"バトロワ"をやりますスピンオフ TOUGH2外伝 DARK BOND 第四章 その2

  • 1ポチェモブ26/03/15(日) 22:58:42
  • 2ポチェモブ26/03/15(日) 23:05:36

    ガガガガガッ!! ドゴォォォォンッ!!


    冷たいコンクリートの実験場に、破壊の音が連続して叩きつけられる。


    ユースケの剛骨術と、ギレーヌの獣人の剣術。二人の熟練のファイターによる死角のない猛攻を、トダーΣ(シグマ)はたった一人で、しかも「完璧に」捌き切っていた。


    「……アマイ……ヤンケェッ!!」


    「チィッ……!?」


    「ぐぅッ!」


    一瞬でも攻撃の手を緩めれば、トダーの機械仕掛けの腕と脚が、異常なリーチで伸縮して襲い掛かってくる。

  • 3ポチェモブ26/03/15(日) 23:07:59

    ギリギリでガードしたユースケとギレーヌだったが、その巨体から放たれる圧倒的な質量と推進力の前に、二人はボロ布のように後方へと大きく吹き飛ばされた。

    床を転がり、血を吐きながら立ち上がる二人。


    『……無駄な抵抗ですね』


    巨大モニターの向こうから、ルアン・メェイが冷ややかな視線で見下ろしていた。



    『機械という完璧な演算能力と、闘神ファイターたちが積み重ねた技術の完全な再現。……この戦いの中でも、トダーは進化を続けているのです。あなたたちが立ち上がり、足掻けば足掻くほど、この機体はあなたたちから学び、より強くなっていく』

  • 4二次元好きの匿名さん26/03/15(日) 23:09:03

    原作通りのノーマルトダーですらユースケレベルだとまあまあきついのに強化されてるってネタじゃなかったんですか?

  • 5ポチェモブ26/03/15(日) 23:12:59

    「……ハァ、ハァ。ふざけやがって……! てめぇら、命の重さをなんだと思ってんだ……!」


    ユースケが口元の血を拭い、怒りに震える足で再び立ち上がる。


    「……ユースケ。奴の言う通り、まともにやり合えば勝ち目はないぞ」


    隣で荒い息を吐くギレーヌが、ふと右の眼帯に手をかけた。

    「だが……私のこの『魔力眼』が、奴の綻びを捉えた」


    眼帯の下から現れた、魔力を視認できる特異な瞳。

    「機械の魔力(エネルギー)の流れが見える。……先ほどの貴様の攻撃、『剛骨指斬』を食らった奴の腕の関節部だけ、わずかだが動きと力の伝達が不調を起こしている」


    「……なんだと?」


    ユースケの瞳に、ギラリと反撃の光が宿る。



    >>4

    (実際キツイ(忍殺書き文字)と思ったからギレーヌとの2対一にしてみたんだよね)

  • 6ポチェモブ26/03/15(日) 23:15:12

    「へっ。機械だろうがなんだろうが、身体を支える『骨(フレーム)』の構造は同じってことだな。……上等だ、いい作戦を思いついたぜ、ギレーヌ!」


    ユースケの耳打ちを聞き、ギレーヌは獰猛な笑みを浮かべた。


    「……フン、狂った作戦だ。だが、悪くない!」

    「行くぞッ!!」


    ギレーヌが床を爆発的に蹴り飛ばした。魔力眼を全開にし、防御を一切捨てた、獣人ならではの限界を超えた捨て身のインファイト。


    『……無駄だと言っているでしょう。その猛攻のデータも、すでに学習済みです』


    ルアンが冷酷にキーボードを叩く。

  • 7ポチェモブ26/03/15(日) 23:17:39

    『トダー、その野蛮な獣人の動きを再現して、トドメを刺しなさい』


    「……サイゲン、スル……ヤンケェッ!!」


    トダーΣの単眼が赤く輝き、ギレーヌの規格外の動きに合わせようと、全身の駆動パーツを限界までフル稼働させた。ギレーヌの超高速の踏み込みに対し、トダーもまた、同じ速度と軌道で迎撃の拳を振り下ろそうとする。

    だが。


    「……てめぇの相手は、一人じゃねえんだよ、馬鹿野郎!!」


    ギレーヌの攻撃の裏、完全に死角となる位置に、ユースケが滑り込んでいた。

    その手には、全身の捻りと体重を乗せた、必殺の構え。


    「ヒグチ流……剛骨指斬ッ!!」


    ガキンッ!! バキィィィィッ!!

    ユースケの指が、魔力眼で見抜いていたトダーの「不調を起こしている関節部」に、ピンポイントで深々と突き刺さった。

  • 8ポチェモブ26/03/15(日) 23:19:53

    「ガガッ!? 駆動エラー……ヤンケ!?」


    ギレーヌの常軌を逸した動きを完璧に「再現」しようと限界まで出力を上げていたトダーの関節が、ユースケのピンポイントの破壊によって、ついに耐えきれなくなったのだ。


    ガガガガガッ……バギュゥゥゥゥンッ!!


    「なに…!?」


    モニターの向こうで、ルアンが初めて驚愕に目を見開いた。

    計算外の物理的破損。矛盾した命令と出力に機体が悲鳴を上げ、トダーΣの腕と脚のパーツが内側から自壊して弾け飛んだ。

  • 9ポチェモブ26/03/15(日) 23:22:20

    「今だ、ギレーヌッ!!」


    「オオォォォォォッ!!」


    完全に姿勢を崩し、機能不全に陥ったトダーΣの巨大な頭部へ向けて。

    ユースケの渾身の飛び膝蹴りと、ギレーヌのすべてを込めた痛烈な拳が、同時に叩き込まれた。


    ドゴォォォォォォォォンッ!!!


    「ア、アカン……ヤ、ン……ケ……」


    断末魔の機械音声と共に、最強のプロトタイプ『トダーΣ』の頭部が完全に粉砕され、巨大な鉄屑となって実験場の床に轟音を立てて崩れ落ちた。


    「……ハァ……ハァ……」


    「……やったな、ユースケ」


    満身創痍の二人は、崩れ落ちたトダーの残骸を見下ろし、ようやく荒い息をついた。

    マストモのデータを組み込まれた悪魔の機械を、ついに破壊したのだ。

  • 10二次元好きの匿名さん26/03/15(日) 23:22:42

    見事やな…

  • 11二次元好きの匿名さん26/03/15(日) 23:25:00

    >>4

    へっ 何がトダーや

    本編ではタイイチとは言えリカルドに無力化された癖に

    …リカルドは身体を強化されてるから純粋な人間とは言い難い?ククク…

  • 12ポチェモブ26/03/15(日) 23:25:42

    だが、二人が勝利の余韻に浸る暇すら与えず、モニターの向こうから下劣な拍手の音が響き渡った。


    『……素晴らしい、素晴らしいですよ、ユースケ君。まさか、ルアン君の最高傑作を、気合と根性の連携で破壊してしまうとは』


    バロックがワイングラスを置き、ひどく楽しそうに肩を揺らして嘲笑う。


    『君たちのデータは、実に有益でした。……だが、たった一体倒した程度で、勝った気にならないでいただきたい』


    バロックがパチン、と指を鳴らした。


    ガシュッ……ガシュッ……ガシュッ……

    その瞬間、実験場の薄暗い壁面から、無数のシャッターが一斉に開く音が響いた。


    暗闇の中から、不気味に赤く光る『単眼(モノアイ)』が、一つ、また一つと点灯していく。

    十、二十、三十……。


    ユースケとギレーヌを取り囲むように現れたのは、先ほど破壊したのと同じ装甲を持つ、無数の『量産型トダー』の群れだった。

  • 13ポチェモブ26/03/15(日) 23:27:31

    『……さあ、スパーリングの「第2ラウンド」と行きましょうか』


    「……嘘、だろ」


    ユースケの顔から、血の気が引いていく。

    ギレーヌもまた、傷ついた身体を引きずりながら、絶望的な数の暴力の前に木刀の柄を強く握り直すことしかできなかった。







    (これ出した後に気づいたけどメタルクウラだな…)

  • 14ポチェモブ26/03/15(日) 23:29:55

    ガガガッ! ドゴォォォォンッ!!


    「ガハッ……!」


    「グッ……チィッ!!」


    絶望的な物量と、完璧な殺戮プログラム。

    数十体にも及ぶ量産型トダーの容赦ない無機質な暴力の波に飲まれ、ユースケとギレーヌはついに冷たいコンクリートの床へと這いつくばった。


    ギレーヌの木刀は無惨にへし折られ、ユースケの道着は赤黒い血で染まっている。何度も立ち上がろうと力を込めるが、ダメージが蓄積した肉体は悲鳴を上げ、まともに立つことすらできなかった。

  • 15ポチェモブ26/03/15(日) 23:33:08

    『……くくっ。やはり格闘家なんてものは、腕っぷしが強いだけの馬鹿ばかりですね』


    巨大モニターから、バロックの底意地の悪い嘲笑が降り注ぐ。


    『窮地に陥れば、根性や気合といった非科学的な精神論で立ち上がれるとでも?……無駄なことばかりだ。圧倒的な演算と暴力の前には、気合など何の意味も成さない』


    「……ハァ、ハァ……。ふざけやがって……!」


    ユースケは血反吐を吐きながら、モニターのバロックを鋭く睨みつけた。


    「てめぇ……それほど格闘家を馬鹿にして、嫌いだってんなら……なんで、『闘神』のCEOなんてやってやがるんだよ……!」


    ギレーヌも荒い息を吐きながら、隻眼でモニターを睨む。

    その問いに対し、バロックはワイングラスを揺らしながら、ひどく冷酷に、心底つまらなそうに答えた。

  • 16ポチェモブ26/03/15(日) 23:35:37

    『決まっているでしょう。光の当たる舞台で華々しく戦う彼らが……目障りで、大嫌いだからですよ』


    バロックの瞳の奥に、暗い憎悪の炎が揺れる。


    『彼らは高潔なアスリートを気取っていますが、所詮は強さだけを求める野蛮人だ。勝つためなら、より強い力を得るためなら、薬にでも何にでも縋る。……事実、私が裏でばら撒いた『NTS』に、彼らは腹を空かせた犬のようにすぐ食いついた』


    「なんだと……」


    『彼らのそのくだらない『夢』とやらを、根本から壊してやるために……私はトダーやNTS、そして『HBR』を用意したのですよ』


    バロックは下劣に笑い、手元のコンソールを操作した。

  • 17ポチェモブ26/03/15(日) 23:37:44

    『――ただ。そんな愚かな格闘家たちの中で、唯一……私の差し出した甘い蜜(NTS)を、明確に拒絶した男がいました』


    モニターの画面が切り替わり、とある映像が再生され始める。


    「……あっ」


    ユースケは息を呑んだ。

    隠し撮りされたような粗い画質の映像。そこに映っていたのは、応接室のような場所でバロックと対面して座る、見慣れた青年の姿。
















    ――弟の、樋口マストモだった。

  • 18ポチェモブ26/03/15(日) 23:40:41

    『マストモ君。君に、NTSの被検体になっていただきたい』


    映像の中のバロックが、甘い声でマストモを誘惑している。


    『これを打てば、君は「闘神」のチャンピオンクラスのポジションを確約される。さらに、近々復活する「HBR」にも出場させ、私が完全なバックアップで君を初代王者に仕立て上げましょう。……莫大な富と、最強の名誉が手に入るのですよ』


    だが、映像の中のマストモは、その魅力的な提案に対し、静かに、しかしきっぱりと頭を下げた。


    『……お断りします。俺は、そんなものの力を借りてまで勝ち上がりたくはありません』


    『なぜですか?』

    バロックが苛立たしげに問う。


    『簡単に強くなれ、名誉も金も思いのままに手に入る。それを拒む理由がどこにある?』


    その問いに、マストモは顔を上げ、カメラのレンズ越しに……まるで、今ここで見ているユースケへと語りかけるように、真っ直ぐで真摯な瞳で答えた。

  • 19二次元好きの匿名さん26/03/15(日) 23:43:31

    割と大胆なキャラ解釈やのお
    ですねえ

  • 20ポチェモブ26/03/15(日) 23:43:51

    『強くなりたい、偉くなりたいという気持ちがないわけじゃない。格闘家として、自分が最強だという証明はしたいに決まっている。……それでも』

    マストモは、自身の拳を固く握りしめた。





    『この夢は、俺だけのものじゃない。……俺を育ててくれた親父と、俺の才能を信じて、自分の身を削ってまで背中を押して送り出してくれた兄貴の夢でもあり……俺たちの『絆』そのものなんだ。家族が支えてくれているこの夢を、俺は裏切りたくない』





    「……マストモ……」

    ユースケの瞳から、ボロボロと大粒の涙が零れ落ちた。

    血に塗れたコンクリートの床に突っ伏しながら、弟の不器用で、真っ直ぐすぎる愛の言葉に、ユースケは声を殺して嗚咽した。

  • 21ポチェモブ26/03/15(日) 23:46:38

    ピッ。


    無情にも、バロックが映像を途中で切断した。


    『――絆……夢……家族ゥ?』


    再び画面に映ったバロックは、酷く歪んだ、狂気に満ちた顔で吐き捨てるように嘲笑った。


    『なんですかそれは。私はね……そういう虫唾が走る綺麗事を聞くと、反吐が出るんですよ。強さを求めるくせに、そんなくだらない足枷に縛られている彼が、本当に目障りだった』


    バロックはカメラに向かって身を乗り出し、ユースケへ向けて決定的な絶望の言葉を放った。



    『……ええ。だから、私が殺したんですよ。その鬱陶しい絆ごとね』

  • 22ポチェモブ26/03/15(日) 23:49:33

    「バロックゥゥゥゥッ!!」


    ユースケが血を吐くような叫び声を上げる。


    『おいでなさい。樋口ユースケ君の、大切な「弟の仇」ですよ』


    バロックが背後へ声をかけると、モニターの枠外から、ゆっくりと「影」が歩み出てきた。


    顔を深く覆い隠した、黒いレインコートの人物。


    『さあ、這いつくばって絶望の中で死になさい、ユースケ君。君のくだらない絆ごっこは、ここで完全に終わりです』


    バロックの底意地の悪い高笑いと、黒いレインコートの無言の圧力。そして周囲を取り囲む無数のトダー。

    満身創痍のユースケとギレーヌは、冷たい工場の底で、完全なる絶望の淵に立たされていた。

  • 23二次元好きの匿名さん26/03/15(日) 23:51:34

    バロック…あなたに一つだけ言いたい事があります

  • 24ポチェモブ26/03/15(日) 23:53:31

    無数の量産型トダーが、赤い単眼を不気味に明滅させながら、血の海に這いつくばるユースケとギレーヌへとジリジリと歩み寄る。


    「……ハイジョ、スル……」


    無機質な処刑宣告。無数の鉄の腕が、二人の息の根を止めるべく一斉に振り下ろされた。

    ユースケが奥歯を噛み締め、最期の足掻きに剛骨術の拳を握った、まさにその時。


    ダダダダダダダッ!!

    ズバァァァァァンッ!!


    空間を切り裂くような強烈な銃撃と、神速の斬撃が、先頭のトダーたちの駆動系を正確に破壊し、その巨体を床に叩き伏せた。


    「……待たせたな、ユースケ。ここからは俺たちも混ぜろ」


    硝煙をくゆらせる拳銃を下ろし、冷徹な声と共に現れたのは新藤力丸だった。


    その後ろから、巨大なマチェーテを構えた谷垣、日本刀を鋭く構えた衛藤可奈美、そして力丸の背中に隠れるように羽沼マコトが飛び込んでくる。


    「新藤……! 谷垣に、デカの姉ちゃんも……!」


    「遅いぞ貴様ら。……待ちくたびれた」


    満身創痍のユースケとギレーヌの前に、駆けつけた四人が立ち塞がり、背中合わせの強固な円陣を組む。

  • 25ポチェモブ26/03/15(日) 23:55:37

    『……ほう。ネズミたちが合流しましたか』


    モニター越しのバロックが、忌々しそうに眉をひそめた。

    だが、そのバロックの横から、ひょっこりと花火が顔を出した。


    『アハハッ! 全員集合だね! ……ねえねえバロックさん、ルーちゃん。トダーの群れでお掃除するのもいいけどさ、花火がもっともぉーっと面白い「余興」を見せてあげる!』


    花火は悪戯っぽくウインクをすると、手元のスイッチを乱暴に叩いた。


    「……花火ッ!!」


    画面越しの狂気の道化師に、マコトが悲痛な叫びを上げるが、花火はもうマコトの方を見ようともしなかった。

    ズズズズ……ッ!

    実験場の奥、分厚い鋼鉄の扉が重々しい音を立てて開く。

    暗闇の中から現れたのは、重い足取り。

  • 26ポチェモブ26/03/15(日) 23:59:30

    六つの銃身を持つ凶悪な重機関銃(M134)――通称『バルカン』を腰に構えた、見慣れた巨漢だった。


    「……ボビー……!」


    谷垣が驚愕に目を見開く。

    バルカン・ボビーは、かつてないほど真剣で、そしてひどく張り詰めた眼差しで、銃口をゆっくりとユースケとギレーヌへと向けた。



    「……お前ら。そこをどけ。俺の狙いは、ユースケと隻眼の女だ」


    低く、押し殺したような声。


    「おい……冗談だろ、ボビー! 何の真似だ!」


    ユースケが叫ぶが、ボビーの指は引き金から離れない。


    「何故こんなことをするんだ、ボビー! 目を覚ませ!」


    谷垣が一歩前に出て、弟分に向かって吠えた。力丸も拳銃を構えたまま、鋭い視線を向ける。


    「……全部、新藤組(アンタら)を守るためだよッ!!」


    ボビーが、血を吐くような悲痛な声で怒鳴り返した。

  • 27ポチェモブ26/03/16(月) 00:03:19

    「銀狼のネットカフェに転がり込む前だ。万魔殿のチンピラどもとドンパチやってた時、俺はあのイカれた小娘(花火)と接触した……!」


    (このスレの>>82辺りからの出来事を想定してるらしいよ)


    "バトロワ"をやりますスピンオフ TOUGH2外伝 DARK BOND 第二章 その3|あにまん掲示板(マストモの画像少なす)ぎぃ〜っ中途半端に終わった前スレは自由に暴れさせてもらうぜっhttps://bbs.animanch.com/board/6385877/bbs.animanch.com

    ボビーはバルカンの銃身を震わせながら、後悔と決意の入り混じった顔で語り始めた。


    「あいつは言ったんだ。新藤組の連中を生かしておいてほしけりゃ、スパイになって樋口や大道寺の人間を始末しろってな……! さもなきゃ、万魔殿と闘神の総力を使って、アンタや神楽耶、新藤組のシマを根絶やしにするって脅されたんだよ!」


    「……ボビー。お前……」


    谷垣の顔が歪む。


    「俺は、頭が良くねえ。小難しいことも分からねえ……。だが、俺に『家族』と『居場所』をくれたのは、組長と谷垣のアニキ、神楽耶だけなんだよ!」


    ボビーの目から、ボロボロと大粒の涙が零れ落ちた。


    「頼むから、どいてくれッ……! ここでユースケを始末すれば、花火の野郎は新藤組には手を出さねえって約束したんだ! 俺の唯一の居場所を守るために、こいつらには死んでもらうしかねえんだよ!!」


    家族を守るための、血の滲むような裏切り。

    その必死の訴えに、ユースケは何も言えずに唇を噛んだ。

  • 28ポチェモブ26/03/16(月) 00:06:09

    だが。


    「……断る」


    力丸は、ボビーの銃口を前にしても、一歩も引かなかった。

    「組長……ッ! なんで……!」


    「お前が俺たちを想う気持ちは痛いほど分かった。……だがな、ボビー。ユースケは、もう俺たちと同じ杯を交わしたも同然の『仲間』だ。……家族を守るために、別の家族を売り飛ばすような外道を、俺は絶対に許さねえ」


    力丸の静かで、しかし揺るぎない極道の仁義。

    そして。


    「……ボビー。お前のその真っ直ぐな想い、俺の胸に猛烈に勃起して伝わったぞ」


    谷垣がマチェーテを両手で力強く握り直し、ゆっくりとボビーの正面へと進み出た。


    「だが、お前は道を間違えた。……弟分の過ちを、命懸けで真っ向から正してやるのが、兄貴の役目だ!!」


    谷垣が重心を落とし、先頭に立って刃を構える。

  • 29ポチェモブ26/03/16(月) 00:10:10

    「なんで……! なんで分かってくれねえんだよ、アニキィィィィッ!!」


    ボビーは子供のように慟哭を上げ、涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、最も愛する家族たちへ向けて、ついにバルカンの引き金を引いた。



    ギュイィィィィィンッ……ガロロロロロロロロロロロロロロロロロッ!!!


    毎分数千発の凶弾が、火を噴いて解き放たれる中、谷垣は飛び上がりマチェーテで切りかかった!!



    Yakuza 0 OST - 37 For Buddy

    関東道城会系新藤組 若頭補佐

    バルカン・ボビー

  • 30ポチェモブ26/03/16(月) 00:13:42

    (思いの外時間が掛かってこのままだと四章終わるの1時過ぎくらいになりそうだな…流石に見てるマネモブも少ないから明日?の夜にしたほうがええんかな…)

  • 31二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 00:16:22

    ポチェモブがやりたいようにやれば良いと思うのん
    ワシめっちゃストーリー読めるだけで嬉しいし

  • 32ポチェモブ26/03/16(月) 00:18:22

    わ、わかりました…今日はここで中断します。
    タフ2の更新もあるからバロックの語録も追加できるしなヌッ

  • 33二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 00:21:04

    >>32

    オツカレーッ

    今日も面白い展開を見せてくれて

  • 34二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 00:46:52

    オツカレーッ さっき最新話見たけどまた何枚かバロックの素材を得られそうだったッスね

  • 35心配症の周師匠26/03/16(月) 01:11:38

    オツカレーッ 今追いついたのん…
    バロック…糞
    ボビーの裏切りと理由には悲哀を感じますね…

  • 36二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 02:03:19

    オツカレーッ

  • 37二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 03:31:53

    そういや今アマプラで龍が如くのドラマやってるけどポチェモブ的にはどうなのか教えてくれよ

  • 38二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 08:40:39

    ボビーに悲しき現在…

  • 39二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 08:47:50

    一度場所を失った者の悲哀を感じますね…

  • 40ポチェモブ26/03/16(月) 17:16:33

    保守兼感想あざーすガシッ

    今夜も22:30くらいに再開できそうッス


    >>33

    ハドジ感想うれしーよ消えるな。



    >>37

    日本統一とのコラボの奴は俺…結構好きだぜ。

    まぁVシネベースだからどうしても低予算感があるからそれを許せる人向けにバランスは取れてるんだけどね。


    進兄さんがやってる方の話はするな、ワシはめちゃくちゃ機嫌が悪いんや。

  • 41ポチェモブ26/03/16(月) 22:33:32

    再開するのん。

    よく考えたら4章にサブストーリーを入れる間がなかったと気づいたのが俺なんだよね


    ガロロロロロロロロロロロロロロッ!!!


    バルカン砲から吐き出される、毎分数千発という圧倒的な死の暴風雨。

    薄暗い実験場が、オレンジ色の強烈なマズルフラッシュに照らし出される。


    「……ハッ!!」


    その凶弾の雨の前にただ一人立ちはだかったのは、衛藤可奈美だった。

    彼女は極限まで集中力を高め、神速の太刀筋で迫り来る重機関銃の弾丸を次々と弾き落としていく。


    刃と弾丸が激突する甲高い金属音が連続して響き、火花が吹雪のように舞い散る。


    「くッ……重い……! でも、絶対に抜かせませんッ!」


    さしもの可奈美も、その常軌を逸した連射速度と威力に顔をしかめ、足が後ろへとズルズルと押し込まれていく。

  • 42ポチェモブ26/03/16(月) 22:39:13

    「恩に着る! ……ユースケ、ギレーヌ! 肩を貸す、立つんだ!」


    可奈美が稼ぎ出した数秒の猶予。その隙に、新藤力丸が満身創痍のユースケとギレーヌの腕を首に回し、強引に立ち上がらせて出口の方へと引っ張っていく。


    「行かせるかよ……組長ォッ!!」


    涙で顔を濡らしたボビーが、重い銃身を力丸たちの方へ強引に振り向けようとした。


    だが、その死角から、弾かれたように飛び出した巨躯があった。

    谷垣源次郎だ。


    「……目を覚ませ、ボビーッ!!」


    谷垣はマチェーテを投げ捨て、一切の防御を捨てた決死のタックルでボビーの懐へと飛び込んだ。

  • 43ポチェモブ26/03/16(月) 22:43:38

    「ガハッ!?」


    凄まじい体当たりを食らい、ボビーの手からバルカンが滑り落ちる。二人の巨漢はもつれ合うようにして、冷たいコンクリートの床を激しく転がった。


    「邪魔すんじゃねえ、アニキィ!!」


    「俺は……お前の兄貴だからこそ、ここで止めるんだよッ!!」


    銃を失ったボビーが、丸太のような豪腕で谷垣の顔面を殴りつける。

    谷垣も一切避けることなくそれを受け止め、自らの拳を弟分の頬へと全力で叩き返した。


    ゴスッ! ドガッ! という、骨と肉がぶつかり合う生々しく泥臭い音が響く。


    極道の若頭補佐と、寡黙なマタギ。技術も何もない、ただ己の魂をぶつけ合うだけの壮絶な殴り合いが始まった。

  • 44ポチェモブ26/03/16(月) 22:47:35

    一方、出口へと向かおうとする力丸とマコト、そして傷ついたユースケたちの前に、無数の『量産型トダー』が立ちはだかった。


    ボビーへの射線を気にする必要がなくなった機械の怪物たちが、一斉に赤い単眼を光らせて襲いかかってくる。



    「チッ……! ここまでか」


    力丸が拳銃を構え直すが、弾数は限られている。

    その時、マコトのポケットに入っていた通信機から、銀狼の呆れたような声が響いた。


    『……ちょっとマコト、何棒立ちしてんの。さっさとチート使わないとゲームオーバーだよ』


    「ギ、銀狼!? チートだと……何のことだ!」


    『アジトを出る前に、私の「特製USBチップ」を渡したでしょ。それを、どれでもいいからトダーの端子にぶち込んで。 フルアクセス権限を奪うから』

  • 45二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 22:50:13

    >>44

    ま…まさか… 乗っ取っり多勢に無勢…?

  • 46ポチェモブ26/03/16(月) 22:51:21

    「ヒィッ!? こ、このマコト様に、あの鉄のバケモノに触れと言うのか!」


    マコトはガチガチと歯の根を鳴らして怯えたが……目の前でボビーが泣きながら戦い、ユースケたちが血を流している光景を見て、ギリッと唇を噛み締めた。



    「……ええい、やってやる! 私は万魔殿の議長だぞ、舐めるなァッ!!」


    マコトは半ばヤケクソで叫びながら、こちらへ歩み寄ってきた一体のトダーの足元へ、スライディングで滑り込んだ。


    トダーの巨大な拳がマコトの頭上を掠める。その一瞬の隙を突き、マコトはトダーの脚部装甲の隙間にあるアクセスポートへ、銀狼のチップを思い切り突き刺した。


    『オッケー、ログイン完了。……さあ、コントロール権、頂きっ!』


    銀狼のタイピング音と共に、チップを刺されたトダーの単眼が赤から『青』へと変わった。

  • 47ポチェモブ26/03/16(月) 22:54:05

    「アガガ……フレンドリィ・ファイア、キョカ……ヤンケ!」


    青い目のトダーは突然反転すると、隣にいた別のトダーの顔面を豪快に殴り飛ばした。


    「よしっ… デカの姉ちゃん、そいつは味方だ…! 一気に崩せ!」


    ユースケが血まみれの顔で笑う。


    「はいっ! 行きますよ、銀狼トダーさん!」


    銀狼の遠隔操作による青いトダーの規格外のパワーと、可奈美の神速の剣戟。


    思いがけない味方を得たことで、量産型トダーの群れは次々と破壊されていった。

  • 48ポチェモブ26/03/16(月) 22:56:10

    ――そして。

    激戦の傍らで、谷垣とボビーの泥臭い殴り合いも、ついに限界を迎えようとしていた。



    「ハァ……ハァ……ッ! なんで……なんで分かってくれねえんだよ!」


    ボビーの拳はすでにひどく腫れ上がり、その威力はすっかり落ちていた。それでも彼は、涙と血で顔をぐしゃぐしゃにしながら、ふらつく足で谷垣に向かっていく。


    「俺は……組長やアンタたちと……ずっと一緒に……!」


    「……ああ。分かってる。お前のその不器用で真っ直ぐな想い、痛いほど伝わってきたぞ」


    谷垣の顔も無数に腫れ上がり、口の端から血を流していた。

    だが、その瞳に宿る熱い光は、少しも揺らいでいなかった。


    「お前は過ちを犯した! 家族を守るためとはいえ、別の誰かを犠牲にするやり方は間違っている!」


    谷垣は、力なく放たれたボビーの拳をガシリと正面から受け止めた。

  • 49ポチェモブ26/03/16(月) 22:57:58

    「だがな、ボビー……! 生きてさえいれば、何度でもやり直せるんだ! 過去の過ちを背負い、俺たちと共にもう一度、命の輝きを燃やせばいい!」


    「アニ、キ……ッ」


    「お前は俺たちの家族だ! 絶対に見捨てたりはしない! ……だから、俺たちの元へ戻ってこい、ボビーッ!!」


    谷垣の魂の叫びと共に、ありったけの愛と、猛烈に勃起した命の輝きを乗せた渾身の右ストレートが、ボビーの顎を打ち抜いた。



    ドゴォォォォンッ!!



    「あ……ぁ……」


    その一撃は、ボビーの肉体ではなく、彼を縛り付けていた恐怖と後悔の鎖を断ち切った。

  • 50ポチェモブ26/03/16(月) 22:59:28

    巨体がゆっくりと傾き、ボビーはそのまま仰向けにコンクリートの床へと倒れ込んだ。


    高い天井の冷たい光を見上げながら。

    ボビーの目から、最後の涙がツーッとこぼれ落ちた。


    「……俺の、負けだ……。すまねぇ……アニキ……組長……ッ」


    極道の若き組長・力丸が静かに見守る中。

    家族を守るために修羅となったバルカン・ボビーは、兄貴分の熱い拳の前に、ついにその過ちを認め、完全に崩れ落ちたのだった。

  • 51ポチェモブ26/03/16(月) 23:04:00

    「一度外に出るぞ!またこのポンコツ達に囲まれたら終わりだ!」


    傷ついたユースケとギレーヌに肩を貸し、改心したボビーと共にトダーの残骸を乗り越え、一行はようやく巨大工場の外へと脱出した。


    外の冷たい夜風を肺に吸い込んだ瞬間。

    バババババババッ!!

    頭上から、強烈なダウンウォッシュと轟音が彼らを襲った。


    「……ッ! 上だ!」


    力丸が目を細めて夜空を見上げる。


    工場の屋上から飛び立ち、夜空でホバリングしている一機の黒いヘリコプター。開け放たれたスライドドアの奥で、近藤バロック陽介とルアン・メェイが冷ややかに一行を見下ろしていた。


    そして、身を乗り出した花火が、口元に手を当ててケラケラと嘲笑う。


    「アハハハッ! あーあ、ボビーのおじさん、結局いい子ちゃんに戻っちゃったんだ! せっかく花火が楽しい舞台の主役にしてあげたのに、つまんないの」

  • 52ポチェモブ26/03/16(月) 23:07:08

    「……あの野郎ッ!」


    谷垣が背中に背負っていた村田銃(猟銃)を構え、力丸も即座に拳銃の銃口を上空のヘリへと向ける。(そう言えば谷垣やっと猟銃使ったな…)


    「逃がすかよ……ここで叩き落としてやる!」


    二人が引き金に指をかけた、まさにその一瞬だった。


    ――シュッ!!

    上空のヘリから、一本のワイヤーと共に黒い影が音もなく飛び降りてきた。



    「な……!?」

    ドスッ! という重い着地音と同時に、黒いレインコートの人物が、常軌を逸した速度で力丸と谷垣の懐へと潜り込む。


    鋼鉄の丸太のような蹴りが力丸の拳銃を弾き飛ばし、続く恐るべき威力の掌底が谷垣の鳩尾を正確に打ち抜いた。


    「ガハッ……!?」

    「くそッ……バケモノが……!」


    一瞬にして二人の強力な戦力を無力化する、圧倒的な制圧力。

  • 53ポチェモブ26/03/16(月) 23:09:43

    「新藤さん! 谷垣さん!」


    衛藤可奈美が悲鳴のような声を上げ、仲間を守るためにその黒い影へと立ち向かった。


    「コーンブルメ課長の仇ッ!!」


    怒りと悲しみをすべて乗せた、神速の一閃。


    黒いレインコートの人物はそれを素手で受け止めようとしたが、可奈美の捨て身の剣気はそれをわずかに上回り――鋭い刃が、深く被せられたレインコートのフードを真っ二つに切り裂いた。


    バサリ、と黒い布が夜風に舞う。

    そして、冷たい月明かりの下に、ついに『その顔』が露わになった。

  • 54二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:12:09

    誰なんだ

  • 55ポチェモブ26/03/16(月) 23:14:11

    「え……?」


    可奈美の動きが、完全に凍りついた。


    カランッ……。その手から、大切に握りしめていた日本刀が力なく滑り落ち、アスファルトに乾いた音を立てる。


    そこに立っていたのは。







    かつて共に正義を志し、幾度となく自分の盾となってくれた、頼れる先輩捜査官。


    亜門鋼太朗だった。

  • 56ポチェモブ26/03/16(月) 23:16:01

    「亜門……さん……? 嘘、どうして……あなたが……」


    可奈美の顔は蒼白になり、絶望と混乱で震え上がった。


    亜門は無表情のまま、刃の掠めた頬から一筋の血を流し、冷たく言い放った。


    「……俺は言ったはずだ。お前はもう、この件に関わるなと」

  • 57ポチェモブ26/03/16(月) 23:18:47

    「……ハァ、ハァ……。やっぱり、テメェかよ……!」


    満身創痍のユースケが、膝をつきながら憎悪に満ちた目で亜門を睨みつける。


    「俺の弟を殺し、亜仁満町を燃やした……黒いレインコートの殺人鬼は、警察の犬だったってわけだ……ッ!」


    「待って……待ってください!」


    可奈美が泣き叫ぶように首を横に振る。


    「課長が撃たれたあの時……亜門さんは、私の直ぐ側にいたじゃないですか! あなたが課長を撃てるはずがないのにッ!」


    その言葉に、ギレーヌが血を吐きながらも隻眼を細め、空のヘリを睨みつけた。


    「……フン。簡単なことだ。演技と銃の扱いが得意な、あのイカれた小娘がいればな」

  • 58ポチェモブ26/03/16(月) 23:21:23

    『アハハッ! ピンポーン! 大正解!』


    ヘリの上から、花火が腹を抱えて爆笑した。


    『コーンブルメちゃんを撃ったのは、変装したこの花火だよ! それ以外の汚れ仕事……樋口マストモくんの始末も、亜仁満町への放火も、ぜーんぶそこの「亜門くん」がやってくれたの!』


    「そんな……なぜ!? なぜバロックなんかに手を貸すんですか、亜門さん!」


    可奈美の悲痛な叫びが夜空に響く。

    だが、亜門は一切の感情を顔に出さず、ただ静かに振り返った。


    「……俺には、俺の『歪み』を正すための、絶対に譲れない正義がある。それだけだ」


    冷酷な決別。亜門はそれだけを言い残すと、ヘリから降ろされたワイヤーを掴み、機体へと引き上げられていった。

  • 59二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:22:49

    【ワシのコメント】

  • 60二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:23:34

    えっ

  • 61ポチェモブ26/03/16(月) 23:23:55

    『……実に美しい愛憎劇でした』


    バロックが、ヘリに備え付けられた重機関銃のグリップを握りしめ、下劣に笑う。


    『ですが、そろそろ終演の時間です。……君たちは全員、ここで肉塊となって消えなさい』


    チャキッ、と無慈悲な銃口が、身動きの取れないユースケたちへと向けられた。


    (……ここまで…なのか…?)

  • 62ポチェモブ26/03/16(月) 23:26:33

    誰もが死を覚悟した、その瞬間。



    「……俺の家族に……手ェ出させてたまるかァァァァァッ!!」


    ギュイィィィィィンッ!! ガロロロロロロロロロロロロッ!!!


    轟音と共に、一人の巨漢が進み出た。バルカン・ボビーだ。


    彼は、自身が持つ最大の火力を、上空のヘリコプターへ向けて一切の容赦なく乱射したのだ。


    「チィ… あの馬鹿が!」


    バロックが舌打ちをし、重機関銃の引き金を引く。


    ドドドドドドドドッ!!


    バロックの放った大口径の弾丸が、ボビーの巨体を容赦なく打ち抜いていく。


    「ガハァッ……!! ぐあぁぁッ……!」


    腹を、肩を、太腿を。


    致命傷となる一撃を何度もその身に受けながらも、ボビーは一歩も引かず、血の泡を吹きながらバルカンの引き金を引き続けた。

  • 63二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:27:20
  • 64二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:27:34

    う あ あ あ あ あ あ あ あ(PC書き文字)

  • 65二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:27:43
  • 66ポチェモブ26/03/16(月) 23:30:36

    彼の背中の後ろには、新藤組という『家族』が、そしてユースケたちがいる。自分が倒れれば、全員が死ぬ。


    「俺は…俺はバルカンボビーだッ…! 俺の家族を死なせたら…、俺が何のために生きてるのか分からねぇだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!!」


    「ボビィィィィィィィッ!!」


    谷垣が血を吐くような悲鳴を上げる。


    ボビーの決死の猛射により、ヘリの装甲が次々と弾け飛び、火を噴き始めた。


    『……これ以上の被弾は墜落の危険があります! バロックさん、撤退を!』


    ルアンが警告を発し、バロックは忌々しそうに機銃から手を離した。


    『……命拾いしましたね、野蛮人ども!』


    黒いヘリコプターは高度を上げ、夜の闇の彼方へと逃げるように飛び去っていった。

  • 67ポチェモブ26/03/16(月) 23:33:03

    ローターの音が完全に遠ざかり、静寂が訪れる。


    「……へ……へへっ……」


    撃ち尽くされたバルカン砲が、カラン、と地面に転がり落ちた。


    全身からおびただしい血を流し、文字通り蜂の巣にされたバルカン・ボビーの巨体が、ゆっくりと、大木が倒れるように後ろへと傾いていく。


    「ボビーッ!!」


    ユースケの、そして力丸と谷垣の悲痛な叫び声が、冷たい夜の闇に吸い込まれていった。

  • 68ポチェモブ26/03/16(月) 23:36:24

    焦げた硝煙と、むせ返るような血の匂い。


    冷たい夜風が吹き抜けるトダー製造工場の外で、谷垣源次郎は崩れ落ちた巨大な身体を必死に抱き抱えていた。


    「ボビーッ!! おい、ボビー! しっかりしろ、目を開けろッ!!」


    谷垣の太い腕の中。バルカン・ボビーの肉体は、バロックの放った重機関銃の凶弾を無数に浴び、誰がどう見てもすでに致命傷を負っていた。赤黒い血が止めどなくアスファルトを濡らし、命の灯火が今にも消えかかっているのは明らかだった。


    Human - Someya Takumi


  • 69ポチェモブ26/03/16(月) 23:38:45

    「……ハァ……ゲホッ……」


    口からおびただしい血の泡を吐き出しながら、ボビーはゆっくりと重い瞼を開けた。


    そして、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった谷垣の顔と、その横で膝をつく力丸を見て、いつものように不敵に、そして弱々しく口角を上げた。


    「……へっ。……あんだけガトリングをぶっ放したんだぜ……そりゃあ、ヘリの一つくらい……撃退できるだろ……」



    「馬鹿野郎……! 喋るな、今すぐ手当てを……!」


    力丸が震える手でボビーの傷口を押さえる。常に冷静沈着なインテリヤクザの顔は完全に崩れ去り、その瞳からはボロボロと大粒の涙が零れ落ちていた。


    「死ぬな……死ぬんじゃねえぞ、ボビー!!」

  • 70ポチェモブ26/03/16(月) 23:41:05

    「組長……谷垣のアニキ……。もう、いいんだ……」


    ボビーは、傷口を押さえる力丸の血まみれの手の上に、自らの大きく分厚い手をそっと重ねた。



    「俺はよ……あの『ハイパー・バトル』の狂ったどん底で、いつ野垂れ死んでもおかしくねえ屑だった……。誰も俺のことなんか見ちゃいなかった……。そんな俺を拾って……居場所をくれた新藤組は……俺のすべてだったんだ。この命に代えても、守りたかった……」


    ボビーの瞳から、一筋の透き通った涙がこぼれ落ちた。


    「ユースケたちを身代わりにしてまで得られる平穏なんて……アンタやアニキが、望んでるはずがねえのにな……。結局俺は……自分が一人ぼっちになりたくないっていう、自分のためだけに……大事な組を裏切るような真似を、しちまった……」

  • 71ポチェモブ26/03/16(月) 23:43:34

    「もういい! もう喋るなッ!」


    谷垣がボビーの身体を強く抱きしめ、夜空に向かって慟哭した。


    「……でもよ。そんな馬鹿な俺でも……最後の最後は、組のために……家族のために命を張れて……よかったぜ……」


    「誰も恨んじゃいねえよ……ッ!」


    力丸が、嗚咽を漏らしながら首を横に振る。


    「お前は俺たちの家族だ……! 大切な、弟分だろうが……ッ!!」


    「そうだ……! お前がどれだけ道を外れようと、俺はお前のすべてを許す……! だから死ぬな、ボビー…!」

  • 72ポチェモブ26/03/16(月) 23:45:53

    満身創痍の身体を引きずり、二人の傍らに立ったユースケも、静かに、しかし力強く頷いた。


    「……俺自身にも責任がある。お前をあんな狂った選択に追い込んじまったのは、俺たちがバロックの野郎を追い詰めきれてなかったからだ。……許すも何もねえ。お前は、立派に俺たちを守り抜いたんだぜ、ボビー」


    ユースケのその言葉を聞き、ボビーはふっと憑き物が落ちたように、安らかな顔になった。


    「ごめんな……ユースケ。……あいつらに、バロックたちに……負けんなよ……」

  • 73ポチェモブ26/03/16(月) 23:53:01

    命のぜんまいが、ゆっくりと、確実にその回転を止めていく。


    ボビーは残された僅かな力を振り絞り、愛する家族たちと仲間の顔を、もう一度だけしっかりと見つめた。


    「組長……谷垣のアニキ……ここにいねえけど……神楽耶……それに…ユースケ…」


    極道の世界で出会った、血よりも濃い絆。


    「お前達とこの町で会えて…本当に良かった…本当に…楽しかった………」


    狂気と暴力に塗れた彼の人生の中で、唯一見つけた温かい光。


    「……俺に……居場所をくれて…………絆をくれて…………ありがとう……」


    それは、今まで誰も見たことがないほど、優しく、そして穏やかな微笑みだった。

  • 74二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:55:04

    ボビー……(哀)

  • 75二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:55:04

    >>73

    シリアスなのにボビーの安らかな永眠顔でつい笑いかけたのは俺なんだよね

    殺せ… 笑いかけた蛆虫のワシを殺してくれ…

  • 76二次元好きの匿名さん26/03/16(月) 23:56:03

    ボビーが死んだあっ

  • 77ポチェモブ26/03/16(月) 23:56:57

    ボビーの大きく力強い腕が、力丸の手からゆっくりと滑り落ちる。


    「……ボビー?」


    呼んでも、もう二度と、その瞳が開くことはなかった。



    「……ボビィィィィィィィィィィィッ!!!」


    谷垣の絶叫が、冷たい夜の闇を切り裂いた。


    力丸は天を仰いで声を殺して泣き崩れ、ユースケは弟分を喪った友の悲しみを前に、ただ血の滲むほど拳を握り締めることしかできなかった。


    可奈美も、


    ギレーヌも、


    そしてマコトでさえも、


    その不器用で真っ直ぐな男の最期に、無言で涙を流していた。



    邪羽帝町の空に、悲しき月が静かに浮かんでいた。

    【第四章『ペーパー・ムーン』 完】

  • 78ポチェモブ26/03/16(月) 23:59:19

    ふー…良かった…いよいよ残すは最終章だけになった…ありがとうございました。

    あれ?サブストーリーの残り4人は?
    ごめーんまだ内海以外大雑把なストーリーしか考えてない。

  • 79二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 00:01:37

    >>78

    オツカレーッ

  • 80バトロワを継ぎすぎた者◆nYZ0za1ZFM26/03/17(火) 00:02:17

    オツカレーッ ボビー…哀
    やっぱポチェモブはキャラの料理の仕方が上手いですね……ガチでね……

    ワシじゃまずボビーの死亡シーンをこんなに情緒溢れたものには絶対できないしなヌッ

  • 81ポチェモブ26/03/17(火) 00:06:14

    >>75

    まぁ気にしないで、ワシもこれを作った時はまさかこんなシーンで使うとは思ってなかったですから。

    >>80

    あざーすガシッ

    割と序盤から谷垣かボビーどっちかを裏切り者にするか考えてたんだァ。

    ここまでドラマティックな退場劇にするつもりもなかったけど、思いの外新藤組の面々が気に入ったし恐らくこのロワ唯一の退場者だから盛大に見送らせてもらったのん

  • 82ポチェモブ26/03/17(火) 00:15:27

    あ…これは亜門を安価したモブ、もしくは東京喰種に詳しいモブが居たら聞きたい&意見を貰いたい事でやんス


    なんで正義寄りの亜門がバロックの手下になってんだよ下衆野郎っていう言葉があった時の答えなのん

    正直ここはまだGeminiに打ち込んでないから今ならいくらでも修正できるんだァ、是非意見を貰おうかァ


    閲覧は「amon」編集は「〇〇owl」(〇〇の中は東京喰種:〇〇の中に入る文字なのん)


    Writeningwritening.net
  • 83ポチェモブ26/03/17(火) 00:23:15

    あとはサブストーリー関係ッスね
    今日は寝るから答え…待ってるよ…

    ・シンクレアのサブストーリーにクローマーを登場させて良いか教えてくれよ。
    調べてたらめちゃくちゃ出したくなったんだァ、ギャグ寄りの話でも良いか教えてもらおうかァ

    ・サクヤのサブストーリーは本編完結後でもいいか教えてくれよ。
    タイミング的に本編の事件が終わったあとの後日談的な方が良い気がするんだよね。

  • 84二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 01:13:25

    オツカレーッ
    いやあめちゃくちゃ面白かったのォ ボビー…(哀)
    やっぱ話の構成力もキャラの扱いもめちゃくちゃ上手くてリラックス出来ますね
    尊敬するでっ

  • 85二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 01:29:56

    裏切った時点で嫌な予感はしてたけど…(哀)…


    >>69

    普段はネタにされてるセリフがここぞという時にかっこよく使われるのは麻薬ですね

    すっかりはまっちゃって…(哀)…

  • 86二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 08:50:22

    いやぁ最終章が楽しみやのォ
    ですねぇ

  • 87二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 12:01:59

    >>83

    いいスよ ちなみに画像はいるスか?

    今すぐ出すのは難しいスけど

  • 88二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 14:13:52

    いいキャラ捌きやな

  • 89二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 14:59:26

    亜門さんあなたに一つだけ言いたいことがあるんです…

    お前は捜査官だろ!

    https://youtube.com/shorts/5vwKfn6SDRM?si=4hpcbfpygVE9US1m

  • 90ポチェモブ26/03/17(火) 19:43:09

    今日明日はサブストーリー執筆と本編出力&推敲の為お休み頂くのんゴロンヤメロオオオ


    亜門の件も意見&コメント


    この辺りはじっくり考えて納得できるような動機を作ってやりますよククク…


    >>87

    あざーすガシッ

    出来れば3~4枚欲しいのが俺なんだよね。

    難しければワシの方で探させてもらうのん。

  • 91ポチェモブ26/03/17(火) 21:11:33

    更新がない代わりにボツ画像貼ってやるよゴアッ
    トダーのボス戦開始画像を作ろうとしたら何故か勝手にGEMINIが作った…偽トダー師匠だ。

  • 92二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 21:28:15

    じゃあ待っててね クローマーか 
    何がええんやろな…

  • 93二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 21:41:35

    >>91

    トダーの原型、何処へ⁉︎

  • 94二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 21:42:47

    >>1

    >>91

    エヴァ量産型?

  • 95二次元好きの匿名さん26/03/17(火) 23:50:34

    保守

  • 96二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 00:20:02

    >>91

    おそらくトダーがラスボスになるルートだと考えられるが…

  • 97二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 03:20:13

    保守を超えた保守

  • 98二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 10:01:55

    保守いりますか?

  • 99二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 17:22:23

    保守

  • 100二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:02:48

    とりあえずクローマーの画像持ってきたけど調べたってことは第二形態あるのを知っているってことっスよねそっちの方は要らないっスか(あとギャグ寄りでもいいっスよ)

  • 101ポチェモブ26/03/19(木) 01:02:19

    >>100


    あっ…第二形態はユースケの手に負えなさそうだから大丈夫でやんス

  • 102二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 03:17:58

    やりますスレの乱立の影響もあり反応が少なくなった時期を乗り越え気付けば一ヶ月くらいやり続けて完結が見えるところまで進めている
    そんなポチェモブを誇りに思う

  • 103二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 08:33:14

    亜門は何故こんなことを?

  • 104二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 16:06:56

    はーっ 鬼龍よ死.ねっ(保守の定型文書き文字)

  • 105二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 17:06:32

    ボビーの扱い見事やな

  • 106ポチェモブ26/03/19(木) 17:33:21

    保守あざーすガシッ

    不思議やな、最初は割とスラスラ書けてたサブストーリーが今は中々浮かばない。

    本編のストックだけが溜まっていくのはなんでや


    まぁ今日は22:30くらいに本編を少し進めるんやけどなブヘヘ



    >>102

    いやーついに最終章まで来たのォ、ですねぇ

    (こういうコメントが本当に励みになるのが俺なんだよね)

  • 107ポチェモブ26/03/19(木) 22:29:34

    下手したらサブストーリーより先に本編が終わりそうってネタじゃなかったんですか?
    ガチだよ、もう最終決戦始まってるところまで出力出来ちゃってるよ

    まぁその合間や完結後にサブストーリーを挟めばええやろ、そろそろ本編を再開するのんゴロンヤメロオオオ

  • 108二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:30:18

    まってたのん

  • 109ポチェモブ26/03/19(木) 22:33:05

    ――血と硝煙に塗れたあの凄惨な夜から、約一週間後。


    邪羽帝(ジャワティ)町の喧騒から遠く離れた、場末の高級ホテルの最上階。

    身を潜める薄暗いスイートルームのベッドで、近藤バロック陽介はひどく泥濘んだ『過去の夢』を見ていた。


    『――兄さん! ジョセフィーノ兄さん!』


    夢の中の光景。それは十数年前、マフィアとして絶対的な権力を誇っていたアメリカの豪邸。


    若き日のバロックは、裏社会を支配し、非合法の地下格闘大会『ハイパー・バトル』という華やかな狂宴を主催する二人の偉大な兄――長兄(ドン)と次男(ジョセフィーノ)の背中に向かって、必死に手を伸ばしていた。


    『私にも、裏社会を牛耳る力がある! お飾りの仕事なんかじゃなく、兄弟三人で一緒に世界を裏から支配しましょう! 私も、あのハイパー・バトルの舞台に……!』

  • 110二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:33:16

    まあサブストは最悪完結後でいいんじゃないスか?
    Geminiがバーストせずに完結まで行けたら追加でサブスト書かせることも出来るでしょう?

  • 111ポチェモブ26/03/19(木) 22:36:45

    だが、振り返った二人の兄の目は、路傍の石ころを見るように冷酷だった。


    『……やめておけ。お前には、マフィアを束ねる器も、闘士を見極める才能もない』


    『所詮お前は、我々の「影」だ。光の当たる場所へ出てくるな。……お前はずっと、死んだように生き続ける屑でしかないんだよ』


    吐き捨てるような宣告。兄弟の縁を切り、彼を見捨てる決定的な言葉。

    重い扉が閉まり、バロックは完全に暗闇の中へと取り残された。


    場面が切り替わる。

    薄暗い部屋の中で、バロックはただ一人、ブラウン管のテレビ画面を食い入るように見つめていた。


    画面の向こうでは、数万人の熱狂に包まれた『ハイパー・バトル』の決勝戦が行われている。己の肉体と命を懸けて戦う、眩いばかりの格闘家たち。


    『……なぜだ。なぜ、私だけが認められない?』


    テレビの光に照らされたバロックの顔は、嫉妬と憎悪で醜く歪んでいた。


    『なぜ私だけが、あの華やかな舞台にいない! なぜあいつらばかりが、光を浴びて称賛されるんだ……! 許さない……絶対に、壊してやる……ッ!』

  • 112二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:39:35

    なんか…これはオリジナルとは言えタフ世界の三兄弟の関係は色々拗れてる上に悲惨じゃない?

  • 113ポチェモブ26/03/19(木) 22:40:46

    「……ハァッ……!」


    バロックはシーツを強く握りしめ、脂汗を浮かべて弾かれたように目を覚ました。

    高級ホテルの天井。不快な耳鳴りが、それがただの過去の亡霊(夢)であることを告げている。


    「……悪夢ですか? 呼吸と心拍数が、ひどく乱れていますよ」


    部屋の隅、ノートパソコンの青白い光に照らされたルアン・メェイが、キーボードを叩く手を止めずに冷ややかに言い放った。


    「ルーちゃん、バロックさんったら寝言でうなされてたよね?『私を認めてぇー!』って、すっごく惨めな声でね!」


    窓際のソファで逆立ちをして遊んでいた花火が、ケラケラと腹を抱えて嘲笑う。


    「……黙りなさい」


    バロックは乱れたウェーブのかかった髪をかき上げ、ベッドから降りた。慇懃無礼な態度は崩さないものの、その目には先ほどの夢の余韻――暗く冷たい怒りが渦巻いている。


    >>110

    ワシもそれは考えたんだァ、内海の奴は自分で書けそうだからそれ以外は出来たらそうするかもしれないのん

  • 114ポチェモブ26/03/19(木) 22:45:10

    「そんなことより、今後の話です。万魔殿(パンデモニウム)は事実上崩壊、トダーの工場も失いました」


    ルアンが淡々と報告する。


    「ですが、あの夜の樋口ユースケやギレーヌとの戦闘データ、そしてNTSの臨床データは十分に回収できました。……これ以上ここに留まるのは無意味です。日本の警察が完全に証拠を固めて動く前に、米国へ飛ぶべきです。スポンサーたちもそれを望んでいる」


    「そーそー! 日本の警察もウロウロしてて息苦しいし、早くアメリカに行って、もっともっとド派手な花火を打ち上げようよ!」


    花火がベッドの上にふわりと着地し、バロックの顔を覗き込む。


    だが。

    バロックは狂気を孕んだ瞳でゆっくりと首を横に振り、三日月のようにおぞましい笑みを浮かべた。


    「……ええ。米国には飛びます。ですが……その前に、一つだけやり残したことがあります」


    「やり残したこと?」


    「この日本の格闘界、ひいては……私が作り上げた『闘神』そのものを、完全に、そして最悪な形で壊してやりたいのですよ」


    バロックの口から、彼が抱き続けてきた格闘家へのドス黒い怨嗟が漏れ出す。

  • 115ポチェモブ26/03/19(木) 22:50:50

    「……三日後です。邪羽帝町の巨大アリーナ『ジャワティ・アリーナ』にて、闘神ライト級のタイトルマッチを緊急開催します。私がCEOとして主催する、最後の興行です」


    「ほう。……カードは?」


    ルアンが興味なさそうに尋ねる。(ルアン…なんでそないにそっけないねん!)



    「現チャンピオンの緒方に挑むのは……あの樋口ユースケやギレーヌとも関わりのある、不遇の若手ファイター『内海コージ』君です」



    バロックは自らの胸に手を当て、芝居がかった手つきで高らかに宣言した。


    「強さに飢え、現状に不満を抱く内海君には……致死量を遥かに超える特別な『NTS』を打ち込みます。リングの上で限界を超えた力を引き出し、相手を破壊し……そして、何万人もの観客と生中継のカメラの前で、彼自身も薬の副作用で血を吹き出して死に至る」

  • 116ポチェモブ26/03/19(木) 22:54:00

    「……なるほど」

    ルアンが僅かに目を細める。


    「人気絶頂の格闘団体での、薬物による凄惨な公開死亡事故。……『闘神』というブランドは地に落ち、日本の格闘界そのものに永遠に消えない致命的な『遺恨』を残すことになりますね」


    「アハハハッ! なにそれ、最悪ゥ!! 今までで一番のバッドエンドじゃん!」


    花火が嬉々として両手を叩く。


    「ええ。光の当たる舞台で華々しく戦う野蛮人どもには、これ以上ない相応しい末路でしょう」


    バロックは窓辺に立ち、夜明け前の邪羽帝町を見下ろしながら、腹の底から湧き上がるような下劣な笑い声を響かせた。

  • 117二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:54:43

    しかしバロックCEOの怨嗟による全てへの復讐の巻き添えになるとは思わなかったな内海

  • 118二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:55:16

    しかしキツい再登場だったな内海
    はい いつの間にか闇フィクになんかお変ク打ち込まれて殺されそうになってるのがなかなか苦しかった

  • 119二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:56:39

    しかしまぁでも流れ的に荼毘に伏す事は多分ないから安心していいぞ内海

  • 120ポチェモブ26/03/19(木) 22:59:00

    抜けるような青空の下、関東の郊外にある静かな霊園。


    新藤力丸の亡き父が眠る立派な墓のすぐ隣に、真新しい、しかし飾り気のない簡素な墓石が建てられていた。


    「……ボビー。お前が好きだった酒だ、たっぷり飲んでくれ」


    ユースケが墓石に上質な酒をドボドボと振りかけ、谷垣が不器用な手つきで真新しい花を供える。


    バルカン・ボビーの葬儀は、身内だけで静かに行われた。

    新藤組の家族として命を張った彼の死に顔は、戦いの熾烈さを物語る無数の傷に覆われながらも、ひどく穏やかだった。

  • 121ポチェモブ26/03/19(木) 23:02:18

    「わたくしは……新藤組の女として、決して泣き言は言いません。彼が命を懸けて守ってくれたこの居場所を、わたくしは誇りに……誇りに、思って……」


    気丈に振る舞い、真っ直ぐに墓石を見つめていた皇神楽耶だったが、紡ぐ言葉は次第に震え、ついにその大粒の涙が頬を伝ってこぼれ落ちた。


    「うぅ……っ、ボビーさん……っ!」


    「……無理するな、神楽耶。今日だけは、あいつのために泣いてやってくれ。ボビーも、お前の涙なら喜んで受け取るはずだ」


    力丸がそっと神楽耶の肩を抱き寄せ、静かに慰める。


    「神楽耶。……ボビーの猛烈に勃起した命の輝きは、決して消えはしない。俺たちのこの胸の奥で、永遠に熱く脈打ち続けるんだ」


    谷垣もまた、真っ赤に腫らした目で天を仰ぎ、弟分が遺した熱い魂を反芻していた。

  • 122ポチェモブ26/03/19(木) 23:05:47

    「見てろよボビー。てめぇを利用し、コケにしたあの馬鹿共には……必ず俺が落とし前をつけさせてやるからな」


    ユースケは墓前に手を合わせ、ギリッと奥歯を噛み鳴らして闘志を燃やした。


    そこへ、砂利を踏む音と共に、黒のスーツに身を包んだ桐生一馬と、タブレットを抱えた銀狼が歩み寄ってきた。


    「……ユースケ。弔いの最中にすまねえが、少し話がある」


    桐生が静かに口を開く。


    「バロックの正体が、完全に裏取りできたよ」


    銀狼がガムを膨らませ、タブレットの画面をユースケたちに向けた。

  • 123二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:08:28

    裏切っとして愛されてたんすね

  • 124ポチェモブ26/03/19(木) 23:10:05

    「バロックの野郎が昔の写真を隠しきれてなかったのは甘かったね。……奴の本名は『ジョージ・"バロック"・ガンビーノ』。あのドンとジョセフィーノの、血の繋がった正真正銘の三男だよ」


    「ガンビーノの、三男……!」


    力丸が眉をひそめる。


    「ああ。だが、上の二人の兄からは『マフィアを束ねる器じゃない』と完全に縁を切られ、裏社会では存在しないものとして扱われていたらしい」


    桐生の低い声が、バロックの隠された過去を語る。


    「兄たちへの強烈な劣等感と恨み……それが奴の『動機(クエスト)』ってわけ」


    銀狼が肩をすくめる。


    「だからわざわざ兄たちが主催した『ハイパー・バトル』の看板を復活させて手中に収め、兄たちが活躍させた格闘家たちをオモチャみたいに闘わせて、裏社会を支配しようと企んでるんだよ」


    家族に認められなかった哀しき男の、歪みきった復讐劇。

  • 125二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:13:59

    もしかしてこれに比べたら灘三兄弟の関係は全然まだマシなタイプ?

  • 126二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:16:21

    歪んだ兄弟愛は猿漫画みたいっす

  • 127ポチェモブ26/03/19(木) 23:17:11

    だが、その身勝手な理由を聞いたユースケの瞳には、一切の同情は浮かばなかった。


    「……くだらねえ」


    ユースケは冷たく吐き捨てた。


    「奴が兄貴たちに何を思ってようが、何を企んでいようが関係ねえ。……マストモを殺し、NTSの実験台にされて消えていったファイターたちを冒涜し、ボビーから命を奪った事実だけは変わらねえんだ」


    ユースケは両拳を強く握りしめ、その骨をバキバキと鳴らす。


    「どんなお涙頂戴の過去があろうと、あの馬鹿は俺がヒグチ流剛骨術で完全にぶっ壊す。それだけだぜ」


    揺るぎないユースケの覚悟。


    (ちなみになんでバロックの本名がジョージ?って思ったでしょ。ジョセフィーノ→ジョセフ→(承太郎は流石にアレだから)ジョージっていう連想ゲームの味よね。)

  • 128二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:20:17

    このレスは削除されています

  • 129ポチェモブ26/03/19(木) 23:21:24

    その傍らで、木陰に寄りかかっていたギレーヌが、腕を組みながら隻眼を鋭く光らせた。


    「……バロックの目的は分かった。だが解せないな。なぜ、本来は市民を守るはずの捜査官……あの亜門という男が、バロックに協力しているのだ?」


    「ああ。私も同感だ」

    アーソンも深く頷く。


    「マストモ=サン殺 害の実働、そして亜仁満町への放火。国家の番犬が、裏社会の狂った復讐劇に加担するなど、実際不自然すぎる」


    正義を重んじる亜門鋼太朗の凶行


    その最大の謎に二人が首を傾げた、まさにその時だった。

  • 130ポチェモブ26/03/19(木) 23:27:49

    「……その秘密、私が聞かせてあげるよ」


    静かな霊園に、優しく、しかしどこかくぐもった声が響いた。


    全員が振り返ると、そこには松葉杖をつき、腹部に分厚い包帯を巻いたコーンブルメの姿があった。その傍らで、衛藤可奈美が彼女の身体をしっかりと支えている。


    「コーンブルメ…! 退院にはまだ早すぎるんじゃねえのか!?」


    ユースケが驚いて駆け寄る。


    「ふふっ、心配しないで。ずっとベッドの上じゃ、みんなの足音が遠ざかっちゃうからね。それに……」


    コーンブルメはアンニュイな微笑みを浮かべつつ、その瞳には強い決意を宿していた。


    「亜門くんが、なぜあんな行動に出たのか。……私が拾い集めた彼自身の『歪み』についての情報を、みんなに伝えなくちゃいけないかなって思ってね」


    可奈美もまた、辛そうな表情を浮かべながらも、逃げずにユースケたちを見据えて深く頷いた。

  • 131ポチェモブ26/03/19(木) 23:34:27

    霊園の木漏れ日の中、松葉杖をついたコーンブルメが、ゆっくりと手元のタブレットをユースケたちに差し出した。


    「……私の耳が、警察の極秘データベースの奥底から拾い上げた『悲しい秘密』だよ」


    画面に映し出されていたのは、薄暗い地下施設のような場所。最新鋭の医療ポッドに無数の管を繋がれ、死んだように眠り続ける一人の美しい女性の姿だった。


    「この方は……?」


    神楽耶が息を呑む。


    「彼女の名前は、真戸暁(まど あきら)。……かつて殉職した亜門くんの恩師、真戸呉緒(まど くれお)の娘であり、亜門くんの大切なパートナーだった女性さ」


    コーンブルメは、痛む腹部を庇いながら、アンニュイな瞳を伏せた。


    「とある凄惨な事件で瀕死の重傷を負い、現代の医療では回復の見込みがない『植物状態』になってしまったんだ……」

  • 132ポチェモブ26/03/19(木) 23:38:05

    _______________それは、亜門鋼太朗にとって、己の魂をへし折られるほどの絶望の記憶。



    『……暁……ッ!』


    無機質な集中治療室。無機質な心電図の音だけが響く中、亜門はガラス越しに眠るパートナーの姿を見て、血の涙を流していた。


    『申し訳ありません、亜門捜査官。我々の医療技術では、彼女の命を僅かに延命させることしか……』


    医師の残酷な宣告。かつて恩師である真戸呉緒を守れなかった己の無力さが、再び亜門の心を苛む。


    『俺は……また、目の前で大切なものを失うのか……! 世界を正しくすると誓った俺の正義は、身内一人救えんというのか……ッ!』


    絶望の淵で慟哭する亜門。


    その背後の闇から、悪魔の声が囁きかけた。


    『――お労しいですね、亜門鋼太朗君』


    振り返ると、そこには『闘神』のCEO、近藤バロック陽介が立っていた。

  • 133二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:39:59

    >>132

    医師の画像が信用できねぇ奴なんスけど…いいんスかこれ

  • 134ポチェモブ26/03/19(木) 23:41:36

    『絶望するのはまだ早い。私の元には、天才科学者ルアン・メェイが独自に開発した、細胞を強制的に活性化・修復させる奇跡の医療システムがあります。……彼女を、私の施設へ移しなさい。必ず命を繋ぎ止めてみせましょう』


    『……お前は、闘神の……。何が目的だ。タダでそんな真似をするはずがないだろう』


    亜門が血走った目で睨みつける。


    『ふふっ、察しが良くて助かります』

    バロックは悪魔の契約書を差し出すように、冷たく笑った。


    『代償は一つ。警察内部のスパイとして、この邪羽帝町で起こる「NTS」および「闘神」絡みの事件の処理……つまり、我々にとって都合の悪い揉め事の『隠蔽』を行っていただきたい』


    『なッ……ふざけるな! 俺に、貴様の犬になれと言うのか! 俺は……この世界の歪みを正すために……!』


    激昂する亜門。だが、バロックは痛いところを突くように、冷酷に言葉を重ねた。

  • 135ポチェモブ26/03/19(木) 23:45:32

    『真戸呉緒……でしたか。あなたの恩師が死んだ時も、あなたはそう言って自分の無力さを呪ったのではありませんか?』


    『……ッ!』


    『ここで私を拒絶すれば、あなたの崇高な正義は守られる。ですが……その代わり、あなたはまた、病室のベッドで冷たくなっていくパートナーの死に顔を、ただ指を咥えて見ていることしかできなくなるのですよ。』


    自らの苛烈な正義と、大切なパートナーの命。


    究極の天秤を突きつけられ、亜門はギリッと血が出るほど唇を噛み締めた。


    (……俺は、もう二度と……目の前で大切な人を死なせたくない。そのためなら、この手が泥に塗れようとも……ッ!俺は…!!)


    亜門は、ついにその拳を深く握り込み、自らバロックの手駒へと堕ちることを選んでしまったのだ。

  • 136ポチェモブ26/03/19(木) 23:48:40

    「……私の盗聴網(耳)が拾えたのは、ここまでかな」


    霊園の風が、コーンブルメの髪を揺らす。


    「亜門くんは、彼女の命を繋ぎ止めるために、自分の正義を殺してバロックの手先として動くしかなかったんだよ」


    その重すぎる真実を聞き、衛藤可奈美は両手で顔を覆い、ボロボロと涙をこぼした。


    「亜門さんは……真戸さんを守れなかった後悔を、ずっと一人で背負っていた……。だから、私をコーンブルメ課長から引き離そうとしたんですね……ッ!」


    可奈美は、工場から脱出した際に亜門から投げつけられた『お前はもう関わるな』という冷たい言葉の真意を悟った。


    「自分が泥を被ってでも、後輩である私を、これ以上危険な事件から遠ざけようと……ッ!」


    「……不器用で、馬鹿な男だ」

    ギレーヌが腕を組み、静かに目を閉じた。


    「仲間の命を天秤にかけられれば、剣士の刃も容易く鈍る。……責められんな」


    重苦しい空気が霊園を包む。

  • 137ポチェモブ26/03/19(木) 23:51:09

    だが、その沈黙を打ち破ったのは、ユースケの低く力強い声だった。


    「……ハッ。なるほどな」


    ユースケは墓石に背を向け、空を見上げてニヤリと笑った。


    「課長が撃たれたあの夜。俺と亜門が黒いレインコートの野郎を追いかけた時、あいつの足取りには『追いつかせるためのような不自然さ』があった」


    ユースケの脳裏に、亜門のこれまでの不審な行動がフラッシュバックする。


    「あいつは確かに、俺たちに何かを隠してるようなツラをしてやがった。……だが、大切なパートナーのために自分の人生ごと投げ打つような真っ直ぐな馬鹿野郎が、マストモを躊躇なく殴り殺せるような『血の通ってねえ外道』だとは、到底思えねえんだよ」

  • 138二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:53:07

    ユースケもユースケで薄々勘付いてたんスね

  • 139ポチェモブ26/03/19(木) 23:53:14

    「……ユースケ」


    力丸が、ユースケの横顔を見つめる。


    「てめぇの正義も矜持も捻じ曲げて、一人で全部背負い込んでる大馬鹿野郎……。上等じゃねえか」


    ユースケは両拳を打ち鳴らし、その目に猛烈な闘志の炎を宿した。


    「あいつの真意は、俺が直接、この剛骨術の拳で叩き出してやる! バロックの野郎をぶっ飛ばす前に、まずはあのデカブツ(亜門)の目を覚まさせてやろうぜ!!」

  • 140二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:56:48

    もしかしてマストモを殴り殺した奴は別でいるかもしれないタイプ?

  • 141ポチェモブ26/03/19(木) 23:59:31

    ムフフ…今日はここまで。

    実を言うとバロックの末路はまだ明確に決めてないんだァ、ただ溜飲を下げるようなぶ…無様な場面はあるから安心して欲しいのん。


    >>140

    (後付けを超えた後付けだけどそれもアリかもな…)

  • 142二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 00:05:17

    オツカレーッ 亜門戦はクインケ出してくるかどうかで難易度変わりそうですね…ガチでね…

  • 143ポチェモブ26/03/20(金) 00:14:41

    別に読者諸君のマネモブに聞くことじゃないけど、贔屓枠兼桐生さん用のボス枠を出して良いッスか?


    いや聞いてほしいんだ…桐生さんのラストバトルが仲間と協力して野蛮人数千人っていうのはちょっと地味過ぎるかなと思ってね…

    桐生さんとタイイチ出来るボス枠を生やしたいのが俺なんだよね


    >>142

    あ…基本ワシはボス枠のキャラは全員出し惜しみさせずに能力やら技を知ってる範囲で使わせるからクインケも勿論使わせるでやんス

  • 144二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 00:37:53

    >>143

    ドリス いいよ

  • 145二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 03:00:07

    保守

  • 146二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 08:05:46

    バロックはどうなるんかのォ ですねぇ

  • 147二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 14:19:24

    >>143

    問題ないのん

  • 148二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 14:20:43

    コーンブルメ課長…貴方は神だ
    ちゃんと和解して欲しいですねマジでね…

  • 149二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 21:10:21

    保守

  • 150ポチェモブ26/03/20(金) 22:10:03

    >>144

    >>147


    恐らく如くシリーズを知ってる人ならまぁ納得できる人選にしたつもりだから、桐生さんもきっと苦戦するよ。


    それじゃあそろそろ本編を再開するのんゴロンヤメロオオオ

  • 151ポチェモブ26/03/20(金) 22:12:43

    ボビーの墓参りを終え、重い足取りで邪羽帝(ジャワティ)町へと帰るバンの中。


    重苦しい沈黙を破ったのは、ユースケのポケットの中で鳴り響いたスマートフォンの着信音だった。


    「……俺だ。どうした、マッチィ」


    ユースケが電話に出ると、スピーカーの向こうから、いつになく焦燥感を孕んだプロモーターの声が響いた。


    『ユースケくん、大変なことになったんだにゃあ……。三日後、ここ邪羽帝町の巨大アリーナ「ジャワティ・アリーナ」で、闘神のライト級タイトルマッチが急遽開催されることになったんだにゃあ』

  • 152ポチェモブ26/03/20(金) 22:16:23

    「タイトルマッチだと? こんな時期に……」


    『ああ。現チャンピオンの緒方に挑むのは……君たちもよく知っている、不遇の若手ファイター、内海コージくんだにゃあ』


    「内海が!?」


    ユースケと、隣に座っていたギレーヌが同時に声を上げた。


    『バロックの強い意向で、完全にトップダウンで組まれたカードだ。……奴の狙いは明らかだよ。内海くんに致死量の「NTS」を過剰投与させ、何万人もの観客と生中継のカメラの前で……彼を公開処刑する気だにゃあ』


    マッチィの声が、怒りと恐怖で震えている。


    『もしそんな凄惨な死亡事故が起きれば、闘神というブランドは完全に崩壊する。……日本の格闘界そのものが、再起不能のダメージを負って終わってしまうんだ。ユースケくん、ギレーヌくん……どうか、奴の狂気を止めるための対策を練ってくれないかにゃあ!』

  • 153ポチェモブ26/03/20(金) 22:20:52

    「……言われるまでもねえ」

    ユースケはギリッと奥歯を噛み鳴らした。


    「マストモの夢だった闘神のリングを、これ以上あの外道の血で汚させてたまるか。……必ず阻止してやる!」


    「ああ。闘神は戦士たちの神聖な戦場だ。バロックのくだらない復讐劇の道具にされるなど、私の剣にかけて断じて許さん!」


    ギレーヌも隻眼を鋭く光らせ、深く頷いた。


    その時、後部座席で静かに座っていた桐生一馬のスマートフォンにも、暗号化された通信が入った。


    「……俺だ、花輪。どうした」


    大道寺一派の花輪からの報告を黙って聞いていた桐生の顔つきが、スッと険しくなる。


    「……分かった。引き続き監視を頼む」

    通信を切った桐生は、車内の全員を見回して重々しく口を開いた。


    「事態はさらに悪化しているな。……今、全国から青葉連合の極道どもが、続々とこの邪羽帝町に向けて集結しているらしい」


    「青葉連合の軍勢だと!?」


    ハンドルを握る力丸が驚愕の声を上げる。

  • 154ポチェモブ26/03/20(金) 22:32:58

    「ああ。大道寺のエージェントが一部の組員をシメて吐かせた結果……三日後のタイトルマッチと『同時刻』に、邪羽帝町全体で一斉に暴動を起こせと、上から命令が下っているそうだ」


    「……なるほどな。街中でドンパチを起こして警察や俺たちの注意を引きつけ、アリーナへの足止めをする気か」


    ユースケが舌打ちをする。

    バロックの悪辣な二段構えの罠。

    街全体が火の海になりかねない絶望的な状況に、車内は再び緊迫した空気に包まれた。


    だが、その重い空気を打ち破ったのは、助手席から身を乗り出したアーソンの力強い声だった。


    「……青葉連合の相手は、私も手伝おう。」


    アーソンは右手の包帯を締め直し、闘志の炎を瞳に宿した。


    (1回文が消えかけて焦ったのが俺なんだよね)

  • 155ポチェモブ26/03/20(金) 22:36:30

    「この邪羽帝町は、行き場を失った私たちが辿り着いた、大切な第二の故郷。……それに、街をこんな狂気で満たした元凶である裏切り者、ルアン・メェイには……私の炎で必ずケジメをつけさせなければならない。」


    「アーソンの言う通りよ。これ以上、私たちの街を好き勝手にはさせないわ」


    ネイも静かに、しかし確固たる決意を込めて頷いた。


    「……キキキッ。私も混ぜろ」

    後部座席の端で縮こまっていた羽沼マコトが、鼻で笑いながら立ち上がった。


    「万魔殿という組織のトップという肩書よりも……私には、あの馬鹿な花火と正面から向き合うことの方が、ずっと大事なんだ。……お前たちに味方してやる!」


    「議長がそうおっしゃるなら、私も行きましょう」

    いつの間にかマコトの背後に控えていた藤田剛三が、丁寧にお辞儀をした。


    「一度は家族を捨てて手を汚した身……今更その罪が消えるとは思えませんが、せめて私のボスであるマコトさんのために、この柔道の技を使いますよ。」


    かつて敵対していた者たちが、次々と立ち上がる。

  • 156二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 22:39:43

    今まで拳で語り合った連中と徒党を組んで巨悪に挑む展開は熱いよねパパ

  • 157ポチェモブ26/03/20(金) 22:40:32

    そして、松葉杖をついたコーンブルメと可奈美も、静かに前に出た。


    「……亜門くんに、これ以上罪を重ねさせるわけにはいかない。彼の歪みを正し、バロックたちの罪を白日に晒すために……私たち警察も、全力を挙げて手を貸すよ」


    コーンブルメが優しく微笑み、可奈美も日本刀の柄を強く握りしめて「はいッ!私もお供します!」と力強く応えた。


    「……フッ。どいつもこいつも、頼もしいじゃねえか」

    力丸が、バックミラー越しに仲間たちの顔を見て、口角を上げた。


    「俺たち新藤組も、大事な家族であるボビーの仇討ちだ。……そして、俺たちが愛したこの下品で最高な邪羽帝町を、絶対に守り抜くぞ!」


    「……俺の猛烈に勃起した命の輝き、今度こそ爆発させてやる!!」


    谷垣が叫び、神楽耶も「わたくしたちの居場所は、わたくしたち自身で守り抜きます!」と気丈に声を張り上げた。

  • 158ポチェモブ26/03/20(金) 22:43:13

    「……へっ。上等だぜ。」

    ユースケは拳を力強く打ち合わせ、全員の顔を見回した。


    「マストモの無念、ボビーの仇、そしてこの街と闘神の未来……。全部まとめて、俺たちが背負ってやる!! 」


    バラバラだった目的が一つに重なり、仲間たちの意志が強固な絆となって結実した瞬間だった。


    決戦の舞台は、三日後のジャワティ・アリーナ。

    狂気の復讐劇を止めるため、ユースケたちの最後の戦いが幕を開けようとしていた。

  • 159ポチェモブ26/03/20(金) 22:50:39

    (本来なら3章後半で出す予定だった…アーソンとネカピンの掘り下げ話師匠だ。)


    幕間『絆エピソード:アーソン&ネイ編』


    決戦を三日後に控えた、新藤組の事務所。


    張り詰めた空気が漂う中、応接室の一角だけは、ふわりと温かいお茶の香りと穏やかな空気に包まれていた。


    「ふふっ、ネイさんもカラオケがお好きだったのですね。わたくしも、息抜きによく歌うのです」


    「ええ、神楽耶さん。……実はね、こう見えてマイクを握ると少し熱くなっちゃうタイプなの」


    ソファに並んで腰を下ろす皇神楽耶と、チャイナドレスを纏った『根花』のボス、ネイ。


    新藤組の一人娘とマフィアのボスという物騒な肩書きを持つ二人だが、カラオケ好きという意外な共通点で意気投合し、花を咲かせていた。

  • 160ポチェモブ26/03/20(金) 22:53:40

    「……もし、私が『根花』のボスとしてこの街に生まれていなかったら。……本当は、ステージの上で歌って踊る『アイドル』になりたかったの」


    ネイは湯呑みを見つめながら、どこか遠くを見るような、しみじみとした声で打ち明けた。


    「先祖代々受け継いできた組織と、あの亜仁満町……そして、社会から弾き出された行き場のない多くの人々。彼らを守るためには、そんな個人的な夢なんて、とうの昔に捨てるしかなかったわ」


    ネイはふっと自嘲気味に微笑む。


    「でもね。私が夢を諦めた代わりに……行き場のない子たちが、もう一度生きて、新しい夢を見るチャンスを与えられているのなら。……そんな今の私の人生も、決して嫌いじゃないのよ」


    自己犠牲の上に成り立つ、マフィアのボスとしての深い愛情。

  • 161ポチェモブ26/03/20(金) 22:56:23

    その言葉を聞いた神楽耶は、持っていた湯呑みをそっと置き、ネイの手を両手で優しく包み込んだ。


    「ネイさん。……誰かの居場所を守り、夢を支える。今のあなたは、どんなステージの上のアイドルよりも……眩しく輝いて見えますわ」


    「神楽耶さん……」


    「この厄介な事件がすべて終わって、街に平和が戻ったら……わたくしたちと一緒に、カラオケでアイドルを目指しましょう! デュエットなら、わたくしも自信がありますのよ?」


    神楽耶の無邪気で、しかし本気を含んだ提案に、ネイは目を丸くした後、クスクスと上品に笑い声を上げた。


    「もうっ。私なんてもう、そんなキラキラした夢を追うような歳じゃないわよ」


    「あら、年齢なんて関係ありませんわ! 夢を追うのに遅すぎるなんてこと、絶対にありません!」


    二人の美しい女性たちは、顔を見合わせて朗らかに笑い合う。

    過酷な裏社会を生き抜いてきた者同士、言葉以上に深く心が通じ合った瞬間だった。

  • 162ポチェモブ26/03/20(金) 23:00:01

    一方、その応接室の反対側。


    机の上には日本酒の瓶とスルメが散乱し、むさ苦しい男たちが車座になって酒を酌み交わしていた。


    「……でよォ。アーソン、お前はどうしてネイのとこ(根花)にいるんだ?」


    ユースケが赤くなった顔で、スルメを齧りながらアーソンに問いかける。


    「お前のそのカラテと火の力がありゃ、もっと条件のいい組織なんていくらでもあったろうに」


    「……ユースケ=サン。私はかつて、『ソウカイヤ』という別の巨大なシンジケートで働いていた」


    アーソンは勧められた杯を静かに置き、自身の過去を淡々と語り始めた。

  • 163ポチェモブ26/03/20(金) 23:04:01

    「そこでは、完全な実力主義と暴力がすべて。……私は組織に対する忠誠を誓い、仕事人間として必死に働いたが、インガオホー…結局はただの『捨て駒』として消費され、居場所を失い彷徨うことになった」


    アーソンの瞳の奥に、かつての冷酷なネオン街の記憶がよぎる。


    「そんな満身創痍の私を拾ってくれたのが……ネイ=サンであり、『根花』という組織だった。」

    アーソンは、背筋を真っ直ぐに伸ばして言葉を紡いだ。


    「根花で働き、亜仁満町の人々と触れ合ううちに……私は知ったのだ。金や恐怖、暴力や欲望だけで縛られた関係ではない……人と人との『繋がり』や、『居場所』というものの、どうしようもなく温かい手触りを」


    アーソンは、包帯を巻いた自らの右手を見つめた。


    「私がこの火を熾すのは、もはや誰かを焼き尽くすためではない。……ネイ=サンが愛したあの街を、そして私の大切な『居場所』を守り抜くため。……それだけだ。」

  • 164ポチェモブ26/03/20(金) 23:07:09

    実直で、組織と恩人への深い忠誠に満ちた言葉。


    「……うおおおおぉぉぉぉぉッ!!」


    突如、隣で静かに酒を飲んでいた谷垣が、滝のような男泣きをしながら立ち上がった。


    「アーソン……お前という男は……ッ! 過去の傷を抱えながらも、多くの人の夢や居場所を守るために、己の命の炎を燃やし続けているというのか!」


    谷垣は酒瓶を握りしめ、顔中を涙と鼻水で濡らして叫んだ。


    「お前のその気高く、義理堅い魂の輝き……! 俺の胸の奥で、今、猛烈に勃起しているッ!! お前は、最高に立派な漢だ!!」


    「た、谷垣=サン……? その、表現は実際独特だが……気持ちは、ありがたく受け取ろう。」


    困惑しつつも、アーソンは少しだけ照れたように口元を緩めた。

  • 165ポチェモブ26/03/20(金) 23:10:01

    「へっ。……そういうこった。お前、マジでいい奴じゃねえか」


    ユースケがニカッと笑い、自分の杯に波々と日本酒を注いだ。

    そして、アーソンと谷垣の杯にも酒を注ぎ、三つの杯を中央に突き出す。


    「ボビーの仇も、マストモの無念も、そしてお前らの大事な街も……全部ひっくるめて、俺たちが守り抜いてやる。……兄弟の盃、とでもいこうぜ」


    「……ああ。異存はない、ユースケ=サン、谷垣=サン」


    「応ッ!! 俺たちの勃起した絆は、誰にも砕けやしないッ!!」


    カチンッ!!


    男たちの固い決意が込められた三つの杯が、高らかに打ち鳴らされる。


    立場も生い立ちも違う彼らの中に、確かに「兄弟」と呼べるほどに太く、熱い絆が結ばれた瞬間だった。

  • 166二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 23:11:02

    >>162

    この世界にもソウカイヤあったんスね

  • 167ポチェモブ26/03/20(金) 23:15:33

    (このスレを埋める為に特別に書き下ろしてもらった…警察組と藤田の絆エピソード師匠だ。)


    幕間『絆エピソード:コーンブルメ&藤田剛三編』


    邪羽帝町の一角、銀狼がアジトとしている薄暗いネットカフェ。


    無数のモニターが青白い光を放つ中、銀狼の神速のタイピング音に混じって、コーンブルメがバロックの罪を暴くためのデータ整理を手伝っていた。可奈美やマコト、ギレーヌもその周囲で、それぞれのやり方で作戦の準備を進めている。


    ふと、自身のスマートフォンのフォルダを整理していたコーンブルメの手が止まった。


    「……見て、この写真」


    コーンブルメがくぐもった、しかしどこか懐かしむような声で画面を見せた。


    マコトや可奈美、銀狼が画面を覗き込むと、そこには少し緊張した面持ちのコーンブルメと、真面目な顔で直立する亜門、そして初々しい笑顔の可奈美の三人が写っていた。

  • 168ポチェモブ26/03/20(金) 23:18:29

    「……亜門くんがウチの捜査課に来てから、ちょうど半年経った時に撮ったものだよ」


    コーンブルメは、画面の中の不器用な後輩の顔を優しく指でなぞる。


    「最初は三人とも、どこかノイズが混じったみたいによそよそしかったけどね。……『正義』っていう共通の周波数に向けて一緒に走り続けるうちに、確かな絆が結ばれていくのを聞いたんだ。彼がバロックの命令でウチに潜入していたとしても……あの時、彼の中に響いていた『正義』の音までが嘘だったとは、私にはどうしても思えないかな」


    その温かい言葉に、可奈美の瞳が僅かに潤む。

  • 169ポチェモブ26/03/20(金) 23:22:06

    「……話は単純だ」


    壁に寄りかかっていたギレーヌが、木刀の柄を叩きながらフッと微笑んだ。


    「ならば、バロックどもをその剣で斬り伏せ、直接その亜門という男の首根っこを掴んで問いただせばいい。そうだろう?」


    「キキキッ! 全くその通りだ!」


    マコトがパイプ椅子の上で偉そうにふんぞり返り、腕を組む。


    「このマコト様も、花火というあのイカれた親友を……このまま諦めてやるつもりなど毛頭ないからな! だからわざわざこんな所まで付き合ってやっているのだ、光栄に思え!」

  • 170ポチェモブ26/03/20(金) 23:25:59

    「はいっ! 私、亜門さんには現場で何度も盾になって助けられました。だから今度は……私が亜門さんを助け出します!」


    可奈美が日本刀を胸に抱き、涙を拭って力強く宣言した。


    「……ふふっ」


    モニターに向かっていた銀狼が、呆れたように、けれどひどく楽しそうに笑みをこぼした。


    「ホント、どいつもこいつもお節介なNPCばっかり。……ま、そういう厄介で放っておけないパーティだからこそ、私も首を突っ込みたくなるんだけどね。さ、チートの準備、急ぐよ」


    薄暗いアジトの中で、女子たちの間に、決して折れることのない強固な結束が結ばれた瞬間だった。

  • 171ポチェモブ26/03/20(金) 23:28:09

    一方その頃。ネットカフェの入る雑居ビルの屋上。


    ネオンが毒々しく光る邪羽帝町の夜景を、藤田剛三はフェンス越しに一人、静かに見下ろしていた。


    カツ、カツ。

    背後から静かな足音が近づいてくる。振り返らなくとも、その重厚な気配で誰かは分かった。


    「……桐生、さん……ですか。あなたも夜風に当たりに?」


    藤田が丁寧な口調で問いかける。


    「あんたこそ、黄昏れるには似合わねえ場所だぜ」


    桐生一馬は藤田の隣に並び、ポケットに手を入れたまま街の灯りを見つめた。

  • 172ポチェモブ26/03/20(金) 23:31:23

    「ここに来るまで……私は、妻と尚矢……息子を捨てて、裏社会の金と愛人に溺れました」


    藤田は自嘲するように、自らの過去をぽつりと語り始めた。


    「ですがね。いくら大金を手に入れても、フィリピンで豪遊しても……心の底が満たされることは、決してなかったんですよ。いつの間にか無様な敗北を重ねるようになり、生きるために強い者に媚びを売るのが、当たり前になっていた」


    藤田は、かつて日本柔道界の至宝と呼ばれた己の大きな両手を見つめ、どこか晴れやかな、穏やかな顔つきになった。


    「……ですが、この前。樋口ユースケ君に全霊で挑み、あの強烈な拳を腹に食らった時……驚いたんですよ。私にもまだ、あんな風に熱く戦う力が残っていたのだと。……ずっと止まっていた私の時間が、再び動き出したような気がしたんです。動き出すのが…遅すぎたかもしれませんがね…」

    た。

  • 173二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 23:37:32

    このレスは削除されています

  • 174ポチェモブ26/03/20(金) 23:39:04

    その言葉を黙って聞いていた桐生は、過去に思いを馳せるようにゆっくりと空を見上げた。


    「……俺は、極道の世界で……愛憎や欲望に呑まれ、狂って変わっていった人間を何人も知っている」


    桐生の脳裏に、悲しき過去がフラッシュバックする。


    同じ養護施設で育ち、野心と劣等感に歪んで背中を向け合った親友・錦山彰。


    そして、絶対的な力を求め、桐生と死闘を繰り広げた強敵・峯義孝。


    「……それでも。そいつらは皆、最期の最期には自分の落とし前(ケジメ)をつけて、立派な漢として散っていった」

  • 175ポチェモブ26/03/20(金) 23:42:30

    桐生は藤田へ視線を移し、低く、力強い声で告げた。


    「……藤田。あんたの魂は、まだまだ燃やし尽くせるはずだ。その魂を燃やして、誰かのために戦えるなら……神様って奴も、あんたを見捨てはしねえさ」


    その不器用で温かい言葉に、藤田は目を丸くした後、静かに微笑んだ。


    「……フフッ。慰めなど、俗物の私には似合いませんよ。……ですが、そうですね。せめて、色々と世話になったこの邪羽帝町を……私なりの柔道で、守らせてもらいましょう」


    夜風が二人の男の間を吹き抜ける。


    過去の罪と後悔を背負いながらも、前を向いて戦うことを決めた漢たちの間に、静かで熱い絆が結ばれた。

  • 176二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 23:49:51

    いやーそろそろ最終決戦やのォ
    ですねぇ

  • 177ポチェモブ26/03/20(金) 23:51:58

    (残りを埋めるか次スレ立てるか微妙なラインだな…)


    まぁスレは家にいる内に建てるが吉やろ。

    次スレ立てて1出力分終わったら中断するのん

  • 178ポチェモブ26/03/20(金) 23:58:21

オススメ

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