- 1EDF26/03/18(水) 20:51:52
- 2EDF ◆GUGLV24g4w26/03/18(水) 21:02:52
- 3二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:03:46
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- 4二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:05:34
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- 5二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:06:16
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- 6EDF ◆GUGLV24g4w26/03/18(水) 21:07:04
【幕間】
EDF極東基地、深夜のカフェテリア。
薄暗い非常灯だけが点灯する静まり返った空間で、ズルズルと麺をすする音だけが響いていた。
リカルドは、EDF支給の高カロリーカップラーメンを満面の笑みで味わっていた。強酸と粘液の悪臭がこびりついた地獄のような地下戦闘から帰還した後だというのに、彼の食欲は全く衰えていない。
「……こんな夜更けにジャンクフードか。お前の大好きなママに怒られるんじゃないか?」
背後の暗がりから、デュークが靴音を鳴らして歩み寄ってきた。彼は自慢のナイフを取り出し、指先で弄ぶようにクルクルと回転させている。まるで手とナイフが一体化しているかのような、滑らかで不気味なほどのナイフ捌きだった。
「おや、デュークさん」
リカルドは箸を止め、紙で口元を拭ってから、慇懃無礼な笑みを向けた。
「あなたこそ、こんな時間に徘徊ですか。あの地下では随分と派手にショットガンを振り回していましたね。自慢のナイフはどうしたんです? “ハワイアン・ブレード・スター”の異名が泣いていますよ」
「チッ、減らず口を叩く野郎だ。五十メートルの巨大生物やドロドロの化け物にナイフ一本で挑むほど、俺は馬鹿じゃねェんだよ。ドローンの時に成功したのはマグレ……言うなればEDFの戦法に慣れてない所を突いた1回きりの不意打ち技ってことよ」
デュークは鼻を鳴らし、リカルドの向かいの席にドカッと腰を下ろした。
- 7二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:08:42
おおっ
- 8二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:09:44
ところでスターバックさん
PTSDのパートは元からやるつもりだったの? - 9EDF ◆GUGLV24g4w26/03/18(水) 21:10:40
「だが、俺の刃が鈍ったわけじゃねェ。……お前、地下で俺がスライムの群れを撃ち抜いてる間、何をしてたか知ってるか?」
「ええ、見ていましたよ」
リカルドは細めた目で、事も無げに答えた。
「ショットガンを撃ちながら、左手で死角から迫ってきた寄生体を正確に切り飛ばしていましたね。あの暗闇と乱戦の中で、見事な動体視力と空間把握能力です。あなた、ただのチンピラではないとは思っていましたが……相当な手練れですね」
「……フン。お前もな」
デュークの目が、獲物を定める捕食者のように細められた。
一見すると、リカルドは痩せぎすの優男にしか見えない。だが、並んで戦ったデュークの目は誤魔化せなかった。リカルドがロケットランチャーを片手で無造作に発射した時の、あの異常なまでの反動吸収。まるで岩盤のような「密度」が、あの細い身体に詰まっている。
「お前のその身体、どうなってやがる。そのナリで体重150キログラムってのはハッタリじゃねェようだな……ただのパンチ一発で、戦車の装甲くらいならへこませるんじゃねェのか?」
- 10EDF26/03/18(水) 21:14:33
(はい!溶ける愛戦が思ったより阿鼻叫喚だった時点でやるつもりでしたよ!)
「買い被りです。ボクの力は、ママ個人を守るためのものですから」
リカルドはカップラーメンのスープを飲み干し、ふう、と息をついた。
「ボクはママに愛されていない。だからこそ、ママの命令に絶対服従することでしか、この愛を証明できないんです……あなたのように、己のプライドや自己顕示欲だけで戦う人間には、理解できないでしょうね」
「……あァ?」
デュークの纏う空気が、一瞬にして冷たく張り詰めた。
手の中のナイフが鈍い光を放ち、次の瞬間にはリカルドの首筋、頸動脈のわずか数ミリ手前でピタリと止まっていた。
常人であれば、ナイフが動いたことすら認識できない神速の一撃。
「己の技術(プライド)を信じられねェ奴から死んでいくんだよ、戦場ってのはな。ママの命令がなきゃ動けねェような人形が、俺に説教垂れてんじゃねェぞ」
デュークが低くドスを効かせた声で威嚇する。
だが、リカルドは微塵も動揺していなかった。瞬き一つせず、首筋に突きつけられた刃を冷ややかに見下ろしている。
彼の右の拳が、テーブルの下で静かに握られていた。もしデュークがさらに一ミリでも刃を進めていれば、その瞬間にデュークの頭蓋骨はスイカのように粉砕されていただろう。
「……やめておきなさい。あなたのナイフは素晴らしいが、ボクの骨を断つ前に、あなたの身体が弾け飛びますよ」
リカルドが静かに警告する。
- 11二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:15:32
- 12二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:15:53
なに喧嘩始めようとしてるこのバカ共は?
- 13EDF26/03/18(水) 21:18:27
数秒の、永遠にも似た殺気の交錯。
やがて、デュークはフッと鼻で笑い、ナイフをクルリと回して鞘に収めた。
「……ハッ、冗談だよ。同じ釜の飯を食う仲間を削いでも、一文の得にもならねェからな」
「賢明な判断です。ボクも、あなたのような優秀な前衛を失うのは惜しいと思っていたところです」
リカルドもまた、握り込んでいた拳を静かに解いた。
「せいぜい、次の戦場でもママの自慢の息子でいられるように頑張るんだな、マザコン坊や」
デュークが背を向けて歩き出す。
「あなたも。せいぜい怪我をしないように、斬る相手がいないハワイアン・ブレード・スターさん」
リカルドが背中越しに冷たく応じる。
決して相容れない二つの自我。だが、この極限の戦場において、彼らがお互いを「本物の殺し屋(戦士)」として明確に認識し合ったことだけは確かだった。
カフェテリアには再び、静寂とカップラーメンの残り香だけが漂っていた。
「……それはそれとして、太るぞ」
「心配ご無用。僕は特異体質ですから。仮に太っても少し肉付きが良くなる程度で、体重は変わりません」
- 14二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:20:52
おおっ
- 15二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:21:07
リカルド
勝手にキャラ変すんなよっ - 16EDF26/03/18(水) 21:22:25
【幕間2】
「洗わなきゃ……洗い落とさなきゃ……! あああっ、彼らが笑っている! 溶けながら、私を見て……許して、許してくれ……私はただ、平和を……ッ!」
極東基地、居住区画の冷たいシャワールーム。
深夜の静寂の中、硬質なタイルの床に、水滴の弾ける音だけが延々と響いていた。
「……落ちない。落ちない……ッ」
ヘイリーは、限界まで温度を下げた冷水のシャワーを頭から浴びながら、自らの両腕を狂ったように擦り続けていた。
先の作戦で酸の飛沫によって少し焼け爛れた皮膚は、EDFの医療技術によって塞がりつつある。だが、彼女が洗い落とそうとしているのは、目に見える傷や汚れではなかった。
『えへへ……わたし、みんなのことだぁいすき! だからね、ずーっと一緒に、ひとつになろ?』
「違う……私は、私は……!」
脳裏にフラッシュバックするのは、50の星に祝福された王国との凄惨な戦争——かつて彼女の精神を完全に破壊し、捕虜としての地獄を味わわせた過去のトラウマ。
そして今、その忌まわしい星空の幻覚は、地下の閉鎖空間で狂気のように増殖した「ピンク色の粘液」と完全に混ざり合っていた。
『あ、あついっ! 溶ける、肌が溶けちゃうッ! いやぁぁぁぁっ!!』
- 17二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:23:55
タフなナイスガイ達のクールな掛け合いが見れて感動しております
- 18EDF26/03/18(水) 21:24:56
耳にこびりついて離れないのは、怪物たちの咆哮ではない。
自分が火炎放射器で焼き払った、「愛」に感染したEDFの一般隊員たちの断末魔だ。
無自覚なウイルスに感染し、ピンク色のスライムへと成り果てていく彼らを、ヘイリーは自らの手で灰に変えた。感染を食い止めるため。それ以上、被害を拡大させないため。
元政治将校としての彼女の判断は、戦術的には完全に「正解」だった。
だが、彼女の気高く、ひどく傷ついた心は、その正解を処理しきれていなかった。
「……同盟国地球(エーリアースー)の、平和を守るためだ。……私は、間違っていない。彼らはすでに、手遅れだったのだから……」
カタカタと震える唇から、自らに言い聞かせるように言葉を紡ぐ。正気の自分と、妄想障害の発作が、彼女の脳内で激しくせめぎ合っていた。
『助けて、ヘイリーさん……! 俺たち、まだ……』
溶け落ちた顔で手を伸ばしてくる隊員の幻影が、シャワーの飛沫の中に浮かび上がる。
鼻の奥を、あのむせ返るようなイチゴシロップの甘い匂い(幻臭)が突き抜けた。
「あ、ああぁッ……!」
ヘイリーは弾かれたように後ずさり、濡れたタイルの上に無様に尻餅をついた。
両手で頭を抱え込み、膝を胸に引き寄せて小さくうずくまる。
「ごめんなさい……ごめんなさい……ッ……許してくれ……許して、くれぇ……!」
- 19二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:25:36
やめろっ 元からPTSDの奴にPTSDを重ねがけするなっ
- 20二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:26:07
えっこんなダークなスレのテーマがEDFなんですんか
- 21EDF26/03/18(水) 21:26:55
高圧的な元将校の面影は、そこにはなかった。
ただ、自らの手にかけざるを得なかった仲間たちの命の重さに押し潰され、絶望の淵で震える一人のエルフの女性が泣いていた。
「私が……私が、彼らを殺した……。同盟国の、大切な命を……私の、手で……」
呼吸が浅くなり、過呼吸の発作が彼女の胸を締め付ける。
彼女の行動原理のすべては「平和を守るため」という純粋な善意と使命感から来ている。だからこそ、味方を殺めたという事実は、彼女の魂を根本から引き裂くほどの猛毒だった。
「エーリアースーの人々よ……どうか、この罪深き私を……裁いてくれ……」
冷たい水に打たれながら、ヘイリーの咽び泣く声だけが、虚しくシャワールームの壁に吸い込まれていった。
彼女の抱える痛みと狂気が癒えることはない。
それでも夜が明ければ、彼女は再び無理矢理に己を奮い立たせ、同盟国、地球を守るために戦場へと立たねばならないのだ。
この地獄のような、終わりの見えない戦いの中で。
- 22二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:30:18
エーリアス以外の世界に放り込まれると悲惨になる境遇のもちほっぺか 割といるぞ
- 23EDF26/03/18(水) 21:30:38
EDF極東基地、人気のない深夜の第3格納庫。
整備用のLEDライトだけが冷たく光るその場所で、氷川誠は自身の纏うフェンサー用強化装甲――その分厚いガントレットを、血の気が失せるほど強く握りしめていた。
「……僕は、何をやっているんだ」
絞り出すような声が、静寂に溶ける。
彼の脳裏に焼き付いているのは、基地を防衛するために真っ先に盾となり、瓦礫の下敷きとなった上条当麻の姿。
そして、巨大蜘蛛の牙に貫かれ、凄惨に溶かされながらも最期まで仲間を気遣って散った聖園ミカの笑顔。
極めつけは、地下深くでピンク色の粘液に侵され、笑いながら死を振り撒く存在へと成り果てた同盟軍の隊員たちに、自ら銃口を向けた手の感触だった。
「上条くんも、聖園さんも……フェンサーの鎧を着てる僕がもっと上手く前に出ていれば、死なせずに済んだはずだ。それに……感染していたとはいえ、助けを求めていた仲間をこの手で……っ」
EDFとして、前職でも警察官として、市民を守るために一度も逃げたことのない不屈の男。
だが、この狂った戦場は、彼の持つ「正義」や「責任感」のキャパシティをとうに超えていた。いくら踏ん張っても手からこぼれ落ちていく命の重さに、氷川の背中はひどく丸まっていた。
- 24二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:31:33
- 25二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:32:19
このしんどい戦場の裏でストーム1がバチクソに暴れてる様子を想像すると申し訳ないけど笑うんだよね
- 26二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:33:11
もしかして地球防衛軍シリーズはストーム1がいる戦場以外はこのスレと大して変わらない空気感なんじゃないスか?
- 27EDF26/03/18(水) 21:35:07
「……あーあ。せっかくの俳優っぽいイケメンが台無しじゃない」
ふと、背後から軽い足音と共に、呆れたような声が降ってきた。
ハッと顔を上げた氷川の視線の先に、壁に背を預けて腕を組むリリスの姿があった。酸で焼かれた肌の赤みは引いているが、その瞳にはどこか冷徹な光が宿っている。
「リ、リリスさん……。すみません、こんな情けない姿を……」
「ホントよ。ウジウジと暗い顔してさ、見てるアテシの気が滅入るわ」
リリスはコツコツとヒールを鳴らして氷川に近づくと、彼の顔を覗き込むようにして鼻で笑った。
「あんた、あの子たちが死んだのも、あのスライムもどきどもを撃ち殺したのも、全部自分のせいだって思ってんでしょ。……バカみたい」
「バカ……? 僕はただ、誰も死なせたくないだけです! 僕に力がないばかりに――」
「だからそれが思い上がりだって言ってんのよ!」
ピシャリと、リリスの鋭い声が氷川の言葉を遮った。
ギャル特有のフランクな口調に混じる、明確な毒と威圧感……そこには、確かな凄みがあった。
「あんたが神様や超能力者ならともかく、ただの人間が全員の命を背負えるわけないじゃない。上条もミカも、自分の意志であの場に立って、自分の選択で死んだのよ。あの子たちの覚悟を『僕の力不足のせい』なんて言葉で安っぽく片付けないでくれる?」
- 28二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:35:45
- 29二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:38:10
次回
ストーム1じゃない人たち - 30二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:39:35
氷川み 苦悩の画像が豆腐ネタなのはやめろ
- 31二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:40:08
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- 32二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:40:49
ストーム1…聞いたことがあります
EDFの外れ値の兵士であると
練度によってはタイイチで怪生物を邪魔ゴミする"殺戮マシーン"の衣を纏っていると - 33EDF26/03/18(水) 21:42:57
「……っ」
「地下の連中だってそうよ。あそこで撃たなきゃ、アテシたちが溶かされて終わり。あのピンク色の泥に基地ごと飲み込まれて、誰も助からなかった。あんたが引き金を引いたから、今こうしてアテシたちは息をしてるの」
リリスは氷川の胸ぐらを軽く小突いた。
「仲間を殺した罪悪感? そんなもん、地獄に落ちるまで背負ってりゃいいじゃない。でもね、歩みを止める理由にはなんないわよ。あんたがここで膝をついたら、それこそあの子たちの死は『無駄死に』になるんだから」
冷徹でありながら、そこには確かな温度があった。
傷を舐め合うような優しい慰めなど、今の氷川には毒でしかないと彼女は見抜いていたのだ。
「……」
氷川は目を見開き、自身の震えていた両手を見つめ直した。
不器用で、豆腐すらまともに握れない手。だが、重いガトリングを構え、誰かの盾になることだけはできる手だ。活舌も悪いとよく言われる。だが、頑張ってるのは伝わるとも言われる声だ。
「……そうですね。あなたのおっしゃる通りだ」
氷川はゆっくりと立ち上がった。その顔からは、先程までの暗い影が拭い去られ、生真面目で不屈の闘志が戻っていた。
「僕は、一度も逃げたことがない。彼らの命の重さに押し潰されそうになっても……逃げるわけにはいかない。最後まで、この手で皆を守り抜いてみせます」
「ふふっ、その意気よ」
リリスは満足げに微笑むと、ひらひらと手を振って背を向けた。
「頼りにしてるわよ、元お巡りさん。アテシの美貌に傷がつかないように、しっかり盾になりなさいよね」
「はい。お任せください!」
真面目すぎるほどの声で敬礼を返す氷川の背中を、第3格納庫の明かりが強く照らし出していた。
- 34EDF ◆GUGLV24g4w26/03/18(水) 21:44:43
- 35二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:45:22
ボクは見たいなぁ...全てが絶望の底に叩き落とされる所をッ
- 36二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:46:15
>活舌も悪いとよく言われる。だが、頑張ってるのは伝わるとも言われる声だ。
それは氷川さんじゃなくて昔の要潤やナイケーッ!
- 37二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:47:09
げ…原作ってストーム1のおかげで明るくなってたんだな…
- 38二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 21:48:44
- 39二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:28:11
うむ…想像以上だったけどめっちゃいい者を見せてくれてあざーす
- 40EDF ◆GUGLV24g4w26/03/18(水) 22:30:51
【ブリーフィングパート】
溶ける愛によってEDFの優秀な研究員を大勢失った数日後。
ミカの犠牲と引き換えに巨大な蜘蛛のような巨大生物を倒し、地上の脅威を一時的ながら退けた代償として、彼らは真の絶望の「根」を見つけることとなった。
「……ラスタル司令。K地区の地下鉄網のさらに奥深く……巨大な空洞と、無数の生体反応を確認……増えてる。どんどん、増え続けてる」
オペレーターの若葉睦が、レーダーの赤い光点を見つめながら淡々と報告する。
地下空間——そこは光の届かない、濃密な酸と甲殻の擦れ合う音が支配する完全な「死地」である。
「地上の敵を場当たり的に駆除したところで、元栓を締めねば意味がないということか」
ラスタル・エリオンが、司令室のモニターに映る地下洞窟のサーモグラフィを見下ろして言い放つ。
「全隊員に告ぐ。これより地下巣穴の最深部へ突入し、諸悪の根源たる『マザーモンスター』を排除する。狭所での酸の直撃は致命傷となる。無能な死は許さん……根絶やしにしろ」
- 41EDF26/03/18(水) 22:34:49
光の届かない、完全な暗黒。
K地区の地下鉄網からさらに深く、巨大生物たちが自らの酸で掘り進めた未開の洞窟。冷たく湿った空気に混じって、強烈な酸の刺激臭と、土の腐ったような臭いが充満している。
「……暗い。何も、見えない。レーダーの反応だけが、真っ赤に染まってる」
オペレーターの睦の通信には、明確な恐怖が混じっていた。
「照明弾、撃ちます!」
先行していたEDF一般隊員が、震える手でフレアを上方へと放つ。
マグネシウムの眩い閃光が、巨大な地下空洞を照らし出した瞬間——全員の息が止まった。
数十メートル四方の洞窟の「壁」と「天井」が、うごめいていた。
いや、岩肌など最初から存在しなかったのだ。視界を埋め尽くすほどの、数千、数万の「侵略生物α(黒蟻)」と「侵略生物β(蜘蛛)」が、折り重なるようにして壁面にへばりついている。
- 42EDF26/03/18(水) 22:39:19
「ひぃぃっ!? うわぁぁぁぁっ!!」
照明弾を撃った一般隊員の頭上に、音もなく巨大な蜘蛛が落下してきた。
ドスッ! という鈍い音と共に、鋼鉄の牙が彼の肩口から胴体へと深々と突き刺さる。
「たすけ……がはっ!」
ブチィッ! 蜘蛛の顎が左右に開かれ、隊員の身体が「真っ二つ」に引き裂かれた。撒き散らされた鮮血が、洞窟の床に降り注ぐ。
それを合図にしたかのように、数万の蟲の群れが、鼓膜を破るような羽音と這い擦る音を立てて一斉に襲いかかってきた。
「撃て! 撃ちまくれェッ!!」
【防衛・誘導班】の氷川誠が、前線で『FGハンドガトリング』の銃身を赤熱させながら咆哮する。
「退路は絶対に死守します! 遊撃班は奥へ!」
「我の背後を通れ!」
ゲンブが『イオンミラーシールド』を展開するが、全方位からの酸や糸を防ぎきれない。
シュウゥゥゥッ!
盾の隙間を抜け、側面から放たれた黒蟻の強酸が、後方にいた別の一般隊員の顔面に直撃する。
「ぎゃああああっ! 溶ける、俺の顔が、溶けるぅぅッ!誰か、殺してくれええ!!」
顔面をドロドロに溶かされ、のたうち回る隊員を、アーサー・モーガンが『スローターEZ』の散弾で蟲ごと吹き飛ばして楽にする。
「チッ、こんな穴倉じゃ『ライサンダー』の射線も通らねぇ! 肉薄して撃ち潰すしかねぇぞ!」
- 43EDF26/03/18(水) 22:44:39
「爆発物は崩落の危険があります! 火線を集中させてください!」
「……了解した」
佐々木琲世が『AF100』で的確に蟲の頭部を撃ち抜きながら叫び、47が冷徹に暗闇の奥で光る複眼だけを『PT・プタァミガン』で撃ち抜いていく。
「纏めて倒すというわけにいかないのが辛いですね……ちょっと苦しいです」
リカルドも『ゴリアスZ』を放り捨て、予備のアサルトライフルで蟲の足を削ぎ落としていく。
「ここじゃ飛べない……ッ! 羽が千切れちゃうわ!」
「スピードも出せないよぉ!」
ラーヴァと島風が、ウイングダイバーの機動力を完全に殺され、地上で『レイピア』や『ファランクス』の光刃を振り回して防戦を強いられていた。
一方、その防衛線が稼いでいる時間を利用し、【遊撃・殲滅班】は暗闇の迷宮をさらに深部へと進んでいた。
「……地下の地形マッピング、完了した。……一番奥の巨大な空洞、そこにボスらしき巨大な熱源がいる!」
潔世一が、小型の地中探査ドローンを走らせながら『メタ・ヴィジョン』で迷宮の最短ルートを弾き出す。
「暗闇なら、ボクの科学力に任せたまえ! 行くよ、デプスクロウラー!」
シュネー・ヴァイスベルグの支援要請により、地底探査用の四脚歩行ビークル『デプスクロウラー』が投下される。
「悪いが任せてもらうぞ、シュネー!エーリアースーの光で、害虫どもを駆逐する! 127ミリ星弾砲、発射!」
ヘイリーが素早くその操縦席に乗り込み、強烈なサーチライトで闇を切り裂く。
四つのクローラーが壁や天井に張り付きながら、巨大な砲弾を蟲の群れに叩き込む。
- 44二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:46:11
強くなれデプスクロウラー…!!
お前が地下でEDF隊員達を守るビークルになるんだ!! - 45EDF26/03/18(水) 22:48:33
「スンスンも行くよ! ZEXR-GUN(自動迎撃セントリーガン)、お掃除の時間だよ!」
パペットスンスンが設置した砲塔が、暗闇から飛び出してくる蜘蛛を自動で蜂の巣に変えていく。
「フハハハッ! 吾輩にふさわしいパレードだ! 跪けザコども!」
ヒトデヒットラーが『MEエメロード』のロックオンを活かし、視界の悪い中でも的確にミサイルを叩き込む。
その先頭を、オメラスが歩いていた。
「蜘蛛」のデバイスが明滅している。EDFの技術力によってようやく一定の修復は済んだが、結局こんな激戦の中にいてはいつ壊れてもおかしくない。けれど、彼の足取りは一度も止まらない。
レンジャーの『AF14』を片手で撃ち続け、酸の飛沫が腕の皮膚を焼いても、顔色一つ変えなかった。
「……いずれ来る世界の終わりが美しいとは思わない。だが、こんな下らない虫の這いずる穴倉が、世界の終わりであってたまるか」
「オメラス、前だ! 開けた場所に出るぞ!」
怜慈が『ブラストホール・スピア』を構え、オメラスの肩を叩く。
ヘイリーの操るデプスクロウラーのサーチライトが、巨大な空洞の最深部を照らし出した。
- 46二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:49:00
僕は見たいなあ…
地球を守る戦士たちが蜘蛛や蟻によって蹂躙され…血反吐を吐いてのたうち回り…死ぬところをッ - 47二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:51:25
- 48二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:51:52
- 49EDF26/03/18(水) 22:54:10
- 50二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:56:27
待てよ消された火星のカス共の可能性もあるんだぜ
- 51EDF26/03/18(水) 22:57:11
マザーモンスターが、その巨大な頭部を遊撃・殲滅班に向けた。
顎が開き、内部で致死量の強酸がドクドクと湧き上がる音が響く。その量は、一般の虫の比ではない。洞窟全体を文字通り「水没」させるほどの、酸の濁流。
「マズい……! 避けろォッ!!」
怜慈の叫びと同時に、マザーモンスターの口から、巨大な高圧洗浄機のような勢いで、濃緑色の酸の奔流が放たれる。
閉鎖空間での広範囲攻撃。触れれば一瞬で骨まで融解する絶対の死が、彼らを飲み込もうとしていた
ジュゴォォォォォォォォッ!!
マザーモンスターの巨大な顎から放たれた濃緑色の酸の濁流は、もはや「攻撃」という生易しいものではなかった。それは地下空洞の地形そのものを塗り替える、致死の津波である。触れた岩盤がシュウゥゥゥッと音を立ててバターのように泡立ち、液状化していく。
逃げ遅れた名もなきEDF一般隊員数名がその波に呑まれた瞬間、断末魔の悲鳴を上げる間もなく、強化アーマーごと肉も骨もドロドロのゼリー状に融解し、黄色い脂肪の泡となって酸の海に消え去った。
- 52二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:59:55
強酸を耐えるための装備が要る…
リパーサーを用立てろ! - 53二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 22:59:58
うわあああぁぁぁ(迫真書き文字)
- 54EDF26/03/18(水) 23:02:07
「ダメだ、避けきれねぇッ! 全滅するぞ!!」
デュークが絶望的な叫びを上げ、迫り来る死の壁を睨みつけたその時だった。
「エーリアースーの同盟軍を……これ以上、散らせてたまるかァッ!!」
狂気を孕んだ、しかしどこまでも真っ直ぐな叫びと共に、四脚歩行ビークル『デプスクロウラー』が、遊撃・殲滅班の前面へと乱入した。
操縦席で血走った目を見開いているのは、元政治将校にして宇宙からのエルフ、ヘイリーだ。彼女はPTSDの発作による妄想と現実の境界線が完全に崩壊した極限状態の中、ただ「仲間(同盟軍)を守る」という純粋な信念だけで、自らの乗るビークルを酸の津波の真正面へと立たせたのである。
「デプスクロウラー、装甲展開! 127ミリ星弾砲、足元へ零距離射撃ッ!!」
ヘイリーは迫り来るマザーモンスターではなく、自らの足元の岩盤に向けて主砲の引き金を引いた。
ドゴォォォォンッ!!
凄まじい爆発が地下空洞を揺るがし、デプスクロウラーの直前に巨大なクレーター——「堀」が穿たれる。そこへ流れ込んだ酸の濁流が滝壺のように落ち込み、勢いを殺された。だが、防ぎきれなかった酸の飛沫と熱波が、容赦なくデプスクロウラーの分厚い装甲を舐め回す。
「ぐぅぅぅぅぅぅッ!!」
装甲がジュウジュウと醜い音を立てて融解し、コックピットの温度が異常上昇していく。各種計器が狂ったように警告音を鳴らし、赤いランプがヘイリーの顔を照らす。強烈な酸の蒸気が隙間から入り込み、彼女の皮膚を焼き、肺を焼いた。
- 55二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:04:26
脅威が脅威なだけに結束を乱すタイプの蛆虫味方キャラいないのォ
次安価機会あるなら取ってみるといいかもしれないね - 56二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:07:46
- 57EDF26/03/18(水) 23:08:10
「……同盟国地球の……平和は……私が、この盾で……ッ!」
ヘイリーは意識が飛びかける中、操縦桿を握る手を決して離さなかった。
機体が半ば溶け落ち、四つのクローラーのうち二つが完全に機能停止して崩れ落ちようとも、彼女は酸の波が完全に収まるまで、巨大な鉄の盾として遊撃班の前に立ち塞がり続けたのである。
「……ヘイリー! もういい、よくやった!無茶しすぎだぜ!」
ギャバンが融解しつつある機体からヘイリーを引きずり出す。
彼女の軍服は酸の蒸気でボロボロになり、全身に酷い火傷を負っていたが、その口元には満足げな笑みが浮かんでいた。
「……私の、勝ちだ。侵略者ども……」
だが、絶望の源泉はまだ枯れてはいなかった。
『ギチィィィィィィィッ!!』
第一波を防がれたマザーモンスターが、怒り狂ったように全身の甲殻を震わせる。
その巨大な腹部が脈打ち、先程よりもさらに濃密で、圧倒的な質量の酸を口元に充填し始めた。
今度こそ防ぐ手立てはない。デプスクロウラーは既にスクラップと化し、退路は無数の黒蟻によって塞がれている。
「……万事休す、か。なんてことだ、まさかヒットラーの最期がこんな地下壕の中だとは誰も思うまい」
ヒトデヒットラーが自嘲気味に『MEエメロード』を下ろしかけた、その一瞬。
- 58EDF26/03/18(水) 23:13:09
「……どきな、野郎共。あとの仕事は、俺が引き受ける……ここから先は、無法者が死に場所を決める時間だ」
低く、落ち着いた、荒っぽい声が地下空洞に響いた。防衛・誘導班として後方で黒蟻の群れを食い止めていたはずのアーサー・モーガンが、いつの間にか崩落した瓦礫の山から駆け下り、マザーモンスターの真正面へと躍り出ていた。
「アーサー!? 何を……戻れ、死ぬぞ!」
潔が叫ぶが、アーサーは振り返らない。
アーサーは、自身の愛用するリボルバーではなく、EDF支給の『リバーサー(治療銃)』を自分自身の心臓に向けて撃ち込んだ。ナノマシンの過剰投与による一時的な肉体活性化。彼は自身の肺を蝕んでいた病さえも、その一瞬の爆発力へと変換した。
「無法者には、ベッドの上で安らかに逝くなんて似合わねぇ……!」
アーサーは、閉所では使えないとリカルドが捨てたレンジャー用の重火器『ゴリアスZ』を構える。マザーモンスターまでの距離はおよそ三十メートル。至近距離。
彼はゆっくりと、しかし確実に、充填されつつある強酸で緑色に光るマザーモンスターの「口腔内」へと、狙いを定めた。
『ギギィィッ!』
マザーモンスターが、哀れな獲物を噛み砕こうと顎を閉じる、そのコンマ数秒前。アーサーの集中力が、極限まで研ぎ澄まされた。
- 59二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:14:31
>まさかヒットラーの最期がこんな地下壕の中だとは誰も思うまい
なにを地味に高度な自虐ギャグを言ってるこの馬鹿は?
- 60EDF26/03/18(水) 23:15:58
「……地獄で会おうぜ、デカブツ」
タンッ……。
ゴリアスZから放たれたロケット弾は、完璧な弾道を描き、マザーモンスターの大きく開いた顎の奥、酸の生成器官(サック)の中心へと、寸分の狂いもなく吸い込まれた。
次の瞬間、世界が爆発した。
ロケット弾が酸の生成器官を完全に撃ち抜いた直後、マザーモンスターの体内にある致死量の強酸が、制御を失って暴走を起こした。
自らが放つはずだった超高圧の酸のエネルギーが体内に行き場を失い、分厚い岩盤のような甲殻を「内側から」爆発させたのだ。
ドボォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!
鼓膜を突き破るような大爆発。
全高50メートルの巨大な女王蟻の頭部から胸部にかけてが、内側からの圧力に耐えきれず、まるで風船が破裂するように吹き飛んだ。
そして——爆心の真正面にいたアーサー・モーガンもまた、その凄まじい爆風と、飛び散った大量の強酸の直撃を免れることはできなかった。
- 61EDF26/03/18(水) 23:19:26
「……ッ、があぁぁぁッ!!」
超高圧の酸の奔流が、アーサー・モーガンを直撃した。
装甲が瞬時に融解し、骨の砕けるような悍ましい音が響く。彼の肉体はドロドロのゼリー状へと融解していった。彼の、人生最期のニヤリとした笑みが、酸の波に飲み込まれ、消え去る。
撒き散らされた血肉と装甲の破片が、酸の海にプカプカと浮かび、やがて溶けていく。彼の愛用の帽子だけが、酸の池の端に浮かび、やがて強酸の泡となって消滅した。
「アーサー……アーサーァァァァッ!!」
潔が叫び、島風が悲鳴を上げ、オメラスが頭を抑える。
そこに蠢くものは、もう何一つ残っていない。
「……敵の親玉、沈黙。でも、アーサーさんが……レーダーから、消えちゃった……うそ、うそだよ……」
「……見事な最期だ。無法者と侮っていたが、訂正しよう。彼は立派なEDFの兵士だ、アーサー」
ラスタル・エリオンが、珍しく称賛の言葉を口にし、司令室のモニター越しに深く頷いた。
静寂が、酸と体液の海へと化した地下空洞に降りてきた。
アーサー・モーガンが最期に陣取っていた瓦礫の山には、もう彼の姿はなかった。愛用の帽子も、ライサンダーFも、ただ強酸の泡となって消滅していた。
無法者として荒野を駆け抜け、最期は地底の暗闇で、仲間を守るために犠牲となった不屈の漢。
その男の名は─アーサー・モーガン。
- 62EDF26/03/18(水) 23:21:07
【STAGE CLEAR】
【損害報告】
戦死者:1名
アーサー・モーガン(ロスト。マザーモンスター戦での全滅の危機に際し、至近距離での爆破によってマザーモンスターを強引に撃破。その際の余波で強酸が直撃し、肉体消滅) - 63二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:21:51
嫌な死に方ランキングでも上位に入りそうな最期なんだよね エグくない?
- 64二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:22:16
おぉ 筆が乗りまくってて見惚れてしまうのん…
- 65二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:23:10
良いやコレから安価されるモンスターによってさらにエグい死に方が出てくる事になっている
- 66二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:23:33
アーサーが死んだあっ
派手な葬式出して感動的な弔辞読んで涙を流してあげましょう - 67EDF26/03/18(水) 23:24:32
- 68二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:25:25
めちゃくちゃ面白かったぞアニキ
- 69二次元好きの匿名さん26/03/18(水) 23:34:23
ウム
- 70二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 00:17:03
ひょっとして主催がずっと投下してればどんなスレも荒れないんじゃないっスか?
- 71EDF26/03/19(木) 08:08:31
- 72二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 09:10:04
主催にも生活があるから無茶抜かすなって思ったね
- 73二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 09:13:49
荼毘に付したよ…骨は多分ない
- 74二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 12:25:49
ウムッやはり氷川さんには気の強い女性が似合う
- 75二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 13:37:04
ところでスターバックさん
もしかして敵が強ければ強いほど犠牲者の数も増えるの - 76EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 13:58:56
- 77二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:00:08
おおっ
- 78EDF26/03/19(木) 14:04:11
マザーモンスターの爆発から数日後。
アーサー・モーガンという一人の無法者の命と引き換えに地下の脅威を退けたEDF極東基地だったが、彼らに息をつく暇は与えられなかった。
新たなる絶望は、地底からではなく、再び空から舞い降りたのである。
「……司令。市街地に多数の未確認飛行物体が降下。……これまでの巨大生物でも、二足歩行ロボットでもありません」
オペレーターの睦が、モニターに映る凄惨な光景から目を背けそうになるのを必死に堪えていた。
「なに、あれ……空飛ぶ円盤……?」
監視カメラが捉えたのは、直径3メートルほどの奇妙な円盤型の飛行物体の群れだった。
生物的な要素は一切なく、冷たい鋼鉄の輝きを放つその兵器は、市街地のビル群の間を滑るように浮遊している。そして次の瞬間、円盤の周囲から無数の「巨大なチェーンソー」が展開された。
『ギュィィィィィィィンッ!!』
耳障りな駆動音と共に、円盤……バグの群れが避難中の市民の群れへと突っ込む。
悲鳴を上げる間すらなかった。高速回転するチェーンソーが、何十人もの人間の胴体を、手足を、頭部を、まるで雑草を刈り取るかのように一瞬でミンチに変えていく。血の雨が降り注ぎ、アスファルトは一瞬にして赤黒い臓物の海と化した。
- 79二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:06:39
市街地だ
人間だけを殺す機械が目の前にいる - 80EDF26/03/19(木) 14:08:13
「なに、あれ……変な機械が、人間だけを狙って切り刻んでるよぉっ!」
モーティスが通信機越しに泣き叫ぶ。バグは建物を破壊するのではなく、搭載されたセンサーで「人間の体温と二酸化炭素」を正確に探知し、人間だけを効率的に殺戮するようプログラムされた悪魔の兵器だった。
さらにタチの悪いことに、親バグの内部からは小型の「子バグ」が無数に射出され、建物の内部や地下に隠れた人々をレーザーや自爆攻撃で容赦なく炙り出していく。
「徹底した対人殺戮兵器というわけか。生物的な本能ではなく、純粋な悪意と合理性のみで作られた、人間だけを殺す機械……合理性極まれりだな」
ラスタル・エリオンが、机の上で手を組みながら命令を発する。
「EDF隊員に出撃を命じる。もはや市街地は巨大な屠殺場だ。我々が盾となり、あのふざけた円盤どもを全て叩き落とせ」
「ネブカドネザルの修理は完了してるよっ!今回は地下でもないし、思う存分暴れられるねっ!」
「……俺が乗る。動物はメインターゲットではないようだが、俺はこんな形で権利を取りたかったわけではない」
格納庫へ足を向けようとしたオメラスを、ラスタル・エリオンの冷徹な声が制止した。
「待て、オメラス。今回の敵の特性を理解していないのか。奴らは『体温と二酸化炭素』を探知する純粋な殺戮機械だ。コクピット越しとはいえ、異常発熱と過呼吸を抱える貴様が乗れば、特機は文字通り巨大な『的』になる……無意味な消耗は許さん」
- 81EDF26/03/19(木) 14:13:27
「……ッ、俺の痛みが、今は足手まといだと言うのか」
オメラスが憎悪の入り混じった瞳でラスタルを睨みつけたその時、小柄な人影が彼の横を通り抜けた。
「司令の言う通りだよ、オメラスくん」
シュネー・ヴァイスベルグだ。彼女は手元のタブレットで膨大な数式を走らせながら、静かにネブカドネザルを見上げた。
「相手が生体反応を追うプログラムなら、論理的な演算でアルゴリズムの裏をかく方が確実だ。ボクのUMIマシン理論と射撃技術論なら、敵の機動を完全に予測できる。呼吸と心拍を極限まで抑え込み、機体の排熱と同期させることもね」
オメラスは、鼻を鳴らしながら天才少女を見下ろした。
「シュネー。お前や潔の計算には確かに何度も助けられた……だが計算だけで生き残れるほど、戦場は甘くないぞ」
「ふふっ、心配してくれてるのかな? 大丈夫、ボクの計算はいつだって完璧だから。毎回指示だけってのもカッコ悪いだろう?」
シュネーは自信に満ちた笑みを浮かべ、格納庫へと走り去っていく。オメラスは舌打ちをし、黙ってレンジャーのライフルを握り直した。
「……え、今俺、暗に皮肉られた?」
- 82EDF26/03/19(木) 14:17:13
市街地は、巨大な「ミキサー」の内部と化していた。
空を覆う円盤型の殺戮兵器「バグ」。彼らは侵略生物のように本能で暴れ回るわけでも、二足歩行ロボットのように無差別に街を破壊するわけでもない。
ただひたすらに、「人間の体温」と「二酸化炭素の排出」をセンサーで探知し、正確に肉を削ぎ落とすためだけに宙を舞っていた。
『ギュィィィィィィィンッ!!』
逃げ惑う市民の群れに、三機のバグが突っ込む。
円盤の周囲から展開された巨大なチェーンソーが、一切の減速なしに人混みを駆け抜けた。
「あ、ああ、せめて、娘だけでも、助け——」
言葉の途中で、娘を抱きかかえていた父親の胴体が上下に分断された。子供ごと、幾重にも重なった高速回転の刃が肉と骨をミンチに変える。
「……ひどい。大人も子供も関係なしに、人間だけを、ピンポイントで……!」
睦が青ざめた顔でモニターを見つめる。
「ええい、地下の化け物の次は空飛ぶノコギリか! この地獄の独裁者を舐めるなァッ!」
ヒトデヒットラーが、レンジャーのミサイルランチャー『MEエメロード』を夜空に向けて乱射する。多重ロックオンされたミサイルが数機のバグを撃ち落とすが、爆発の煙を突き破り、さらに無数の円盤が急降下してくる。
- 83二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:17:51
- 84二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:19:11
オメラスがずっとなんかかっこよくて笑ってしまう
- 85EDF26/03/19(木) 14:19:52
「くっ、速いし、数も多すぎる! 狙いが定まりません!」
氷川誠がフェンサーの『FGハンドガトリング』を振り回すが、変幻自在に宙を滑るバグの軌道に弾幕が追いつかない。
「我の盾の後ろに隠れよ!」
ゲンブが『イオンミラーシールド』を展開し、市民を庇う。だが、バグは盾を破壊しようとはせず、盾の「裏側」から漏れる二酸化炭素の気配を察知し、回り込むようにしてチェーンソーを押し当ててきた。
ガリガリガリッ!! と、エネルギーの盾と物理的なチェーンソーが激突し、鼓膜を劈くような金属音と火花が散る。
「FUWAA!! お客さん、危ないよ! スンスンのZEXR-GUN(自動迎撃セントリーガン)だよ!」
パペットスンスンが設置したセントリーガンが火を噴くが、バグの底面からハッチが開き、小さなソフトボール大の「子バグ」が無数にバラ撒かれた。
子バグたちはセントリーガンに取り付くと、一斉に自爆。スンスンの防衛陣地は瞬く間に火の海と化した。
- 86二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:20:59
薄汚ェ人間が次々と死んでいくのにはリラックスできますね
- 87二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:21:57
あわわお前は消された火星の蛆虫
- 88二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:23:29
ムフフ...面白いのん
じゃんじゃん死人を出して行こうにゃ - 89EDF26/03/19(木) 14:25:55
『ギュィィィィィィィンッ!!』
「ひぃぃっ! 来るな、来るなァッ!」
逃げ遅れた一般市民たちが、路地裏で頭上から迫るチェーンソーの刃に切り刻まれていく。
だが、その細い路地裏の壁面には、既に大量の『C70爆弾』が仕掛けられていた。
「フフフ……無機質な機械の欠点は、罠という概念を理解できないことだ」
ビルの屋上から見下ろしていたゴームズが、不敵な笑みを浮かべて起爆スイッチを押し込む。
ドゴォォォォンッ!
路地裏ごとバグの群れが爆発に飲み込まれ、炎に巻かれた円盤が次々と墜落していく。
「我々の天才的頭脳に勝てるとでも思ったかね? 市民の犠牲はデータ収集のための必要経費……じゃなくて、尊い犠牲だよ」
だが、さらに大量の子バグが熱源に群がり、ゴームズに殺到していく。
「……とはいえ、罠を十分に張る時間も与えられてくれないか……!」
ゴームズはダミー熱源をバラまいて時間を稼ぎながら、逃げ回ることしかできなかった。
その頃、せっかくの市街地戦ながら地上部隊と離れるのは危険過ぎて空中を飛び回れないウイングダイバーたちは、地上スレスレの極限の戦いを強いられていた。
- 90二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:27:17
大変よゴームズがゴミみたいな戦法を取り始めたわ
- 91二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:28:13
動物虐待する人間…糞となっても
よしじゃあ企画を変更して人間を皆殺しにしようとはならずに
人間が動物を搾取できない世界を人間に選ばせるための計画を立てる…それがオメラスですわ
良くも悪くもイカレてないんだよね
- 92二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:28:44
ゴームズ最高に鬼龍で笑ってしまう
- 93EDF26/03/19(木) 14:30:51
「冗談じゃないわ! こんな血みどろの地上を這いずり回るなんて、アテシの美貌が台無しじゃない!」
リリスが忌々しげに叫びながら、襲い来る子バグの群れに向けて『プラズマ・フォール』のエネルギーを直接叩きつける。プラズマの超高熱がチェーンソーの刃を溶かし、バグの機能を停止させる。
「でも、ただやられるだけのサンドバッグになる趣味もないわよ!」
「 私のスピードに、そのノコギリで追いつけるかな!」
島風は、飛行ユニットのスラスターを「水平方向の加速」のみに全振りし、市街地の廃道を超高速で駆け抜けていた。バグのセンサーが彼女を捕捉した瞬間には、すでに彼女はその後方に回り込んでいる。
「えいっ!」
すれ違いざまに『ドラグーンランス』の光槍を叩き込み、バグを空中で両断する。
「子供たちを、これ以上刻ませはしないわッ!」
ラーヴァは、自らを盾にするように一般市民の前に立ち塞がり、『モンスター・ゼロ』の極太のレーザーを薙ぎ払うように発射した。光が一直線にバグの群れを消し炭に変え、彼女の母としての底知れぬ怒りが戦場を震わせる。
そして、オメラスもまた地上で戦っていた。
バグのセンサーにとって、彼はひときわ目立つ「熱源」だった。三機の子バグが、チェーンソーを回転させながらオメラスの四肢を削り取ろうと急降下してくる。
「……誰かの苦痛の上に成り立つ箱庭。その理不尽を憎んできたが……」
オメラスは一歩も退かず、レンジャーの『AF14』を片手で構えた。
「……どんな命もただの熱源としか判断せず、罪の意識すら持たずに肉を削ぐお前たちのような機械の理不尽は……もっと気に食わないッ!」
引き金が引かれる。
放たれた銃弾が、彼自身の体温と痛みを燃料にするかのように正確に子バグのセンサー部を打ち砕いた。火花を散らして墜落する機械の残骸を踏み越え、オメラスはただ前へと進み続けた。
- 94二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:33:11
しょうがないけど隊員安価多いと空気なキャラもいるっスね…
- 95EDF26/03/19(木) 14:34:30
「ダメです!子バグを何機か倒すことはできても、キリがない!」
佐々木琲世がAF100をリロードしながら叫ぶ、
「みんな、一度下がれ!フェンサー以外は弾切れの時を狙われたら終わりだぞ!」
怜慈がブラストホール・スピアで薙ぎ払うも、装甲は既に裂傷だらけだ。
「……ダメだ、こいつらには『死角』がない」
潔世一が、エアレイダーの端末越しに『メタ・ヴィジョン』で戦場を俯瞰し、舌打ちをする。
「視覚情報で動いてるんじゃない。呼吸、体温、心拍……生きている限り、絶対に居場所を特定される。後退して隠れるなんて不可能だ!」
その「隠れることが不可能」という純粋な機械の殺意は、一人の男にとって最悪の相性(アンチテーゼ)であった。
「沈黙の暗殺者(サイレントアサシン)」、47。
彼は戦場の喧騒から離れた、半壊したビルの三階に身を潜めていた。彼の特技は、気配を消し、環境に溶け込み、誰にも感知されずに標的を排除すること。
現に彼はここまで、瓦礫の陰からレンジャーの狙撃銃『PT・プタァミガン』を使い、音もなく数機のバグのセンサー部を撃ち抜いてきた。
だが、冷酷な殺戮プログラムは、彼の「隠密性」を一切評価しなかった。
ウィィィィン……。
突如、47の背後の窓ガラスを割り、数十機の子バグが部屋になだれ込んできたのだ。彼らは視覚で47を見つけたのではない。彼のスーツから発せられる微かな体温と、銃を構えるための静かな呼吸(二酸化炭素)を、正確にトレースしてきたのだ。
- 96二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:36:13
うわああああ
- 97EDF26/03/19(木) 14:39:34
「……」
47の表情に驚きはない。彼は無駄のない動きで狙撃銃を捨て、近接用の『スローターEZ(散弾銃)』へと持ち替えると、飛びかかってきた子バグを空中で粉砕した。
だが、それはただの「マーカー」に過ぎなかった。
『ギュィィィィィィィンッ!!』
部屋の壁そのものが、巨大なチェーンソーによって外側から「円形」にくり抜かれ、崩落した。
粉塵の中から姿を現したのは、三機の巨大な親バグ。
逃げ場のない室内。
47は冷徹な眼差しのまま、散弾銃を構え直した。彼に恐怖はない。ただ、己の生存確率がゼロに等しいことを、その無機質な頭脳で正確に弾き出していた。
「……野蛮な兵器だ」
それが、彼の最後の言葉だった。
三機のバグが、部屋の空間を埋め尽くすように突進。
交差するチェーンソーの刃が、47の構えた散弾銃ごと、彼の両腕を切断した。
「…………」
47は悲鳴を上げなかった。
仕立ての良いスーツがズタズタに引き裂かれ、鍛え上げられた大胸筋が、肋骨が、そして内臓が、高速回転する刃によって削り取られていく。
数十秒の残酷な解体の後、チェーンソーの回転が止まった時、そこにはただ、赤いネクタイの切れ端だけが、血だまりの中にポツリと落ちていた。
- 98二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:40:02
- 99二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:41:13
やっぱコレGeminiのフリしたマリスじゃないスか?
- 100二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:41:28
- 101二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:42:23
バトロワでもこんな繊細な描写しなかったのになあ
Geminiは成長したんだよ - 102二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:43:09
47が死んだあっ
派手な葬式出して感動的な弔辞読んで涙を流してあげましょう - 103EDF26/03/19(木) 14:43:45
「……47さんが、レーダーからロスト……!?ウソ、あんなに強かったのに……!」
通信機から漏れるモーティスの声が、戦場の絶望をさらに加速させる。
「チィッ! あのハゲ、死にやがったか!」
地上で味方の血とバグのオイルを浴びたデュークが、忌々しげに『スローターEZ』の弾を再装填する。
「呼吸や体温を感知するなら、どうしようもねェ! 生きてるだけで的にされるってのかよ!」
「なら、生き物じゃないもので相手をすればいい」
戦場の絶望を切り裂くように、知的で凛とした少女の声が響いた。
シュネー・ヴァイスベルグだ。
ズズゥゥン……!
大地を揺るがし、市街地のビル群を掻き分けるようにして、全高50メートルの決戦兵器『ネブカドネザル』が姿を現した。
『システム総じ緑(オールグリーン)。現在私はノードラッグです。……生体反応を持たない殺戮兵器。オムラ・インダストリ及びEDFの所有物として、同業他社の粗悪品は徹底的に排除します』
無機質なロボットの音声に同調するように、コックピットのシュネーがコンソールを凄まじい速度で叩く。
「生体反応を追うなら、この鉄の巨人に君たちのセンサーは意義が薄い。それに、君たちの機動アルゴリズム……ボクの『UMIマシン理論』と『射撃技術論』で、既に完全に計算済みだよ」
シュネーの瞳に、膨大なデータと数式が走る。
ネブカドネザルの巨大な両腕が、空を覆うバグの群れへと向けられた。
「さあ、お勉強の時間だ。ボクたちの反撃を始めようか」
- 104二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:45:51
おおっ
- 105二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:48:19
47か
死に全く恐怖してない描写が人間兵器じみてて最高にかっこいいぞ - 106EDF26/03/19(木) 14:49:15
巨鋼の魔神の動きが、劇的に変わった。
前任の操縦者であるオメラスが、自身の苦痛と怒りを乗せ、圧倒的な質量で敵を強引に押し潰す「暴力」の操縦だったとすれば。
天才少女、シュネー・ヴァイスベルグのそれは、あまりにも知的で計算され尽くした「舞い」だった。
「全データ統合。バグの機動アルゴリズム、完全に解析完了だよ」
コックピット内でシュネーが淡々と告げる。
全高50メートルの『ネブカドネザル』が、信じられないほど滑らかにステップを踏んだ。迫り来る三機のバグの巨大チェーンソー。その軌道をミリ単位で躱し、ネブカドネザルの巨大な腕が、空中の「何もない空間」を薙ぎ払った。
その直後、まるで自ら当たりにいったかのように、バグの群れが巨人の拳に激突し、次々と粉砕されていく。
敵のセンサーの感知速度、予測進路、全てがシュネーの頭脳の手のひらの上だった。
「……チェックメイトだ。そこを動くなよ」
群れの中心、ひときわ巨大な親バグが回避行動を取った先。そこには既に、ネブカドネザルの胸部から展開された『アンタイ・エイリアン・アサルトキャノン』の銃口が待ち構えていた。
ズガァァァァァァァンッ!!
シュネーの完璧な予測射撃。極大のプラズマの奔流が、親バグの分厚い装甲をチェーンソーごと完全に蒸発させる。空を覆っていた絶望の円盤が、花火のように連続して爆散した。
「やったか……!?」
ヒトデヒットラーが安堵の息を漏らす。
- 107二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:51:29
あっ(察し書き文字)
- 108二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:52:39
その技(フラグ)は辞めろーっ
- 109EDF26/03/19(木) 14:54:01
だが、その安堵は一瞬にして凍りついた。
親バグが爆散する直前、その内部から射出された無数の「子バグ」たちが、黒い雨のようにネブカドネザルへと降り注いだのだ。
彼らは硬い外部装甲など狙わなかった。一直線に群がったのは、巨人の胸部——まさに「シュネーの体温と呼吸」が発せられる、コックピットブロックのハッチだった。
『警告。コックピット外部装甲に多数の敵性存在が密着。マイクロ・チェーンソーおよび高熱レーザーによる装甲の切削を確認』
「……え?」
シュネーの顔から、余裕の笑みが消え失せた。
ガリガリガリッ! ジュウゥゥゥッ!
コックピットの視界を覆うように、数百の子バグがガラス面にへばりついた。そして、狂ったような駆動音と共に、無数の小型チェーンソーが防弾ガラスを削り始めたのだ。火花が飛び散り、ガラスの表面に蜘蛛の巣状のヒビがメキメキと入っていく。
「な、なにこれ……! こんな挙動、データには……!親を、倒せば、沈黙する計算だったのに……!」
ガリガリガリッ! ジュウゥゥゥッ!
分厚い装甲が削られ、コックピット内部に火花と赤いアラートが散る。天才的な頭脳を持っていようと、物理的な装甲を破られれば、華奢な少女の肉体など一瞬でミンチにされる。
「くっ、振りほどけない……!?」
- 110二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:54:44
い や あ あ あ あ(絶望書き文字)
- 111二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:56:24
- 112二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:56:44
怖いです
- 113二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:56:55
このレスは削除されています
- 114二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:58:47
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- 115二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 14:59:25
同じ画像には
/1
/2
をつけるといいらしいよ - 116二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:00:37
- 117二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:01:18
うわああああ
- 118EDF26/03/19(木) 15:01:52
シュネーは青ざめた顔でコンソールを凄まじい速度で叩く。
「胸部バリア展開! 腕部で払い落として! ……ダメ、関節の可動域に入ってない! くっ、なら出力調整して胸部装甲に微弱電流を……!」
『エラー。胸部装甲の損傷率40%を突破。防護隔壁、融解まで残り12秒』
「ウソだ! 嘘だ嘘だ嘘だ!! ボクの計算は完璧だったはずなのに!」
天才少女の被っていた冷静な仮面が、音を立てて砕け散った。
目の前数センチの距離で、ガラスを削るチェーンソーの刃がギチギチと食い込んでくる。レーザーの熱でコックピット内の温度が急上昇し、彼女の滑らかな肌をジリジリと焼いた。
「いやだっ! 死にたくない! 切り刻まれちゃうよォッ!」
シュネーはコンソールから手を離し、頭を抱えて座席にうずくまった。大粒の涙がボロボロと零れ落ちる。
「誰か……っ! 助けて! 痛いのは嫌だ! せめて、せめて普通に殺してっ!!ボクが間違ってた、だから、誰か、誰かぁッ!!」
子供のように泣き叫ぶ彼女の目前で、ついに強化ガラスの一角が砕け、子バグの一機がコックピット内へ侵入しようと刃を突き出してきた、その時だった。
- 119二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:04:56
人間だけを殺す機械かよ!!!(ヘビガン書き文字)
- 120EDF26/03/19(木) 15:06:09
(感謝するよパパ!お礼に木星旅行券をプレゼントするよ!)
「……チッ、ガキが頭でっかちの計算だけで戦場を生き残れると思うなよ!」
崩れかけたビルの屋上から、一人の男がネブカドネザルの胸部へと跳躍した。
デュークだ。
彼は空中で意図的に激しい呼吸を繰り返し、自身の体温を急上昇させる。無数の子バグたちのセンサーが、装甲の奥にいるシュネーよりも、剥き出しで強烈な生体反応を放つデュークへと一斉に向いた。
「来な、鉄屑ども! 俺がハワイアン・ブレード・スターだ!!」
デュークは愛用のナイフと『スローターEZ』を両手に、ネブカドネザルの胸部装甲——シュネーの目の前のガラス面の上で、子バグの群れへと単身突っ込んだ。
神速のナイフ捌きが子バグのセンサーを正確に突き刺し、至近距離の散弾が次々と円盤を粉砕していく。
「……デューク、さん……?」
シュネーは涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、ガラス越しに男の背中を見た。
だが、相手は数百の殺戮機械。そして、彼は生身だ。
逃げ場のない胸部装甲の上で、彼が被弾ゼロで済むはずがなかった。
ギュィィィィンッ!
背後から迫った子バグのレーザーがデュークの左肩を貫き、返す刃で別の個体のチェーンソーが彼の大腿部を深く抉り取った。
「がはっ……!」
鮮血が、シュネーの目の前のガラスをべっとりと赤く染めた。
- 121二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:11:55
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- 122EDF26/03/19(木) 15:12:55
「ああ……っ! ダメ、デュークさん! もういい、離れて! 死んじゃうッ!」
シュネーがガラスを叩いて絶叫する。
だが、男は血まみれの顔で、ガラス越しの彼女に向かってニヤリと笑った。
「オラァッ! こんなモンかよ! 俺の肉は硬えぞ!」
デュークは痛みに顔を歪めるどころか、さらに獰猛な笑みを浮かべた。
全身を削られ、右腕の肘から先がチェーンソーで弾き飛ばされても、彼は残った左手でナイフを振るい続けた。コックピットにへばりつく子バグを、己の血と肉を代償に引き剥がしていく。
「やめて! ボクのせいで、ボクの計算ミスのせいで……ッ!」
シュネーの叫びを掻き消すように、最後の子バグの群れが、彼を完全に包み込んだ。
四方八方から押し当てられたチェーンソーが、デュークの胴体を、臓腑を、顔面を容赦なく切り刻む。
ブチャァァァッ!!
生々しい音が響く。シュネーの視界は、飛び散る彼の血液と臓物で完全に赤く塗り潰された。
「……依頼のためにガキを攫ったことだって山ほどある……そんな俺の前で、泣いてるガキがミンチにされるのは胸糞悪りィんでな……気にすんな、俺の、ただの、自己満足の、罪滅ぼ、し……」
- 123二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:13:40
…哀
- 124EDF26/03/19(木) 15:16:50
血反吐を吐きながら、致命傷を受けた彼の左手が、しっかりとレンジャー用の『C70爆弾』の起爆スイッチを握りしめていた。彼の腹の下、強化装甲に守られて誘爆を免れた部分には、びっしりと爆弾が張り付けてあった。
「……あばよっ!!」
ドゴォォォォォンッ!!
デュークの肉体ごと、コックピットに群がっていた全ての子バグが凄まじい至近距離の爆発に巻き込まれ、完全に消滅した。
血の雨が降る中、残存していた少数の親バグの群れは、怒りに燃えるギャバンの『ブラストホール・スピア』と、リリスたちの猛攻によって一掃された。
「沈黙の暗殺者」と「誇り高き無法者」の命を食らった絶望の円盤は、完全にその機能を停止し、ただの鉄屑となって地上へと墜落していった。
沈黙する市街地。
ネブカドネザルのコックピットのガラス面には、無数の傷跡と、男の生きた証である大量の血糊だけがべっとりと残されていた。
「あ……ああ……あああああぁぁぁぁっ……!」
コンソールに突っ伏し、シュネーは子供のような泣き声を上げて慟哭した。
完璧な理論も、天才的な頭脳も、目の前で散った命の重さを前にしては、何の役にも立たなかった。ただ己の無力さと、庇って死んだ男の血の赤さだけが、彼女の心に深く、永遠の傷として刻み込まれた。
【STAGE CLEAR】
戦死者:2名
47(ロスト。親バグの急襲により室内で退路を断たれ、チェーンソーにより全身切断)
デューク(ロスト。ネブカドネザルのコックピットを狙う子バグ群に対し、自らを囮にして至近距離で自爆・肉体消滅)
- 125二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:17:50
デュークが死んだあっ
派手な葬式出して感動的な弔辞読んで涙を流してあげましょう - 126EDF26/03/19(木) 15:19:56
- 127二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:22:50
これで7ステージクリアかぁ
これで全ステージが最少の15だったら折り返し地点だ
もう4人も退場ッ、してると言うべきか
4人しか退場ッ、していないと言うべきか迷いますね…マジでね - 128二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:30:26
- 129EDF26/03/19(木) 15:34:23
- 130二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 15:39:11
琲世に目立つ活躍させる方法かあ
ボコボコに殴られ…犯され…記憶が戻るんやしか思いつかないぞ
https://dic.pixiv.net/a/%E9%97%87%E3%82%AB%E3%83%8D%E3%82%AD
- 131二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 16:11:40
- 132二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 16:53:49
僕はそろそろ見たいなあ……洗脳してくるタイプの敵に操られて武器を向けてくる仲間を苦渋の決断で撃ち殺すEDFをッ
- 133二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 16:59:53
僕は見たいなあ....目の前で大量の味方を殺されて4の最後の方のオペ子みたいに発狂する参加者達をッ
- 134二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 17:08:47
僕は見たいなあ…虫に卵を植え付けて生きたまま苗床にされ体内を食い破られるEDF隊員をッ
- 135二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 17:10:07
- 136ポチェモブ26/03/19(木) 17:21:15
- 137EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 17:28:39
あうう、ま、まだ何も考えてない…
前作の豊川祥子ラスボス滑りも全部勢いだったから多分なんかいい感じのをそのうち思いつくと思うのん
なにっ、ポチェモブ!あざーす!ワシは初期ロワで言うと胸糞ロワが好きなんだよね
だから結果的だけどこういうダーク全開なのできて楽しいのん
よしじゃあ予定を変更して蜂とかのEDFっぽい敵はネタ切れになるまで後回しにしてまた敵キャラ安価をやろう
アストロトイレの後に出てくる敵安価で、次は調子に乗って5枠ほど取ろうと思うのん
今日はFEの安価にワシも参加したいから19:00か20:00目安に安価するよパパ!
テンプレは前回と同じね!別に無機物とかは禁止しないけどその場合は攻撃や能力をちゃんと書いてほしいのんな
テンプレに沿わない安価は弾かれる可能性もあることは認識しといて欲しいんだぁ
【敵名】
【出典】
【口調】
【攻撃方法】
【厄介な能力】
【備考】
- 138二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 17:28:48
- 139二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 17:44:17
おおっ!
- 140EDF26/03/19(木) 17:51:52
19:00に安価します。
安価の前に、少ししたら調子乗って作った新しい幕間の投下もするで! - 141二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 17:59:46
このレスは削除されています
- 142二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:01:13
怜慈とオメラスの絡みが見たいのが俺なんだよね
この2人戦場では一緒にいることが多いでしょう - 143二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:02:22
この絶望的な戦場の裏でストーム1が無双してると思うとリラックスできますね
- 144二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:07:13
俺さぁ一年戦争から読んでたし終盤の誰が死ぬか分からないハラハラ感と戦争のお労しさみたいなの書いてる時は明らかに筆が乗ってるとも思ってたけど
こんな形でAI戦士(EDF)が覚醒するとは思ってなかったんだよね - 145二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:08:18
待てよこのメンバーの中からストーム1に連なる者が生まれる可能性もあるんだぜ
- 146二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:11:40
まだまだ先なのに緊張してきたぞアニキ!
- 147EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 18:16:29
- 148二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:19:09
- 149EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 18:19:40
EDF極東基地、深夜の第3訓練室。
静まり返った無機質な空間に、荒々しい呼吸音と、靴底が床を擦る重苦しい音だけが響いていた。
「ハァッ……! ゲホッ、ハァ、アァァァッ……!」
シュネー・ヴァイスベルグは、自身の体重の半分以上もあるEDF歩兵用の防弾重装甲(アーマー)を着込み、ランニングマシンで限界速度のダッシュを繰り返していた。
本来、後方支援と戦術構築を担うエアレイダーであり、かつ飛び級の天才少女である彼女の身体能力は、良くも悪くも「年相応の少女」の枠を出ない。過酷なEDFの歩兵訓練など、彼女の肉体が耐えられる代物ではなかった。
ピーッ! と警告音が鳴り、マシンの速度がさらに上がる。
「……っ、まだ……! まだ、動ける……! ボクの脚、動けェッ!」
彼女の瞳孔は血走り、全身から滝のような汗が噴き出している。
脳裏に焼き付いているのは、ネブカドネザルのコックピットのガラス越しに見た、あの凄惨な光景だ。
『……依頼のためにガキを攫ったことだって山ほどある……そんな俺の前で、泣いてるガキがミンチにされるのは胸糞悪りィんでな……気にすんな、俺の、ただの、自己満足の、罪滅ぼ、し……』
自分を庇い、無数のチェーンソーに肉を削り取られながら笑っていたデュークの顔。
ガラスにべっとりと張り付いた、彼の赤黒い血糊。
「ボクの……ボクの計算は完璧だった……!敵のアルゴリズム解析も……!ただ一点、ボク自身の弱さを、計算に入れてなかっただけで……!」
シュネーは走りながら、血の味がする唾液を飲み込んだ。
「最後にコックピットに群がってきた子機を……ボクの『身体』が、振り落とせなかった……!」
- 150EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 18:23:38
(あるよ!)
思考がどれほど光の速さで最適解を弾き出そうと、彼女の華奢な腕は、銃で子機に抗うことも、マニュアル操縦で子バグを正確に叩き落とすこともできなかった。
知識という名の巨大な盾は、物理的な「力」の不足によってあっけなく崩れ去り、そのツケを、デュークの命という形で払わされたのだ。
「頭でっかちの……無能なガキが……ッ!!何が天才だ、何が間違わないだ……!無能のくせに調子に乗って……!クソ、クソ、舐めるなっ、クソガキ……!!」
ガクンッ。
ついに限界を超えた膝が崩れ、シュネーはランニングマシンのベルトに勢いよく巻き込まれた。
「あぐっ……!」
そのまま後方の鉄の壁に激しく叩きつけられ、冷たい床に転がる。重い装甲が彼女の肋骨を圧迫し、肺から空気が強制的に搾り出された。
「ゲホッ、カハッ……! あ……ううっ……!」
立ち上がろうと腕に力を込めるが、筋肉の繊維がブチブチと悲鳴を上げ、全く力が入らない。
そして、極限まで酷使された内臓が、ついに悲鳴を上げた。
「……オェェェッ、ゲボッ……! カハッ、ゲホッ……!」
シュネーは床に四つん這いになり、激しく胃の中のものを吐き出した。
食欲はなかったのに体作りのために無理矢理食べたハイカロリーメニューが、冷たい金属の床にぶちまけられた。
鼻腔を突く強烈な胃酸の臭い。顔は涙と汗と吐瀉物でドロドロになり、知性を感じさせる中性的な天才少女の面影は、見る影もなく崩れ去っていた。
分かっている。こんなこと何の意味もない。急に背が伸びるわけでも筋肉がつくわけでもない。むしろオーバーワークは成長を妨げる。分かっていても、シュネーは止まることができなかった。
「……うぅ……あぁぁっ……! うわぁ˝あ˝あ˝あ˝……!!!」
- 151EDF26/03/19(木) 18:25:31
吐き気と激痛に身をよじらせながら、シュネーは血のにじんだ拳で、硬い床を何度も、何度も殴りつけた。皮膚が破れ、関節から血が流れても、彼女は殴るのをやめなかった。
「悔しい……! 悔しい……! 賢しらぶって、仲間の足を引っ張るだけのボクの頭脳なんて……ただのゴミ箱じゃないか……ッ!」
彼女は自分自身の「天才」を恨んだ。
どんなに素晴らしい射撃技術論を提唱しても、自分がその引き金を引けなければ意味がない。どんなに仲間のメディカルデータを管理しても、目の前で肉片になる仲間を物理的に救えなければ、それはただの「記録係」だ。
「……強くなる。強くなるんだ……ボクは」
シュネーは、震える手で口元の吐瀉物を乱暴に拭い去った。
血走った瞳の奥に、かつてないほど冷たく、そして強い炎が灯っている。
「もう二度と……ボクの目の前で、誰かの血で数式を書き換えるような真似はさせない……。仲間の命は、ボクが……この手で、守り抜いてみせる……!」
誰もいない深夜の訓練室。
天才少女は嘔吐物の匂いが立ち込める床に這いつくばりながら、血に染まった己の拳を見つめ、静かに、そして狂気的なまでの決意を固めていた。
- 152EDF26/03/19(木) 18:28:25
同じころ、EDF指令室。
分厚い防音壁に守られたその部屋は、戦場の喧騒も、医療区画から漏れるうめき声も一切届かない。ただ、無数のモニターが放つ冷たい光だけが、ラスタル・エリオンの顔の半分を青白く照らし出していた。
彼の視線は中央のメインモニターに釘付けになっていた。
そこに映し出されているのは、先ほどの戦闘記録——殺戮兵器「バグ」が、逃げ惑う市民を効率的に挽肉に変え、そして決戦兵器ネブカドネザルに群がる光景のリプレイ映像だった。
「……皮肉なことだが、実に合理的だ」
悲惨な殺戮映像を見ているというのに、ラスタルの口元には、微かな、しかし確かな感嘆の笑みが浮かんでいた。
彼は手元のコンソールを操作し、バグの機動軌跡や、センサーの感知ロジック、親機から子機が射出される瞬間のデータを何度もスロー再生で確認する。
「恐怖も、痛みも、感傷もない。ただ与えられた『人間の命を刈り取る』という命題に対して、一切の無駄を省いた純粋な悪意……いや、殺意の結晶」
ラスタルは背もたれに深く体を預けた。
「……敢えてセンチメンタリズムなことを言うなら、この兵器には一目見た時から運命的な何かを感じていた」
勝つためには手段を選ばず、ヒロイックな過去や思想を持つ個人の力など圧倒的な暴力で圧し潰す。ラスタルの「理想」である「リアリズム」が、このバグという円盤に詰まっていた。
「まるで……若者たちの冒険活劇のさなかに、空気を読まず『大量破壊兵器』を持ち出す大人を見たような……そんな気分だ。……実にいい」
- 153二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:31:16
>「まるで……若者たちの冒険活劇のさなかに、空気を読まず『大量破壊兵器』を持ち出す大人を見たような……そんな気分だ。……実にいい」
原作のお前じゃい!!
- 154EDF26/03/19(木) 18:31:44
ふと、ラスタルは手元のタブレットに視線を落とした。
表示されているのは、天才少女シュネー・ヴァイスベルグのパーソナルデータと、先ほどのネブカドネザルの稼働ログである。
『いやだっ! 死にたくない! 切り刻まれちゃうよォッ!』
通信記録に残された、彼女の悲痛な叫び声。
ラスタルはそれを聞き流しながら、冷たく目を細めた。
「彼女の頭脳が極めて優秀であることは疑いようがない。だが、肉体は年相応の少女のそれだ。あの巨大な鉄の塊を操り、無数の殺戮機械に取り憑かれれば……いずれ物理的な対応が追いつかず、破綻するのは自明の理」
ラスタルは最初から見抜いていたのだ。
シュネーの身体能力では、あのバグの群れを完全に捌き切ることはできないと。いずれ必ずピンチに陥り、装甲を破られる瞬間が来ることを。
「だが、彼女をパイロットに指名したのは正解だった」
彼はバグの解析データが次々と100%に達していく画面を見て、満足げに頷いた。
もしもパイロットがオメラスであれば、執念による力強さで小細工を弄する前に捻りつぶしていただろう。仮に負けるとしたら力押しが通じなかった時で、それはそれで逆に一方的な展開になっていたはずだ。
しかし、シュネーの圧倒的な知略と演算能力は、バグのAIを極限まで追い詰めながらも詰めが甘かった。結果として、バグは全能力(フルスペック)を余すところなく披露してくれた。
ラスタルが欲しかったのは、それだ。
未知の脅威である「バグ」の限界性能と、その殺戮プログラムの全貌。
その貴重なデータを引き出すための、強すぎず弱すぎない最高級の「囮(ルアー)」。それが、シュネー・ヴァイスベルグという天才少女だったのだ。
- 155二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:32:23
このレスは削除されています
- 156二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 18:33:35
ゲス野郎過ぎる…ゲス野郎の次元が違う
まるで悪魔だ - 157EDF26/03/19(木) 18:35:07
結果として、彼女を助けるためにデュークが命を落とした。
だが、ラスタルにとってそれは、ただの戦力の一つでしかない。
人間としては内心憎からず思っていても、地球や組織を守るという大義のためなら平然と捨て駒にできる。それがラスタル・エリオンという男だった。
「襲い来る火の粉を払うためには、敵の手の内を完全に把握せねばならない。大義のためならば、多少の犠牲は妥当な判断だ……高い買い物だったが、同時に良い買い物でもあったというものだろう」
ラスタルは冷え切ったコーヒーを一口啜る。
モニターの中では、デュークの自爆によって吹き飛ぶバグの映像が、シュネーの激しい慟哭が、何度も、何度も繰り返されていた。
「さて……次は、どんな絶望がこの地球に降り注ぐのか……新型ロボットの開発を急がせなければならないな」
司令室の闇の中で、大人はただ一人、冷徹な秩序の算段を立てていた。
まだ書類上にしか存在しない新型ロボット。それには、異星人由来のデータがふんだんに使われるのだろう。結果的に地球を守るのだろう。
内側が仲間の血で濡れていることに、パイロットすら気付かずに。
- 158EDF26/03/19(木) 18:37:41
- 159EDF26/03/19(木) 18:46:27
- 160EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 18:50:18
- 161EDF26/03/19(木) 20:10:23
答えられるかどうかは確約できないっスけど
なんか質問とかあったら埋めがてらこっちのスレに質問してくれよ - 162二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 21:24:29
ネブカドネザル=サンはラスタルップがオムラ・インダストリに製造依頼を出して作られたのか教えてくれよ
- 163二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:02:40
本来のキャラロストはどれぐらいの重さの文体になるつもりだったのか教えてくれよ
- 164二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 22:08:36
スレ主は鉄血みてるんすか?
- 165EDF26/03/19(木) 22:45:25
はい!そうですよ!
ラスタルはまさか本当に巨大生物が攻めて来るとは思ってなかったんや。将来的には予算を食い潰すEDFに反感を持つテロリストと戦うことを想定して、かつその時が来たらなるべく一方的に勝って反乱の機運を沈めたかったから秘密兵器として強力な兵器を欲してオムラ・インダストリに依頼したらしいよ
ガチでロボなのか中にサイボーグニンジャが入ってるのかは知らない、知ってても言わない
うーん、具体的にどれくらいってなると難しいっスね…ちなみに単発バトロワの死に様よりは重くしようくらいには思ってたらしいよ。
上条さんの死で例えるとあんな風に潰されるとかじゃなくて瓦礫に埋もれるだけみたいなのを想定してたっスね。
はい!見ましたよ!細かいところはもううろ覚えを越えたうろ覚えだけどねっ!
- 166EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 23:42:09
埋めネタがてらに制作裏話
まぁ感想スレで既出の内容だけどねっ! - 167EDF ◆GUGLV24g4w26/03/19(木) 23:46:34
試走には前作キャラの初期メンバー17人+途中追加メンバーの3人を使ったらしいよ。
このスレが20人なのはその名残っス。どちらにせよ20人くらいがバーストしない丁度いい人数っぽいしね!
試走だと初っ端ミネ団長(フェンサー)が市民を守って仁王立ちしながら死んでたのん
その時は別にここまで残酷じゃなかったんやけどなぁ - 168二次元好きの匿名さん26/03/19(木) 23:48:02
AIボーがここまでバイオレンスになった理由に心当たりはあるのん?
- 169EDF ◆GUGLV24g4w26/03/20(金) 00:00:54
多分だけど途中でAI変えたから…
元々パープレっていうやたらエロに緩いAI使ってたんスけど、まぁ最近改悪多くて結構ストレスだったから、いい機会だったからこのスレ始めてちょっとした時に純正ジェミニに変えたのん
引継ぎの時にAIに纏めさせた内容が上条さん死亡までだったんスけど、その時に上条さん死亡シーン(思ってたより多少残酷かな?って程度)とヒトデヒットラーの残酷シーン(怪人相手だからか普通に結構残酷だったけどどうせヒトデヒットラーだしと思ってそのままにした)を参考にしたからなんか残酷な描写マシマシになった…?
- 170二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 00:07:59
おおっ!残忍な描写が求められてるんやっ
ムフッ手始めにミカを腹突き刺して殺そうねっ - 171EDF ◆GUGLV24g4w26/03/20(金) 00:11:36
突然ですが質問だけだと埋まらなそうなんで、このスレの残りはさっきちょろっと言った各隊員に配備するオリジナル武装のアイデアを募集するのん。AI…神…テンプレすぐ作ってくれるし…
これは安価じゃないし使うと確約するわけでもないらしいよ。ワシが面白くなりそうと思ったものをピックアップするのん。あというて所詮武器だから使ったとしてもそんなに目立たないかもしれないね。
以下のテンプレートを使用し、書き込んでくれよ。
《作成時の注意点》
・エアレイダーは描写の都合上、空爆要請(爆撃機)は滅多に使用しません。「戦車・ヘリ・各種ドローン・支援設備」などに限定。
・過剰な万能兵器は威力を調整して描写。
——【コピー用テンプレート】——
【武器名】
【装備可能兵科】
【武器種】(例:アサルトライフル、近接打撃兵器、ガンシップ要請など)
【性能・運用方法】
(どのような攻撃を行うか、威力、射程、命中範囲などの特徴)
【欠点・リスク】
(例:リロードが異常に遅い、使用中は移動不可、誤爆のリスクが極めて高い、エネルギーを全消費するなど)
【フレーバーテキスト】
(武器の背景設定、EDF開発部の狂気、注意書きなど)
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《投稿例》
【武器名】AF100-ブラッドバス
【装備可能兵科】レンジャー
【武器種】特殊アサルトライフル
【性能・運用方法】
秒間100発という狂気の連射速度で特殊徹甲弾をばら撒く。面制圧力と装甲貫通力に優れ、群がる巨大生物を文字通り挽肉に変える。
【欠点・リスク】
反動が常人の骨格では耐えられないレベルであり、射撃中は全く身動きが取れない。また、銃身が異常な熱を持つため、撃ち尽くした後の冷却(リロード)に膨大な時間を要する。
【フレーバーテキスト】
「前線の兵士から『弾幕の壁を作れる銃が欲しい』と要望があった。我々天才開発チームは、歩兵に持たせる機関砲(ガトリング)を作ることでそれに応えた。腕の骨折? それは医療班の仕事だ」 - 172二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 00:18:13
これって使わせたいキャラを指定しても良いタイプ?
- 173EDF ◆GUGLV24g4w26/03/20(金) 00:19:16
はい!いいですよ!ただしそうすると物理的に使用できなくなる可能性があルと申します
- 174二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 00:21:07
【武器名】ギャバリオントリガー
【装備可能兵科】フェンサー(というかギャバン専用…)
【武器種】ビームライフル
【性能・運用方法】
ギャバン専用の特殊宇宙銃。
銀河連邦警察の厳格な管理下に置かれ、宇宙刑事ギャバンにのみ所持と使用が許可されている。
ギャバンシステムを搭載した武装で蒸着には不可欠
蒸着完了と同時にギャバンシステムは完全起動状態へ移行し、戦闘中はエモルギアを入れ替えることで、各種能力や必殺技「エモーショナルバースト」の発動が可能となる。
https://www.tv-asahi.co.jp/RED/gavaninf/item/
【欠点・リスク】
銀河連邦警察から怜慈が持ち込んだものでかつ専用なので他の人には扱えない
【フレーバーテキスト】
上記の通り銀河連邦警察から持ち込まれた武装
そのオーバーテクノロジーっぷりにEDFの技術者連中は沸き立ったとか
- 175二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 10:17:06
保守いるっスか?
多分気づいてないマネモブもいそうだけど - 176二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 14:15:45
- 177二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 14:32:32
【武器名】
GS-03 デストロイヤー
【装備可能兵科】
フェンサー
【武器種】
近接打撃兵器
【性能・運用方法】
腕に装着する刀剣型の武器。エレクトロエンジンが電気を振動波に変換し、超振動コイルを通じて伝導することでジュラニウム合金・グレード10製の刀身が1分間に200万回振動し、超高周波を発生させ鉄骨をも一撃で両断する。至近距離で威力を発揮する。
【欠点・リスク】
射程は非常に短いため、相手との接近は不可避。また、兵器自体の重量で狙いがつけにくい。
【フレーバーテキスト】
本来ならば瓦礫撤去に使われる工具であったか、オーバースペックとみなされ計画は凍結された。しかし瓦礫以外に“撤去すべき障害物”のために再始動。洞窟を進むフェンサーたちのお守りとなった。 - 178二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 15:01:07
【武器名】 クロースリケン
【装備可能兵科】レンジャー
【武器種】手裏剣
【性能・運用方法】
卍の形をした手裏剣。ただの手裏剣とは異なり、鉤爪で相手に深く刺さる。そして大爆発を起こす。
【欠点・リスク】
取り出す際に引っかかる。表裏を間違えるとコンプライアンス上かなりの問題になる。
【フレーバーテキスト】
ネブカドネザルを納入する際にヒトデヒットラーを見てしまったオムラのネオナチ系ニンジャが開発したスリケン。コンプラ遵守のために表裏を偽って申請した。モーター理念に合わない小物の開発だったが、ネブカドネザルの追加兵装としての有用性もアピールした結果、奇跡的に通った。 - 179二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 21:24:29
書いてから思ったけど装甲服っていいんスかね しかも意外と武器が上で出てる…
まあスレモブがピックするかどうかだしええやろ
【武器名】G3-X
【装備可能兵科】フェンサー
【武器種】特殊装甲強化服
【性能・運用方法】
特殊装甲強化服の完成版。理想的な攻撃方法を装着員に促す高度なAI機能と、装着員の体格に合わせて自動的にサイズ補正を行うオートフィット機能が搭載されている。
主力武器として1秒間に30発もの特殊徹甲弾を発射するガトリングガンGX-05〈ケルベロス〉を装備しており他にも近遠揃った武装を装備している。
【欠点・リスク】
AIからの指示に抵抗する動きを試みると、その分だけ身体に負荷・衝撃がかかって装着員の体力を消耗させ、更に無理を続けると筋肉断裂などの深刻なダメージとして跳ね返ってきてしまう。
【フレーバーテキスト】
最高傑作と呼べる出来であったが完璧すぎて装着者の負荷を無視した出来になってしまっている。
人間の可能性を信じるのは良いがやりすぎである。最終的にAIレベルを落とす事でバランスを取る事になった。 - 180二次元好きの匿名さん26/03/20(金) 21:46:16
【武器名】キャリバン武装救護車両
【装備可能兵科】レンジャー、エアレイダー
【武器種】ビークル
【性能・運用方法】
天井に複数台のセントリーガンが搭載されたキャリバン救護車両
戦場の真っ只中に突入し、孤立した人員の救助、あるいは簡易救護拠点になる
【欠点・リスク】
あくまでも搭載武装は自衛用であるため、前線を張れるほどの火力は無い
【フレーバーテキスト】
宇宙からの侵略者が再びやってくる前、内戦国でテロリスト相手に力を振るっていた頃に現場で編み出された
『天井にZE-GUNシリーズ、場合によっては指向性地雷のインパルスを側面に設置して突撃する』という戦法を正式に採用した結果生まれたビークル。
運用上、被弾リスクが非常に高い為、通常モデルのキャリバン救護車両よりも加速・最高速度・ブレーキ・方向転換の性能が高い
w.atwiki.jp - 181二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 07:27:19
【武器名】コメットスター
【装備可能兵科】エアレイダー
【武器種】誘導兵器
【性能・運用方法】
ライサンダーの弾速並みの速度で目標に向かって飛んでいくロボットボム
外装には敵の輸送船の装甲を使用しており、実質ルンバサイズの砲弾が超高速で飛んでくるようなもの
【欠点・リスク】
素材に敵の物資を利用しているので、そんなに製造されていない
【フレーバーテキスト】
無駄に速いだけのロボットボム『スピードスター』を、ゴームズがちょろまかした敵輸送船の装甲で改造した兵器
なお敵輸送船の装甲という貴重なサンプルを勝手に使ったということで、結構なお叱りをゴームズは受けた - 182二次元好きの匿名さん26/03/21(土) 12:59:58