の構えへと移行していた。


    シュッ、シュッ! という鋭い風切り音と共に、老鬼の拳法のラッシュを紙一重のステップとスウェーでことごとく躱していく。


    「ハァッ!」


    そして、生じた僅かな隙に、目にも止まらぬジャブとフックの連打を老鬼の顔面と腹部に叩き込んだ。


    「グゥッ……!」


    後退する老鬼。お互いにダメージは限界を超えている。


    老鬼は一歩深く踏み込み、自らの全血気と殺意を込めた、渾身の『掌底』を桐生の胸ぐらへと放った。避ける隙はない。


    ドゴォォォォンッ!!


    重い破裂音がロビーに響き、桐生の胸に老鬼の掌底がモロに突き刺さる。

  • 83ポチェモブ26/03/22(日) 23:28:34

    だが――桐生は、一歩も引かなかった。


    「……なッ!?」


    老鬼の目が、驚愕に見開かれる。


    桐生は己の肉体を壁のように硬直させ、あえてその痛恨の一撃を受け止める『根性反撃』に出たのだ。荒々しく泥臭い、『チンピラ』の戦い方。


    「……もらったぜ」


    桐生は、自らの胸に突き刺さったままの老鬼の腕をガシリと掴み上げ、そのまま関節を逆方向へと一気にへし折った。


    「ガアァァァァァッ!!」


    腕の骨を砕かれ、激痛に顔を歪める老鬼。


    桐生はその悲鳴を掻き消すように、無骨で容赦のないチンピラ流のパンチとキックを怒涛の如く叩き込み、殺し屋を完全に壁際へと追い詰めた。

  • 84ポチェモブ26/03/22(日) 23:33:50

    「……これで、終わりだッ!!」


    老鬼の身体が壁に跳ね返り、無防備になったその瞬間。

    桐生はすべての闘気を右拳に収束させ、彼が辿り着いた最強の武の境地――『堂島の龍』の構えをとった。


    流れるような連撃が、老鬼の急所を的確に、そして一切の慈悲なく打ち抜いていく。


    拳、肘、膝、そして最後は、全身のバネを解放した天地を揺るがすほどの強烈な回転蹴り。



    「究極の、極みィィィッ!!」


    ドゴォォォォォォォォォォォンッ!!!



    「ガ……ハァッ……!!」

    桐生の最強の連撃をその身に受けた老鬼の身体が、天井高く舞い上がり、そして糸の切れた操り人形のように、大理石の床へと力なく崩れ落ちていく

  • 85ポチェモブ26/03/22(日) 23:38:54

    「……なぜ……俺が……」


    ピクピクと痙攣しながら、老鬼は虚空を見つめ、消えゆく意識の中で呻いた。


    穴蔵の底で磨き上げた最強の殺しの技術が、なぜ、あの時のようにまたこの男に敗れたのか。


    桐生は荒い息を吐きながら、拳に付いた血を払い落とし、倒れ伏したかつての強敵を冷たく見下ろした。


    「……運が悪かったんだよ。……お前は」


    完全な敗北を悟り、老鬼の意識は深い闇の中へと沈んでいった。


    ロビーの床に倒れた大陸最強の殺し屋を背に、桐生は痛む肩を押さえながら、ゆっくりと外の広場へと歩き出す。


    過去の因縁に、今度こそ完全な決着(ケジメ)がつけられた瞬間だった。

  • 86ポチェモブ26/03/22(日) 23:44:50

    雪が舞い散る劇場前広場。


    劇場のロビーで桐生と老鬼の死闘が繰り広げられる中、外で防衛線を張る新藤力丸、コーンブルメ、藤田剛三の前に、地響きを立てて『絶望』が歩み寄ってきた。


    「……ウガァァァァァァッ!!」


    現れたのは、NTSを限界まで過剰投与され、筋肉が異常に膨張した二人の巨漢組員。その体躯は優に2メートルを超え、一歩踏み出すだけでコンクリートの地面がクレーターのように砕け散るほどの、人間離れした馬鹿力を誇っていた。


    「ひっひっひ。どうだい、私の可愛いペットたちは」


    安全な後方から葉巻を吹かしながら、柳葉道元が得意げに笑う。

  • 87ポチェモブ26/03/22(日) 23:47:14

    「君達もここまでよく頑張ったけどね、流石にこれが限界だろう。……私はね、瓦一枚だって割れないただのしがない老人だが、瓦を何百枚も割れる男をこうして飼い慣らすことができるのさ。それが、絶対的な『金の力』だよ」


    金こそがすべて。その揺るぎない道元の自信。


    だが、力丸も、コーンブルメも、藤田も……その巨漢たちを前にして、誰一人として一歩も引かなかった。


    「……金の力なんざ、この裏社会で嫌ってほど知ってる」


    力丸は空になった拳銃のマガジンを吐き捨て、新しいマガジンをカチャリと装填した。


    「だがな……今の俺たちは、てめぇの薄っぺらい金なんかより、ずっと重くて大切なものを背負ってんだよ。だから、こんな所で立ち止まって負けるわけにはいかねえんだ!」


    力丸の鋭い啖呵と共に、三人は巨漢たちへ向けて闘志を爆発させた。

  • 88ポチェモブ26/03/22(日) 23:50:27

    「……グルルルッ! 邪魔ダ、ロートルガァッ!!」


    巨漢の一人が、丸太のような豪腕を振り上げ、藤田剛三へと襲い掛かる。


    圧倒的な暴力の質量。避ける間もなく、その拳は藤田の顔面をモロに捉えた。



    ドゴォッ!!



    「……ぐぅッ」


    藤田の身体が大きくよろめき、口の端から血が飛ぶ。


    「ヒャハハハッ! 圧倒的ナ力ノ前ニハ、柔道ナンテ無駄ナンダヨッ!」


    巨漢が勝利を確信して嘲笑う

  • 89ポチェモブ26/03/22(日) 23:54:15

    「……悲しい男ですね。薬に溺れたせいで、自分の拳の骨が『既に折れている』ことにも気づかないのですか」


    「……ナニッ!?」

    巨漢が自らの右拳を見ると、限界を超えた筋力で藤田を殴りつけた反動により、その拳はすでに無惨な方向にへし折れていた。痛覚が麻痺しているため、気づかなかったのだ。


    「相手の怪我を見抜く観察眼……これもまた、柔の道の基本ですよ」


    藤田は、折れて力が入らなくなった巨漢の右腕を、滑るような足捌きで絡め取った。


    「ハッ!!」


    バキィィィッ!!


    「ガアァァァァッ!?」


    関節を完全に極められ、巨漢の右腕が完全に破壊される。

    激昂した巨漢は、残された左足で藤田の頭部を砕こうと、巨大な蹴りを放ってきた。

  • 90ポチェモブ26/03/22(日) 23:58:31

    だが、藤田はその蹴りすらも冷静に見極めていた。


    「樋口ユースケ君の戦い……大いにインスピレーションを受けましたよ。この技は名付けて……」


    藤田は身を沈め、蹴り足を両腕で抱え込むと、自らの体重と全身のバネを使って、その関節を逆方向へと強引に捻り上げた。


    「『藤田流・骨切り返し』ッ!!」


    ゴキィィィィィンッ!!!


    「アギャァァァァァァァッ!!!」


    巨漢の巨体が空中で完全に体勢を崩す。

  • 91二次元好きの匿名さん26/03/22(日) 23:59:06

    藤田格好いーよ

  • 92ポチェモブ26/03/23(月) 00:01:16

    「そして……これがトドメです!!」


    藤田は、崩れた巨漢の懐に深く潜り込み、相手の胴衣(ジャケット)を力強く掴み上げた。


    かつて日本柔道界の至宝と呼ばれた男の、全盛期をも超える、完璧で美しいキレ。


    「ハァァァァァァッ!!」


    ドゴォォォォォォォォォォンッ!!!


    巨漢の身体が宙を舞い、脳天からコンクリートの地面へと激しく叩きつけられた。


    見事な一本背負い。圧倒的な力を誇った化け物は、白目を剥いて完全に沈黙した。

  • 93ポチェモブ26/03/23(月) 00:04:53

    一方、もう一人の巨漢を相手にしていた力丸とコーンブルメ。


    「……彼の身体の軋む音が聞こえるよ。新藤くん、関節だ!」


    コーンブルメが松葉杖で巨漢の攻撃をいなしながら、的確な指示を飛ばす。


    「了解だ、課長さん!」


    力丸とコーンブルメは雪の積もるアスファルトを滑り込みながら、拳銃の引き金を連続で引いた。


    パンッ! パンッ! パンッ!!


    「ギャァァッ!?」


    正確無比な射撃が、巨漢の両膝と肘の関節を撃ち抜く。

    NTSで痛覚が麻痺していても、関節という物理的な蝶番(ちょうつがい)を破壊されれば、巨体は支えきれずにガクンと膝をつく。

  • 94ポチェモブ26/03/23(月) 00:06:51

    「……今だッ!」


    「おやすみ、美しい夢を……!」


    動きを封じられた巨漢の顔面へ向けて。

    力丸の革靴と、コーンブルメの鋭い蹴りが、左右から完璧なタイミングで同時に叩き込まれた。


    ガッシャァァァンッ!!


    脳を強烈に揺らされ、二体目の巨漢もまた、糸の切れた人形のように雪の上へと崩れ落ちた。即席の連携が見事に決まった瞬間だった。

  • 95ポチェモブ26/03/23(月) 00:09:35

    「な……ば、馬鹿な……!? 私の最強の兵隊たちが……!」


    葉巻を咥えたまま、道元の顔から血の気が引いていく。


    「……ひっ! ひぃぃぃッ!」


    恐れをなした道元は懐からリボルバーを取り出し、震える手で力丸たちに向けた。


    だが、その引き金が引かれるより早く。


    パーンッ!


    コーンブルメの放った銃弾が、道元のリボルバーを正確に弾き飛ばした。


    「ああっ! 私の銃が……!」


    パニックに陥る道元の懐へ、静かな足取りで近づいたのは藤田剛三だった。


    「……柳葉道元。金で人の命を弄んだ罪、その身で味わいなさい」


    藤田は道元の胸ぐらを掴むと、流れるような大外刈りで、雪の積もる冷たい地面へと豪快に投げ飛ばした。

  • 96ポチェモブ26/03/23(月) 00:12:00

    「ぐへぇッ!!」


    背中から叩きつけられ、無様な悲鳴を上げる裏社会の大物。

    雪にまみれ、痛む腰を押さえてみっともなく起き上がろうとした道元の額に……。


    チャキッ。

    冷え切った拳銃の銃口が、ピタリと突きつけられた。


    「……チェックメイトだ、タヌキ親父」


    見下ろす新藤力丸の目は、氷のように冷たく、そして極道の組長としての圧倒的な凄みに満ちていた。


    「てめぇの『金の力』とやらは、ここまでだ。……大人しく降伏しろ」


    「ひっ……あ、あ、あ……ッ」


    銃口を突きつけられた道元は、ついにガチガチと歯を鳴らし、両手を上げて完全に屈服した。


    金と薬の力は、彼らが背負う「絆」の重さの前に、完全に打ち砕かれたのだった。

  • 97ポチェモブ26/03/23(月) 00:14:08

    ムフフ…今日はここまで。
    反応の少なさ、画像とかの準備、普通に疲れてて眠いのが今日の投稿を支える…ある意味「今日はこれが限界」だ。

  • 98二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 00:28:00

    オツカレーッ 皆かっけーよ

  • 99二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 00:55:03

    今追いついたのん オツカレーッ
    戦闘もキャラも魅力的すぎぃ〜っ 感服を超えた感服なんだよね 凄くない?

  • 100二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 02:38:17

    保守

  • 101二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 08:41:09

    >>1

    全員見せ場あるの…神

  • 102ポチェモブ26/03/23(月) 12:46:36

    マネモブさん、俺にジェットのステルス・コンビネーションの画像をください。

    俺もキー坊戦のカッコいいステルス・コンビネーションを探してるけど見つからないのです

  • 103バトロワを継ぎすぎた者◆nYZ0za1ZFM26/03/23(月) 15:59:49

    >>102

    マネモブとりあえずこれあげる…

  • 104二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 17:02:22

    このレスは削除されています

  • 105二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 19:34:24

    わし如くあまり知らないけど老鬼はかなり強いほうなんすか?

  • 106二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 19:53:48

    ムフフ今追いついたのん…おもしれーよ

    全キャラに因縁と見せ場を用意する そんなポチェモブを誇りに思う


    >>90

    >>92

    やばっ 史上最もかっこいい藤田だよ…たぶん

  • 107二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 19:59:08

    >>105

    人質を取られたり抵抗できない状況以外では殆ど傷を負わない桐生さんが若い頃の話とはいえ殺されかけてるからね、今回のは本編のリベンジともいえるバトルなのさ!

  • 108二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:19:20

    あざーす

  • 109ポチェモブ26/03/23(月) 22:33:36

    ムフッ、再開しようね。


    >>106

    本当はギレーヌ・アーソン・可奈美だけが新藤組以外の仲間になる予定だったのになぁ

    お前は成長しないのか、全員の活躍を考えたら仲間になったほうが美味しいと思ってこうなったんだよ

  • 110ポチェモブ26/03/23(月) 22:36:02

    「……桐生さん!終わったんですね…!」


    老鬼との死闘を制した桐生一馬が、肩で息をしながら広場へと合流する。


    力丸、コーンブルメ、藤田、そして桐生。四人の圧倒的な力によって、劇場の周囲を囲む青葉連合の軍勢は完全に押し返されたかのように見えた。


    だが――。


    「……ウオォォォォォォォッ!!」


    降雪の向こう側から、さらに分厚い暴徒の波が、地鳴りを立てて押し寄せてきたのだ。

    倒しても倒しても湧き出てくる、一万という絶望的な数の暴力。


    「ひっひっひ……! 無駄だよ!」

    雪の冷たさに震えながらも、道元は拘束されたまま狂ったように笑った。


    「私を抑えても、あの連中は止まらない。 兵はまだまだいる……君たちはここで、波に飲まれて死ぬ運命なの」

  • 111ポチェモブ26/03/23(月) 22:38:50

    「チィッ……! まだこんなにいやがるのか!」


    力丸が歯打ちする。桐生も構えを解かず、鋭い視線を前に向けた。


    その時だった。


    「おらーッ死 ねやァッ!!」


    乱戦の中、日本刀を握りしめた一人の組員が、怪我と疲労で動きの鈍っていたコーンブルメの死角から、その背中めがけて凶刃を振り下ろしたのだ。


    「課長さんッ!!」


    力丸が叫ぶが、距離が遠すぎる。桐生の手も届かない。

  • 112ポチェモブ26/03/23(月) 22:40:12

    「……危ないッ!!」


    とっさにコーンブルメを庇い、その凶刃の前に身を挺したのは――藤田剛三だった。


    (……フッ、妻も息子も捨てた、私の俗物らしい人生の幕引きには……丁度いいでしょう)


    藤田は静かに目を閉じ、自らの身体が切り裂かれる激痛を覚悟した。

  • 113二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:41:18

    やばっ藤田がしにそうだよ

  • 114ポチェモブ26/03/23(月) 22:42:42

    だが。


    ガキィィィィィンッ!!!


    雪降る広場に、鋼と鋼が激突する甲高い音が鳴り響いた。

    藤田の身体には、何の痛みも走らない。


    「え……?」


    藤田がゆっくりと目を開けると。


    そこには、蛇柄のジャケットを羽織り、狂気を孕んだ隻眼の男が……愛用の『ドス』一本で、組員の振り下ろした日本刀を完全に受け止めていた。



    The Four

    「ヒャハハハッ! オッチャン、アンタの背中……中々カッコよかったでぇ!」

  • 115二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:43:02

    な…なにっ

  • 116二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:43:56

    このレスは削除されています

  • 117ポチェモブ26/03/23(月) 22:45:02

    「な……あなたは!?」


    「邪魔やァッ!!」


    男――『嶋野の狂犬』こと真島吾朗は、ドスを弾き返すと同時に、人間離れしたブレイクダンスのような回転蹴りで組員を吹き飛ばした。


    そのまま竜巻のように暴れ回り、迫り来る極道たちを狂った笑い声と共に次々と斬り伏せていく。


    一方、その真島の暴れっぷりに気を取られ、背後から力丸の首を狙おうとした別の組員がいた。

    しかし、その組員の頭部が、背後から伸びてきた丸太のような巨大な腕によって『鷲掴み』にされた。


    「……オラァッ!!」


    「ゲブァッ!?」

    怪力無双。そのまま紙屑のように軽々と宙へ投げ飛ばされ、組員はアスファルトに頭から激突して気絶する。


    「……ふん。薬漬けにしちゃあ、随分と軽い神輿やな」


    分厚いコートを着込んだ巨漢――冴島大河が、鼻を鳴らして巨躯を揺らした。

  • 118二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:45:07

    >>114

    はわわっお前は如くシリーズ人気投票1位の強きもの…

  • 119二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:45:58

    なっなんだあっ

  • 120バトロワを継ぎすぎた者◆nYZ0za1ZFM26/03/23(月) 22:46:18

    う あ あ あ あ あ あ(PC書き文字)
    オールスターがジャワティー街を練り歩いている

  • 121二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:46:49

    胸熱を超えた胸熱

  • 122ポチェモブ26/03/23(月) 22:47:06

    「な……何が、起きてるんだ……?」

    呆気にとられ、思わず雪の上に腰を抜かしてしまった若き組長・力丸。


    「……まだ戦いは終わってない。気を引き締めていけ」


    そんな力丸を見下ろし、静かで、しかし絶対的なカリスマ性を帯びた声で手を差し伸べた男がいた。


    堂島大吾。かつて東城会六代目を務め上げた、極道界のトップに君臨した男だ。


    「アンタたちは……まさか」


    力丸は震える手で、大吾の手を取って立ち上がった。


    「真島の兄さん……冴島…それに、大吾まで……!」


    桐生が驚愕に目を見開く。


    「お前ら、なぜここに……!」

  • 123二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:48:04

    真島の兄さん達が出てくるとは思ってなかったのは俺なんだよね

  • 124ポチェモブ26/03/23(月) 22:49:18

    「……数日前に、大道寺の花輪から、俺たちの警備会社に『仕事』の依頼があったんや。この街で起きる暴動を抑え込んでほしい…ってな。」


    冴島が首の骨を鳴らしながら答える。


    「ヒャハハ! 桐生チャンや骨切り男、それに力丸の坊がこないなオモロイ派手な喧嘩してんのに、俺らが仲間外れなんて寂しいやろがい! 喜んで引き受けたでぇ!」


    真島がドスを肩に担ぎ、ウインクをして見せた。


    「……ここからは、俺達も相手をする。行きましょう、桐生さん。」


    大吾が静かに上着を脱ぎ捨て、桐生の横に並び立つ。


    桐生、真島、冴島、大吾。


    日本の極道界を長きに渡って支え、そして伝説となった『四人の漢たち』が、雪降る邪羽帝町の広場に並び立った。

  • 125二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:51:14

    ムフカッコいいのん

  • 126ポチェモブ26/03/23(月) 22:51:17

    「「「…………ッ!!」」」


    その瞬間、広場を埋め尽くしていた青葉連合の軍勢の動きが、完全にピタリと止まった。


    NTSを打たれ、恐怖や痛覚を失ったはずの狂人たちでさえ、本能の奥底に刻み込まれた彼らの圧倒的な『格』と凄まじいオーラ(覇気)の前に、完全に戦意を喪失し、次々と膝をついていった。


    「……すごい。最高の援軍が来てくれたみたいだね」


    コーンブルメが松葉杖をつきながら、安堵の微笑みを浮かべる。


    「ええ……! 地獄で仏とは、まさにこの事ですよ!」


    藤田もまた、命を救われた感謝と共に震える声で喜んだ。

  • 127ポチェモブ26/03/23(月) 22:53:51

    そして、新藤力丸は。


    目の前に並び立つ、あまりにも大きく、圧倒的な四人の背中を見つめ……極道の組長として、全身の血が沸騰するような熱い感動を覚えていた。


    (……これが。これが、本物の『伝説』か……!)


    力丸は、己の小ささを知ると同時に、いつかあの背中に追いついてみせるという新たな極道としての炎を、胸の奥底で猛烈に燃やし始めていた。



    (桐生さんが安価にいなかったら多分このシーンも無かったかと思うと運命の悪戯を感じますね。)

  • 128二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:55:32

    アベンジャーズ…?

  • 129二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 22:55:47

    >>1

    見事なストーリーテラーやな…

  • 130心配症の周師匠26/03/23(月) 22:56:25

    龍が如く全然知らないのにめちゃくちゃ胸熱であルと申します
    やっぱし凄いスねポチェモブは

  • 131ポチェモブ26/03/23(月) 22:56:53

    ガシャァァァァァンッ!!


    邪羽帝町の大通り。

    季節外れの雪が、赤熱した鉄屑に触れてジュッと音を立てて蒸発していく。


    「……フン。他愛もないスクラップどもだ」


    ギレーヌがオイルで濡れた木刀を振って残骸を払い除け、息を吐く。


    「ああ。だが、これで大通りの雑兵はすべて片付いた。」


    アーソンが右手の炎をふっと弱め、周囲を見渡した。彼らの足元には、完全に沈黙した数十体の量産型トダーが転がっている。


    その後ろでは、銀狼が遠隔操作する青い単眼の『銀狼カスタム・トダー』が、ヴンッ、と駆動音を鳴らして待機していた。



    だが、その圧倒的な惨状を前にしても、白衣を纏った女――ルアン・メェイは、表情一つ変えなかった。

  • 132ポチェモブ26/03/23(月) 22:59:13

    彼女は雪の降る冷たいアスファルトの上に立ち、手元のタブレット端末へ淡々とデータを打ち込んでいる。


    「……量産型の関節強度が、シミュレーションより12%低下。銀狼のハッキングによるプロトコル干渉への耐性も極めて脆い。……実戦データが取れたのは有益ですが、大幅な改良が必要ですね」


    まるで実験動物の死骸でも数えるような、完全に冷徹な声。


    『……ねえ、マッドサイエンティストのお姉さん』


    銀狼カスタムのスピーカーから、呆れたような銀狼の声が響いた。


    『なんでこんなバグだらけの面倒なプロジェクトをやってるの? 薬(NTS)をばら撒いて、こんな鉄クズの軍隊を作って……何が目的なわけ?』


    その問いに、ルアンはキーボードを叩く手をピタリと止めた。

    常に無機質だった彼女の瞳に、初めて……狂気にも似た、熱を帯びた『執着』の色が浮かび上がる。


    「……すべては、あの『ジェット』の勇姿を、もう一度この目で見るためです」

  • 133二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:01:26

    あっそんな話だったすね

  • 134ポチェモブ26/03/23(月) 23:02:27

    「……ジェットだと?」


    ギレーヌが隻眼を細める。


    「ええ。若くしてその命を散らした、沈黙の天才……。彼の完璧な美しさと強さを、この現世に永遠のものとして留めるため。……さあ、目覚めなさい、私の最高傑作」


    ルアンがタブレットのエンターキーを静かに叩いた。


    ズズズズズ……ッ!!

    大通りの奥に停まっていた巨大なコンテナトラック。その後部扉が重々しい音を立てて開き、中から猛烈な冷却ガスが白く噴き出した。


    濃密な冷気の中を割って、ゆっくりと、しかし一切の無駄のない足取りで『それ』が歩み出てくる。


    「……なっ」


    それを見た瞬間、百戦錬磨のギレーヌでさえ、言葉を失い息を呑んだ。


    量産型や、あの巨体のトダーΣとも全く違う。人間とほぼ同じスマートな体躯。黒光りする流線型の装甲に、冷たく光る金色の単眼。


    だが、何よりも異様だったのは、その『佇まい』だ。

    機械特有の硬さが一切ない。膝を柔らかく使い、つま先で軽くステップを踏むような、特有のリズムを持った構え。

  • 135二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:03:38

    ほう 完成バージョンか…

  • 136ポチェモブ26/03/23(月) 23:05:50

    「……そのステップ、そのリズム。まさか……ッ!」


    ギレーヌの脳裏に、かつて『ハイパー・バトル』のリングで誰よりも高く飛び、そして儚く散っていった一人の天才格闘家の姿が重なった。


    「マーシオ・”ジェット”・内藤の動き……! 貴様、あの天才の戦闘データをこの機械にッ!」


    「ええ。細胞の記憶、ハイパーバトルのアーカイブ……すべてを統合し、完璧に再現しました」


    ルアンがうっとりとした表情で、自らの生み出した怪物を仰ぎ見る。


    「……ハッ! ハハハッ!!」


    驚愕から一転、ギレーヌの顔に獰猛な、歓喜の笑みが広がった。


    「狂っている……! だが、あの伝説の天才の『亡霊』と剣を交えることができるとはな! 闘神の王者として、これほど血湧き肉躍る戦いはないぞッ!」

  • 137ポチェモブ26/03/23(月) 23:08:06

    一方、アーソンは右手の炎を爆発的に燃え上がらせ、ルアンを静かに、しかし激しい怒りを含んだ目で睨みつけた。


    「……ルアン=サン。死者の魂を冒涜し、過去の幻影を追うためだけに……貴様は自らの魂を裏切り、ネイ=サンやあの亜仁満町の人々を傷つけ、街を焼いたというのか」


    アーソンの包帯の隙間から、烈火の如き闘志が漏れ出す。


    「貴様のその身勝手な夢……この私が、業火で完全に焼き尽くす!!」


    『……んー、正直、大人の重い因縁とかよく分かんないけどさ』

    アジトの銀狼が、キーボードの上で指をバキバキと鳴らして不敵に笑う。


    『死んだ天才格闘家のAIを積んだ最強の隠しボス… なにそれ、最高にテンション上がるシチュエーションじゃん。 攻略のしがいがあるってもんだよ、このラストバトル、絶対にクリアしてやるから』

  • 138二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:08:21

    まあ灘の技は使えないし雑魚やろ(慢心書き文字)

  • 139二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:08:34

    ルアン大丈夫? 鬼龍に知られたらブチ切れられそうだけど

  • 140二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:09:57

    >>139

    待てよ キー坊もガチギレしかねないんだぜ

  • 141ポチェモブ26/03/23(月) 23:14:33

    「……それでは、データ収集(テスト)の続きを始めましょうか」


    ルアンが冷たく命じると、黒き最強の機械が、ジェットエンジンを吹かしたような甲高い駆動音と共に、極限の臨戦態勢に入った。


    Lost Judgment: The Kaito Files OST - Toxin

    プロジェクト"トダー"リーダー

    ルアン・メェイ



    『闘神』人型兵器最高傑作

    トダーΩ(オメガ)

  • 142二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:14:50

    >>139

    >>139

    まあええやろ

  • 143ポチェモブ26/03/23(月) 23:17:30

    ガキィィィィンッ!! ドゴォォォォンッ!!


    大通りに、鋼と炎がぶつかり合う爆音が連続して轟く。

    だが、その戦況はアーソンたちの予想を遥かに超えるものだった。


    「……右からの斬撃に対し、姿勢角を3度修正。そのままカウンターで左を」


    雪の降る中、タブレットを操作するルアン・メェイが冷徹な声で指示を飛ばす。


    「……!」


    トダーΩ(オメガ)は、ルアンの完璧な演算による指示と、自身に組み込まれた天才格闘家の細胞記憶を完全にリンクさせていた。


    アーソンの炎の連撃、ギレーヌの鋭い剣閃、そして銀狼カスタム・トダーの重い一撃。三位一体の連携を、トダーΩは最小限の動きで完璧に見切り、的確な反撃を叩き込んでいく。

  • 144ポチェモブ26/03/23(月) 23:19:50

    「……ハッ! 素晴らしい!」


    派手さはない。だが、その一撃一撃が恐ろしく重く、そして速い。最高傑作に相応しいその完璧な武の軌跡に、傷を負いながらもギレーヌの闘士としての心はさらに激しく躍動していた。


    「あの伝説の天才と打ち合えるのだ! 私の剣の錆となるには極上の相手ッ!」


    『ちょっと、舐めないでよね アタシのカスタム機(チート)が、モブのプログラムに負けるわけないっしょ!』


    通信機越しに銀狼が声を荒らげ、カスタムトダーのジェネレーター出力を限界まで引き上げる。青い単眼が激しく発光し、限界を超えたスピードでトダーΩへと突進した。

  • 145ポチェモブ26/03/23(月) 23:22:32

    だが。


    「……学習完了。敵機の出力限界を上回る速度で制圧しなさい」


    ルアンが冷たくエンターキーを叩く。

    瞬間、トダーΩの姿がフッと雪の中から『消失』した。


    『……え? 消えっ――』


    銀狼が驚愕の声を上げた直後。


    トダーΩの放った、肉眼では捉えきれない超高速の連続打撃――『ステルス・コンビネーション』が、カスタムトダーの装甲を四方八方から容赦なく粉砕した。


    ガガガガガガガガッ!!!


    「ピ、ガ……ッ」


    カスタムトダーは為す術もなく吹き飛ばされ、火花を散らして半壊状態となり、ついに完全に沈黙した。

  • 146二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:23:44

    つえーよ

  • 147ポチェモブ26/03/23(月) 23:28:21

    「……銀狼=サンッ!」


    「よそ見をしている暇があるのか!行くぞアーソンッ!!」


    アーソンとギレーヌが、カスタム機の破壊に生じた隙を埋めようと捨て身の猛攻を仕掛ける

    だが、トダーΩの反撃は無慈悲だった。


    ドゴォッ!!


    「アバッ…!?」


    ナ…ナムアミダブツ!アーソンはトダーΩの重いカラテを顔面にまともに食らい、口元を覆っていたメンポが粉々に砕け散り、血を吐きながら雪の上へ吹き飛ばされた。


    さらにトダーΩは、そのままの勢いでギレーヌの懐へ潜り込み、必殺のミドルキックを放つ。


    「チィッ!」


    ギレーヌはとっさに左腕でガードするが――。

    メキィィッ!!


    「……ッ!! ああぁぁぁっ!!」


    強烈な蹴りの威力はギレーヌの防御を容易く粉砕し、彼女の片腕を無惨な方向へとへし折った。そのまま腹部に深い一撃を受け、闘神の王者もまた、雪の上へと崩れ落ちる。

  • 148二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:30:14

    ギレーヌも眼帯だしガルシアアイを使えよ

  • 149ポチェモブ26/03/23(月) 23:32:13

    「……すべて、シミュレーション通りの予測範囲内です」


    ルアンはタブレットから目を離し、冷たく見下ろして嘲笑った。


    「天才のデータと完璧な機械の前に、あなたたちの足掻きは無意味だということが証明されましたね」


    だが。


    「……ふざけるな」


    雪を赤く染めながら、ギレーヌが折れた腕を押さえ、木刀を杖にして立ち上がった。


    「私はまだ、あの樋口ユースケと決着をつけていない……! あんな熱い馬鹿との戦いを残したまま、こんな作り物のオモチャ相手に……負けられるわけがないだろうがッ!」


    「……ああ、その通りだ。」


    砕けたメンポの奥から、アーソンが血に塗れた顔を上げ、再び右手に闘志の炎を熾した。


    「私に居場所を教え……私を生かしてくれた、ユースケ=サンたちのために! この炎の命、ここで燃やし尽くす!!」

  • 150ポチェモブ26/03/23(月) 23:39:34

    二人の不屈の闘志。

    だが、ルアンはただ冷酷に言い捨てた。


    「……理解不能ですね。感情(ノイズ)などという不確かなもので、この圧倒的なスペックの差を乗り越えられるとでも?」


    ――その時だった。


    『……ハハッ… やっぱりアンタ、ただの頭でっかちのおバカだね』


    ルアンが操作していたタブレットの画面に、突如としてノイズが走り、生意気にガムを膨らませる『銀狼のアイコン』がデカデカと表示されたのだ。


    「……なっ!? 私の端末が、ハッキング……!?」


    ルアンの無表情な顔が、初めて驚愕に歪む。


    『カスタムトダーがボコボコにされてる間に、直接アクセスしてバックドアを開けさせてもらったよ!』


    アジトの銀狼が、キーボードを叩きながら高らかに宣言する。


    『解析完了! アーソン、ギレーヌ! そのボスの唯一の弱点は、胸にある「バースト・エンジン(心臓)」だよ! そいつをぶっ壊して!!』

  • 151二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:40:45

    えっ バーハーまで再現しちゃってたんですか

  • 152二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:42:47

    このレスは削除されています

  • 153ポチェモブ26/03/23(月) 23:44:01

    「……上等だッ!」


    ギレーヌが、右目の眼帯を乱暴に引きちぎった。


    魔力を視認する特異な瞳『魔力眼』が、トダーΩの胸の奥で高鳴るエネルギーのコア(心臓)をはっきりと捉える。


    「オオオオオオオォォォォォッ!!」


    ギレーヌは折れた片腕の激痛も、肋骨の負傷も一切厭わず、獣のような雄叫びを上げてトダーΩへと突進した。


    機械の完璧な予測演算を凌駕する、理屈を捨てた完全なる捨て身の剣戟。


    「……くッ、迎撃しなさい、トダーΩ!」


    ルアンが慌てて端末のロックを解除しようとするが、銀狼の妨害で指示が通らない。


    トダーΩは自律プログラムでギレーヌの猛攻を捌こうとするが、死を恐れぬ手負いの獣の連撃の前に、その完璧なガードに「一瞬の隙」が生じた。

  • 154ポチェモブ26/03/23(月) 23:47:21

    「……見えたッ!!」


    その一瞬の隙を見逃すアーソンではなかった。


    彼は全身の炎を両手に極限まで圧縮し、トダーΩの無防備な胸元――唯一の弱点であるエンジンへと深く踏み込んだ。


    「ルアン=サン! これが、私たちの絆の炎だ!!」


    両手から放たれる、アーソン最大の渾身のカトン・ジツ。


    「『フジヤマ・バースト』ォォォォォッ!!!」


    ドゴォォォォォォォォォォォォォンッ!!!


    ゴウランガ!!アーソンの両手から解き放たれた白熱の業火が、トダーΩの胸部装甲を溶かし、その奥にあるエンジン(心臓)を完全に貫いた。


    「……やめて!! 私の……私の最高傑作がぁぁぁぁぁっ!!!」


    ルアン・メェイの絶叫が夜の街に響き渡る。


    それと同時に、限界を超えたエネルギーが暴走し、かつての天才格闘家の魂を宿した無敵の機械兵器『トダーΩ』は、雪降る大通りの中心で爆発的に四散し、完全に破壊されたのだった。

  • 155二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:49:25

    げきあつ
    他人の指示がなければ負けるあたり所詮はジェットの紛い物なんだ くやしか

  • 156二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:50:32

    このレスは削除されています

  • 157ポチェモブ26/03/23(月) 23:51:53

    ボォォォォォォッ……!


    アーソンの放った業火が雪を溶かし、白煙となって夜空へ立ち昇っていく。


    大通りの中央には、胸のエンジンを完全に破壊され、無惨な鉄屑と化した『トダーΩ』の残骸が転がっていた。


    「……ハァ……ハァ……ッ」


    片腕をへし折られたギレーヌが木刀を杖にして立ち上がり、アーソンもまた、砕けたメンポの下から荒い息を吐きながら立ち尽くす。


    満身創痍。それでも二人は、強大な敵を打ち破り、確かにその足で立っていた。


    「……嘘、よ。そんな……」


    白衣を雪で汚したルアン・メェイが、力なくその場に崩れ落ちた。


    手から滑り落ちたタブレットの画面には、すべての機能が停止した『最高傑作』のエラーログが虚しく表示されている。

  • 158二次元好きの匿名さん26/03/23(月) 23:52:25

    ぶ、無様…

  • 159ポチェモブ26/03/23(月) 23:54:46

    「完璧だった……! 骨格も、筋肉の弾力も、天才の細胞が記憶したすべての戦闘データも、ミリ単位で再現した完璧な設計だったのに……! なぜ、なぜ打ち破られたの……ッ!」


    常に冷徹だったルアンの瞳から、大粒の涙がボロボロと溢れ出し、雪を濡らしていく。


    「……答えは単純だ」

    ギレーヌが荒い息のまま、倒れ伏したルアンを見下ろした。


    「貴様は『肉体』や『技術』のデータは完璧にコピーしたのだろう。……だがな、その男の奥底で燃えていた『魂』までは、決して再現できなかった」


    「……魂……?」


    「そうだ。」

    アーソンが右手の炎を完全に消し、静かな声で言葉を継ぐ。


    「ルアン=サン。貴様がかつて魅せられたのは、その『ジェット』という闘士の、単なるニンジャめいた強さだったのか? 違うはずだ。……あの男の魂に深く刻まれた、決して折れない気高く美しい『生き様』にこそ、貴様は胸を打たれたのではないか」

  • 160ポチェモブ26/03/23(月) 23:56:45

    その言葉が、ルアンの胸の奥底を鋭く突き刺した。


    (……生き、様……)


    ルアンの脳裏に、かつてリングの上で命を燃やし、誰よりも高く美しく飛んだ『ジェット』の姿が蘇る。彼を彼たらしめていたのは、データで計測できる数値などでは決してなかった。


    「……ああ……あぁ……ッ」

    ルアンは両手で顔を覆い、慟哭した。


    「私には……何も、分かっていなかった……! 彼のことなんて、これっぽっちも理解していなかったのね……ッ!」


    己の身勝手な夢のために、数え切れない命を実験台にし、街を焼き、仲間を裏切った。その果てに作り出したものが、憧れた天才の魂の抜け殻でしかなかったという絶望。


    ルアンは完全に心をへし折られ、雪の上で泣き崩れた。

  • 161ポチェモブ26/03/23(月) 23:59:56

    だが、その時。


    アーソンの耳に付けられたインカムから、不意にノイズ混じりの優しい声が響いた。


    『……ルアン。聞こえる?』


    「……ネイ=サン!?」


    アーソンが目を見開く。アジトの銀狼の回線を借りて、ネイが直接ルアンへと語りかけてきたのだ。


    『あなたは、やり方を間違えただけよ……。天才科学者なんだから、いくらでも最初からやり直せるはずだわ』


    ネイの声には、裏切った部下に対する怒りではなく、深い慈愛が込められていた。


    『……自分の犯した罪を、しっかりと償いなさい。そしていつか……すべてが終わったら、また私のもと(根花)へ戻ってきなさい。あなたの居場所は、ちゃんと残しておくから』

  • 162ポチェモブ26/03/24(火) 00:02:38

    「ネイ、様……」


    ルアンは嗚咽を漏らしながら、深く、深く雪の上に額を擦りつけた。


    「……やれやれ。ネイ=サンがそう言うのなら、仕方ない。」


    アーソンは小さくため息をつき、泣き崩れるルアンの目の前へ、傷ついた手をそっと差し伸べた。


    憎しみの炎は消え、そこにあるのはただ、迷い子を導くような温かい絆だった。


    『アハッ…なにそれ、なんかめっちゃエモいギルドじゃん』


    通信の向こうで、銀狼がいつものように生意気に笑う音が聞こえた。


    『私もなんか面白そうだし、ハッキングの腕で手伝ってあげてもいい――』

  • 163二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 00:03:59

    ふうん 仮にも一組織を統べる器はあるということか

  • 164ポチェモブ26/03/24(火) 00:05:57

    銀狼がそう口にした、次の瞬間だった。


    ガシャァァァァァァァンッ!!!


    『え……!? ちょ、何ッ!?』


    突如、通信の向こうから、アジトの分厚い扉が爆発と共に吹き飛ばされるようなすさまじい轟音が響いた。


    『いやぁぁぁぁっ!!』


    『ネイ!? 誰か、そこに……きゃああっ!!』


    「……ネイ=サン!? 銀狼=サン!! どうした、何があった!!」


    アーソンが血相を変えてインカムに向かって怒鳴る。


    だが、スピーカーから聞こえてきたのは、激しい破壊音と、二人の少女の短い悲鳴……そして。


    ブツンッ、と無機質に通信が途絶える、不吉なノイズの音だけだった。


    「……通信が、切れた……?」


    ギレーヌが青ざめた顔で立ち尽くす。

  • 165二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 00:06:48

    えっ

  • 166二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 00:07:34

    えっ

  • 167ポチェモブ26/03/24(火) 00:10:20

    ムフフ…今日はここまで。

    残り14ストック…多分次スレで全部終わる…と思う。


    今日は反応も多くてとっても嬉しかったのん…

    継ぎすぎた者はステルス・コンビネーションの画像重ね重ね

  • 168二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 00:13:47

    >>167

    オツカレーッ

  • 169バトロワを継ぎすぎた者◆nYZ0za1ZFM26/03/24(火) 00:19:21

    >>167

    オツカレーッ 単行本24巻の試し読み部分に偶然使えそうな画像があってよかったのん

  • 170二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 08:33:03

    まってるよ

  • 171二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 13:00:48

    このレスは削除されています

  • 172二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 20:16:21

    このレスは削除されています

  • 173ポチェモブ26/03/24(火) 22:24:53

    保守あざーすガシッ
    今夜は次スレを立てる&ある程度切りの良い所までやりたいッス。

  • 174ポチェモブ26/03/24(火) 22:28:24

    ガシャァァァァァァンッ!!


    分厚い防音扉がひしゃげ、吹き飛ばされた銀狼のネットカフェ・アジト。


    無数のモニターが破壊されて火花を散らす薄暗い室内で、銀狼とネイは冷たい床に乱暴に拘束され、突き伏せられていた。



    「アハハハッ! ビックリした? 花火特製の、絶望サプライズ大成功!」


    ツインテールを揺らし、無邪気に腹を抱えて笑う花火。


    その後ろには、一切の感情を排した冷酷な目つきで、鋭い仕込み杖(ステッキ)を構えたオールバックの不気味な男――道元が差し向けたプロの殺し屋が、静かに控えていた。


    (猿漫画キャラの強そうな中ボスキャラを思い浮かばず緊急登板させた…ステッキ男師匠だ。)

  • 175ポチェモブ26/03/24(火) 22:31:49

    「……クッ、チートの防壁を物理で破ってくるなんて、反則でしょ……」


    口の端を切った銀狼が、睨みつけるように花火を睨む。


    「あなた、何が目的なの。こんなところにまで入り込んで」


    「決まってるじゃん!」


    花火は銀狼の顔を覗き込み、三日月のようにおぞましい笑みを浮かべた。


    「今頃、ユーちゃんや新藤組のおバカさん達は、雪の中でお手々繋いで『絆』だの『夢』だのってサムいこと言いながら戦ってるでしょ? ……だからさ。そんな連中が命懸けで戦ってる間に、ここでお留守番してる大事な仲間たちを『皆殺し』にしてやろうと思ったの!」


    花火は手に持った拳銃をクルクルと回す。


    「帰ってきたら、守りたかったはずのヒロインたちが肉塊になってるんだよ? アハハッ! あいつらの心に、一生消えない最高にグチャグチャな『傷』を残せるじゃん!!」


    「……この、外道が……ッ」


    ネイが怒りに身を震わせる。

  • 176二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 22:33:03

    効率的ではあるよね効率的では

  • 177ポチェモブ26/03/24(火) 22:34:03

    その時だった。


    「……そ、それ以上は……させませんわッ!!」


    アジトの奥、サーバーラックの陰から、一人の女性が飛び出してきた。

    皇神楽耶だ。


    彼女はガチガチと全身を震わせ、大粒の涙をこぼしながらも……両手でしっかりと、一丁の拳銃を花火へと向けていた。


    「あらら? 逃げてればよかったのに、出てきちゃったね」


    花火は小首を傾げ、心底つまらなそうに鼻で笑う。


    「あはっ、正義のヒロインごっこ? 震えてるよ。貴方みたいな温室育ちの甘ちゃんに、人なんて撃てっこないってのにね」


    「……私は、甘ちゃんではありません!」


    神楽耶は恐怖で声を震わせながらも、必死に銃口を前へ突き出した。

  • 178ポチェモブ26/03/24(火) 22:36:23

    「わたくしだって……新藤組の一員です! 皆さんが命懸けで守ってくれているこの居場所を、わたくしも一緒に守りますわ……ッ!!」


    懸命な覚悟。

    だが、裏社会の狂気に染まりきった道化師の前では、その決意すらも残酷な遊戯の的でしかなかった。


    「……あーあ。つまんない」


    パーンッ!!

    花火が一切の躊躇なく引き金を引いた。


    放たれた銃弾は、神楽耶が必死に握りしめていた拳銃を正確に弾き飛ばし、神楽耶の悲鳴と共に銃が床へと転がり落ちた。


    「きゃああっ!?」


    「はい、ゲームオーバー♪。やっちゃって、ステッキのおじさん」


    花火が退屈そうに指を鳴らす。

    無言のステッキ男が、神楽耶の頭部を叩き割るべく、恐るべき速度で仕込み杖を振り下ろした。

  • 179ポチェモブ26/03/24(火) 22:38:58

    (……力丸お兄様、谷垣さん、ユースケさん……ごめんなさい……ッ!)


    神楽耶が絶望し、ギュッと目を閉じた、まさにその瞬間だった。



    ガキィィィィィィンッ!!!


    アジトに、凄まじい鋼の激突音が鳴り響いた。

    神楽耶の頭上で、死のステッキをクロスするように完全に受け止めた二つの刃。


    「……間に合ったか。怪我はないか、神楽耶!」


    巨大なマチェーテを構えた、谷垣源次郎。


    「ご無事でよかったです、神楽耶さん! ここからは私たちが相手です!」


    鋭い日本刀を構えた、衛藤可奈美。

    アリーナ前の広場から花火を追ってきた別働隊が、間一髪でアジトへと駆けつけたのだ。

  • 180二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 22:40:07

    おおっ

  • 181二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 22:40:44

    かっけーよ

  • 182ポチェモブ26/03/24(火) 22:42:55

    「ちぇっ…、ネズミが湧いてきたね。」


    花火が忌々しそうに舌打ちをする。


    そして、谷垣と可奈美の背中から。

    一人の小柄な少女が、静かに、しかし確かな足取りで花火の正面へと進み出た。


    「……花火」


    羽沼マコトだ。


    マコトのその手には、かつて万魔殿のトップとして彼女の愛用の得物、巨大な狙撃銃『唯我独尊』が握られていた。


    「マーちゃん! なぁんだ、逃げずに追っかけてきたんだ? 相変わらず怖い顔して――」


    「私は今、万魔殿の『議長』としてここに来たわけじゃない!」


    マコトの怒声が、花火の嘲笑を掻き消した。

    マコトの手は、神楽耶と同じようにガタガタと震えていた。

    裏切られた恐怖、友と殺し合うことへの恐怖。それでもマコトは、決して花火から目を逸らさなかった。

  • 183二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 22:45:27

    いけーっ 万魔殿の議長

  • 184ポチェモブ26/03/24(火) 22:46:48

    「……私は、一人の人間として。……お前という『友』と、真っ正面から向き合いに来たんだ!」


    マコトは『唯我独尊』を両手で力強く握り直し、かつての無二の悪友へ向けて、その銃口を突きつけた。


    「目を覚まさせてやる、花火ッ!!」


    その真っ直ぐで不器用なマコトの覚悟を見た瞬間。

    花火の表情から、いつものおどけた道化の仮面が剥がれ落ちた。


    代わりに浮かび上がったのは……底知れぬ狂気と、そして、どこか心底嬉しそうな、歪みきった満面の笑顔だった。


    「……あははっ。あはははははっ!!」


    花火は狂ったように笑い声を上げ、自身の愛銃をマコトの眉間へと真っ直ぐに突き返した。


    「いい…、最ッ高だよマーちゃん! ……だったら、本気で殺し合おうよォッ!!」


    青葉連合直系万魔殿 若頭

    花火

  • 185二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 22:49:31

    >>184

    マコト漢やな…

  • 186ポチェモブ26/03/24(火) 22:49:53

    ガキィィィィンッ!!


    破壊されたアジトの中で、火花を散らす激しい剣戟。

    冷酷なステッキ男の放つ、一切の無駄がない殺しの太刀筋を、衛藤可奈美と谷垣源次郎が必死に捌いていた。


    「……フッ!」

    男が手首をスナップさせると、ステッキの柄から鋭い隠しナイフが飛び出した。


    「なっ…!?」


    完全に意表を突かれた谷垣の膝を、凶刃が深く切り裂く。


    「がはッ……!」


    巨体が体勢を崩し、片膝をついたその瞬間、男はステッキの仕掛けをさらに展開させた。カシャッという金属音と共にステッキが槍のように伸び、残された可奈美へと容赦なく襲い掛かる。

  • 187二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 22:52:41

    >>186

    つよっつえーよ

  • 188ポチェモブ26/03/24(火) 22:52:49

    「くっ……!」


    日本刀で防御した可奈美だったが、男の常軌を逸した踏み込みの圧力に耐えきれず、鋭い槍の穂先が彼女の肩を深々と貫いた。


    「ああぁぁっ!!」


    血飛沫を上げて崩れ落ちる可奈美。


    ステッキ男は冷酷な目で彼女を見下ろすと、槍の穂先をガチャリと変形させた。現れたのは、無骨な散弾銃(ショットガン)の銃口。


    「……終わりだ。」


    男の指が引き金にかかる。


    (……ここまで、なの…?)


    可奈美が痛みに顔を歪め、死を覚悟したその時。


    「……させませんわァァァァッ!!」


    ドレスを翻し、皇神楽耶が捨て身の体当たりで男の横っ腹へ激突した。

  • 189ポチェモブ26/03/24(火) 22:55:25

    「なッ……!?」


    ドォンッ!!

    男の体勢が大きく崩れ、轟音と共に放たれた散弾は、可奈美の頭のすぐ横の床を粉砕した。九死に一生を得る可奈美。


    「……小娘が」


    激昂した男が神楽耶を振り払い、再び可奈美へ銃口を向けようとする。


    だが、その一瞬の猶予が、可奈美の瞳に決定的な闘志の炎を再点火させていた。


    「……皆の居場所は、絶対に壊させないッ!!」


    可奈美は肩の激痛を強靭な精神力でねじ伏せ、床を蹴って弾かれたように飛び上がった。


    渾身の力を込めた、覚悟の一閃。


    ガァァァァンッ!!!


    「馬鹿な……!?」


    可奈美の放った必殺の刃が、凶悪なショットガン・ステッキを真っ二つにへし折った。


    最大の武器を失い、男の動きが完全に止まる。

  • 190ポチェモブ26/03/24(火) 23:01:08

    「……よくやった、可奈美ッ! トドメは俺の……心身ともに勃起したタックルだァァァッ!!」


    膝の傷から血を流しながらも、谷垣が野牛のような咆哮と共に立ち上がり、男の懐へ全速力で突進した。


    「ガハァッ!?」


    数十キロの体重と筋肉の塊がモロに直撃し、男の身体が宙に浮く。


    膝を貫かれた激痛が襲うが谷垣は揺るがない、ボビーの意志をその全身に宿らせて男を押し出そうとする。



    ガシャァァァァァァンッ!!


    谷垣の渾身のタックルを受けたステッキ男は、そのままアジトの窓ガラスを盛大に突き破り、夜の闇の中へと真っ逆さまに転落していった。


    「はぁ…はぁ…俺達の…勝ちだ…!」


    「あとは…マコトさんに全てを託しましょう」


    負傷した2人は傷口を押さえ、花火との決戦に挑むマコトに全てを託した。

  • 191二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 23:01:09

    それぞれが助けあう見事やな…

  • 192ポチェモブ26/03/24(火) 23:02:28

    そろそろ次スレを建てるのんゴロンヤメロオオオ
    残り1スレで全部終わるかちょっと不安になってきた…周師匠だ。

  • 193二次元好きの匿名さん26/03/24(火) 23:07:48

    >>192

    どないする?

    (まだサブストーリーもあるしそんなに焦らなくても)まぁええやろ

    ワシもまだ楽しみたいしな(ヌッ

  • 194ポチェモブ26/03/24(火) 23:09:42

    ちなみにここらへんからバーストの予兆があってヒヤヒヤしながら出力してたらしいよ

    マコトの唯我独尊も銃じゃなくてハンマーになってたしなヌッ

    "バトロワ"をやりますスピンオフ TOUGH2外伝 DARK BOND 最終章 その2|あにまん掲示板この物語の本質は"生きる"こと。嘘つけ前スレからはそんなに離れてないんだぞッhttps://bbs.animanch.com/board/6498609/bbs.animanch.com

オススメ

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