"バトロワ"をやりますスピンオフ TOUGH2外伝 DARK BOND 第二章 その3

  • 1ポチェモブ26/02/28(土) 22:45:40
  • 2二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 22:48:37

    あざーす

  • 3ポチェモブ26/02/28(土) 22:51:32

    それじゃあそろそろ続きを載せるのんゴロンヤメロオオオ


    警察が密かに動き出していることなど露知らず、ユースケは白昼の邪羽帝町を足早に歩いていた。

    向かう先は、巨大格闘技団体『闘神』が直営する最新鋭のトレーニング施設だ。


    「……今日、あの近藤ってCEOが施設の視察に来るって噂だからな。運が良ければ、マストモの件やNTSについて、直接とっちめて吐かせることができるはずだぜ」

  • 4二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 22:52:23

    まってたよ

  • 5ポチェモブ26/02/28(土) 22:53:49

    施設に到着し、見学者のフリをして内部へと潜り込む。

    全面ガラス張りの広大なフロアには、最新式のトレーニング機器がずらりと並び、屈強なファイターたちが汗を流していた。マストモもかつて、ここで拳を握っていたのだろうか。


    そんな感傷に浸る間もなく、ユースケの視線はある異様な光景に釘付けになった。


    「ナンヤソレ? ソンナチュウトハンパナパンチ、マッタクキカヘンヤンケェッ!」

  • 6二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 22:55:08

    やめろトダーっ おまえが出てくるとTOUGH第二章がまた龍継ぐみたいになってしまうっ

  • 7ポチェモブ26/02/28(土) 22:56:03

    リングの一つで、複数の屈強なファイターたちを相手にスパーリングを行っている……「機械」がいた。


    鈍い銀色の装甲に身を包んだ、人型のスパーリング専用ロボットだ。滑らかなフットワークと人間顔負けのガード技術でファイターたちの打撃を的確に捌き、あまつさえ機械音声のカタコト関西弁で煽り散らしている。


    「オラオラ! ワシノステップニツイテコレルモンナラ、ツイテキテミイヤッ!」

  • 8ポチェモブ26/02/28(土) 22:58:04

    (随分と機械も進歩したもんだな……。関西弁で煽ってくるロボットたぁ悪趣味極まりねえが、あの体捌き、只者じゃねえぜ)


    『トダー』と名付けられているらしいそのロボットの性能にユースケが感心していた、その時だった。

  • 9二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:00:25

    原作だと勝てそうにないっすね

  • 10ポチェモブ26/02/28(土) 23:01:35

    「フン……手ぬるいぞ貴様ら。束になってかかってきても、その程度か」


    リングの中央で、トダーを含めた複数人のファイターたちを「素手」でたった一人で圧倒している人物がいた。

    鋭い獣の耳と尻尾を持ち、鍛え上げられた褐色の肉体を躍動させる隻眼の女剣士。

  • 11二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:03:12

    おーっわしが出したギレーヌヤンケ

  • 12ポチェモブ26/02/28(土) 23:03:16

    「ごちゃごちゃ言っているが…要するに、全員まとめて叩き伏せればいいんだな?」


    彼女が低く身を沈め、目にも留まらぬ速さで踏み込む。

    放たれた拳は、まるで目に見えない太刀筋のように空気を裂き、屈強な男たちを次々とリングのマットに沈めていく。


    「グワアッ!? ワシノソウコウガヘコンデモウタヤンケェッ!! マ、マイッタァッ!!」


    最後に残ったトダーすらも、強烈なボディブローの一撃で機能停止に追い込まれ、ガシャアンと大きな音を立ててリングに崩れ落ちた。

  • 13ポチェモブ26/02/28(土) 23:05:51

    「……あいつは」

    ユースケは目を細めた。

    あの夜、内海コージとの戦いの際に遠目で観戦していた女だ。


    (アイツ確か、闘神のライトミドル級チャンピオン……『ギレーヌ』とか言ったか。剣士みたいな出で立ちだが、素手でもあんなバケモノじみた動きをしやがるのか)


    圧倒的な暴力の渦の中心で、ギレーヌは息一つ乱さず、倒れ伏す男たちと機械のトダーを見下ろして静かに腕を組んだ。

  • 14二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:07:26

    強すぎぃ〜〜っ

  • 15ポチェモブ26/02/28(土) 23:08:16

    「……ほう。そこにいるのは、この間の男ではないか」


    ユースケが身を翻して立ち去ろうとしたその時、リングの上からギレーヌの鋭い声が飛んだ。

    彼女の隻眼が、観客席の陰にいたユースケを正確に射抜いている。


    「あの夜、内海の肩を外した剛骨術使いだろう? 貴様の顔、忘れるはずもない」

  • 16ポチェモブ26/02/28(土) 23:09:48

    (チッ……目立ちたくなかったんだがな。あの距離で気づくとは、獣人の感覚ってのは伊達じゃねえな)


    無視して逃げれば怪しまれるだけだ。ユースケは観念してため息をつくと、ポケットに手を突っ込んだまま、ゆっくりとリングサイドへ歩み寄った。


    「よく見つけたな。……ああ、俺は樋口ユースケだ。ここには『闘神』のCEO、近藤バロック陽介って野郎を探しに来たんだよ」

  • 17二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:13:37

    バロックが黒幕なんのうぉ

  • 18ポチェモブ26/02/28(土) 23:14:04

    ユースケが単刀直入に用件を告げると、ギレーヌは眉をひそめ、硬く引き締まった表情を見せた。

    「……バロックか。悪いことは言わん、あの男にはあまり近寄らん方がいい」


    「あぁ? なんでだ。何か知ってんのか?」

    「……知っていると言えば知っているし、知らないと言えば知らない。私は政治や裏工作のような小難しい話は好かん。だが、あの男の周りには常にきな臭い死の匂いが漂っていることくらい、鼻が利く」


    >>9

    (今回の最初に安価で来た面子はギリギリユースケでも勝てるか…?っていう強さだから感謝してルと申します。)

  • 19ポチェモブ26/02/28(土) 23:16:17

    ギレーヌは腕を組み、ユースケを見下ろす。

    「だが、タダで教える義理もないな。……貴様、内海を倒したその腕、私の前でもう一度見せてみろ」


    「はあ? 今から手合わせ願いたいってか? 冗談じゃねえ、俺は忙しいんだ」


    「断れば、貴様がここに来たことを大声で喧伝することになるが?」

    ニヤリと好戦的な笑みを浮かべるギレーヌ。どうやら、純粋に強い相手と戦いたいという戦闘狂の血が騒いでいるらしい。

  • 20ポチェモブ26/02/28(土) 23:18:14

    ユースケは頭をガシガシとかきむしり、「ったく……」と吐き捨てた。

    「わかったよ、付き合ってやる。ただし5分だけだ。それ以上は延長料金取るからな」


    ユースケは近くにあった武器ラックから、トレーニング用の木刀を一本放り投げた。

    ギレーヌはそれを空中でパシリと掴み取る。

  • 21ポチェモブ26/02/28(土) 23:20:37

    「……なんだこれは」

    「アンタ、素手より剣の方が本職だろ? 遠慮はいらねえ、得意なモン使ってかかってきな。素手の女を殴る趣味はねえが、武器を持った戦士なら話は別だ」


    「フフッ……貴様、随分と余裕だな。後悔しても知らんぞ?」

    ギレーヌは木刀を構えると、その雰囲気が一変した。

    ただの棒切れが、彼女の手に握られた瞬間、真剣以上の殺気を放つ魔剣へと変貌する。空気そのものが斬り裂かれるような、張り詰めた緊張感。

  • 22二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:21:50

    ほうライバル?対決か

  • 23二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:25:14

    流石に世界観に合わせてナーフされてるとは思いたいッスね…

  • 24ポチェモブ26/02/28(土) 23:26:28

    「私はギレーヌ・デドルディア。……ボレアス家の剣術指南役として、そして『闘神』の王者の1人として、全力で行かせてもらう!」


    切っ先がユースケの喉元へと向けられたその瞬間、死闘のゴングが鳴らされた


    Receive and Slash You

    『闘神』ライトミドル級チャンピオン

    ギレーヌ・デドルディア

  • 25ポチェモブ26/02/28(土) 23:28:20

    ヒュンッ!!

    風を切る鋭利な音が、ユースケの耳元を掠めた。

    ギレーヌが手にした木刀は、ただの練習器具の域を超え、不可視の凶器となって襲い掛かる。

    「遅い!」


    「ちっ、見えねえよ馬鹿が……!」

    神速の剣戟。ユースケは首を皮一枚で捻り、ステップで躱すが、返す刀での連撃に防戦一方となる。

  • 26二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:28:23

    この世界にもグレイラット家あるんすね

  • 27ポチェモブ26/02/28(土) 23:30:36

    隙を見て高速のジャブを放つも、ギレーヌは木刀の柄や腹で的確にガードし、その鋼のような肉体にはダメージが通らない。


    (……硬え。こいつ、筋肉の鎧だけで俺の打撃を殺してやがる。今まで戦ったゴロツキ達とは、格がまるで違いやがるぜ)

  • 28ポチェモブ26/02/28(土) 23:31:51

    だが、その絶望的な実力差に、ユースケの口元は自然と吊り上がっていた。

    恐怖ではない。武道家としての、純粋な歓喜。全身の血が滾る音が聞こえる。


    「……へっ。面白えじゃねえか。なら、ガードなんざ捨ててやるよ!」

  • 29二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:32:31

    ユースケ見事やな

  • 30ポチェモブ26/02/28(土) 23:33:28

    ユースケは防御の構えを解き、あえて無防備な姿を晒して前へ出た。捨て身の猛攻だ。

    死角からのフック、ボディ、アッパー。雨あられのようなラッシュを叩き込む。


    「ほう……死に急ぐか。ならば、受けて立とう!」

  • 31ポチェモブ26/02/28(土) 23:36:22

    ギレーヌはユースケの拳を木刀で防ぐと、右目に装着していた眼帯を指で弾き飛ばした。

    露わになったのは、魔力を帯びたかのように怪しく光る『魔力眼』。


    彼女の視界の中で、ユースケの動き、筋肉の収縮、魔力(気)の流れがスローモーションのように鮮明に映し出される。

    「見えたぞ、貴様の死に場所が!」


    ギレーヌが踏み込む。狙うはユースケの心臓。

    音速を超える、渾身の突き――『光の太刀』の如き一撃が放たれた。

  • 32ポチェモブ26/02/28(土) 23:38:58

    「――そこだッ!!」

    だが、ユースケは逃げなかった。

    迫りくる木刀の切っ先に対し、さらに深く踏み込むことで「肉を切らせて骨を断つ」間合いへと侵入したのだ。


    ドスゥッ!!

    「ぐぅッ……!!」

    木刀の切っ先がユースケの脇腹に深々と突き刺さる。肋骨が悲鳴を上げ、激痛が走る。

    だが、その衝撃に耐えたユースケの指先は、すでにギレーヌの右肩を捉えていた。

  • 33ポチェモブ26/02/28(土) 23:43:46

    「ヒグチ流剛骨術……『剛骨指斬』!!」


    「なっ……貴様ッ!?」


    バキィッ!!

    「がはっ……!?」


    ユースケの指が関節の隙間に食い込み、ギレーヌの強靭な肩を強制的に脱臼させた。木刀がカランと床に落ち、ギレーヌが苦悶の表情で膝をつく。

    同時にユースケも、脇腹を押さえて荒い息を吐いた。

  • 34ポチェモブ26/02/28(土) 23:45:11

    「ハァ……ハァ……。痛み分け、ってとこだな。……さすがはチャンピオンだ、骨が折れるぜ」


    「……私の『光の太刀』を見切るとはな。……見事だ」


    互いに満身創痍。だが、その瞳には戦った者同士にしか分からない敬意が宿っていた。

  • 35二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:45:37

    見事やな…

  • 36二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:47:46

    お互い格を落とさない闘い見事やな…

  • 37ポチェモブ26/02/28(土) 23:49:30

    「おい! 第3トレーニング室で争う音がするぞ!」

    「警備員を呼べ! 不審者だ!!」


    激しい戦闘音を聞きつけた施設の警備員たちが、ドカドカと押し寄せてくる足音が響いた。

    「……チッ。5分経っちまったか。延長戦はナシだ」

    ユースケは痛む脇腹を庇いながら立ち上がる。



    「おい、行くぞ。ここで捕まったら、アンタもタダじゃ済まねえだろ」

    「……ふん。部外者を招き入れた責任を取らされるのは御免だ」


    ギレーヌは外れた肩を強引に自分ではめ直すと(ゴキリという音が響いた)、ユースケと共に走り出した。

    昨日の敵は今日の友。二人は連携して裏口のセキュリティを突破し、騒然とする施設から姿を消した。



    (猿先生の漫画で警備員っていたっけな…)

  • 38二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:50:50

    >>37

    フィクサーの護衛とかはたくさんいるのうォ

  • 39ポチェモブ26/02/28(土) 23:53:11

    ――その一部始終を、遥か高みのVIPルームから見下ろす影があった。

    ワイングラスを片手に、モニターに映る二人の逃走劇を冷ややかに見つめる男。

    『闘神』CEO、近藤"バロック"陽介だ。


    「……ヒグチ流、骨切りユースケ君か。弟君よりも遥かに野蛮で……そして興味深い"強さ"と"美しさ"を持っている。」


    近藤は口と耳を繋ぐチェーンピアスをチャリ、と指で揺らし、爬虫類のような冷たい瞳を細めた。

  • 40ポチェモブ26/02/28(土) 23:54:36

    「………彼には『殺意』を抱くほど、嫉妬を覚えるね…フフフ…」


    不気味な笑い声が、誰もいない部屋に静かに響き渡った。

  • 41二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:55:21

    にゃあ…

  • 42二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:57:11

    黒幕っぽすぎて逆に犯人ジャなそうでヤンス

  • 43二次元好きの匿名さん26/02/28(土) 23:58:46

    >>42

    直接的な黒幕ではなくとも黒幕のスケープゴートにされてるくらいはあると思ってんだ

  • 44ポチェモブ26/03/01(日) 00:01:05

    (眠いけどもうちょい話を進めルと申します。)


    警備員たちの怒号とサイレンの音を背に、ユースケとギレーヌは雑踏を縫うようにして走り抜け、邪羽帝町の裏路地へと姿を消した。


    「……ハァ、ハァ。随分と派手な運動会になっちまったな」


    「フン。貴様が暴れるからだ。……こっちだ、隠れ場所がある」


    息を整えながら、ギレーヌが案内したのは、喧騒から切り離されたような古ぼけた喫茶店だった。

    看板には『猿の木なコーヒー』という奇妙な屋号が書かれている。


    カランコロン、とあえて少し音程の外れたベルを鳴らして中に入ると、そこは昭和の空気がそのまま真空パックされたような、落ち着いた純喫茶だった。

  • 45ポチェモブ26/03/01(日) 00:04:32

    「あら、ギレーヌちゃん。またスパーリングの帰り? 今日は随分と男前な連れがいるのね」


    カウンターの奥から、ふくよかで穏やかな笑顔を浮かべた中年の女性マスターが顔を出す。


    「……ああ。少し厄介事があってな。いつものブレンドを二つ頼む。できるだけ濃いめだ」


    出された湯気立つコーヒーの香りが、興奮していた二人の神経を少しずつ鎮めていく。

  • 46ポチェモブ26/03/01(日) 00:07:31

    「……ふぅ。生き返るぜ。で、そろそろ話してくれよ。あの近藤って野郎について、アンタは何を知ってるんだ」


    ユースケが単刀直入に問うと、ギレーヌはカップを置き、鋭い隻眼でユースケを見据えた。


    「……貴様、10数年前に行われた伝説の非合法格闘大会、『ハイパー・バトル』を知っているか?」


    その単語が出た瞬間、ユースケの表情が変わった。

  • 47二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 00:09:07

    バロックさんがハイパーバトル関係者…?

  • 48ポチェモブ26/03/01(日) 00:09:36

    「当たり前だ。格闘家の端くれで知らねえ奴はいねえよ。決勝戦の『宮沢熹一 vs マーシオ・"ジェット"・内藤』……あの死闘は、裏社会の歴史に残る伝説だ」


    ユースケの脳裏に、かつて父から聞かされた凄絶な戦いの記憶が蘇る。

  • 49ポチェモブ26/03/01(日) 00:12:08

    「そうだ。その大会は、主催者の一角であるマフィアのガンビーノ兄弟が逮捕されたことで消滅したはずだった。……だが最近、奇妙な噂を耳にした」


    ギレーヌは声を潜め、周囲を警戒するように囁いた。




    「『HBR(ハイパー・バトル・リボーン)』……。国外のどこかで、あのハイパー・バトルを復活させようとする動きがあるらしい」

  • 50ポチェモブ26/03/01(日) 00:14:02

    「なんだと……!? あの大会を蘇らせようってのか」


    「ああ。もちろん、ただの噂話だと思っていた。だが、その噂が流れ始めた時期と、『闘神』ファイターの間で『NTS』が出回り始めた時期が、不気味なほど一致しているのだ」


    ギレーヌの表情が険しくなる。

  • 51ポチェモブ26/03/01(日) 00:15:43

    「『闘神』所属のファイターが、そんな非合法な大会に関わるとは思えない。だが、プロモーターのマッチィがNTSの使用者がいることを近藤に報告した際、あの男は驚くどころか……『ふふ、興味深いね』と笑って黙認したそうだ」


    「……黙認だと? 自分の団体の奴らがクスリ漬けになってるってのにか」

    ユースケがカップを強く握りしめる。

  • 52ポチェモブ26/03/01(日) 00:18:43

    「近藤バロック陽介……あの男は、ただの格闘技団体のCEOじゃない。裏で『HBR』の開催に一枚噛んでいる可能性が高い。NTSはそのための実験……あるいは、選手を選別するための『篩(ふるい)』なのかもしれん」


    ギレーヌの推測が正しければ、弟のマストモやマンモス西田は、その巨大な実験の犠牲になったということだ。

    ユースケの中で、怒りの炎が静かに、しかし激しく燃え上がった。

  • 53二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 00:21:18

    ハイパー・バトルが墓から蘇る!

  • 54ポチェモブ26/03/01(日) 00:21:23

    ムフフ…今日はここまで。
    正直タフ要素を絡めるとストーリーが進めやすくなる気がする…それが僕です。

  • 55二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 00:22:54

    オツカレーッ どうせ本編でもフィクサー滑りすると思われてるのが反映されたバロックに悲しくはない現在…

  • 56二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 04:25:31

    本編でもワンチャンありそうじゃないっすか?
    ハイパーバトルリボーン

  • 57二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 08:30:54

    オツカレーッ

  • 58二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 11:29:05

    楽しみに待ってるよ…

  • 59二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 19:34:31

    タフ要素…神

  • 60ポチェモブ26/03/01(日) 22:45:55

    サブストーリー2本目がまだ浮かばないから本編を進めてやるよゴアッ

  • 61ポチェモブ26/03/01(日) 22:47:24

    喫茶店『猿の木なコーヒー』でギレーヌと別れたユースケは、足早に新藤組の事務所へと帰還し、事の顛末を力丸たちに共有した。


    「……ってわけだ。ギレーヌの話じゃ、近藤の野郎が『NTS』をバラ撒いて、過去の非合法大会『ハイパー・バトル』を復活させようとしている。それが『HBR』だ」


    その言葉を聞いた瞬間、ソファに座っていた力丸がハッと息を呑み、谷垣とボビーも驚きに目を見開いた。

  • 62ポチェモブ26/03/01(日) 22:52:16

    「ハイパー・バトル……まさか、あの忌まわしい大会の名前を再び聞くことになるとはな」

    力丸は険しい顔で眼鏡を押し上げる。


    「おい、新藤。お前知ってんのか」


    「ああ。十数年前……俺たちは、とある格闘家の付き添いで、その『ハイパー・バトル』の会場に足を運んでいたんだ」

  • 63ポチェモブ26/03/01(日) 22:54:45

    力丸の言葉に、ボビーが身を乗り出して口を挟む。

    「ヒャハハ! 懐かしいぜ! 俺がマフィアの鉄砲玉としてドンパチやって、組織に消されそうになってたところを、組長や谷垣の兄貴に拾ってもらったのも、ちょうどその時だったんだ!」


    「そうだ。あの血塗られた大会の熱狂、そしてそこから生まれた様々な命の輝き……確かに勃起していた。だが、あまりにも危険な闇だった」

    谷垣も深く頷き、当時の凄惨な記憶を思い返すように目を伏せる。


    力丸は深くため息をついた。

    「主催者のガンビーノ兄弟が破滅し、あんな闇の大会は二度と開かれないと思っていた。だが、それが復活しようとしているとはな。……何か、因縁めいたものを感じるぜ」

  • 64ポチェモブ26/03/01(日) 22:57:27

    「感傷に浸ってる場合じゃねえぞ、馬鹿が。問題は近藤だ」

    ユースケはテーブルを叩いた。

    「マッチィやギレーヌでさえ、あの野郎のまともな経歴を掴めずにいる。マストモの死の真相に辿り着くには、どうしても近藤の過去と背後関係を暴く必要があるんだ」


    「……そうだな。普通のルートじゃ、あのCEOの尻尾は掴めないか」

    力丸は少し考え込むと、ユースケを真っ直ぐに見据えた。

  • 65ポチェモブ26/03/01(日) 23:00:20

    「ユースケ。この邪羽帝町で、裏のネットワークに一番通じている『情報屋』に会いに行くぞ。……奴なら、近藤の消した経歴にもアクセスできるはずだ」


    ――場面は変わり、邪羽帝町の片隅にある薄暗いネットカフェのVIPルーム。

    ブルーライトに照らされた室内には、複数のモニターが壁一面に並び、膨大なデータが滝のように流れていた。

  • 66ポチェモブ26/03/01(日) 23:02:41

    「はい、これ。依頼されてたデータ、全部まとめたよ」

    ゲーミングチェアに深く座り、ガムを膨らませながらキーボードを叩いていた少女――情報屋の『銀狼』が、後ろに立つ大柄な男に向かってUSBメモリを放り投げた。



    「あの夜に騒ぎを起こした『樋口ユースケ』ってプレイヤーのログと、彼がパーティを組んでる『新藤組』、それから敵対してる『万魔殿(パンデモニウム)』の最新の動向。全部揃ってる。……それにしても、最近のこの街のメインクエスト、なんだかバグり散らかしててカオスだね。私のチートを使わなくても十分エンタメしてるよ」

  • 67ポチェモブ26/03/01(日) 23:07:49

    銀狼の言葉を背中で聞きながら、データを受け取った男は、静かにモニターに映し出されたユースケや力丸の顔写真を見つめていた。


    「……ああ。助かったぜ、銀狼。見事な仕事だ」


    低く、落ち着いた声。

    グレーのスーツに身を包んだその男の背中からは、隠しきれない修羅場の気配と、圧倒的なまでの「龍」の如き威圧感が漂っていた。伝説の元極道、桐生一馬だ。

  • 68ポチェモブ26/03/01(日) 23:09:03

    「樋口ユースケ……そして新藤組か。……どうやら俺は、こいつらに接触しなきゃならねえようだな」


    桐生はUSBメモリを固く握りしめ、静かに決意を口にした。

  • 69二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 23:13:03



  • 70ポチェモブ26/03/01(日) 23:13:10

    (さ、流石に反応が無さすぎるような…?今日は更新しないほうが良いのかもしれないね。)

  • 71バトロワを継ぎすぎた者◆nYZ0za1ZFM26/03/01(日) 23:24:40

    追いついたッス 猿空間送りにされたリキちゃんのその後はTOUGH2で明らかになってほしいッスね…
    ワシのとこも今日反応あんまなかったけどちゃんと終わらすためにはやれるうちに進めといた方がいいと思ってんだ

  • 72ポチェモブ26/03/01(日) 23:29:01

    しょうがねぇな半分諦めてギャバンインフィニティ見てる時に…


    >>71

    あざーすガシッ

    ワシも攻城戦ロワ楽しく見させてもらってるッス

    ワシの安価した剛が活躍してる!俺も嬉しいぜ!

  • 73二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 23:30:49

    反応できなくて申し訳ないっス

  • 74ポチェモブ26/03/01(日) 23:34:10

    >>73

    ♡だけでもいいんだ、モチベが高まるんだ。

    勿論ワシだけじゃなくて他のロワも頼みますよォ

  • 75ポチェモブ26/03/01(日) 23:37:44

    (あんまり駄弁ってると夜遅くなるから進めるか…)


    邪羽帝町の中心部、大型劇場がそびえ立つ繁華街の裏手。

    ネオンの海を抜け、ユースケは力丸、谷垣、ボビーの案内で、情報屋『銀狼』が根城にしているというネットカフェを目指して歩を進めていた。


    「この先の雑居ビルだ。銀狼は気まぐれだが、金と『面白いデータ』さえ積めば、どんなプロテクトでもこじ開ける」

    力丸が周囲を警戒しながら先導する。

  • 76ポチェモブ26/03/01(日) 23:41:44

    だが、路地を曲がろうとしたその時。

    彼らの行く手を阻むように、三つの影が立ち塞がった。


    「……こんばんは。夜のお散歩には、少し物騒な街だね」


    穏やかで、どこかくぐもった優しい声。

    トレンチコートを着崩したアンニュイな表情の女性――警視庁捜査一課のコーンブルメだ。その後ろには、険しい顔つきの亜門鋼太朗と、刀の柄に手を添えた衛藤可奈美が控えている。

  • 77二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 23:42:36

    えっ もう警察が接触してくるんですか

  • 78ポチェモブ26/03/01(日) 23:43:39

    「警察か。……俺たちに何の用だ」

    力丸が足を止め、スッと冷たい視線を送る。


    「警戒しないでほしいな。私たちは、君たちの抱えている『秘密の囁き』を聞きに来ただけよ」

    コーンブルメはユースケへと視線を移した。

    「樋口ユースケくん。弟さんの事件は痛ましい夢だったね。……お願い。君が掴みかけている『闘神』の闇、そして『NTS』に繋がる情報を、私たちに提供してくれないかな? そうすれば、美しい夢を守れるかもしれない」

  • 79ポチェモブ26/03/01(日) 23:45:19

    真っ直ぐに協力を求めてくる警察。

    だが、ユースケの脳裏にフラッシュバックしたのは、新藤組の事務所で聞いた弟の悲痛な言葉だった。


    『この街の警察は信用できない。奴らと裏で繋がっている』

    (……マストモが命を懸けて守ろうとした真実を、どこの馬鹿かも分からねえポリ公に渡せるかよ)

    ユースケは鼻で笑い、忌々しそうに唾を吐き捨てた。


    「帰って寝てな、馬鹿が。俺はお前らなんざ信用しちゃいねえ。ポリ公に話す舌は持ち合わせてねえぜ」

  • 80ポチェモブ26/03/01(日) 23:47:38

    「……待ってください! 私たちは、あの忌まわしい薬を野放しにするわけにはいかないんです! あなたも弟さんの仇を討ちたいなら――」

    可奈美が一歩前に出て叫ぶが、ユースケは鋭い眼光でそれを制した。



    「すっこんでろ。俺の弟の死を、お前らの正義ヅラした仕事のダシに使わせるかよ」

    ユースケの拒絶に、亜門がキッと鋭い目で睨みつけ、両者の間に一触即発のヒリついた空気が流れる。

    だが、その緊張を打ち破ったのは、警察でもユースケたちでもなかった。

  • 81二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 23:47:52

    まさか亜門とボボパン(原義)するわけじゃないでしょ?

  • 82ポチェモブ26/03/01(日) 23:49:56

    「ふふふ……見つけましたよぉ! 警察と一緒に仲良くお喋りですかぁ?」


    路地裏の奥から、ねっとりとした不快な声が響き渡る。

    現れたのは、鼻を分厚いギプスと包帯で固定した青葉連合直参 万魔殿 若頭補佐――藤田剛三だ。その後ろには、前回とは比にならない数十人規模の凶悪な組員たちが、鉄パイプやドスを手にひしめき合っている。


    「藤田……。あの時、大人しく寝てりゃよかったものを」

    ユースケが拳を鳴らす。

  • 83ポチェモブ26/03/01(日) 23:53:19

    「黙りなさい! 先日はよくも私の美しい鼻を折ってくれましたねぇ! 鼻骨の治療費も重なって、ますます生活が苦しくなってるんですよ! 今日こそお前たち全員と、ついでに目障りな警察もまとめてミンチにして、万魔殿からたっぷりボーナスをもらいますよぉ!」


    藤田が怨念の籠もった声で叫ぶと、組員たちが一斉に殺気を放ち、雪崩を打って襲い掛かってきた。


    (こう言うとネタバレみたいだけど、このストーリーってワシの中で結構ベタな龍が如く的なストーリーを意識してるンスよ。だから黒幕とか裏切り者。ラスボスなんかも割と読みやすい…と思う。)

  • 84ポチェモブ26/03/01(日) 23:55:07

    「警察も極道も関係ねえ! ヒャハハハ! 俺のバルカンの前じゃ平等にただの的だぜ!」

    ボビーが歓喜の声を上げ、背中のM134重機関銃の銃身を回転させる。


    「来るぞ! 可奈美、コーンブルメ課長、下がっていろ!」

    亜門もクインケ(武器)のケースに手をかけ、迎撃の体勢をとった。

    狭い路地裏で、ヤクザ、警察、そして復讐者の三つ巴の乱戦が勃発する。

  • 85二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 23:55:22

    安物の野蛮人ラッシュだ…猿漫画と神室町によく合う

  • 86二次元好きの匿名さん26/03/01(日) 23:55:49

    龍が如くを知らないけど新藤組とネカピンを疑ってるそれがボクです

  • 87ポチェモブ26/03/01(日) 23:57:56

    怒号と銃声、そして打撃音が入り乱れる中、谷垣がマチェーテで数人の組員を薙ぎ払いながら、背後のユースケたちに向かって叫んだ。


    「組長、ユースケ! ここは俺とボビーで引き受ける! お前たちは先に行って、その銀狼とやらに会ってこい!」


    「谷垣、ボビー……」

    「お前たちの真実を追う覚悟、ここで立ち止まらせはしない! 俺の命の輝きに懸けて、ここは通さん!」


    谷垣の朴訥だが熱い言葉に、力丸は短く頷いた。

    「すまねえ、恩に着る! 行くぞ、ユースケ!」

    「ああ。死ぬんじゃねーぞ、お前ら!」

    ユースケと力丸は反転し、ネットカフェへの裏口ルートへ向かって走り出す。

  • 88ポチェモブ26/03/01(日) 23:59:40

    「あっ、待ってください! まだ話は終わって……くっ、どいてください!」


    可奈美がユースケたちを追いかけようとするが、万魔殿の組員たちが壁となって立ち塞がる。可奈美は峰打ちで組員たちを捌きながらも、足止めを食らってしまった。

    コーンブルメもまた、押し寄せる暴漢たちを前にアンニュイなため息をつき、銃の安全装置を外す。


    警察が乱戦に飲み込まれていく中。

    ただ一人、亜門鋼太朗だけが、遠ざかっていくユースケの背中を鋭い瞳でじっと見つめていた。

  • 89ポチェモブ26/03/02(月) 00:01:37

    (……あの背中。……そして、あの不器用なほど真っ直ぐな…)


    亜門は、樋口マストモの顔と、たった今対峙したユースケの姿を重ね合わせる。


    敵を前にして、彼の胸の内で奇妙な共鳴が起きていた。

    (樋口ユースケ……。確かに、弟に似ているな……)

  • 90ポチェモブ26/03/02(月) 00:05:04

    ネオンの喧騒を遠く離れた、古びた雑居ビルの最奥。

    薄暗い廊下を抜け、重い防音扉を押し開けると、そこはブルーライトと無数のモニターが壁を埋め尽くす異質な空間だった。



    「お疲れ。あのモブの群れをよくノーコンティニューで抜けられたね」


    ゲーミングチェアに胡座をかき、画面から目を離さずにガムを膨らませている小柄な少女。邪羽帝町で最も腕の立つ情報屋、『銀狼』だ。



    (ちなみに大筋はもう考えてあるから誰がどの立ち位置でどんな出番があるか…というのはもう考えてあるんだよね。まぁ本来は一章がもうちょい長くて万魔殿にカチコミする展開とかあったのをオミットしたからバランスは取れてるんだけどね。)

  • 91ポチェモブ26/03/02(月) 00:07:33

    「お前が銀狼か。随分と余裕そうじゃねえか」


    ユースケが部屋に入るなり睨みつけると、銀狼はくるりとチェアを回転させ、悪びれる様子もなく肩をすくめた。

    「警戒しないでよ。……実はさ、ある人からのクエスト(依頼)で、前からあなたたちのログを監視してたんだよね。勝手にデータ抜いてたお詫びってことで、今回の依頼は無償で引き受けてあげる」

  • 92二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 00:09:00

    安価されたキャラに銀狼みたいなキャラがおらず野蛮人みたいのしかいなかったら情報屋ポジション誰にしようか悩んでた可能性もあった感じスかね

  • 93ポチェモブ26/03/02(月) 00:10:26

    「……監視だと? 趣味の悪いハッカーだぜ。まあいい、タダならこき使ってやる。調べてもらいたいのは『闘神』のCEO、近藤バロック陽介の過去だ。あいつの裏の顔を洗いざらい引っ張り出せ」


    ユースケが凄みを利かせると、銀狼は「はいはい」と軽い調子でキーボードに向かい、凄まじい速度でタイピングを始めた。

    何重ものプロテクトをゲーム感覚で突破し、非合法なデータベースへと次々にアクセスしていく。

    だが、数分後。銀狼の手がピタリと止まり、そのアンニュイな顔に微かな驚きが浮かんだ。


    「……あれ? これ、完全にデータがデリートされてるね」

  • 94ポチェモブ26/03/02(月) 00:14:42

    「デリート? どういうことだ」

    「この近藤って男、ここ数年……『闘神』のCEOに就任してからの情報しかサーバーに残ってないの。それ以前の過去の経歴が、見事に真っ白。戸籍も、学歴も、犯罪歴も、すべて誰かが意図的に抹消してる」


    銀狼はモニターを指差しながら、楽しげに口角を上げた。



    >>92

    (うん。というか最初は銀狼とコーンブルメの情報屋禁断の"二度打ち"を考えてたのが俺なんだよね。まぁ後々警察組が亜門と可奈美だけだと少ないかなと思ってリーダーポジにコーンブルメを入れたからマイペンライ!)

  • 95ポチェモブ26/03/02(月) 00:17:03

    「……ふーん。ここまで綺麗にログが消されてるなんて、逆に怪しさ満点じゃん。相当な権力を持ったチーターが裏にいるね。……なんか、面白そうな隠しシナリオの匂いがしてきた。このバグだらけのクエスト、私にも一枚噛ませてよ。全体的なバックアップは約束してあげる」


    「面白そう、だと? 馬鹿が、こちとら遊びでやってんじゃねえんだぞ」

    ユースケが呆れて舌打ちをした、まさにその時だった。



    (ちなみに感想とかじゃなくて>>92みたいな質問も大歓迎らしいよ。こういうので話の展開とかを膨らませるのも面白いしなヌッ)

  • 96二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 00:19:47

    今日更新日だったからさっきTOUGH2の最新話読んだんだァ
    近藤バロック陽介が案の定ろくでもねえフィクサーだった上に火力高い語録が更新されたからポチェモブもスクショを調達できそうっスね

  • 97ポチェモブ26/03/02(月) 00:19:53

    「――どうやら、無事に辿り着いたようだな」

    部屋の奥、モニターの光が届かない深い影の中から、低く、地を這うような声が響いた。

    ゆっくりと歩み出てきたのは、グレーのスーツを身に纏った大柄な男。その身から放たれる圧倒的な威圧感は、ただの極道や格闘家のそれとは次元が違っていた。


    「なっ……!?」

    その顔を見た瞬間、力丸の顔色が一変した。常に冷静沈着な若き組長の目が、信じられないものを見るように見開かれている。

  • 98ポチェモブ26/03/02(月) 00:24:27

    「あ、アンタは……まさか、あの『堂島の龍』!? 伝説の極道、桐生一馬さんか!」

    「……堂島の龍? なんだその物騒な名前は」

    首を傾げるユースケに対し、力丸は興奮を隠しきれない様子で身を乗り出した。


    「ユースケ、お前知らないのか!? この人は裏社会の生きた伝説だ! たった一人で関東と関西最大の極道組織相手に立ち向かってみせたり、一晩で何百人もの抗争を鎮圧したり……とにかく、極道でこの人の名を知らねえ奴はモグリだ!」


    「おいおい、馬鹿かお前……。自分の組のトップが、他の極道見て目ぇ輝かせてどうすんだよ」

    普段のクールな姿からは想像もつかない力丸の露骨なファンボーイぶりに、ユースケは思わず頭を抱えて呆れ果てた。



    >>96

    ムフフ…それは良かった。

    バロック(この呼び方が通称なのかのォ)はもうちょい画像が欲しかったから無料公開してくれるプレボには感謝しかないよねパパ

  • 99ポチェモブ26/03/02(月) 00:26:40

    そんな二人のやり取りを他所に、桐生一馬は表情一つ変えず、静かに二人の前に歩み寄った。

    「……余計な御託はいい。俺はすでにカタギの身だ。だが、お前たちが追っているその一件……俺も無関係じゃいられねえ事情があってな」


    桐生はユースケの真っ直ぐな瞳を見据え、短く告げた。

    「お前たちに、話がある。……ここは機械の熱で少し息苦しいな。屋上へ行くぞ」

  • 100ポチェモブ26/03/02(月) 00:33:37

    一旦ここで中断すルと申します。

    二章後半は多分中盤の山場になりそうだから是非多くの人に見てほしいですね…本気でね。


    さっそくバロックの画像が出てたら闇のフィクサー適正が高すぎて笑ったのが俺なんだよね

  • 101二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 00:38:07

    オツカレーッ…?
    バロックの語録の火力には殺意を抱くほどの嫉妬を覚えます

  • 102二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 00:39:33

    オツカレーッ
    最新話のバロックの語録はなかなか火力が高すぎルと申します

  • 103二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 00:47:39

    さっそくバロックこと供給があって俺も嬉しいぜ

  • 104心配症の周師匠26/03/02(月) 01:33:28

    オツカレーッ ようやく追いつけたのん…
    これからの話も気になるのォ ですねぇ

  • 105二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 02:51:00

    マジで原作のバロックもハイパーバトル好きそうっすね

  • 106二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 06:56:36

    原作バロック…すげぇ
    鬼龍とは別ベクトルで病的なほど自己中心的でまわりにいる者に厄災と不幸をもたらす最低なクズだし
    何か自分が殺されるとしても喜んでそうだし

  • 107二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 08:49:18

    バロックは戦えないだろうし戦うボスきゃらはだれなんだ

  • 108二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 12:45:03

    バロックのチェーン引きちぎるのまってるよ

  • 109ポチェモブ26/03/02(月) 17:18:51

    やっぱり猿先生は凄い、まだ殆ど出番がないからバロックは悪役でええやろと思ってたのにたった一週でとんでもない悪辣さを見せつけるなんて
    あっ…更新は22:30になるからぜひ見てほしいでヤンス

  • 110二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 20:11:31

    >>1

    >>109

    了解したのん

  • 111二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 21:50:50

    他の安価キャラはどういう立場ででるんかのう

  • 112ポチェモブ26/03/02(月) 22:35:25

    そろそろ続きを投下するのんゴロンヤメロオオオ


    冷たい夜風が吹き抜ける、雑居ビルの屋上。

    眼下には、邪羽帝町の毒々しくも煌びやかなネオンの海が広がっている。

    その光を背に受けて立つ桐生一馬のシルエットは、まるで巨大な山のように揺るぎない圧迫感を放っていた。

    「……単刀直入に言おう。お前たち、この一件から手を引け」


    桐生の低く、静かな声が夜風を裂いた。

    ユースケは眉間を寄せ、鋭い眼光で桐生を睨みつける。

    「なんだと? 俺たちがここまでどういう思いで辿り着いたか……」

  • 113二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 22:38:05

    待ってたよ…

  • 114ポチェモブ26/03/02(月) 22:38:10

    「分かっている。だが、今回の件は『闘神』や万魔殿というレベルの騒ぎじゃ済まねえ。その背後には、海を越えた巨大な海外組織が確実に絡んでいる。……深入りすれば、お前たちは間違いなく命を落とすことになる」


    桐生の言葉は脅しではなく、数多の修羅場をくぐり抜けてきた者だけが持つ、絶対的な事実としての重みがあった。


    「ふざけんな。たった一人の弟を殺されて、尻尾巻いて逃げる馬鹿がどこにいる! 相手がどんな巨大な組織だろうが、俺はマストモを殺ったクソ野郎とその黒幕を全員ぶっ飛ばすまで止まらねえぜ!」

  • 115ポチェモブ26/03/02(月) 22:40:03

    ユースケが吠える。だが、桐生は一切の感情を交えず、冷徹なまでの正論でそれを撥ね退けた。

    「……半端な覚悟で首を突っ込めば、次にお前が失うのは、お前自身の命だけじゃ済まねえぞ」


    「あ……?」

    「今、お前の背中を預かっている新藤たち……そして、故郷で帰りを待つ父親。お前が引き返せない闇に踏み込めば、その身内すらも残酷な標的にされる。……それでも、全員の命を背負って前に進む覚悟が、お前にあるのか」

  • 116二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 22:44:18

    このレスは削除されています

  • 117ポチェモブ26/03/02(月) 22:45:52

    その言葉に、ユースケは息を呑んだ。


    脳裏をよぎるのは、実家の道場で一人留守を守る不器用な親父の顔。


    そして、命を懸けて自分をここまで逃がしてくれた谷垣やボビー、


    事務所で待つ神楽耶、


    そして隣に立つ力丸の顔だった。


    (俺の復讐に、こいつらを巻き込んで本当にいいのか……?)

  • 118ポチェモブ26/03/02(月) 22:49:16

    一瞬の逡巡。だが、目を閉じれば、原型を留めないほどに破壊されたマストモの冷たい顔がフラッシュバックする。


    弟は、たった一人でこの巨大な闇に立ち向かおうとしていたのだ。兄である自分が、ここで立ち止まるわけにはいかない。

    ユースケはカッと目を見開き、迷いを断ち切るように拳を強く握りしめた。



    「……だとしてもだ。俺は止まらねえ。親父も、こいつらも、俺が全部この手で守り抜いてみせる。マストモの無念を晴らさねえまま生きていくくらいなら、俺は喜んで地獄の底まで落ちてやるぜ!」

  • 119二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 22:50:27

    ユースケ…見事やな…
    そうやっそれでええんや!

  • 120二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 22:51:13

    よう言うたっ それでこそ主役やッ

  • 121ポチェモブ26/03/02(月) 22:52:32

    一切の退路を断った、ユースケの魂からの啖呵。

    それを聞いた桐生は、小さく息を吐き、静かに目を閉じた。

    「……なら言葉じゃなく、拳で語れ。お前のその覚悟……俺に見せてみろ」


    次の瞬間。

    桐生がグレーの上着とワイシャツを両手で掴み、一気に脱ぎ捨てた。



    夜風に晒されたその広大な背中に彫り込まれていたのは、今にも天へ昇らんとする『応龍』の刺青。

  • 122二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 22:54:12

    まさか警察組飛び越えて桐生ちゃんとボボパン(原義)するとは思ってなかったのが俺なんだよね

  • 123ポチェモブ26/03/02(月) 22:54:29

    「なっ……!?」


    その圧倒的な気迫と芸術的な刺青の凄みに、ユースケは思わず固唾を呑んだ。隣で見ていた力丸も、畏敬の念に打たれたように息を止めている。

  • 124二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 22:57:06

    かっこいいのん

  • 125ポチェモブ26/03/02(月) 22:57:06

    だが、ユースケも負けてはいられない。


    「……上等だぜ!!」


    ユースケも自らの上着を乱暴に脱ぎ捨て、上半身裸となって鍛え上げられた格闘家の肉体を晒した。そして、重心を深く落とし、ヒグチ流剛骨術の構えをとる。



    「うおおおおおオラァッ!!」


    ユースケが雄叫びと共に、コンクリートの床を砕かんばかりの踏み込みで突進する。

    放たれたのは、全身のバネと体重を乗せた渾身の右ストレート。大木すらもへし折りかねないその一撃が、桐生の顔面を正確に捉えた。

  • 126ポチェモブ26/03/02(月) 23:01:59

    ゴガァァンッ!!

    だが――。

    ユースケの拳が直撃したのは、桐生の顔面ではなく、自ら一歩前に出て衝撃を迎え撃った『額』だった。


    「……な、にッ!?」


    渾身のパンチを額で受け止められたユースケの拳の方が、逆にミシミシと悲鳴を上げる。

    微動だにしない桐生。その眼光は、一切の揺らぎを見せずにユースケを真っ直ぐに射抜いていた。

  • 127二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:02:48

    負けイベントなタイプ?

  • 128二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:03:53

    つえーよ

  • 129ポチェモブ26/03/02(月) 23:03:56

    その直後、夜の屋上に、生きる伝説の「生き様」が顕現した。


    Rolling Eyes Fall Down the Dragon Wall

    元東城会4代目会長

    桐生 一馬

  • 130二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:05:21

    うーん 龍が如くのキャラはタフ世界でも充分以上に通用するレベルだと思うから仕方ないを超えた仕方ない

  • 131ポチェモブ26/03/02(月) 23:06:22

    「……な、にッ!?」

    ユースケの渾身の右ストレート。

    それを額で真正面から受け止めた桐生一馬は、微動だにしない。いや、ただ耐えただけではない。


    「フッ……!」

    桐生が短く息を吐いた瞬間、ユースケの拳を捉えていた額の反発力と、下半身から生み出された恐るべき捻りが一つに融合した。

    古武術『古牧流』の奥義――『弾き返し』。


    「がはっ……!!」

    ドォン! と空気が爆ぜるような音と共に、ユースケの身体はゴム鞠のように大きく跳ね飛ばされ、数メートル先のコンクリートに背中から激突した。

  • 132ポチェモブ26/03/02(月) 23:10:00

    「ユースケ!」

    力丸が叫ぶ。

    「何やってんだ、お前ら!?」

    その時、屋上の扉が乱暴に蹴り開けられ、銀狼に案内された谷垣とボビーが飛び出してきた。

    服はあちこち破れ、藤田や万魔殿との乱戦をくぐり抜けてきた痕跡が生々しく残っている。だが、その二人の目に飛び込んできたのは、圧倒的な「龍」の威圧感を放つ桐生と、地面に叩きつけられたユースケの姿だった。


    「……あれが伝説…、堂島の龍か。ユースケ、一人じゃ下手したら殺されるぞ! 俺たちも加勢する!」


    力丸が懐から愛用の拳銃を抜き放ち、ギリッと奥歯を噛み締める。

    谷垣もマチェーテを構え直し、ボビーは再びバルカンの銃身を重々しく持ち上げた。

  • 133二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:10:31

    強すぎぃ〜〜っ

  • 134二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:10:58

    しれっと藤田またやられたみたいで笑ってしまう

  • 135ポチェモブ26/03/02(月) 23:12:03

    多勢に無勢。おまけに相手は重火器や刃物を持ったプロの極道たちだ。

    だが、桐生は背中の応龍を夜風に晒したまま、一切の動揺を見せず、深く重心を沈めて拳を握った



    「……何人来ようが構わねえ。死にてえ奴だけ、かかってこい!!」



    桐生の咆哮が、夜空を震わせる。

    それと同時に、四対一の絶望的な死闘が幕を開けた。

  • 136ポチェモブ26/03/02(月) 23:14:14

    「ヒャハハハ! 伝説だろうがなんだろうが、蜂の巣にしてやるぜぇッ!」

    ボビーが狂気の笑い声を上げ、M134バルカンの引き金を引く。

    毎分6000発の弾幕が、桐生の巨体をミンチにせんと一直線に襲い掛かる。

    だが。


    「……遅い」

    桐生は弾幕が直撃するコンマ数秒前、信じられない滑らかさでスウェーとダッキングを織り交ぜ、火線の隙間を縫うようにして一気に距離を詰めた。


    「なっ……!?なめんじゃねぇぇぇぇ!!!」

    銃身を回転させたままのボビーの懐へ、一瞬で潜り込む桐生。

    焦ったボビーが、何十キロもあるバルカンを鈍器のように振り回して殴りかかろうとする。

  • 137ポチェモブ26/03/02(月) 23:15:55

    「甘いぜ」

    桐生はボビーの大振りを紙一重で見切り、その無防備な腹部へ向けて、下から突き上げるような強烈なカウンターを放った。


    古牧流奥義――『虎落とし』。

    ズドォォンッ!!


    「ごぼっ……!!?」

    雷鳴のような打撃音が響き、ボビーの巨体が宙に浮く。

    重さ数十キロのバルカンごと後方へ吹き飛ばされ、ボビーは白目を剥いて一撃でKOされた。

  • 138二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:16:04

    流石桐生!っスね
    つよっつえーよ

  • 139二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:17:39

    タフキャラで例えると最低でも龍継ぐオトンぐらいの戦闘力はないと桐生と闘るのは厳しいんじゃねえかと思ってんだ

  • 140ポチェモブ26/03/02(月) 23:19:00

    「ボビー!」

    力丸が叫び、桐生の額へ向けて容赦なく拳銃の引き金を引く。(ちょっと殺意が高すぎるような…?)


    パンッ! と乾いた銃声が響く。

    だが、弾丸が放たれるより早く、桐生はすでに力丸の目の前に立っていた。

    「……銃に頼るから、隙ができるんだ」

    桐生の手刀が、力丸の手首を的確に叩き落とす。


    古牧流・火縄封じ。


    銃がカランと床に落ちるのと同時に、桐生の裏拳が力丸の顔面を捉え、若き組長は為す術なく吹き飛ばされた。

  • 141二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:19:30

    強すぎる…強さの次元が違う…

  • 142ポチェモブ26/03/02(月) 23:21:58

    「組長ッ!!」

    「クソッ…!合わせろ谷垣ィ!!」

    谷垣が血走った目で叫び、マチェーテを大上段から振り下ろす。

    同時に、ダメージから立ち上がったユースケも、桐生の死角からヒグチ流の足払いと掌底のコンビネーションを仕掛ける。



    二人の息の合った連携攻撃。並の格闘家なら即死クラスの波状攻撃だ。

    だが、桐生にはそのすべてが見えていた。

    谷垣の凶刃を左腕の装甲のような筋肉で受け流し、同時にユースケの連撃を右手一本で完璧に捌き切る。

    隙がない。まるで巨大な城壁を素手で殴っているような、絶望的な実力差。

  • 143ポチェモブ26/03/02(月) 23:25:37

    「……その程度で、全てを背負うつもりか!!」

    桐生の怒号と共に、凄まじい回し蹴りが炸裂する。

    ユースケと谷垣は二人がかりでガードするも、その重すぎる衝撃を殺しきれず、揃って数メートルも後退させられた。


    「ハァッ……ハァッ……。バケモノかよ、こいつ……!」

    ユースケは荒い息を吐きながら、ギリッと奥歯を噛み締めた。

    打撃も、連携も、武器も通じない。なら、ヒグチ流の神髄――『剛骨指斬』で骨を砕くしかない。


    (これしかねえ……! 腕一本持っていかれても、こいつの関節を極める!)

    ユースケは決死の覚悟でガードを下げ、完全に捨て身の突進を仕掛けた。

  • 144ポチェモブ26/03/02(月) 23:28:16

    桐生の懐へ飛び込み、その太い腕を両手でガッチリと捕らえ、全開のテコの原理で『剛骨指斬』を放とうとする。

    「……もらったぜぇッ!!」

    ペキリ、と骨が鳴るはずだった。

    だが、ユースケの指が極まるよりも早く、桐生の身体が水のように滑らかに回転し、カウンターの膝蹴りと拳がユースケを襲う


    古牧流奥義――『受け流し』。


    「な……!?」


    ユースケの全精力が込められた力のベクトルが、桐生の体捌きによって完全に無力化され、逆にユースケ自身の体勢が大きく崩されてダメージによって隙を晒す

  • 145二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:30:14

    つよっつえーよ

  • 146ポチェモブ26/03/02(月) 23:30:42

    そして、無防備にがら空きとなったユースケの後頭部へ向けて、桐生の右足が天高く振り上げられた。







    最強の一撃――『真・応龍の極み』。










    ドゴォォォォンッ!!

    コンクリートが砕け散るほどの凄まじい轟音。

    脳を直接揺さぶられるような破壊的な一撃が、ユースケの頭部を正確に打ち抜いた。

  • 147ポチェモブ26/03/02(月) 23:32:58

    「ユースケェェェェッ!!」

    谷垣の悲痛な絶叫が夜空に響き渡る。

    ユースケの視界が、ぐにゃりと歪んだ。


    (マストモ……親父……。俺は、ここまでなのか……)

    意識の糸がプツリと切れ、ユースケの身体は糸の切れた操り人形のように崩れ落ち、深い闇の中へと沈んでいった。

  • 148ポチェモブ26/03/02(月) 23:36:10

    Yakuza: Like a Dragon OST - Sad 1

    深い、深い泥の底に沈んでいくような感覚。



    意識の混濁の中、ユースケは走馬灯のような古い記憶の断片を見ていた。

    『兄貴の負けだ! 俺の勝ち!』

    板張りの道場。まだ幼かったマストモが無邪気に笑い、床に転がったユースケを見下ろしている。

    才能に溢れた弟との模擬試合。何度やっても勝てない悔しさと情けなさで、幼いユースケは不貞腐れ、道場の隅でボロボロと涙を流していた。

  • 149二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:40:15

    流石は鬼龍と同じ名前なだけはありますね…

  • 150ポチェモブ26/03/02(月) 23:42:37

    『……もう終わりだ。俺には才能がないんだ……』

    膝を抱えて泣くユースケの頭に、ゴツゴツとした大きな手が優しく乗せられた。親父だった。


    『ユースケ。武道の世界にはな、「勝つ」か「学ぶ」のどちらかしかない。負けを認めて、歩みを止めて立ち止まった時……その時こそが、本当の「敗北」なんだ。手も足も出ずに負けた?それがどうした…お前はまだ生きてるだろう?』


    『親父……』



    >>149

    (それって褒め言葉なのか…?)

  • 151二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:46:43

    親父ぃ…ええこというヤンケ

  • 152ポチェモブ26/03/02(月) 23:48:47

    『マストモ同様、お前にも確かな才能はある。それが花開き、いつか誰か人の為に活かされるその時まで……決して諦めずに学び、挑み続けろ。いいか、武道の本質は、何があっても「生き残る」事だ。生きて生きて…お前だけの「生き様」を、人生に刻むために男は生きているんだ』


    (……そうだ。俺はまだ、負けちゃいねえ。ここで立ち止まったら、マストモの死が……あいつの生きた証が、本当に終わっちまう……!俺はあいつの分も…生き様を刻んでやるんだ…!)


    (俺には仲間もいる…ぶっ倒してぇ奴もいる…!だから…こんなところで…くたばるわけにはいかねぇんだよっ…!)






    「……うおおおおおおおおおおおおおおッ!!!!!」


    生き様


  • 153ポチェモブ26/03/02(月) 23:51:27

    ユースケは泥のような意識を振り払い、血を吐きながらも、グラつく足に力を込めて立ち上がった。


    「……ユースケ!」


    その不屈の姿を見た谷垣の瞳に、再び強烈な光が宿る。

    「お前のその命の輝き……決して絶やさせはしない! ウォォォッ!!」

    満身創痍の谷垣が、桐生の猛攻を己の肉の鎧で受け止めながら、決死の覚悟で突進し、その太い両腕で桐生の胴体に食らいついた。


    「なっ……」

    桐生の動きが、ほんの一瞬だけ鈍る。

  • 154ポチェモブ26/03/02(月) 23:54:43

    「へ…へへ…! 伝説だろうが、ただじゃ帰さねえぜぇッ!!」


    意識を取り戻したボビーが、重いバルカンを放り捨て、己の巨体そのものを砲弾のようにして桐生の背中へと飛びかかり、そのバランスを崩す。

    さらに、地面に這いつくばっていた力丸が、血塗れの顔を上げ、最後の力を振り絞って桐生の足首にすがりついた。


    「「「行けェッ、ユースケェェェッ!!」」」


    三人の仲間たちの、文字通り命を懸けた足止め。

  • 155二次元好きの匿名さん26/03/02(月) 23:58:45

    熱いーよ

  • 156ポチェモブ26/03/02(月) 23:59:02

    (……ああ。受け取ったぜ、お前らの覚悟!!)

    ユースケは全身のバネを極限まで圧縮し、桐生の懐めがけて弾丸のように飛び込んだ。

    狙うは、桐生の右肩。ヒグチ流剛骨術のすべてを、この五本の指に込める。


    「親父……! マストモ……!! 俺に力を貸してくれ…

    !樋口流剛骨術の真髄…!くれてやるぜぇぇッ!!」


    「……見事な覚悟だ!!うおおおおおおおっ!!!!」


    桐生もまた、足止めを食らいながらも残された右腕に渾身の力を込め、ユースケの突進を正面から迎え撃つべく、最強の拳を振り抜いた。

  • 157ポチェモブ26/03/03(火) 00:04:41

    仲間と家族の誇りを乗せた『剛骨指斬』




    伝説の重みが刻まれた『龍の拳』




    二つの圧倒的な力が激突した瞬間、視界が真っ白な閃光に包まれ――。

  • 158ポチェモブ26/03/03(火) 00:07:01

    「ハッ……!!」

    ユースケが弾かれたように目を覚ますと、そこは冷たいコンクリートの屋上だった。



    「……気がついたか、ユースケ」

    見上げると、顔中痣だらけでボロボロになった力丸、谷垣、ボビーの三人が、安堵の笑みを浮かべてユースケを覗き込んでいた。


    「お前ら……無事だったか! あのバケモノは……!?」

    ユースケが慌てて飛び起き、周囲を見渡す。

  • 159ポチェモブ26/03/03(火) 00:09:51

    「……お前の覚悟、確かにこの拳で受け取ったぜ」


    屋上のフェンス際。邪羽帝町のネオンを見下ろしながら、タバコを吹かしている男の背中があった。

    桐生一馬は、脱ぎ捨てたシャツを肩に羽織っていたが、その右肩には真新しい包帯が痛々しく巻かれていた。

    寸前のところで拳を躱しきれず、ユースケの『剛骨指斬』が伝説の龍の肩を確実に捕らえ、その関節にダメージを負わせていたのだ。


    「……アンタの肩」


    「フッ。ヒグチ流剛骨術……恐ろしい技だ。俺も、少しばかり肝が冷えた」


    桐生は短くなったタバコを携帯灰皿にしまい、ゆっくりと振り返った。その眼差しからは、先ほどまでの敵意は完全に消え去り、確かな「男としての信頼」が宿っていた。

  • 160ポチェモブ26/03/03(火) 00:11:45

    「お前たちがどれほど本気か、試させてもらった。……身内を危険に晒してでも、弟の無念を晴らすために巨大な闇に立ち向かう覚悟。しかと見届けた」


    桐生は静かに夜風を浴びながら、ユースケたちを見据える。


    「なら、俺もお前たちにすべてを話そう。……俺がなぜ、この邪羽帝町にやってきたのかを」

  • 161二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 00:11:46

    見事やな…

  • 162ポチェモブ26/03/03(火) 00:15:04

    _____________________その頃。

    ユースケたちと桐生が対峙する屋上から少し離れた、隣の雑居ビルの屋上の貯水槽の上。

    夜の闇に溶け込むように立つ一つの影があった。

    奇妙な装束に身を包んだ男――中華マフィア『根花』の幹部、アーソン。


    「……フン。堂島の龍と、骨切りの格闘家か」


    アーソンは、燃え盛るライターの炎で葉巻に火をつけながら、無言でその光景を睥睨していた。

    彼の瞳の奥で、冷酷なカトン・ジツの炎が静かに揺らめく。



    「……ネイ=サンの懸念通り、厄介な火種になりそうだ。私がすべて、灰にしてやろう。」


    邪羽帝町の夜空に、紫煙が静かに溶けていった。


    【第二章『バニシング・ポイント』 クリア!】

  • 163ポチェモブ26/03/03(火) 00:20:46

    ムフフ…今日はここまで。

    やっぱり熱いバトルは最高やで、な?

    桐生さんの豊富な画像最高。

    反応もたっぷりでとっても嬉しかったのん…


    明日はちょっとサブストーリーや今後の展開を考える時間が欲しいから3章の始まりだけ投下すルと申します。

  • 164二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 00:23:09

    オツカレーッ
    ユースケと桐生!どちらの格も落とさない決着…見事やな…
    いやあアーソン=サンが何をしでかしてくれるか楽しみやのォ ですねぇ

  • 165二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 00:33:38

    オツカレーッ いやあ熱いバトルやったのォ ですねェ

  • 166二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 01:51:55

    オツカレーッ 熱すぎを超えた熱すぎ
    情報も気になるのォ ですねぇ

  • 167二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 08:27:36

    楽しいバトルだったのん

  • 168二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 08:50:23

    >>163

    ムフフ…今後の展開が楽しみなのん

  • 169二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 13:00:28

    二人ともかっこいいのん

  • 170二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 19:36:52

    ムフフかっこいいのん

  • 171ポチェモブ26/03/03(火) 20:44:58

    のんのん言ってる奴ばかりなのんな
    まぁ保守もしてくれたからお礼しかないんだけどね。
    21:30の四国志ロワに参加したいからそれまで進めてやるよゴアッ

  • 172ポチェモブ26/03/03(火) 20:47:19

    激闘の熱と痛みがまだ体に残る中、ユースケたちは再び、銀狼が根城とするネットカフェのモニタールームへと戻っていた。

    ブルーライトに照らされた室内で、傷だらけの男たちが息を潜めて一人の男の言葉を待つ。


    「……事の始まりは、数週間前だ。俺は元々、表向きは死んだことになり、『とある組織』のエージェントとして影に潜んでいた」

    桐生一馬は壁に背を預け、腕を組みながら静かに語り始めた。

  • 173二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 20:50:46

    このレスは削除されています

  • 174ポチェモブ26/03/03(火) 20:51:51

    ――(回想)

    大道寺一派の隠れ家で、桐生は管理者の花輪喜平から新たな任務のファイルを受け取っていた。


    『……邪羽帝町。第二の神室町とも呼ばれる欲望の吹き溜まりですか。また随分と、骨が折れそうな場所ですね』


    ファイルに目を通しながら小言をこぼすと、花輪は静かに一つのアタッシュケースを机の上に置いた。

    開かれたケースの中に入っていたのは、見慣れたグレーのスーツと、ワインレッドのシャツだった。


    『……花輪。これは、どういう真意だ?』


    『今回の任務は、エージェント・浄龍としてではありません。貴方には今回だけ、本来の姿……伝説の極道「桐生一馬」として動いてもらいます』

  • 175ポチェモブ26/03/03(火) 20:53:39

    花輪は眼鏡のブリッジを押し上げ、極めて深刻な表情で語った。


    『現在、国外で消滅したはずの非合法大会『HBR(ハイパー・バトル・リボーン)』の開催に向けて、海外の巨大な犯罪組織が日本への侵攻を始めています。……東城会と近江連合という二つの巨大な壁が解散した今、裏社会で奴らの侵攻を食い止められる「看板」は、もはや一つしかありません』


    『……「堂島の龍」の復活、か』


    桐生が鋭い視線を向けると、花輪は深く頷いた。

  • 176二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 20:54:17

    ミステリーやってるのお
    ですねえ

  • 177二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 20:56:07

    鬼龍VS桐生もみたいっすね

  • 178ポチェモブ26/03/03(火) 20:57:03

    『その通りです。我々大道寺は現在、邪羽帝町以外の全国各地で、意図的に「桐生一馬」の目撃情報を流し、情報を撹乱させています。海外のHBRスポンサー組織の目を欺いている間に……貴方には邪羽帝町に潜入し、日本でHBRの手引きをしている「真の黒幕」を見つけ出していただきたい』


    『……なるほどな。俺が陽動であり、本命の刺客というわけか』


    『邪羽帝町の中華マフィア『根花(ネカ)』は、現在唯一、我々大道寺一派に協力的な姿勢を見せています。彼らの庇護下に入りつつ、HBRの開催、および新型ドラッグ『NTS』の流通を企む黒幕を炙り出してください』


    ――(回想終わり)


    (ワシが大道寺とパイプ持たせつつ桐生さんをそのままで動かすと決めた時に思いついた設定がコレ!海外からの侵攻じゃい!)

  • 179二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 20:58:17

    チャイナ副のネカピンげきえろ

  • 180ポチェモブ26/03/03(火) 20:59:17

    「……それが、俺がこの街にやってきた理由であり、すべてだ」


    桐生の話を聞き終え、モニタールームは深い沈黙に包まれた。

    日本という国の裏社会そのものを巻き込む、あまりにも巨大なスケールの陰謀。


    「……規模がデカすぎて、頭が痛くなってきやがったぜ」

    ボビーがこめかみを押さえる。


    「……なるほどな。要するに、その『HBR』を日本で開こうとしてる大馬鹿野郎がいて、そいつがNTSをバラ撒いてるってことだろ」


    ユースケは腕を組み、鋭い目つきで桐生を見返した。

  • 181二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 21:01:16

    スケールでかっでけーよ

  • 182ポチェモブ26/03/03(火) 21:01:53

    「なら、話は早え。黒幕は『闘神』のCEO、近藤バロック陽介だ。あいつが格闘技界を隠れ蓑にして、NTSの実験とHBRの準備を進めてるに決まってる」


    だが、桐生は静かに首を振った。

    「俺も最初はそう睨んでいた。……だが、近藤という男一人で、海外組織を引き入れ、この巨大な街で完璧にクスリを流通させることなど不可能だ。奴には必ず、この邪羽帝町を裏で牛耳る『強力な協力者』がいるはずだ」


    「協力者……。青葉連合の『万魔殿』か?」


    力丸が顎に手を当てて推測するが、それもどこか腑に落ちない。万魔殿のトップである羽沼マコトのポンコツぶりや、最近入ってきたばかりの花火や藤田に、そこまでの緻密な計画が立てられるとは考えにくかった。

  • 183ポチェモブ26/03/03(火) 21:03:43

    「……なぁ、桐生」

    ユースケが顔を上げ、不敵な笑みを浮かべた。

    「アンタ、その『根花』って中華マフィアが大道寺に協力的だって言ったよな。……本当か?」


    「どういう意味だ」


    「俺たちがこの街でドンパチ騒ぎを起こして、万魔殿とやり合ってから今日まで……その『根花』って連中、気味が悪いほど完全に沈黙を保ってやがる。この街の覇権を争う三大組織の一つなら、普通はもっと過敏に反応するはずだろ」

    ユースケは首の骨をコキリと鳴らした。

    「……臭えんだよ。一番怪しい奴は、一番大人しくしてるモンだぜ」

  • 184ポチェモブ26/03/03(火) 21:07:35

    力丸もハッとしてユースケを見た。

    「確かに……。近藤がNTSをバラ撒くための『協力者』として、表向きは大道寺に協力するフリをして、裏で暗躍しているとしたら……」


    「……あいつらの根城は、東の中華街『亜仁満町(アニマンちょう)』だな。おい新藤、案内しろ。まずはそこのボスの面を拝みに行くぜ」


    ユースケの迷いのない提案に、仲間たちの目の色が変わる。

    桐生もまた、ユースケの直感的な鋭さに小さく口角を上げた。

    「……面白い。俺も同行しよう」

  • 185二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 21:09:25

    気になるのお続き
    ですねえ

  • 186ポチェモブ26/03/03(火) 21:11:05

    短いけど今日はここまでなのん

    明日はサブストーリーが書き上げられればそれ、無理だったら万魔殿組と桐生・銀狼の幕間を投下してやるよゴアッ



    >>179

    ネカピン好きのマネモブに3章で登場予定のネカピン画像を先行公開だぁっ

  • 187二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 21:13:37

    >>186

    感謝しますガシッ

  • 188二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 21:15:26

    今回は悪役なんすかね?ネカピン

  • 189二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 21:43:22

    オツカレーッ とうとう話が大きく動いてきたのォ…ですねェ…

  • 190二次元好きの匿名さん26/03/03(火) 21:56:20

    桐生ちゃんはいいっすね

  • 191二次元好きの匿名さん26/03/04(水) 07:59:06

    >>188

    さぁね… ただ怪しいを超えた怪しいのは事実だ

  • 192二次元好きの匿名さん26/03/04(水) 08:34:44

    新スレ建てるタイプ?

オススメ

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